ROCK FIREBALL COLUMN by NANATETSU Vol.80

 夏ってのはいろんなお店でいろんなセール・イベントがあって楽しいのお〜♪ 師走のセールは“売り尽くし”のノリがほとんどじゃが、夏のセールには試行が凝らされるておるから見ているだけでも飽きないもんじゃ。 その一方、そんな習慣に左右されることなく、THE-KINGブランドのようにあくまでも製品の魅力を全面に押し出す展開をキープしとるブランド、お店もまた良し! 「おっ、コヤツはブツに自信もっとるなっ!」と足を止めて吟味することも多々あるってもんじゃ。 世の中まだまだホネのあるヤツがおるな!と嬉しくなるのお〜♪
 わしが足繁く通う某大都会のレンタルDVDショップでは、「名作映画のDVD1枚100円セール」を店内で大々的にプロモートしておる。 「ほほぉ〜、あの名作が100円とは太っ腹じゃのお〜」と感心する反面、「待てよぉ〜、あの名作がたったの100円だとお〜?」と素直に喜べない場合もある。 でも値段表示の下の文句がよろしいのっ! 「観てほしいから・・・」 お客様と同じ目線でありたいという、THE-KING同様の真摯な姿勢が伝わってくるようなコピーじゃな。 これならこのわしも1枚100円を許す!ってもんじゃ。
 じゃがどうにも納得がいかんトコもあるな。 ラインナップの中にロック的映画があんまりないゾ、コラア〜! 夏ってのはロックファンがもっとも盛り上がる時期なのに、一体何をやっとるんじゃ責任者呼べっ!と言いたくなるが、その代わりにこの場をお借りして、ロックファンに喜んでいただけそうな「ロック的映画」を100枚セレクトしてしんぜよう! って100枚は多過ぎるから、10枚ぐらいで我慢しておこう。 100枚ってのは、このコーナーの100回記念(今回は80回)のスペシャル企画の候補として温めておくから、今回はその前哨戦じゃあ〜♪ 


研ぎ澄まされた真夏のロックスピリットで観てほしいクール&ホットな「ロック的映画/ロック映像作品」〜前編


ロックの親分ブルースを知れ!編 
 幾度となくこのコーナーでかましておるフレーズじゃが、ブルースってのはロックの親分じゃ。 ブルースを知らずしてロックを語るなかれ!ってのがわしのガンコな持論なので、まずはブルースの真髄をロック・ファンに分かりやすく解説した映像作品からいってみよう。

■work-1 [ロバート・ジョンソンへの旅〜その音楽と人生」
 永遠のブルース・ヒーロー、ロバート・ジョンソン。 多くの謎に包まれたその作品と人生に迫ろうとした作品じゃ。 ロバート・ジョンソンは、今から70年あまりも前(1938年)に毒殺されとるので、本人の映像はもちろんない。 じゃがロバートの残した作品が、何故多くのブルースマンやロッカーたちを惹き付けるのか? その疑問に答えてくれる力作といえるじゃろう。
 ジョン・ハモンドなる白人ブルースマンが、ナショナル・ギターを抱えながら、ロバート直系の黒人ブルースマンや、ロバートにゆかりある面々を訪ね歩くストーリーであり、 「ロバート・ジョンソンこそブルースの原点」と信じるジョン・ハモンドの情熱的な探究心はハンパじゃない。 年老いたロバートのかつての愛人やロバートの子孫を探し出したり、また驚くべき新証言を次々とゲットしていくシーンは圧巻じゃ。


■work-2 「ブルース・オデッセイ」
 ローリング・ストーンズのベーシストじゃったビル・ワイマンがガイド/ナレーターとなって、ストーンズ・ミュージックの土台である黒人ブルースマンたちを懇切丁寧に紹介していく作品じゃ。 これがミック・ジャガーやキース・リチャーズのナレーターだったら話題になる作品なんじゃろうが、なんせ、ストーンズで一番じみ〜なビルが主役。
 でもそこがミソ。 ベーシストとは、聴衆のためというよりも、バンドが始動できるために必要な存在であることを知り抜いておるビルだけに、スター・ロッカーたちがひもとく数多くのブルース紹介作品とは味わいの種類が全然違うぞ! 名声にも富にも老いにも屈することなく、実に半世紀に亘ってストーンズをロックシーンに君臨させることになった“ブルースの魔力”の一端を知ることが出来るゾ!


■work-3 「ザ・ブルース・ムービー・プロジェクト」
 ブルースの生い立ちから、イギリスに伝承されて白人ロッカーを熱中させた60年代中期までの流れを中心に編集された、DVD7枚にも及ぶ貴重なライブ・ドキュメント大全集! 英米からの名映画監督7人が、それぞれDVD1枚分(約100分)において自分の敬愛するブルースマンのドキュメント映画を編集しておる構成じゃ。
 総指揮は映画「タクシードライバー」や「ニューヨーク・ニューヨーク」など名画を数多く監督したマーティン・スコセッシだけに、 ドキュメント作品にありがちな、ファンだけしか喜ばないマニアックな映像集ではなく、鑑賞作品としても十分に楽しめるぞ!
(右の写真は7枚セットになった特別DVDボックスじゃが、単品でも入手可能じゃ。)


 

巨匠監督作品編
 映画界はロック界よりもはるかに歴史が古いので、巨匠と呼ばれる監督も多いもんじゃ。 じゃがエルヴィスの登場以来、アメリカのナショナル・ミュージックとなったロックの本質”を理解しておるメジャー映画の監督ってのは、わしが知っとる限りではり数は少ないのお。 これはわしにとって、いつの日か明かさにゃならん世界七不思議のひとつじゃが、映画界の達人の名誉にかけて(?)ロックの威力とガップリ四つに組んだ監督の代表作が次の3作じゃ。


■work-4 マーティン・スコセッシ監督〜「ラスト・ワルツ」

 スコセッシは、去年の夏にストーンズのライブ・ドキュメンタリー作品「シャイン・ア・ライト」の製作で話題になったが、ベスト・ワークはこっちじゃ。 数多くのゲストロッカーたちが出演した、ザ・バンドのラストコンサートの模様が収録されており、その魅力に関してはこのコーナーで何度も紹介してきたが、あらためて特記したいのは、ライブ映像の途中で何度も挿入される各メンバーへのスコセッシのインタビューじゃ。
 ロックをロックたらしめる様々なルーツミュージックの影響を受けたメンバーから、ロックはどこから生まれて来たのか? ロックには何が出来るか? ロックはどうあるべきなのか?といったすべてのロッカーが認識しておくべきテーマに対するアンサーを引き出す話術はお見事! 何百冊のロック書籍を読むより、我々を魅了して止まないロック・ミュージックの真実を知ることが出来る!

■work-5 フランシス・コッポラ監督〜「地獄の黙示録」
 ドアーズが奏でた超文学的ロックナンバー「ジ・エンド」。 どん底の精神状態に訪れる悪魔的幸福感の絶頂を描いたこのナンバーを、映画史上に残る衝撃的効果をもって挿入したのが「地獄の黙示録」じゃ。 監督のコッポラは、ドアーズのシンガーであるジム・モリスンが学んだ南カリフォルニア大学(UCLA)映画学部の後輩じゃ。
 「ジ・エンド」の他に、「スージーQ /CCR」「サティスファクション/ストーンズ」が映画の中で使用されており、ドロ沼化したベトナム戦争によって蝕まれていく戦士たちの救い難き狂気を、これらのロックナンバーの迫力によって露わにする演出がエグ過ぎる!
 ロックが効果的に挿入された一般映画の古典では、「ボーン・トゥ・ビー・ワイルド」をカッチョいい効果音に仕立て上げた「イージー・ライダー」が名高い。 じゃがこちらは、ロックのもつ負のエネルギーを極限まで利用した映画史上初の作品じゃ。 アメリカは好きじゃが、戦争には行きとうない!


■work-6  ミケランジェロ・アントニオーニ監督〜「砂丘」
 アントニオー二っつう監督は、映画のストーリーよりも映像の衝撃度にこだわっておったイタリアの巨匠じゃ。 映像の印象をパワーアップさせるためにロックバンドのライブやセッションにちょくちょく顔を出し、出演者を物色していたことでも有名じゃった。 お気に入りは本作の前の「欲望」に採用したヤードバーズ時代のジェフ・ベック、またドアーズやストーンズじゃったらしい。 実は飲み仲間を探していた!っつう噂もあるぞ。 ワカル、そのキモチ。
 71年公開の「砂丘」では、体制崩壊を声高に謳いながらも、実生活ではロックとドラッグとセックスに明け暮れるアメリカの若者の自堕落な実態を皮肉っており、BGMとしてピンク・フロイドの楽曲を多用しとる。 ロックをコケしとるのか讃えておるのか、今だによお分からん。 とりあえず、行き詰まった時代の最大の産物がロックであることだけは正しく理解しておる数少ないヨーロッパの映画監督じゃ。



ちょっとマニアック編
 マニアックというよりは、ちょっと頽廃的ムード漂うアブナイ作品も取り上げておこうかのお。 最近のロックは、「元気の出る威勢のいい音楽」みたいにばっかし取り扱われておるが、ロックは栄養ドリンクじゃねえぞ、冗談じゃない! 下手にのめりこめば、その人の人生をも狂わしかねない猛毒がたっぷり仕込まれていたからこそ、50〜70年のロッカーは光り輝いておったのじゃ。 その猛毒を徹底的にあぶり出して絵映像作品にしたのがこれらじゃ。

■work-7 「ニューヨーク・ドール」
 ピストルズやクラッシュよりもずっと以前から存在していたアメリカン・パンク。 最高の人気バンドは、ニューヨーク・ドールズじゃったが、そのドールズのベーシストだったアーサー・キラー・ケインの人生を綴ったドキュメント作品。 今や「アメリカン・ハードコア」と呼ばれて、ロンドン・パンクよりもコアなファンが大勢いるらしい初期のアメリカン・パンク。 中でもドールズってのは、メンバー全員が24時間ロックしとらんと生きていられんようなロック・ジャンキーぞろいだったので、チェックしておいても損はないぞ。
 今や図書館のコピー用紙補充係として細々と生計を立てておるアーサーの姿はあまりにも痛々しい。 ロックの猛毒を全身に浴び続けながらも奇跡的に生き延びたこの姿を、ロックファンの諸君も一度は見ておくべきかもしれんな。 こういう人間もいるのだと・・・。 このわしさえ、酒持参でお見舞いに行くべきか、どうなのか、迷ってしまう。


■work-8 「ワイルド・パーティー」
 わしが個人的に“裏アメリカン・グラフィティ”と呼んでおるB級映画の問題作じゃ。 「アメグラ」の方は50〜60年代のアメリカのヤングカルチャーが徹底的に楽しく明るく描かれておったが、こっちはまったくの正反対。 ロック、ドラッグ、セックスという60年代の新しい享楽にハマりながらミュージック・ビジネスの世界を疾走しようとするギャル・バンドの放蕩と凋落のストーリーじゃ。
 監督はソフト・コア&バイオレンス映画の鬼才ラス・メイヤーだけに、エロくて、グロくて、エグイ映像が多く、家族や恋人と一緒に観る作品ではないが、60年代特有のロックエッセンスはたっぷりブチかまされておる。 ロックの危険な香りにいまだに憑かれていたり、「アメグラ」がおコチャマ映画に思える方は是非ご覧あれ。
 予断ながら、女性キャストはいかにも40年前の女優さんじゃが、これがなかなかイーセンいっておる。 THE-KINGの新作アクセを付けまくってほしいようなクール&ホット・キャットぞろいじゃぞ!
 

ロック・ドキュメント王道編 
 「ちょっとマニアック編」が「ちょっと重苦しい編」になりかかったんで、今回の前編の〆はロック的映画の王道でもあるドキュメント作品の傑作でお口直しをしていただこう。

■work-9 「エルヴィス’56」
 これはもうロック・ドキュメンタリー作品の歴史を変えた名作じゃ! エルヴィスの衝撃性やファンの狂乱ぶりに頼っていない製作方針がスバラシイ! 
 エルヴィスをロッカーとしてよりも、偉大なアーティストとしてとらえ、じっくりじっくりその巨大な才能を露わにしていく構成は、考古学者が古代王朝の実態とファラオ(王様)の実像を明らかにしていく「古代王朝伝説」でも観ておるような厳粛な気分になっていくのお。 ジャケ写のエルヴィスも神秘的な雰囲気をかましており、何百年か先には、当作品は「ロックン・ロール王朝時代とそのファラオ、エルヴィス」とか題されておるんじゃないか(?!)
 当作品が発表された1987年を境にして、ロック・ドキュメントの質は格段に進歩した! やはり原点にて頂点のエルヴィスは、死してなお革命児であり続けておる!


■work-10 「スパイナル・タップ」
 「エルヴィス’56」が王道なら、こちらは大いなる邪道! スパイナル・タップという架空のヘヴィ・メタル・バンドが、ヒッチャカメッチャカなロックシーンの中で七転八倒する姿をコメディにした超娯楽作品じゃ。 こういうのはドキュメンタリーではのうて、インチキメンタリーとかギャグメンタリーとかいうそうじゃ! 
 ガールフレンドにバンドをメチャクチャにされたり、場違いの会場で泣く泣く演奏させられたり、流行の音楽を無理矢理やらされたり等など、一度でも真剣にバンド活動をやったもんなら、全編通して笑いっぱなしかもしれんぞ。 あまりにもリアリティがあり過ぎて、現役のメタル・バンドのスターたちがこれを観て凹んでしまったらしい! メタルが嫌いでも、ロックが好きなら必ず笑える名(迷)画じゃよ。 厳しいロック界の現実を笑わせながら見せるのに、やっぱり実在のロッカーを使うワケにはいかんじゃろなあ。 ならば、このわしに声をかけてほしかった! 


 ひと昔前までは、一般映画の中でモノホンのロックを聞ける作品は稀じゃった。 ビッグ・ロッカー役のキャストも「クリソツさんを探してきました」だけのヒドイもんが多かった。 ドキュメンタリー作品も、ろくに調査もせずに関係者のジコマン・コメントで編集したようなもんばかりじゃった。 わしら世代のロック・ファンは、ロック関連の映像作品には随分と捨て金を使ったもんじゃよ。 

 それが70年代の終わりあたりからか、脚本は別として、ロックやロッカーの映画の中での扱われ方が徐々に真剣になってきおった。 わしが思うに、これもまたエルヴィスが残した偉大なる功績のひとつじゃよ。 エルヴィスがこの世を去り、その損失の巨大さが嘆かれるようになってはじめて、ロックという音楽の魅力がロック・ファン以外にも認識され始めたのじゃ。 ロックとまともに向き合おうとする風潮が強くなったんじゃと思うぞ。 ロックと名の付くものすべて!そのジャンプ・アップをもたらしたのはエルヴィスなのじゃ。
 さて次回の後編では、ロッカーの伝記映画やドキュメント映像作品を中心に紹介する予定なので、、その前に「レディース・ホースシュー・アクセ」を諸君のセクシー・キャットちゃんにプレゼントしてハートをしっかりゲットしておくように! お二人で楽しめる作品をご紹介することを約束しよう!






七鉄の酔眼雑記
 〜ツタさん、恐れ入りました

 先日親しい友人からステーキ肉の差し入れをいただいた。 わしは牛肉よりも断然鶏肉派であり、ステーキなんてもう云十年も食べた記憶がない。 顎の関節や入れ歯が外れないよう、ちゅ〜いぶか〜く噛みしめながら味わったってのは冗談じゃが、やっぱり美味いもんじゃのお〜♪よいお肉さんっちゅうのは! まさかこの年でステーキ狂いになっていくとは思えんが、こうして人様のありがた〜いご好意のお蔭で、この夏ますます生命力がアップしとる七鉄じゃ。

 さて、生命力といえば、身近なところで結構スゲーもんを目撃したのでお話しよう。 わしの住んでおるマンションは築30年とかの古い建物なんじゃが、外壁の一部はツタで覆われておる。 ビルの管理者が手入れをしておる様子はなく、伸びっぱなしのホッタラカシ状態じゃ。 ついに窓を閉めるたびにこのツタを手でどけないと窓に挟まってしまう羽目になったので、先日手の届く範囲のツタをカットしたんじゃ。
 しかし自分の都合で植物をブッタ切ることに少々罪の意識を感じ、部屋の中に緑がないこともあって、カットしたツタの葉の数枚を小さなグラスに水差しにすることにした。 どうせ一週間もすれば枯れてしまうだろうとたかをくくっていたが、驚くなかれ、枯れるどころか、葉っぱの緑は一向に衰える気配はなく艶々じゃし、一ヶ月もするとグラスの水の中で白い根が伸び始めたからビックリ!
 ツタと言えば、有名なのは阪神甲子園球場の外壁を覆うヤツじゃ。 甲子園の開場は今から86年前の大正13年(1923年)であり、あのツタは開場以来ずっと除去されることなく甲子園のシンボルとして生き続けておる。 もちろんわしのマンションとは違って、丁寧な管理がされとるじゃろう。 しかし目の前にある小さなツタの葉っぱの逞しい生命力を毎日見とると、甲子園のツタの葉っぱの中には86年前から枯れることなく生き続けておるものもあるんじゃないかと思えてきたのじゃ。
 これはひょっとして、わしの部屋の小さなツタもわしなんかよりもはるかに先が長いんじゃないかと、少々畏怖の念をもって見つめておる毎日じゃ。 僅かな水だけで生命を紡ぐこのパワー、まさに仰天なり!じゃな。 健康維持のためには、新鮮な緑黄色野菜の摂取が必要とは言われるが、わしは身近な緑色植物によって、視覚から健康をいただいた気分じゃ。 あ〜わしも酒とロックさえあれば何も要らんようなシンプルな人生を送ってみたい!

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