ROCK FIREBALL COLUM by NANATETSU Vol.44

 わしの良きライバルっつうか同胞っつうか、「ガンコ8鉄」なるお方のコーナーもスタートと同時に好評を博しておるようじゃのお。 うむ、わしからもエールを送ろう。 わしも老けこんではいられんな! 8鉄殿はむかし懐かしいロッカー、ミュージシャン、ブームに照準を合わせて実に深〜く掘り下げた内容で迫っておられるが、それではわしの方は、一丁かる〜いノリでかつての音楽ファンに支持されていた日本の習慣や環境の中から、現代にぜひ復活してほしいヤツをピックアップしてみようかのお。
 ここんとこの音楽ファンを取り巻く環境を考えてみると、ネットを介して急速に便利になったが、情報の供給過剰状態であり、自力で想像力、創造意欲、音楽に携わることへの楽しさを駆り立てることの出来る身近でお手軽な外環境やサービスが無くなってしまったような気がするのじゃ。 またハードなマニアとビギナーにはよろしいが、どうもその中間、つまりナッソーやブルースウェードシューズの魅力にハマリ始めて、本格的なロック・ライフにターボが入ったような「ロックフリーク予備軍」たちにとっては、現代のネット社会は巨大な迷路のようなシステムにも思えるのじゃ。 多くのフリーク予備軍こそ、近未来のシーンを作り上げる存在なので、彼らをうまく誘導出来そうなかつての習慣や環境をピックアップしてみよう。 サウンド・リバイバルっつうのは割と頻繁に起こるので、それならばその時代の習慣や環境を復活させても悪くはなかろう!



ロックフリーク予備軍たちに捧ぐ!
 蘇れ!レコードショップのガンコオヤジと太っ腹精神!


◆◆◆ ミュージックショップについて ◆◆◆
 まずは、ネット時代の煽りを食って衰退気味の街のミュージックショップについてじゃ。 何もショップに出かけていかんでも、興味のある曲はネットでダウンロード出来る時代だし、知りたい情報もネット検索で瞬時にして知りたくもないコトまでドウゾってのが現代じゃ。 それぐらいはわしだって知っとるぞ! でもな、何だか情報量が多すぎて、シラミツブシをやっとるうちに、本当に知りたいことを忘れてしまい、ビミョーに焦点がズレた結果に甘んじてしまう場合が多い。 焦点がズレル程度ならまだいいが、気が付いてみたら全然関係のないページを閲覧していた、なんつった経験は諸君もあるじゃろう。 こーいうのは「フリーク予備軍」のための教育システムとしてはいいのか、悪いのか、よお分からん。

 さてと、ここでわしが復活を望むのは、かつては街のレコードショップによくおった
ガ・ン・コ・オ・ヤ・ジ じゃ。
 いや、これは冗談ではないぞ! 昔はいたんじゃよ、話しかけたらひっぱたかれそうなオヤジが。 「ロックを語らせたら日本一」「クラシックと心中の人生に悔いなし」なんつった顔をしたオヤジが。 実際わしも青二才の頃はこうしたオヤジによおどやされたもんじゃ。 「○○が欲しいだとお〜?その前に△△を聞けアホンダラ!」とか「オマエみたいな若造が聞くレコードはうちにはねえ!」とか。 腹が立ったわしは「チキショー、このクソジジイ〜。いつかとっちめてやる!」って猛勉強してからリベンジに行ったもんじゃ。 随分と返り討ちにあったものの、見返してやりたくなる身近なライバルがおらんと人は成長せんのじゃ。
 でもそういうオヤジこそ顔見知りになると、鬼に金棒ってなもんなんじゃ。 とっておきの情報や痒いトコに手が届く知識を惜しげもなく提供してくれるようになるんじゃ。 わしやわしの仲間たちは、みんなレコードショップのガンコオヤジの愛のムチで鍛えられたのじゃよ。 最近ではそーいうお方は特殊なショップにしかいらっしゃらないようじゃが、う〜んこれはわし自らが立ち上がるしかないか!
 まあガンコオヤジじゃなくても、要はこだわりと自信を持って接客する店員さんにぎょーさん出現してほしいものじゃ。 
どうでもいいが、釣銭を渡す時に手を添えるのはやめてくれ!

(→)右の写真は元俳優で悪役商会の八名信夫氏。 本編とはゼンゼン関係ないが、わしがイメージするレコードショップのガンコオヤジのイメージにピッタリ! でもこの人はスゴイおしゃれな方だから、ひと声かけたら「オレ様はthe-kingの名誉会長をやりたい!」とか言い出すかもしれんな。 それは困る! その座は将来のわしじゃからな!! 将来があればのハナシじゃが・・・。 


 ショップへの進言をもうひとつ。 店舗規模縮小と同時に、最近は業界全体のサービスまで縮小してしまったようで、空しいものよのお。 苦しい事情はお察し申し上げるが、ここはひとつアナログ時代の
太っ腹サービス を復活させてもらいたい!
 あの当時は新譜、旧譜を問わず、お店でLPを買うと色々なおまけがもらえたもんじゃった。 好きなポスター、レコードスプレー、レコードクリーナー、レコード針洗浄液セット、生カセットテープ、カセットデッキ用のクリーナーセット等であり、だからレコードを買う行為そのものが楽しくって、お得感いっぱいじゃった。
 わしにはトチ狂ったようにレコードを買っていた時期があり、これらのオマケを山のように持っておった。  まあCDやDVDは管理のための周辺道具があまり必要のないメディアではあるが、そこをいろいろと考えてお客さんを喜ばせるのがメーカー側と店側の仕事ではないか! 「CDが売れない」と嘆いてばかりいないで、あの頃の太っ腹精神を思い出してもらいたいもんじゃ。

(←)左の写真は1968年ロンドンの街中に突如登場した、ビートルズ陣営が経営するレコード&グッズショップ「アップル・ブティック」。 ここまで派手に!とは言わんが、思わず入りたくなるような外観、門構えも是非検討してほしいぞ! 
 ちなみにこのショップはファンにサービスし過ぎて1年あまりで閉店。 最終日は全商品無料!! まあ太っ腹の極地じゃな。 ちなみにthe-kingのサービス精神もたいしたもんじゃよ。 品物にこだわりと自信をもっているブランドというのは、いつの時代でもお客さんに感謝する気持ちを大切にするもんじゃ。

 ◆◆◆ 
ミュージックオーディオについて ◆◆◆
 メディアを買うためのお店の次は、メディアの中身を楽しむためのオーディオ環境といこう。 わしが復活を望んでいるのは「録音レベル調整機能」や「イコライザー機能」が搭載されたアンプやデッキじゃ。
 もちろん周辺機器として単品で存在するが、しかし「フリーク予備軍」にとっては、必要であるべきブツの優先順位を付けるならば、周辺機器は後回しになるのが普通じゃ。 70〜80年代のお手頃価格のコンポには、これらの機能は予め搭載されておる場合も多かった。
 「録音レベル調整装置」は、多くの盤から好きな曲をセレクトして自作テープを作る場合に実に重宝じゃ。 録音したい曲ごとの録音レベルの調整やフェイドイン&アウトが自在であり、また曲間の短かい楽曲のピックアップや、ライブ曲同士を前後の歓声を残しながらつないでいく作業が存分に楽しめた。
 「イコライザー」は楽曲の音質を個人の好みで多彩に調整できるので、聞きなれた楽曲が新鮮に聞こえたり、新しい発見が出来たりする機能じゃな。
 最近のお手頃価格のコンポには「ROCK」「JAZZ」「CLASSIC」などと勝手にジャンルが指定された無粋なサウンドセレクト機能があってどうも納得がいかん。 ロックはこの音質で聴くようにと強制されているようでケシカラン! これにおいては大きなお世話だとわしは思うぞ。 

 まあPCの外付け機器類の中には、より複雑で専門的な作業が可能なブツもあるのじゃろうが、わしが望んでいるのは、コンポに当たり前に搭載されていたり、別売り単品でも街の電気屋さんで安価に購入できた、あの頃のお手軽感がほしいということじゃ。
 お手頃価格の身近なオーディオ、コンポから、こうしたリスナーが簡単に工夫出来る装置がなくなったことで、庶民やフリーク予備軍はレコード会社から配給された音楽でアソビができなくなったんじゃ。 もちろん、オリジナルのサウンドは大切にせにゃならんが、個人の楽しみ方っつうのは法律を守れば十人十色であるべきじゃし、自分だけの工夫やアソビを始めることで、シロウトはクロウトへと成長していくんじゃなかろうかのお。

 そして何よりも、人が音楽に興味を持って最初に足を運ぶ場所はミュージックショップであるべきじゃ。 ネットからダウンロードっつう最新のサービスはあくまでもきっかけ作りとわしは思うぞ。 だからメディアを買う行為自体が楽しくオシャレであり、また行きたくなるような環境作り、そしてお客さんを迎えるスタッフの育成をもう一度目指してもらいたい!




七鉄の酔眼雑記   

 「大人の塗り絵」で呆れられたオハナシは前回語らせてもらったが、呆れられついでにもう一発いこうか! 最近ハマっているというか手離せないブツがあの「無限プチプチ」なんじゃ。 そう、梱包用のビニールのプチプチ(エアキャップ)をツブしていくあの快感を追及した小型の玩具じゃ。
 「無限」とはよくぞ命名したもので、これはホント止まらんな。 開発担当者によると「イライラの解消」「集中力のアップ」につながるらしいが、その効果をわしは早くも実感しとる。 「無限プチプチ」を左手でプチプチしながら右手で原稿を書いたり文字校正をしたりしているんじゃが、確かに集中力と作業スピードとがアップしておる気がするぞ。 またプチプチ100回ごとにいろんな効果音が出るっつうのも、その度にハッとさせられていいフィーリングチェンジにもなる。 わしは喫茶店でプチプチやっておったら、コイツから「いや〜ん」って色っぽい声が出てきて赤面してしもうたが、それもまたご愛嬌ってもんじゃよ。
 また「無限プチプチ」のお陰で、原稿執筆の際にいきなりPCには向かわず、下書きを手書きに戻すことにしたんじゃ。 PCの画面をみないとアイディアが浮かんでこないっつう長年の悩みからも解放されたんじゃ。 あとはプチプチしながら、原稿の質もアップさせんとな! 諸君も是非お試しあれ〜い!

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