ROCK FIREBALL COLUM by NANATETSU Vol.40


 泣いても笑っても残りひと月。 古きを送り出して新しきを迎える心境を胸に、泣き笑いのトゥーフェイスのアイコンをクリックしおったな! うむよかろう、今回もご希望にたがわぬネタでいこう! なにはともあれ、もうすぐクリスマスじゃ。  賢い諸君のこと、既にTHE-KINGの切れ味抜群のロック・アイテムの中からクリスマス・プレゼントをセレクトしておる最中じゃろう。 当然、ナリはナッソースーツじゃろうな。 エライ! それがロッカーとしての正しいアクションじゃ。
 で、そんな楽し〜い時間のBGMはどうしておるんじゃろう? ま、まさか、「キ〜イヨシ〜コ〜ノヨ〜ルウ〜♪」じゃあるまいな。 ロッカーには"そんなの関係ネエ〜"とは言わんが、キヨシは「私の現役最終打席はホームランですからねえ〜」のナカハタ君でもうヨロシ!?  ロッカーにはロッカーとしてのふさわしいクリスマスソングっつうもんがあるはずじゃ。
 しかしこのところクールなおニューのクリスマスソングもアルバムも出んのお〜。 こりゃ〜今年も待っていても出てきそうもないんで、わしの大シャウトのクリスマスソングをCD化するしかないっ! といきたいが、商品化のお声はかかりそうもないんで、こんな時はロック歴史を掘り起こして探し出すしかない! では諸君のクリスマスを飾る、極上のクリスマス用ロック・アルバムをこの七鉄が紹介してしんぜよう!



〜七鉄オススメのクリスマス用ロックアルバム〜
聖なる夜こそロックのエネルギーを充電しよう!


 まずクリスマス・アルバムの選考の基準じゃが、「明るく、楽しく、豪勢に」をキーワードとしよう。 豪勢とは、選曲、ゲスト、アレンジ、コンセプトなんかがビッグスケールってことじゃ。 そして「クリスマス云々」という冠が付いていなくても、これならクリスマスにピッタリ!とわしが感じておるアルバムにしてみるぞ。
 そしてもうひとつのキーワードは、楽しいながらもどこか襟元を正しくさせるクリスマス特有の「厳粛さ」じゃ。 そうしておかんと、わしの場合は「クリスマス・アルバム」と「忘年会アルバム」とがゴッチャになりそうじゃからな! 今回はロッカーの信念みたいなもんがビシッとアルバムに反映されていることを「厳粛さ」としてクリスマス用アルバムをセレクトしよう。

●おごそかでリッチにクリスマスを過ごしたい方へ
  〜「グランド・ホテル/プロコル・ハルム」

 クリスマス・タイムをちょいとセレブして、お食事やお泊りも背伸びして静粛に過ごしてみたいという方にはこのアルバムじゃな。 プロコル・ハルムと言えば、ロック史上に残る名曲「青い影」が有名じゃが、コアなファンにもっとも愛されとるのはこのアルバムなんじゃ。
 オープニングのタイトルナンバーは、「今宵は極上のワインとステーキで祝い・・・絹のシーツ包まれて夢を見よう」というクダリから始まり、アルバム1枚が「グランド・ホテル」という架空の高級ホテルでこの世の贅を尽くす一夜が描かれておる。
 前半はロック楽器とオーケストラとの絶妙なハーモニーによる格調高い演奏。 後半は一転してコミカルで軽快なナンバーが続き、終盤のキメには重厚なクラシック・ロックがどど〜んと用意されておる。 聞き終わった後の心身が引き締まるような余韻もスバラシ〜! 来年はちょっとエラソーなことでも手がけてみるかっ!ってな気分になれるぞ!


●クリスマスこそロックン・ロール!の方へ
           〜「ロックン・ロール/ジョン・レノン」

 ジョン・レノンとクリスマス・ソングといやあ〜「ハッピー・クリスマス」だろっ!なんてホザイテおったらロック・ファンじゃねえぞ、こらあ! この作品は、ジョンが愛した古いロック・ナンバーのカヴァー・アルバムであり、「ビーバップ・ア・ルーラ」〜「スタンド・バイ・ミー」と、ノッケからジョンのロックン・ロール・ヴォーカルが炸裂する凄いテンションのアルバムじゃ。
 ロックの名曲大会のアルバムなんて、フツーのロッカーだったら自らの力量不足を露呈するようなもんで、とてもじゃないが恥ずかしくて出来やせんが、それを完璧にやっちまうのがジョン・レノンっつうロッカーの凄いトコじゃ。 収録曲が豪華なら、アレンジも静と動、ゴージャスとシンプル、もうなんでもありで、ロック・アルバム3枚分くらいのボリュームを感じるぞ!
 ジョンはこのアルバムを発表した後、長い専業主"夫"生活に入ることになり、これがファンへのグッドッバイ宣告というわけじゃ。 う〜ん、カッコイイったらありゃせんな!

過ぎ行く一年をポジティブでロマンチックに振り返りたい方へ
                 〜「ムーン・ドッグ・マチーネ/ザ・バンド
 アメリカの多彩な伝統音楽をベースにしたオリジナルロックを演奏することでは天下一品だったザ・バンド。 このアルバムは彼らが16年に渡るライブ活動を停止する直前に発表した、全編カヴァー・ソングによる構成じゃ。
 オリジナル曲のメロディーラインを忠実になぞりながらも、アレンジはとてもモダンで垢抜けており、ロックやポップスのスタンダード・ナンバーがとてつもなくロマンチックに聞こえるアルバムじゃ。 ロック史の遺産を新しいリスナーに伝えるためには、もってこい!の情熱的な演奏の数々じゃ。
 全てをやり尽くし、最後はロッカーとして初心に帰るべく、大好きだったナンバーを目いっぱいやる! 「ロックン・ロール/ジョン・レノン」と同様に、ベテランが単純明快で潔い姿勢をとった一種のラストアルバムっつうのは、彼らを愛し続けてきたファンに、至福のリラクゼーションとダイナミズムを与えてくれるのじゃ! 
 まあまあ、この辺でチミも一杯やりながらオアトも読んでくれ〜い!


●適度にシリアスに、適度にコミカルに聖夜を送りたい方へ
                        〜「サプライズ/リンジー・ディ・ポール」

 ロックファンでこの女性シンガーの名を知っているお方は、ポップスに関しても相当の通じゃろう。 リンジーのお嬢さまっつうのは、マリリン・モンローばりの匂い立つ様なお色気が先行してしもうて、ユニークな音楽的才能がついに全面開花しなかった悲劇のシンガーソングライターじゃ。 それでもここにご紹介するデビュー・アルバムは、夢見る文学少女のロマンと、ヨーロッパ人特有の"滅びの美学"が奇跡的に同居した、気絶しそうになるような耽美的ポップアルバムじゃ。
 またどこか舌足らずでささやくようなヴォーカルは男性にとっては胸キュンものかもしれんな! 哲学的、宇宙的人生観なんかが唄われておるんじゃが、その歌唱法ゆえに聞いているうちに頬のあたりがヘラヘラと緩んできてしまうのじゃ。 70年代中期のヨーロッパではバカ受けしとったなあ〜。 彼女の才能はアルバムデビュー前からイギリスのロックシーンでは有名だったようで、このデビュー・アルバムには当時の錚々たるロッカーたちが数多く参加しており、惜しげもなく腕を振るっておる。
★まさか、とは思ったが、リンジーお嬢様のデビュー当時の貴重なライブ映像を見つけたのでご覧あれ!


●一年を走馬灯のように素早く、カッコよく振り返りたい方へ 
                         〜クロスロード/ライ・クーダー

 同名映画のサントラ盤。 天才的なクラシックギターの才能を持つ白人少年が、伝説の黒人ブルースマンのロバート・ジョンソンに惚れ込んでしまい、ロバートのかつての相棒を口説き落としてブルースの故郷ミシシッピーへの旅に出る・・・とまあストーリーの概要はこんなところじゃ。 白人ブルースギタリストの第一人者であるライ・クーダーが音楽を担当、っつうより、もともと出来上がっていたライ・クーダーのアルバムに感動した映画監督が、感動のおもむくままに脚本を書き上げたとも言われておる映画じゃ
 伝説のブルースマンの魂を追いかけるギター少年の旅を通して、土地毎の文化や習慣の違い、白人音楽と黒人音楽との質の違い、ブルースやロックを志す者の気高さとチンピラ気質の交錯なんかが濃厚に描かれたストーリーを、ライ・クーダーが最高にクールなプレイで表現しておる。 曲目配列の妙味なんじゃろうが、人生の喜怒哀楽がドラマチックに表現されているようなアルバムに仕上がっておる。 いろいろな出来事があった一年間を、素早く流麗に振り返るようなクリスマスを望んでいるお方には最適なアルバムかもしれんな。


 人の数だけ人生があり、人生の長さの分だけ様々なクリスマスがある・・・ってなことで、できるだけ多彩なセレクトをしてみたんじゃが、たまには音楽的嗜好よりも、心情を優先したアルバム買いもオツなもんじゃろう。 でも「明るく、楽しく、豪勢に」がキーワードじゃから、安心して聞いてみてくれ〜い。 今までとは趣きの違うポジティブ(前向き)なクリスマスタイムになることをわしが保証しよう!
 もちろん、これらは王者エルヴィスのクリスマス・アルバム(50年代当時、エルヴィスがクリスマスソングを唄うことが許されず、大人たちの手によって焼き討ちにあってしまった悲劇のアルバムじゃ)をまず50回は聞いてからの今回のハナシということを忘れんようにな!




七鉄の酔眼雑記   

 わしの亡き母上は、クリスマスが近づくとよく言っておられた。 「日本人も一年の終わりを華やかに迎えることが出来るようになったのねえ・・・。 でも日本人は一生汗水たらして働いても、家を一軒建てるのが精一杯。 日本って本当に豊かな国になったのかしら?」 母上が亡くなってから来年で20年が過ぎるが、日本の現実ってあんまり変わっていないような気がするのお。
 しかもわしなんざは家一軒どころか、三度三度のご飯を頂けるかどうかで精一杯・・・母上申し訳ございましぇ〜ん・・・来年こそはわたくしも〜なんつう誓いも、今年で19回目か。
 〜♪気がつきゃいつも季節はクリスマス&忘年会。 わしはもはやお気楽極楽口先ジジイ〜。 誓いや計画まるでだめえ〜。 飲む酒だけはさんにんまえ〜♪ って開き直って今年の師走も飲むぞー!
 
 先日、星野ジャパンが北京五輪行きを決めて日本中が盛り上がっとったなあ〜。 そこでまたまたオキマリのおバカな報道がひとつ。 某新聞が「アジアでトップとって何を騒いでいる!」ときた。 おめーさん方、相変わらず無知だねえ〜。 アジア諸国は日本よりも着実に進歩しておるのが分からんのか。 半ば国技の野球でさえ、やっとこさ五輪切符をとれるほどその差は縮まっとるんじゃよ。 日本が足元をみつめ直すいい機会の大会じゃったと密かにほくそえんでいたわしは、この無知な報道にまたまた腹がたった! ちきしょー、やっぱり今年の師走も飲むぞー!



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