ハロ～諸君！毎度毎度、この番外編を書く時に過去のThe-Kingページをざっと見直すのが習慣になっておるが、8鉄センセーもアタシャさんも、自虐ネタの使い方が上手ですな～。経年劣化した身体や感性が引き起こす日常のずっこけぶりがお笑いセンス満載で書かれておって、ホントあのセンスが羨ましい。わしがそれをやっちゃうと、読み返してみたらどこか悲壮感が漂っておるように感じる。これじゃあ、他人様の笑いを誘えんわな！

抜け毛切れ毛、カスミ目、下っ腹のデブリ、腰痛、肩こりなどなど、わしは自虐ネタに出来る症例の宝庫じゃが、近年もっとも気にしておるのは「一度会った人の顔を覚えられない」じゃ。これに秀でている人は一種の特殊能力の持ち主だとは思うが、ゲストハウス勤務時代は結構冷や冷やした。
「僕、半年前に2日だけ泊まった〇〇ですけど」と言われても思い出せない・・・「えっ？あっああ、お客様は背が高いので覚えていますよ」とか「も、もちろんです。今日もジーンズの履き方がカッコいいですよね」とか褒め褒め作戦に転じて誤魔化しておったが、内心は「わし・・・ちょっとヤベエかも」って穏やかじゃない！

実は、一度会った人の顔を覚えていられるという点で非常に優れているのがタイ人なのじゃ！彼らと接していると、時々自分の記憶力の劣化がほとほと嫌になることもある。
先日酒好きの知人が日本からやって来て、終電間際に「もう一軒だけ行こう」となり、数年前に旅の途中でバンコクに立ち寄った際に一度だけ行った小さなバーにお連れした。店に入った途端にガールズバーに変わっていたことが分かってご遠慮しかかったが、4年前はただの従業員だった女性がママになっていて引き留められた。
このママは結構な美人さんなのでアタマワリーわしもさすがに忘れてはいなかったが、彼女はわしのニックネームや当時の宿泊先、仕事までストーカーなみに覚えておったから驚き！（LINE交換なんてしてなかったぞ！接客業においてお客の顔を覚えるのは鉄則じゃが、一度だけ来たお客の個人情報まで覚えているタイ人には結構出くわすもんであり、この晩はママの記憶力の良さを褒めたたえて勧められるがままにボトルを入れるしかなかった！(笑)

わし：「なんでそこまでお客さんの事を覚えているの？」
ママ：「分からないわ。多分・・・」
わし：「多分なに？」
ママ：「あんまりお酒飲まないからかな？」
わし：「どういうこと？お客さんと一緒にお酒飲むのが仕事でしょう？」
ママ：「お酒飲むとトイレが近くなるし、そこでお話が止まるし、動いているうちにお話忘れちゃうし」
わし：「（そういう事・・・なのか？・・・）」

わしの記憶力の酷さの原因が分かったような、そうでもないような・・・とか思いを巡らせながらも、「いや、普段は部屋で安酒ばっかり飲んどるのが悪いんじゃ。いい酒飲めばそんなことはなくなるはず」って自分自身のアタマの劣化を認めようとしないわしは、やっぱりジジイじゃわい！
更にその後にもう一軒行っちゃった馴染みのカクテルバーのバーテンダーさんのご見解に、わしは完全に逃げ場を失っちまった。フローズン・ダイキリやギムレット等のわし好みのカクテルを高級ブランドの原酒で作ってくれるバーテンダーさんは「ベースの酒が違うストロング系カクテルを何種類か飲むと、話したことを忘れる人が多いみたいだよ」と。酒の良し悪しは関係ないようじゃ！とりあえず皆様、お酒はいい酒を適量に飲みましょうね！（説得力ゼロ！　）