ROCK FIREBALL COLUM by NANATETSU Vol.52
本年6月最初のTHE-KINGの新作発表、ついでにわしのコーナー52回目は、まあお約束のパターンとはいえ、“ロックの日”とでも言いたい6月9日じゃ! たまにはこういうゴロ合わせみたいなノリもええじゃろう! 50回を突破して襟元を正さにゃならん時にこういう暦(こよみ)の巡りあわせは、ええもんじゃ。 やっぱりわしはロックの神様に見込まれておるんじゃな。 こりゃあ100回、いや1000回突破を目指して気合を入れ直すぞ!! 8鉄先生のコーナーに登場したブルース界の巨人ボ・ディドリー御大が先日亡くなってしまったし、残された年寄りはもっともっと頑張らにゃならんのじゃ。 ってことで何をカマすか・・・、こういう輝かしい日付だからこそ、ロック小僧に戻って単純明快なテーマにするぞ! 「ロック」ないし「ロックンロール」を曲のタイトルにブチ当てたカッコいいナンバーの69連発じゃあ〜!ってエキサイトし過ぎて血圧上がってぶっ倒れても、「またやりやがって・・・」って誰も面倒見てくれんから、ここは10連発ぐらいで我慢しておこう。 「ロック」「ロックンロール」をタイトル化した曲こそ、そいつをやるロッカーの心意気が詰まっておるのじゃ! 6 6月9日は“ロックの日”。ロック小僧に戻って集めてみたぞ! 「ロック」「ロックンロール」をタイトル化したナンバー・コレクション |
まずは「♪トゥエンティ・フライト・ロック/コクラン」に「♪ジェイルハウス・ロック/エルヴィス」に「♪ ロック・ミー・マイ・ベイビー/バディ・ホリー」に・・・え〜と「火の玉ロック/ジェリー・リー」の原題には“ロック”は付いておらんし・・・う〜ん、勢いでスタートしてはみたものの、あらためて調べてみると意外と少ないのじゃよ、こういうタイトルは。 まあ「♪ロックンロール・ミュージック」ってそのままタイトルにしたチャック・ベリー大頑固ジジイ殿のセンスには誰も及ばんってことを後輩ロッカーたちが自覚しておるのかどうかは知らんが、やっぱりやってることがロックだから、それを曲のタイトルにするのは「アイツ、芸がねえなって笑われてしまう」つうか「スゲーカッコワリイ〜」ってなるんじゃろうな。 しかしここでうろたえては「たったの3連発かい? 何が69連発だよ、この口先ジジイ!」って笑われてしまうので、え〜い一気に時代を駆け上がってしまえ! 今回のオハナシにはハードリキュールが似合いそうなので、ガッチリ飲みながら読んでくれ〜い。 途中で酔っぱらわんようにな! ♪ロック・ミー・ベイビー/ジミ・ヘンドリックス まずはロック・クラシックで有名なところからいくか。 こいつはスローにやればブルース、アップテンポならばロックンロールじゃな。 星の数ほどカヴァーされておるがわしのオキニは、ジミ・ヘンドリックスの初のアメリカ公演モンタレー・ポップ・フェスティバルのヴァージョンじゃ。 ロカビリー的な疾走感とブルースの重量感が交錯する、というか50年代のロックと60年代のロックとが融合したトンデモ!バージョンじゃ。 ♪ロック・イズ・デッド/ドアーズ このタイトル、ロックファンの間では70年代末期にピストルのジョン・ライドンが吐いた名セリフってことになっておるが、実は60年代末期にドアーズのジム・モリスンがその域に達しておった! この曲が長らくお蔵入りになっとったから皆さん知らんかっただけなのじゃ。 “自分たちの世代はロックの極みに到達した”という達成感と絶望感とが混在する10分を超えるこの長大なロック哀悼歌、メンバー全員がわざと酔っ払って、己のロックセンスだけで演奏しておる。 わしも是非セッションに、いやセッション前の飲み会の方だけでも誘ってほしかったのお〜。 ♪ロックンロール/レッド・ツェッペリン 70年代のキング・オブ・ロックであるツェッペリンにもそのものズバリ!のタイトルの曲があった。 ハードロッカーの代名詞のような彼らの曲の中では珍しい50年代風ロック。 そう言えば、ギターのジミー・ペイジはバディー・ホリー先生の大ファンとかで、まさに恩師に捧げるような軽快なプレイをキメておる。 ジミー・ペイジのお母さんは、自宅にお客人が来るとジミー少年お得意のバディ・ホリーのモノマネをやらせていたそうじゃぞ。 そんなスバラシキご家庭から生まれた名曲かもしれんな。 わしの母上はお客人がくると、七鉄少年にイッキ飲みをやらせていたぞって、んなワケねーじゃろうが! ♪ロックンロール・ハート/ルー・リード ルー・リードは60年代中期からニューヨーク・ロックの闇の帝王と呼ばれていたカルト・ロッカー。 自らを“ロックンロール・アニマル”と称して、訳の分からん実験的作品とか超文学的ロックとか、ゲイになったりヤク中になったり、呼ばれてもいないベテラン・ロッカーのコンサートに乱入したりとまあ長年やりたい放題じゃったな。 本人曰く「オレの前進し続けるフリーでデリケートなスタイルこそロッカーと呼ぶに相応しい」だと! まあわしに言わせれば、この曲に代表されるような、ロックの原始的なリズムを強調するだけで曲を成立させてしまうセンスはズバ抜けておった。 またそんなセンスを長年キープ出来たってことがルー・リードっつうロッカーの真髄じゃ。 ♪ゴールデン・エイジ・オブ・ロックンロール /モット・ザ・フープル キンキラ衣装で70年代中期を風靡したグラム・ロックの一員だったモット。 しかしサウンドはルーズなセンス至上主義のロックンロールであり、憧れの50年代への彼らの讃歌がコレじゃ。当時のロック界はサウンドがどんどん複雑化していって、ロッカーの顔つきも、大ギター教授、ベース職人みたいなオッカナイのが多かったが、彼らのロックンロール小僧みたいなツラ構えは良かったのお〜。 考えてみれば、彼らは“50年代回帰”を高らかに歌った最初のバンドじゃった。 全盛時代は短かったが、ファッションをナッソーやフラップにしておけばもっともっと脚光を浴びたハズじゃ! ♪イッツ・オンリー・ロックンロール/ローリング・ストーンズ 「たかがロックンロール・・・」こういう開き直りはわしはあまり好きではない! 発表当時(74年)は「責任者出てこいっ!」と思ったもんじゃが、実際にミック・ジャガーが出てきたら・・・いやいや、キース・リチャーズの方が出てきたら、とりあえずどっちかが潰れるまで酒飲んで激論を交わしたであろう〜♪なんておバカなハナシは止めといて、上手いヤツがわざと下手にやってみせたカッコよさってことではロック史上に残る曲じゃ。 ♪ロックンロール・ファンタジー/バッド・カンパニー 60年代以降の「ロック/ロックンロールなんとか」と題された曲の中で、もっともシングルヒットしたのはこいつじゃろう、多分。 確か80年に全米トップ5の大ヒットになったと記憶しとる。 発表当時は、ファズギターがカッコよくオクターブをアップダウンするイントロを聞いただけで鳥肌が立ったもんじゃった。 このバンドのポール・ロジャーズは、ヴォーカリストの才能に限って言えばエルヴィスと同等!と信じておるわしの個人的趣味を優先してのセレクトじゃが、是非一度聞いてみてくれい! ♪ロックンロール・ドリーム/ジム・スタインマン ジム・スタインマンってのは、80年代に「ロック・オーケストラの名人」と呼ばれたプロデューサー。 80年代のフィル・スペクター的存在じゃ。 唯一のソロアルバムでは、ロックへの抑えきれない興奮とロックスターへの限りない憧れをもつ少年の激しい青春時代の物語が描かれており、ラストを飾るロマンチックな小作がこれじゃ。 アウトロの「あなたのロックンロール・ドリームは必ず叶いますよ〜♪」って女性コーラスに泣かされたもんじゃった。 ♪ロック・ディスタウン/ストレイ・キャッツ こいつを忘れてはならんな! わしは「ラナウェイ・ボーイ」よりもこっちをデビュー・アルバムのオープニングにもってきてほしかった!っつうぐらいに気に入っておる。 ところでじゃ、邦題の方はなんともドアホッじゃ! 「ロックタウンは恋の街」だとお〜? フンイキぶち壊しではないか!ってもう25年以上前の出来事になるから時効にしてやるとするか。 諸君のことだから死ぬほど聞いたはずじゃが、あらためてCDプレイヤーにセットせよ! あのノリは必ずTHE-KINGのアイテムをゲットしたくなるような永遠のフィフティーズ・リズムじゃ! ♪アイ・ラブ・ロックンロール/ジョーン・ジェット ラストは諸君お待ちかねの紅一点、女性ロッカーにご登場いただいて、華やかに〆ようと思うとったが・・・コ、コワい顔じゃのお〜。 じゃが、ミディアムテンポで“I Love Rock `n' Roll !”とシャウトを続ける彼女のアクションは強烈じゃった! このJJ嬢、下積み時代はライブでストリップまがいのリクエストを浴びせられたり、この曲が大ヒットするまでは大変なご苦労をされたようじゃ。 その果てにたどり着いた栄光・・・そりゃ〜お顔もこうなりますな! 女性としてではなく、いちロッカーとして見れば、なかなかええ面構えをしとるな、ふ〜む合格じゃ! そのド根性と軟弱ロッカーを吹き飛ばす凄味のある歌いっぷりに惚れておるわしは、是非ともこの機会にエントリーさせておきたい! ということで80年代初頭まで時代を駆け上がってきたが、やはり原点は最初にカマした3連発のナンバーじゃよ。 どんな切り口で迫ってみてもロックの原点はエルヴィス、コクラン、バディー先生、それにヴィンセントやカールのお父さんたちの若かりし50年代じゃ。 そこんとこをあらためて強調して今回はサラバじゃ。 |
七鉄の酔眼雑記 〜酒と涙と笑いのスケベジジイ ちょっとしたロック名曲大会となった52回目。 その余録として相応しいかどうかはともかくとして、久方ぶりに“ブッとびアルバム”に出会ったので、そいつを諸君に紹介しておこう。 先日30年来の旧友と年に一、二回の定例飲み会をやっとったところ、ヤツは「今日はコイツを持ってきてやった!」と自慢げに1枚のCDを差し出してきよった。 ヤツは毎回わしを驚かせるようなアルバム持参でやってくるのじゃ。 この日のブツは「魅惑のムード☆秘宝館」つう、1970年ぐらいまでに発表されたカルトな女性歌謡曲のオムニバス盤じゃった。 「レアなポルノ歌謡曲集でね、ウヒヒ。 要するにだな、あっは〜ん、うっふ〜ん、いや〜んの波状攻撃なんだ!」と、ヤツは酒の赤ら顔をますます赤くしてニヤニヤしとる。 やだね〜スケベジジイってのは! さてクレジットを見ると、わしが知っとる歌手は辺見マリと奥村チヨ、それに谷ナオミぐらいじゃった。 しかし曲のタイトルがすごい! 「粋なネグリジェ」「うい・う・のん」「男好き」「恋が喰べたいわ」「今夜おしえて」「あなたっていいわ」などなど。 う〜ん、これはタダゴトでは済まされそうもないわい・・・とわしも“その気”になってしまった。 (その気とは何じゃ!) 高鳴る期待で胸をふくらませ、CDを小脇に抱えて帰り道を爆走した!ってのは冗談じゃが、その晩わしはリスニング・ルームでとんでもないことになってしもうた。 CDをセットしてからものの30秒ぐらいで、わしは夜空に響き渡るような大爆笑が止まらなくなってしもうた。 「こりゃダメじゃ!」「もう勘弁してくれ〜」ってなもんで、いやあ〜マイッタ、マイッタ、マイッタ。 断っておくが、これは決してコメディアルバムではなくて、「大人のセクシー・ムードミュージック」じゃ。 女性歌手さんもバックバンドも、決してシャレではなくて極めてマジメにやっており、そこがまた余計に笑いを誘発して、もう涙が出るわ、腹は痛いわで笑い死にするところじゃった。 「笑いは最高の健康法」とはいうが、これは拷問に近いぞ、おいっ! |