ROCK FIREBALL COLUM by NANATETSU Vol.38


 わしの頑固ロック魂の根底に流れるブルース・スピリッツに欠かせない特注ゴールド・ハープをクリックしおったな! うむ、ご期待にたがわず年の瀬に向けてスパートかけるぞ〜!! しかしまあつい先日まで記録的な猛暑にうんざりしていたと思っておったが、早くも師走を意識する季節じゃのお。 電車の中吊り広告には、既にホテルのクリスマスや年末のプロモがスタートしておる。  「人生行き当たりばったり」のわしには到底ついていけんスピードじゃわい!
 そいでもって、今年も大勢の日本人が海外で豪華なお正月を迎えられるんじゃろうなあ〜。 またまた自らのお財布の薄さを痛感するわしじゃが、まあここは社会貢献の一環として(笑)、ロックファンのためのオススメのホテルをご紹介してしんぜよう。 旅がらす七鉄が宿泊した世界中のホテルは、ゲストハウス(安宿)も含めれば、その数はざっとイチマンは下らんぞぉ〜。 ナッソー羽織って、ピストルパンツかまして世界を股にかけとるわしじゃあ〜。 そんなホテルのエキスパート(ジャンキー)七鉄からの進言じゃぞ、 こいつは心して参考にするべしってもんじゃ!


七鉄の世界ロックホテル紀行 その1

旅は酒連れ、ナリはナッソー!泊まるホテルはロックン・ロール!!
  
◆オリエンタル・ホテル・バンコク
 まずはロッカー諸氏の愛するご家族や恋人に敬意を表して、一般の方にもオススメである、ホテルの王道ともいうべき五つ星ホテル(最高級ホテル)からいってみよう。
 なにバンコク? なんだ、発展途上国のホテルか・・・なんて偏見は禁物じゃぞ。 このホテルはアジアで三番目に古い、創業150年を超える大老舗ホテルであり、「世界ホテル・グランプリ・アワード」なんかで毎年のようにベスト10に入るほどのハイレベルの評価をされておるのじゃ。
 わしは幸運にも歴代の宿泊者名簿をこっそり見せてもらったことがあるんじゃが、エリザベス・テーラー、ミック・ジャガー、マイケル・ジャクソンらショウビズ界の巨人から、世界中の政財界の要人、芸術各方面の巨匠、そして現皇太子ご夫妻まで、それはまさしくオドロキモモノキ、絶句モンじゃった! しかも彼らの宿泊目的のほとんどが「PRIVATE」(個人的目的)って書かれておったのが、このホテルの素晴らしき本質を物語っておる!
 しかしながら、一般人がたじろぐほどの超豪華キンキラ・ホテルではないんじゃな、これが。 バンコクという東南アジア一の大都会のど真ん中にあるんじゃが、ホテル内はまるで深い森の中にいるような静寂に包まれ、ロビー、客室、各種アメニティ(施設)のすべてが、歳月によって使い込まれ、磨きこまれた高級家具の様な穏やかな艶やかさでもって、世界中から訪れるお客人を迎えてくれるのじゃ。 ぼんやりと佇んでいると、どこからともなく「長旅、大変ご苦労様でした。 心行くまでおくつろぎ下さい」という労わりの声が聞こえてきそうな、そんなハートフルなホテルなんじゃ。
 従業員は必要以上の笑顔はふりまかないが、客の要求にはすばやく的確に対応する。 そのクールな仕事っぷりがまたええ。 これは「ホテル・レジェンダリー・サービス」(伝説的サービス)と呼ばれており、「ホテルの語源は病院のホスピタルからきています。 まずお客様に安心して落ちついていただき、ご要望には無駄なく正確にお応えするのがレジェンダリー・サービスです」(チーフマネージャー談)っつうことらしい。 見てくれとか知恵を絞った斬新なアイディアではなく、純粋にサービス面が評価されてのグランプリ・アワード受賞になっておるのじゃ。 ちなみにスパも世界的に名高く、あの叶姉妹も常連という噂もある。(ミカちゃんもかわいいが、わしはキョウコお姉さまのファンじゃ!) 女性にもオススメのホテルじゃぞ。


◆ハードロック・ホテル◆
 お次はロック・ファンのためのオススメのホテルじゃ。 ここは「ハードロックカフェ」系列のホテルであり、いまや世界各地の8箇所に存在しておる。 「もうロックが好きで好きでたまらない!」ヤツが作ったホテルって感じで、ロックファンなら一日中ホテル内にいても退屈せんと思える仕掛けで溢れ返っておるぞ。
 広大なロビーいっぱいに陳列されたおびただしい数のメモラビリア、ロッカーの写真を大胆にあしらった客室デザイン、料理名を名曲のタイトルで飾るレストランのメニュー、フィフティーズの香りが漂う種類豊富なスーベニアの数々、メチャメチャにノリのいい従業員たち、ホテル内のいたる所にあしらわれたロッカーのイラスト、ジャケットデザイン、名曲の歌詞などなど、もうここまでやるかっ!っつうほどロック一色のホテルじゃ。
 上層階の高価な部屋の宿泊者専用である「キングス・ラウンジ」っつうのがまたええ! 純白のラウンジ内のインテリアは、BBキングとキング・オブ・ロックのエルヴィスの貴重なフォトのみ! もちろん酒類、おつまみは無料じゃから、これはもうわしのためにあるようなラウンジじゃ!
 わしはここに留まると寿命が10年は延びた!と思えるほど大ハシャギしてしまうんじゃ。 一時期わしが某リゾート地の「ハードロック・ホテル」を定宿にしとったこともあり、実はこの支配人とわしは呑み友達じゃっ! 彼はロックはまったくのドシロウトさんだったため、わしがロックを叩き込んだのじゃ。 支配人はこのホテルのコンセプトを守り、ホント〜に宿泊客を楽しませるために脳みそから汗が吹き出すほど苦労しとったなあ。 
 徹底したロック・フィーリングとホテル・サービスの王道との共存、これが「ハードロック・ホテル」を殊更魅力的にしとる要因なのじゃ。



◆ビバリーヒルズ・ホテル◆
 最近再々結成されたイーグルスが1976年に発表した永遠の名曲「ホテル・カリフォルニア」のモデルにもなったのが、この「ビバリー・ヒルズ・ホテル」じゃ。 その名の通り、カリフォルニアの一等地に建てられており、1950年代ぐらいまでは栄華を誇ったホテルであり、 エルヴィス、マリリン・モンローら、アメリカン・カルチャーを代表するスターはみんなここに泊まっておるぞ。
 じゃが、わしが初めて滞在した80年代のはじめ頃はお世辞にも高級ホテルとはいいがたく、そのビミョーな衰退ぶりがアメリカという国家の精神的推移をシンボライズしているということで、イーグルスが作曲の題材として目をつけたんじゃ。

「ここは過去を忘れ、過去を振り返るためのホテル・・・」
「ウエイターにワインを頼むと、68年以来ワイン(スピリッツ=精神)は置いてありません、と・・・」
「いつでもチェックアウトできるが、決して立ち去ることはできない・・・」


 胸がしめつけられるような詩的な美しさを湛えたこの歌詞、諸君はお分かりいただけるかな? 過ぎ去りし時にすがりつき、もはや現実を生きることができず、戻る場所がなくなった者たちのホテル、ってことじゃ。
 モスグリーンが基調となったホテル内はまったく改装されておらず、各所のメンテナンスと清掃はしっかりなされておった。 その歌詞の大意通りに、過去の栄光の亡霊が漂っているような異様な雰囲気の元高級ホテルといった感じじゃったな。 しかし従業員の兄ちゃんたちが、そんなホテルの装いとは正反対に、明るく気さくだったのをよく覚えておる。 
 現在は全面改装されて、老舗の高級ホテルの名に相応しい装いを取り戻しておるが、そこかしこにアメリカの旧き良き時代をつぶやいているような味わいがあることだけはわしが保証しよう。
 わしは階下のバーで上記の歌詞に出てくる「ワイン」をオーダーしてみた! 「そんなダシャレをやる客はいねえよ」と笑いながら片目をつぶってみせたウエイターは、グラスワインを一杯サービスしてくれたぞ。 これがこのホテルを訪ねた時のゴアイサツってもんじゃよ! 諸君の中でワイン好きがいたら、是非このシャレをやってくれ〜い。

◆ホテル・カリフォルニア◆
 ついでじゃが、イーグルスが「ホテル・カリフォルニア」を書く際のインスピレーションになったホテルは実は別にある、といわれておる。 それは世界一細長いカリフォルニア半島のほぼ先端に位置するメキシコ領ドトサントスにある、その名もズバリ「ホテル・カリフォルニア」じゃ。 砂漠のハイウェイを突き抜けた先の人口約4000人ほどの小さな街にあるモーテル並みのホテルじゃ。
 イーグルスによって一躍有名になったものの、もともと地元のサーファー相手の民宿みたいなもんであり、経営姿勢も従業員の態度も遊び半分。 ホントにイーグルスがこんなとこ泊まったの?って首をかしげたくなるうなイーカゲンなホテルじゃ。
 じゃがロビーの内装は南国情緒と退廃性がマッチした独特の陰影があり、荒涼とした砂漠地帯の果てのオアシスって感じであり、テキーラかっくらって過去の恋人に涙の乾杯でもするんならいいフンイキじゃったな。 「ハートブレイク・アゲイン・ホテル」と言えなくもないのお。 現在は休業中らしいが、気まぐれホテルなんでどうなっとるか分からんな。 もし行かれるんならしっかり事前情報をキャッチするように。



七鉄の酔眼雑記   

 この「酔眼雑記」もここんとこスポーツ・ネタが続いておったから、今回は別モンでと思うとったが、またまたスポーツ界で「けんけんがくがく」があったもんで、わしとしては黙っとる訳にはいかんようになった。 先日幕を閉じたプロ野球日本シリーズでの大事件、「完全試合目前の投手」を交代させたドラゴンズ落合監督の采配じゃ。

 大騒ぎするに値するネタではあるが、わしは世間が議論するべき視点、論点がズレておると思うぞ。 日本シリーズ史上初の完全試合まで残り1イニングの山井投手の手のマメが潰れていたとか、最小得点差だったとか、チームの53年ぶりの日本一が目前だったとか、そういう状況は一切関係ない! 我々が議論するべきとこっつうのはな、山井投手がどうして空前絶後の大記録に向って自ら続投を志願しなかったか、っつうこっちゃ。
 1956年のアメリカ・メジャーリーグ「ワールドシリーズ」において、史上唯一の完全試合を達成したドン・ラーセン投手のコメントを紹介しよう。 「最終回は心臓が張り裂けそうで足腰はガクガクだった。 誰かオレを助けてくれって心の中で叫んでいた」 とまあこんな具合であって、ラーセン投手はすさまじいプレッシャーに打ち勝って大記録を達成したという訳じゃ。
 山井投手には、ラーセン投手のようなプレッシャーと戦う気力も、日本人初の栄冠を奪取しようとする意欲もなかったんじゃろうな。 千歳一隅の栄冠を拒否してまで安全パイを選択するような選手、またその選手を容認する監督を作り上げたのは、どこのどなたさんかい?とわしは言いたいのじゃ。 「チームの勝利優先主義」「分業至上主義」という球界の時代真理を貫いた落合監督、それに従った山井投手にはなんら問題ない。 ただし例外が求められた場合に、果敢に挑戦しようとする規格外の選手たるべき心技教育を怠っていた球団及び球界全体の問題じゃよ。 プロ野球選手は、庶民に夢を与える立場にあるんじゃ。 そんな彼らを企業組織の一員みたいにかこっているから、今回のような問題が起きるんじゃよ。
 問題を起こした個人ばっかりを攻撃するのは日本人の悪いクセじゃ。 彼らを統括する組織、協会のあり方を根底から問い正さんと何も変わらんぞ。 そして組織、協会の重い腰を上げさせるのは事件の質や有識者の見識ではなく、庶民の声なんじゃ。 だからこそ諸君、視点、論点を間違えて意見してはならんぞ!

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