ROCK FIREBALL COLUM by NANATETSU Vol.55
東京の今年の夏はムシ暑いのお〜。 だからこそビールはウマクなるし、ロックはサイコーになるし、そしてTHE-KINGはまたまた切れ味スルドイ新作を発表しおったし、いやあ〜若返る、若返る!って勝手に思い込んでおったら、暇つぶしに受けた健康診断で予想外の結果が出てしもうた。 詳しい検査結果なんざはどうでもええが、要するにガソリン大量摂取による若干デンジャラスな数値が2、3出てしもうたんじゃよ。 ついにきたか!ってとこじゃが、そんなんで今更ひるむわしではないぞ。 しかし「アンタいい加減に酒かロックかタバコかネオン街(大きなお世話じゃ!)か、どれかひとつでも止めないと寿命が縮まるよ」と掛かり付けのドクターに忠告されてしもうた。 さらにもう一言。 「自分の身体を労わるってのは、現代ではセルフコントロールといってイキなことなんだよ七鉄さん」ときおった。 「ヤロウ〜このヤブ医者めっ。 わしを納得させるツボを心得ておるな!」とノセられているのは分かってはおるが、“イキ”といわれりゃ無視する訳にもいかん。 しかし好きなもんを突然止められる性分ではないんで、今年の夏はちぃ〜とばかり自分を癒すブツを探してみることにした。 わしのいつも変わらぬハイテンションが、時として諸君に迷惑をかけているかもしれんので、たまにはヒーリング・コラム(癒しのコラム)的なヤツでクールダウンをご提供するとしよう。 諸君の心身のご健康を祈って! ◆暑中お見舞い申し上げます◆ ロック・ライフに疲れた時にお勧めしたい“癒しのアイテム” |
まず最初にお断りしておくが、“癒しのアイテム”といっても、ミョーな健康器具やら珍しい小動物ちゃんやらを紹介する訳ではないぞ。 いや実を言うとだな、ジョーク半分で「ロック版癒しのグラビア・アイドルちゃん特集」でもやってみたかったんじゃが、「好色ロリコン・ロックジジイ」なんて噂が立ったら質実剛健たるTHE-KINGブランドに申し訳が立たんし、マーガレット嬢(久々のご登場!)にまたまたあらぬ誤解を生んでもつまらんので、あくまでもロック的アイテムでいくぞ。 ●CD● ♪〜心優しくも物悲しいメキシカン・サウンドによるモダン・ブルース 「デスぺラード」 「レジェンド・オブ・メキシコ」 「メキシコ・アンド・マリアッチ」 まずは音楽じゃが、キング・エルヴィス、プリンス・コクラン、大アニキ・ヴィンセントらの大御所を封印してしまうのは、わしにとってはすべての生甲斐を捨ててしまうようなものじゃ。 そのフラストレーションを多少なりとも解消してくれるサウンドはないもんかの〜と必死にレコード・コレクションを漁っておったところ、割とイイ感じのヤツが見つかった。 映画「デスぺラード」とその続編「レジェンド・オブ・メキシコ」のサントラ盤じゃ。 さらにこの盤に収録された楽曲の類似曲を集めた「メキシコ・アンド・マリアッチ」。 いずれもベーシックなサウンドはメキシコの民族音楽ともいうべき「マリアッチ」。 フラメンコとカントリーを合体させたような適度にエネルギッシュでエモーショナルなラテンミュージックじゃ。 これら3枚のアルバムは、そのマリアッチをブルース・ロック調に仕立て直したともいうべき味わい深いサウンドじゃ。 ロックファンに軽い興奮を呼び起こすであろうサントラ界の隠れた名盤じゃよ。 サントラ盤ってもんは、映画を観ておかないと案外つまんないもんが多いが、こいつらはミュージック・アルバムとしても高い完成度じゃ。 ロス・ロボス、サンタナ、ダイアー・ストレイツといったロックファンにも名の通った有名どころから、日本ではほとんど無名のバンドまでがラテン・ロック的モダン・ブルースをひっそりと、それでいて確実にキメておる。 ディープなフレンドもハードリキュールもキレイどころも抜きにして、ナッソーでも羽織ってリラックスしながらしっとりと聞くにはええぞ。 お馴染みのロックサウンドに多少疲れた時なんかは、とても耳に優しいサウンドなんでぜひご一聴あれ。 ●BOOK● ♪〜ジャケット・デザインとそのパロディーを楽しむ“お気楽極楽”の一冊 「レコジャケ・ジャンキー」 次に書籍じゃ。 今年は4年に一度のオリンピック・イヤーなんで、この際ダジャレ的なノリで、今まで何度トライしても瞼がおも〜くなってしまう「五輪書/宮本武蔵」にでも挑戦したいところじゃが、やっぱりわしは厳しい精神論が苦手なタチなんでパスってことで、単純明快にビジュアル的に楽しいものを探しておったところ、ええのが見つかった! デザインが優れたロックやブルースのレコード・ジャケットのコピー、もしくはパロディばかりを集めた一冊じゃ。 名盤紹介の類は多数出ておるが、ジャケットだけに焦点を絞った本はなかなかお目にかかることがないので存在自体が貴重じゃが、とにもかくにも遊び心満載のサイコーに笑えて和める一冊じゃ。 サウンドのウンヌンカンヌンは一切関係なくセレクトされておるから、「これは聞いてみようか」といった別の欲望が刺激されることもあまりなく、ビジュアル効果に徹した癒しのロック本として最高峰の存在じゃ。 ♪〜アメリカン・ロックの“もうひとつの顔”が分かる作品ガイド 「アサイラム・レコードとその時代」 アサイラム・レコードとは、70年代にアメリカン・フォーク・ロック的なサウンドを奏でるミュージシャンを多数抱えておった名門レーベルじゃ。 有名どころではイーグルス、ジャクソン・ブラウン、わしの愛しのリンダ・ロンシュタッド嬢らが在籍しておった。 アサイラム・レコード全体のサウンドカラーは、まさに癒しそのものじゃった。 50〜60年代と急激な進歩を遂げて巨大な文化となったロックの精神性が崩壊し、シーン全体がエンターテイメント業界に飲み込まれてしまった後のロッカーたちの虚無感、挫折感、絶望感をすくい上げたような儚い美しさに彩られておった。 この本はそんなアサイラムレコードに在籍した優れたミュージシャンたちの哀悼書的な紹介本であり、ロック本来のもつダイナミズム、エネルギーとは正反対の魅力でファンの心をつかんでいったミュージシャンたちの真髄を探る心温まる一冊じゃ。 レーベルや所属アーティストの知識がなくても、ロックの魅力の裏側、隠れた歴史、アメリカ社会とロックとの日本人の知らなかった関連性がよく分かるぞ。 ●DVD● ♪〜「あの頃ヤツらは僕らの大切なものを奪おうとした。 だから僕は自分の笑い声をいつまでもヤツらに聞かせてやりたいのだ!」 (村上龍) 「69 sixtynine」 村上龍の同名小説の映画版。 村上氏本人の高校時代の思い出を綴ったセミドキュメント映画であり、ロック、文学、ファッション、反体制的行動など、高校生たちが興味ある対象に真っすぐに向かっていく眩しいばかりの姿が活写されており、そのエネルギーの原点は“かわいい女の子たち”という設定が素直であけっぴろげでスバラシイ! それを邪魔する体制側(学校や教師)との対立も決してシリアスにならず、“楽しいから反抗しちゃう!”って感じじゃ。 時代設定はタイトル通り1969年であり、高校生たちの表向きの思想や嗜好も60年代特有のスタイルじゃ。 じゃが“大勢でワイワイやる楽しさ”と“かわいい女の子たち”という明るいキーポイントのノリはまぎれもなくフィフティーズ・カルチャーのスタイルじゃ。 わしにもこんな時代があったのお〜。 何をやるにも楽しくなくちゃ! 人生を楽しんで生きている者には誰も文句は言えん! ドクターに文句(忠告?)を言われたわしなんかは、まだまだ楽しみ方が足りんのかもしれんな〜♪ ♪〜「オレ、タバコ止めたんだよ。 だからもう吸っていいんだよ」 (イギー・ポップ) 「コーヒー・アンド・シガレッツ」 これはリラックス・ムービーの傑作じゃ。 2、3人の男どもがコーヒーとタバコを味わいながら、他愛もなく、それでいて聞き逃がすにはもったいないような世間話を続けるショートムービー11話が収録されておる。 出演者は各アート界でもクセ者と評されているアクターたちで、ロック界からはパンクロックのゴッドファーザーであるイギー・ポップと酔いどれロック詩人トム・ウエイツが出演しておる。 彼らが醸し出すカッコ良さ、おかしさ(支離滅裂ぶり?)、ふと垣間見せる寂しさは観る者の時間を止めてしまう味わいがあるぞ。 生きることの素晴らしさとバカバカしさがごちゃ混ぜになった会話の数々は、日々ロック・ライフをばく進する諸君に必ずや癒しの時間を提供してくれるであろう! コーヒーとタバコはやっぱりリラックスの原点じゃ!(酒も!) 止めることなど出来んなあ〜。コジャレタ純喫茶が次第に無くなっていく昨今、マイルームを純喫茶の雰囲気に変えてくれるに違いない、七鉄の超おススメ作品じゃ。 おまけ●DRINK〜「シッキム・ティー」● 酒を控えろ!と言われりゃ「そうはいくか!」と即座に切り返してしまうわしじゃが、実はひそかにコーヒーやお茶類で代替ドリンクを探しておったのじゃが、やはり「求めれば救われん!」じゃな。 インド帰りの友人のお陰でちょっと追及してみたいドリンクに出会うことが出来た! それが「シッキム・ティー」じゃ。 インドのシッキム地方で栽培されておる「幻の紅茶」といわれる逸品じゃ。 紅茶王国インドのブランドといやあ、ダージリンとアッサムが超有名じゃが、詳しい筋からの情報によると、この2つのブランドの味を飛躍的に向上させているのが、実は密かにブレンドされているシッキムらしいのじゃ。 じゃがこのシッキム、単体で飲んだ方がはるかに美味い! 香りも優雅で芳しく、お味の精神安定剤的効果もはるかに高い! なんで今まで別モノとブレンドしとったんじゃ、ドアホッ!って抗議したくなるほどじゃ。 味や香りを明確に説明するのは難しいが、この大酒飲みのわしが、ほんのひととき酒への欲求を忘れることができるってことを是非ともお伝えしておこう。 ひとつだけ困ったこととは、このシッキム・ティーを味わいながらTHE-KINGのアイテムをチェックすると、もうぜ〜んぶゲットしたくなってしまうことじゃ! スバラシ〜ものはよりスバラシ〜く見えてしまうマジック・ティーじゃな。 とまあ、ロックファンのための癒しのアイテムを色々紹介してみたんじゃが、あくまで諸君の本来のロック・ライフを取り戻すためのアイテムに過ぎんぞ! このようなブツをオークション」なんかでコツコツ探す前にやるべきことがあるんじゃないかのお〜。 癒し、癒しとのんびりばかりしとる場合でないぞ。 そうっ、新作「エドワード・ジャケット」をビシッとオーダーするべしじゃ!! |
七鉄の酔眼雑記 〜もうひとつの旅のお楽しみ 今年も早や3回目の海外旅行から帰ってきたばかりじゃが、最近の空港内の免税店はいいねえ〜。 わしはコスメとか高級スイーツとかはよお分からんが、酒、香水、電気製品に関してはきちんと本物が適正価格で取り揃えられておる。 というか偽物がないのがいい。 ごく稀にあるプロモーション商品っつうブツも、こいつはこいつでオマケが豪勢で洒落ておる。 店員さんの商品に対する知識もしっかりしており、説明を受けた後に買わなくても嫌な顔をされることもなく、その泰然とした接客態度は実に清々しいもんじゃ。 フライト時間があるので、ゆったりとはいかんが、客としては安心してショッピングが出来るのじゃ。 こういうショッピングって、普段の生活の中ではなかなか出来んもんじゃ。 人間はある程度の年齢に達すると、街中ショッピングにおいてはハナから商品を疑ってかかり、次に値札の確認ときて、財布を開くまでに念には念を入れるようになるもんじゃ。 だから疲れるっつうかあまり楽しくない。 楽しくないから買ったブツに対しても愛着が薄い。 そんな物悲しいショッピング・スタイルを忘れさせてくれるのが免税店かもしれんな。 もし一般社会の物販ってもんが全部免税店スタイルになったら、逆に堅苦しい社会になってしまうんじゃろうが、せめて趣味のブツや嗜好品を扱うショップだけは免税店スタイルを学んでほしいと思うぞ。 今は「先の見えない不安な時代」らしいが(わしにはあまり関係ないが)、そんなうっ屈した気分を忘れさせてくれるのは趣味のブツや嗜好品であり、そこに「偽善」が入りこんできたら、「不安な時代」どころか「暗黒時代」になってしまうではないか。 街中ショッピングでもネットショッピングでも、もちろん丹念に探せば信用できるお相手は見つかるんじゃろうが(THE−KING然り!)、そこにたどり着くまでに結構な出費を強いられる時代になってしもうた。 日本全体が貧しかった頃は「働けど働けどわが暮らし楽にならず」ってフレーズが当たり前じゃったが、別の意味でこいつは今も有効ってことか?! チキショー、やっぱりまた旅に出るぞ!と懲りずに旅を止めない理由を探し続けるわしであった。 |