今月からトップページに今年7月に公開される映画「エルヴィス」の予告編動画が貼り付けられたな！3分ちょっとの短い映像じゃし、本編未収録のシーンも挿入されておるかもしれんが、本編のクオリティの高さを期待出来そうな予告編じゃ！映画館で観るのが楽しみじゃってそれまで帰国出来るかどうか（トホホ）。
実はわしゃ～この日本語版予告編が公開される前から100回近く英語版の予告編を観ておったが、日本語版を観て唸ってしまった。日本語字幕のセンスが素晴らしい～のである！

オープニングで“サスピシャス・マインド”の印象的なパートをBGMに、パーカー大佐役のトム・ハンクスのゆったりとしたナレーションが入るな。その字幕は
「俺がエルヴィスを殺したって言いたいんだろう？」
これな、ナレーションを直訳すると、こんな感じになる。
「世間では、私を悪党だと思っている人がいる」

BGMの「サスピシャス・マインド」ではエルヴィスがこう歌っておる。
♪～愛を大切にしていこうよ～♪
♪～素晴らしいことを殺す様なことはするべきじゃない～♪

分かるかの？BGMの歌詞、エルヴィスと大佐との複雑な関係性、そしてトム・ハンクスの語り口調の真意まで束にして考慮された上で「俺がエルヴィスを殺したって言いたいんだろう？」と訳されておるんじゃ。

デビュー直後のエルヴィスがライブでの歌い出しに躊躇する時の観客からの野次の訳もいい。
「髪を切れよ、女か！」
ここは直訳すると「髪切れよ、キンポウゲちゃんよっ！」。キンポウゲ（Buttercup）とは、愛すべきカワイコちゃんっつう南部の俗語じゃけど、男に対して使われる場合は「ヘナヘナ野郎」みたいな表現なんじゃ。エルヴィスの歴史をよく知っておる方が訳したことが分かる！

洋楽ミュージシャンやアーティストの伝記映画って、1990年頃を境にしてクオリティが格段にアップした。その反面、そのグッドクオリティを台無しにしていたのが、日本語字幕。本当に酷過ぎた！英語が得意だろうが苦手だろうが、ファンならば呆れてしまうような誤訳だらけじゃった。これがDVD収録用になると、字幕担当者が変わるのか、更に酷くなっておった。しかしわしなんか日本語字幕無しではストーリーが半分程度しか理解できないから、どうしても字幕は必要・・・。

「エルヴィス」予告編、特に最初の15秒に字幕センスの素晴らしさが凝縮されとる！エルヴィスを“知っている”方が仕事をされておる。本編の字幕担当者も同一人物であることを望むばかりじゃ。