ROCK FIREBALL COLUM by NANATETSU Vol.65

 見たか! 聞いたか!! THE-KINGのニューアイテム、ホワイトのバックスキンシューズ!!! 年の最後にビシッとキメてくれたわい。 わしと諸君の輝かしい未来への道程を歩むためには申し分のない出来栄えじゃ。 ボディのホワイトとインサイド・レッドのコントラストがまた眩しすぎる! 
 うむ、曲名世界旅のラストスパート、ニューヨークへの道もこれでキメることが出来たら最高じゃな。 これを見せられて胸が躍らんロッカーなんぞはいないはずじゃ。 「♪〜キミワヤッパリコナ〜イー・・・」とか甘っちょろいクリスマス・ソングなんざ聞いとる場合じゃないぞ! まあわしはタツロウ殿のポップセンスは買っとるがな・・・。
 アメリカ大陸横断の旅も、いよいよ今回でクライマックスじゃ。 愛しのメンフィス・テネシーに別れを告げて、いよいよ東海岸へ向けて出発じゃが、 大陸中央部と南部でカントリー気分にどっぷり浸った後は、頭ん中を切り替えて頂きたい。 東海岸はまったく別の国といってもいい所じゃ。 バックスキン・シューズでいざ出陣!


ロック曲名世界旅/ロックとポップスに描かれた世界の都市〜その4 アメリカ編(後編)
 

♪tune-1 ブルームーン・オブ・ケンタッキー//エルヴィス・プレスリー
♪tune-2 雨のケンタッキー/エルヴィス・プレスリー

 東海岸へ向かう前に、ちょとメンフィス・テネシーが名残惜しいので、お隣のケンタッキー州に寄り道していこうかのう。
 我らがキング・エルヴィスには、ケンタッキー賛歌が2曲あるし、わしはフライドチキン大好きじゃしな! どちらのナンバーも古いカントリー・ソングを見事に自分の歌として昇華させておる! 「ブルームーン・・・」の方は、オリジナルのビル・モンローのヴァージョンもわしは大好きじゃが、ほにゃらか〜と進行するあのノリは、バーボンがすすんでしもうて、ありゃ〜いかん! 旅にならんからやっぱりここはエルヴィス・ヴァージョンじゃ。 「雨のケンタッキー」の方はしっとりアダルトなヴァージョンで楽しんでみよう。
 



♪tune-3 オー・アトランタ/バッド・カンパニー
♪tune-4 わが心のジョージア/ザ・バンド

 70年代の人気ブリティッシュ・ブルース・バンド、バッドカンパニーが唄ったこのナンバーは、「これから故郷アトランタへ帰るぜ、ィエイッ!」ってなハヤル気持ちを抑えきれないような軽快で豪快な一曲。 イギリスのバンドとは思えない、演奏もハートも見事なアメリカンナイズっぷりで誠に恐れ入る! ジャズ生誕の地と言われ、黒人音楽の聖地アトランタには、国籍、血統なんぞを越えてミュージシャンのスピリッツをひとつにするパワーがあるんじゃろうな!

 一方「わが心のジョージア」は、アメリカの歴史的なポップスの作曲家ホーギー・カーマイケルの代表曲じゃ。 数多くの名シンガーたちに限りなくカヴァーされておるので、エピソードには事欠かないこのヴァージョンをご紹介しておくぞ。
 1977年、アメリカ建国200周年の翌年、ご当地ジョージア州出身のジミー・カーター氏が第39代アメリカ大統領に就任したが、その大統領選挙のカーター氏応援歌として収録されたのが、ザ・バンドが奏でるこのヴァージョンじゃ。



♪tune-5 スイート・ホーム・シカゴ/ブルース・ブラザース
 いつまでも南部にしがみついていては話が進まんので、この際一気に飛行機で北上してしまおう! 悪いがわしはファースト・クラスじゃ! キング・オブ・ブルースのロバート・ジョンソンがレコーディングした都市、そうブルース第二の故郷シカゴへ行くぞ。 この街を象徴するナンバーはこれでキマリ! ロバート・ジョンソンからエリック・クラプトンまで、ブルースマンを名乗るミュージシャンでこの曲を演奏したことのない者はおらんじゃろう。
 とはいえ、ブルースの源流であるミシシッピーはもう後にしてきたので、ここは現代人らしく(?)サラリと軽快にキメるためにブルース・ブラザースのパフォーマンスを楽しんだ後は、バックスキン・シューズの手入れをしてから次の土地へ進むとするかのお。


♪tune-6 デトロイト・ロック・シティ/キッス
 シカゴのあるイリノイ州の北側ミシガン州デトロイトは、アメリカ一自動車産業が盛んな大工業都市じゃ。 そして音楽はなんつたって「モータウン・サウンド」発祥の地じゃ。 あんまりロックが入り込む余地はなさそうじゃが、70年代中期にこの地からブレイクしてきおったのはキッスじゃった。
 「モータウンの街からハードロックだとお?」と当時わしもびっくらこいたが、彼らは同期のエアロスミスとともに今だに現役バリバリじゃから恐れ入る。 このナンバーは「デトロイトにもロックあり!」と認めさせたデトロイト賛歌ロック版じゃ。 99年にはこの曲をモチーフしたロック映画を公開されたな。


♪tune-7 マサチューセッツ/ビージーズ
 松坂大輔君の在籍するレッドソックスのボストンを州都とするのがマサチューセッツ州じゃ。 イギリスのグループであるビージーズが、なんでまたマサチューセッツ?と思われるじゃろうが、別に恨みがあった訳ではないぞ。 
 この曲が発表された60年代中盤は、東海岸の学生さんたちが、ヒッピーライフに憧れてヒッチハイクでシスコへと横断するのが大流行した頃。 でも時折故郷が懐かしくなって東の方を振り返ってしまう・・・という曲なんじゃな。 人気が出てきてアメリカに渡ってきたビージーズが、学生たちと自分たちの心情を重ね合わせて歌ったという訳じゃ。 



♪♪♪ ちょっとブレイク

 さて、いよいよ終着点のニューヨークが近づいてきよったぞ。 まあまあ、ハヤル気持ちを抑えていただくために、ショートコラムを一筆。
 マサチューセッツ州の州都ボストンを名乗るバンドが、70年代に表れて大人気を博したことを覚えとる古いロックファンもおるじゃろう。 このボストン、その安易なバンド名に批難が集まるかと思いきや、実はミョーなところで話題となったのじゃ。
 それはギタリストのトム・ショルツが、技術工学系の天才児たちが集まることで世界的に名高いマサチューセッツ工科大学(通称MIT)の卒業生だったことじゃ。 MITからロッカーが出た!っつってアメリカのメディアは大騒ぎ! それは“ロック・イコール・不良少年”という絶対の図式が根底から覆されたロック史上に残る事件だったのじゃ! ん? 待てよ、ということはじゃなあ〜、エリート諸君も堂々とTHE-KINGでお買い物が出来るということが、今判明したのであ〜る!



♪tune-8 ウッドストック/クロスビー・スティルス・ナッシュ&ヤング

 ウッドストックといえば、ウッドベースの在庫ではあるまい?! 1969年の伝説的大野外コンサートの開催地じゃ。 さぞド田舎だと思っておる方も多いじゃろうが、実はニューヨーク市から丸一日車を飛ばせば行き着く場所に位置する大平原じゃ。
 このナンバーは「ウッドストック・フェスティヴァル」を讃えたものではなく、当地の情景を詩情豊かに歌ったものじゃ。 原作のジョニ・ミッチェルのヴァージョンより、クロスビー・スティルス・ナッシュ&ヤングの方がロックサウンドが炸裂してカッコええぞ。


♪tune-9 フィラデルフィア・フリーダム/エルトン・ジョン
 ニューヨークに着く前にちょっと余裕で回り道していこう。 ベースボール発祥の地であるフィラデルフィアじゃ。 野球賛歌でもあるじゃろうと思うとったが、意外とパッとせんな。 当地のメジャーリーグ・チームであるフィリーズは、今年こそワールド・チャンピオンになったものの、メジャーリーグ史上最初の通算1,000敗に達したチームじゃし、それも無理もないか。
 代わりにテニス賛歌があったぞ。 70年代にヒットチャートを荒らしまくったエルトン・ジョンのナンバーワンヒットのひとつがこれじゃ。 60〜70年代に大活躍した女子テニス選手ビリー・ジーン・キング夫人が結成した団体「フィラデルフィア・フリーダムズ」の応援歌じゃ。 
 ついにニューヨークに到着じゃ! ここには夢も希望も音楽も酒も、いやいや、自分が探し求めている“何か”が必ずある!と信じられてきたエンターテイメントのメッカじゃ。 タマムシ・ナッソーを羽織る時がきたぞ! まあ日本でもええぞ。 そう実際にニューヨークに行った時のことを思い描いてTHE-KINGのアイテムをリストをチェックして全身をコーディネイトしてみるってのも楽しいもんじゃよ。
 さてニューヨークほど曲の題材にされてきた都市はないじゃろう。 曲数は断然世界一じゃ。 何を選び出すか、これはもうその時の気分次第! 機会があったら「ニューヨーク音楽大全集」でもやってみたいので、今回はそのご挨拶としてこの5曲じゃ。

♪tune-10 ニューヨーク・ニューヨーク/フランク・シナトラ
♪tune-11 ニューヨーク・シティ、お前は女だ/アル・クーパー
♪tune-12 ニューヨーク物語/ビリー・ジョエル
♪tune-13 ニューヨーク・テンダベリー/ローラ・ニーロ
♪tune-14 ニューヨークの夢/ポーグス

 まずエルヴィスの大先輩に当たるシナトラ御大に敬意を表して、「ニューヨーク・ニューヨーク」からいこう。 これは同名映画の主題曲として77年に大ヒットして、今やニューヨーク賛歌の代名詞であり、ヤンキースタジアムではプレー前に必ず場内に流されるナンバーじゃ。
 
  ニューヨーク・シティ、お前は女さ」は、ニューヨークという得体の知れない魅惑的な都市を魔性の女性に例えて、切せつと、そしてドラマチックに描いた同名アルバムのタイトルナンバー
 アル・クーパーはかつて「ロッケストラの名手」と称されたほどのロックとオーケストレーションを融合させる天才じゃった。 またニューヨークにおいて数多くのミュージシャンとセッションを繰り返しながら、この街に潜む音楽の魔力を引き出すことにとりつかれていたロック界の元祖・ミスター・ニューヨークじゃ。
 「ニューヨーク物語」は第2代ミスター・ニューヨークであるビリー・ジョエルのメジャー・ブレイク前の代表曲。 転がり続ける人生を象徴したようなイントロのピアノのローリング、夢を忘れられない者の情緒をかきむしるようなクライマックスのむせび泣くサックス、数限りないニューヨーカーたちが涙を流したナンバーじゃ。

 ビリー・ジョエルが音楽界の「ミスター・ニューヨーク」なら、わしにとっての「ミス・ニューヨーク」は故ローラ・ニーロ嬢じゃ。 “本当のニューヨークは、寒くて孤独で死んじゃいそぉ・・・でもワタシはこの街に恋している・・・死ぬまで”といった、それまで誰も歌わなかったニューヨークの裏側の真実を狂おしいまでに歌い上げたアルバムのタイトル・ソング「ニューヨーク・テンダベリーじゃ。 胸がつぶれそうになる、あまりにも哀しいニューヨークへのラブソングじゃよ。
 
 そしてアイルランドのバンド、ポーグスの
「ニューヨークの夢」。 厳しい現実を強いられるアイルランド移民たちのニューヨーク生活の心情が描かれた男と女のデュエット・ソングじゃ。 
 「アタイの人生を滅茶苦茶したわね、このケチなホモ野郎!」「けっ、クスリ漬けのクソアマがなにをヌカしやがる、ドアホッ!」なんてののしり合いながらも、最後は二人でなんとかクリスマスを迎えられるっつう小さな幸せを確かめ合う異色のクリスマスナンバーでもある。



 ロックサウンドに描かれたアメリカ大陸横断の旅も、これにて終了じゃ。 皆の衆お疲れ様じゃった!そしてメリークリスマス!! THE-KINGへのクールなオーダーも済んだことじゃろうし、お後はニューヨーク気分もミックスしながら、まずはホワイトとタマムシのブツをゲットするように!

 何でも、偉いお坊さんが書いた今年を象徴する文字は「変」なんだそうじゃ。 わしはてっきり、これは“へん”と読んで“おかしい”とか“ミョーだ”とかいう意味だと思っておったが、実は“変わる”ってことらしいな。 失礼しました〜ガハハ、ではないっ! そんな簡単にこのわしが変わってたまるか! わしや諸君のロックライフは永遠に変わることはない! こんな気概を胸に秘めて来たるべき新年を迎えたい!
 今年も、よおお付き合い下された。 心より御礼申し上げる。 来年もこの老いぼれロックジジイのファイヤー・コラムをよろしくお願いしたい!



七鉄の酔眼雑記 
 
  

 「男の隠れ家」―わしの大のお気に入りの雑誌が廃刊に追い込まれてようとしておる。 悲しいのお、今年に入ってからこれで愛読雑誌が3種類も姿を消すことになった。 これも不況の煽り、ネット社会の煽り、時代の移り変わりってやつじゃろうが、わしはどうも納得いかんな。
 例えば、80年代の後半にFM雑誌が将棋倒しのごとく、次々に廃刊になった。 娯楽提供という部分においては、もはやラジオは役不足、機能不全になってしまっていたから、こういう時代の流れというものは諦めるしかない。
 しかしネット依存過多状況に、雑誌が煽りを喰らうのは盛者必衰の法則をもってしても好ましくないじゃろう。 ネット情報は人々に情報を得るきっかけを与え、書籍は情報の質を深める、っつう棲み分けがあるのが正しい。 この深い情報の提供ということでは、男のこだわりの店、アイテム、旅を扱う「男の隠れ家」は、わしとしては申し分のない雑誌だったんじゃがなあ・・・。

 「いやあ〜みんなネットで情報を集めてさ、あとは自分のフィーリングで情報を選ぶ時代だよ。 雑誌なんかあんまり当てにしないぜ」とわしの前でのたまわった若モンが何人かおった。 その時はグッとこらえたんで、その時わしが言いたかったことをこの場で暴露してしまおう。
 「ほほ〜お、そうかい。 そんなら自分のフィーリングとやらで選んだもんが×だったら、「あそこはサイテー」「なんだありゃあ」とか上から目線で非難するでない! 相手を責める前に、自分の詰めの甘さを反省しなさいってなもんじゃ、ドアホッ!

 歳を取るということは、世の中の動きと自分の感性とのズレを、年を追うごとに益々大きく意識することだという。 その法則からいったら、わしなんか学生時代からそのズレを感じとっていたから、既に実年齢をはるかに越えて150歳ぐらいになっているとしてもおかしくない訳じゃ。 しかし150歳だとしても、ロックはサイコーだし、酒はイケるし、幸せなジジイじゃな、わしは。 これもTHE-KINGとTHE-KINGを愛する諸君のお陰じゃ。 心からお礼を言うぞ!
 今年一年もすっかりお世話になったな、ありがとう! お互いに時代性がどうしたとか気にすることなく、来年も我々が信じるロック道をTHE-KINGとともに突っ走ろう! 進むべき道は自分自身で切り開くもの。 世の中がどーしたあーしたは、ロッカーにはカンケーネー!でいこう。

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