■ 第四章~日本料理店3,000店突破!自炊派も食材入手に苦労なし!! ■
何をするにもネット以上に重要なのが御食事事情。 果たしてバンコクで美味しい和食が食べられるのか? 15年前も悪くはなかったけど、今は格段に進歩して、日本料理店の数はバンコクだけで3,000店を突破! 定食屋さん、牛丼屋さん、とんかつ屋さん、居酒屋さん、本格的和食屋さん、寿司刺身屋さん、うなぎ屋さん、鍋料理屋さん等など、「ここは日本かよ!」っつうぐらい、もう食べられない物は無い! まあ一年もすれば3,000店が淘汰されるじゃろうが、減った分だけ新しく進出してくる店は続くじゃろうから、この異常供給状態は当面変わらんじゃろうな!
単純に日本料理店の店舗数の増大よりも、日本人の板前さんが増えて、料理をタイ人任せにしない店が増えたことも特徴じゃ。 その分お値段は15年前よりもぐぅ~んとアップ! 定食100バーツ前後(約350円)だったが、今では約倍じゃ。 まともなラーメン一杯、チャーハン1皿200バーツ(約650円)で日本と変わらない。 居酒屋でちょっと羽目を外して飲み食いすると、お一人様約1,500バーツ(5,000円)なんて珍しくない。
一方自炊派の方々への情報じゃけど、日本料理店の数は増えておるのに、日系スーパー、食材屋さんは15年前からあまり増えておらん。 大手だとマックス・バリューぐらいじゃ。 ちょいとこの原因を探ってみたんじゃけど、何のことはない、タイ・スーパー、欧米系スーパーでも日本食関連の食材や調味料が数多く取り揃えられるようになっておったからじゃ。
15年前は日本直輸入のマヨネーズ等の各種調味料、インスタント食品なんかはバカバカしいぐらい高値じゃったが、今は日本の約倍ぐらいの値段に落ち着き、またタイ系、欧米系スーパーは現地生産の日本式調味料やインスタント食品を売っておって、特売日を狙っていけば大体日本と同額ぐらいじゃ。
それから「タイ米はパサパサして不味い!」って信じておる方はよお~く覚えておくように。タイ米の進化も素晴らしくて、最近は“おかず・ぶっかけ飯”用じゃなくて、白米だけでも充分食べられるクオリティのタイ米が増えておるぞ!週末は自炊派のわしも、ただいまタイ米を美味しく頂いておりまする!
■ 第五章~“飲める”現地醸造酒の選択肢が拡大!一方喫煙者は嫌われる一方!? ■
さてお待ちかね、お酒事情じゃ(笑) この部分に関しては、この2~3年で事情が様変わりしたので要注意! まずビールじゃが、「ビア・シン(シンハー)」(大瓶1本62バーツ=約200円)、「ビア・レオ」「ビア・チャン」(いずれも52バーツ=約150円)というタイ産ビールの布陣やお値段は変わっておらんが、「ビア・チャン」が「ビア・チャン・クラシック」と称してお味を改良してクオリティ・アップ。 日本ブランドは15年前は「アサヒ・スーパー・ドライ」だけじゃったが、今は「キリン一番搾り」そして「サッポロ」まで登場!ただし「サッポロ」はベトナム産なのでお値段が倍近く高い。
欧米系ビールでは「ハイネケン」(約200円)の独占状態が長らく続いておったが、つい最近になって意外なライバルが出現。 ドイツのスピルナー・ビールを忠実に再現してみせたという触れ込みのタイ国産ブランド「フェデルブロウ」じゃ。 個人的には本場モンの様にガツンとこないタイ産「ハイネケン」よりも「フェデルブロウ」の方が好きなんで大歓迎! かつて「クロスター」を撤退させた王者「ハイネケン」じゃが、果たして「フィデルブロウ」の普及やいかに?
欧米系ウイスキーにおいては、酒の関税が高いタイではとても気軽に「ジャックダニエル」や「ホワイトホース」レベルの大衆ウイスキーでも飲めない。 大瓶1本3500~5000円がザラなのじゃ。 これは国内醸造者を守る政府の方針なんじゃろうが、それに応じて最近になってようやく“普通”に飲めるタイ産ウイスキーが増えた。 代表的銘柄は「285」「センソーン」「クラウン99」。もっともウイスキーと言っても、米焼酎とサトウキビ焼酎を上手にブレンドしてウイスキーに似た味にして、色もカラメルでウイスキー色にしたもの。 これらが大瓶で250バーツ前後(約800円)じゃ。
さらについ最近セブンイレブンでしか売られていない、韓国焼酎に似たお味の格安米焼酎「タワンデーン」が登場。 これが大瓶150バーツ(約500円)! これまで挙げたお酒の銘柄は、既にかなり飲んでおるんで(笑)、飲み口が良く、二日酔いや悪酔いの無いことだけはこのわしが保証しよう!
一方、愛煙者にとってはバンコクはどんどん肩身が狭くなってきておる。 純然たるバー以外では、喫煙はほとんど禁止。 「タバコを吸う者は、貧乏人か肉体労働者だけだ」ってな風潮がタイ国全体で強まっておるんで参るわな。 タバコの値段上昇率が一時期激し過ぎて、国内タバコ生産者から政府にクレームが入ったぐらいじゃ。 わしの会社でも、喫煙者はアメリカ人オーナーとわしの二人だけであり(汗)、非常に肩身が狭い、どころか犯罪者気分! タバコのポイ捨て罰金も、15年前から5倍の2,000バーツ(約7,000円)! そのお陰でバンコクの路上から吸殻がほぼ消えておるがな。
ちなみにわしが吸っておる東南アジア産キャメルは、一箱60バーツ(約220円)。これ以上安いタバコは不味くてキツクテ吸えない。 これも政府の嫌煙セクションの陰謀じゃ~。タイの政府は時折極端な法令を発表して庶民からひんしゅくを買い、短期間の内に改正されることが多いが、タバコに対する締め付けだけは緩めてくれないのが現状じゃ。
■ 第六章~変わらぬ大渋滞も、通勤便利さは改善!? ■
バンコクの“悪い名物”の代表と言えば、もうどうにもならない朝夕の道路の大渋滞。 20年前に高架鉄道が出来、12年前に地下鉄が開通したものの、焼石に水!と思っていったが、実際に会社勤めをしてみて分かったことじゃが、朝夕の高架鉄道や地下鉄の本数が開通当時の倍以上になった上に、フレックス制を導入したり始業時間を遅らせた会社が増え始めた為か、意外と道路渋滞とは関係無しに通勤出来るようになった。
わしの勤める会社も午前10時半出勤。 高架鉄道と地下鉄を乗り継いで約35分で出勤出来るからノープロブレムじゃ。 もっとも、お車で通勤されるお偉いさん方は相変わらずの渋滞地獄じゃろうけど、そんなのはわしにはカンケーネー!(笑)
ただしわし仕事は内勤ではなくて、昼夜にわたって取材や営業周りが多いので、高架鉄道や地下鉄の駅周辺ばかりウロウロしてたって始まらん。 駅から徒歩圏内にない場所へ移動する時は15年前と同じくバイクタクシーじゃ。 このバイクタクシーの値段上昇率がバンコクの物価上昇率に比べると低いので助かる(笑)しかもドライバーの数がやたらと増えたので、利用にはまず不自由なしじゃ。 人によっては色んな情報をくれるドライバーがおるのは15年前も今も同じじゃ!
ちなみに通常タクシーの値段上昇率もバイクタクシー同様に低い。 バンコクのタクシー代は東南アジア有数の低価格なのじゃ。 一説によると、凶悪犯以外の犯罪者がシャバに出た場合にもっとも就職しやすい職がタクシードライバーらしく、彼らの更生プログラムの都合上でタクシー価格を低く抑えておるとか。 つまりすぐに平均的収入者になってしまうと罪の再発の恐れがをあるからだとか!?
交通機関の進歩と言えば、更にタイ国内の空の便の充実も見逃せない。 ビーチ歓楽地パタヤや南の島への便だけでなく、バンコクから700キロ離れた北都チェンマイへも僅か40分、時期によっては5000円程度でチケットが買える時代になった。
■ 終章~お金の無い日本人はもはやお呼びじゃない!? ■
その他のバンコクの進化の代表例は、半ばスラム化していた広域のバービア地帯や安アパート地帯が次々と更地にされ、今では大型ホテルやコンドミニアム(大型マンション)に様代わりしている(建築中)ことだ。
それに伴って数多く路上にひしめいていた屋台も法令によって一斉に姿を消したのじゃ。 二、三ヶ月前に「週末のみ路上屋台復活」のニュースが流れたものの、結局開店許可代やショバ代が高価だったらしく、あらためて店を出そうとする者は極めて少なく終わった。
留まる事を知らないようなバンコクの進化と外国人に流入状態。 もうバンコクはタイとは言えないかもしれない。 かつてわしが定義した通り、バンコクはシンガポールに次ぐ東南アジア第二の大都市国家へと成長を続けることじゃろう。 日本人特有の東南アジアに対する根拠の無い上から目線で、「所詮東南アジア、所詮バンコク」なんてもう時代遅れ。 想像以上の発展を続けておるのがバンコクじゃ。 タイ特有の情緒、旅愁なんかはもうバンコクに期待する方が間違っておるのかもしれんな。
また最近お見受けするんじゃが、日本から視察にきた高齢の業者さん等が、低コスト目当てで製品のサンプルをバンコクの業者に発注すると「やっぱりこの程度のクオリティかよ」なんて馬鹿にする声を聞くが、それは低コストの業者ばかりを相手にしておるからじゃ。 それなりの予算を出せば、相応のクオリティを期待出来る時代になっとるぞ。 おしなべて言うと、セコイ日本人はバンコクではもう相手にされないってことでもあるんじゃよ。
そこんとこをご理解の上、もしバンコクにお立ち寄りの際には、様々な人種が旅を旅を楽しんだり、新規事業を立ち上げたり、数多くの日本の若者が働いておるバンコクをどうか楽しんで頂きたい!
(上写真~わしの職場から徒歩約20分にあるバー「wongs place」。 1970年代から営業しており、まだPCもスマホもインターネットも無い時代のインドシナ戦争の取材でバンコクに立ち寄った世界中のジャーナリストたちの情報交換の場所じゃった。 わしもミレニアム前後からよくネタ探しに訪れたもんじゃ。 当時のオーナーは既に故人となり、現在は気のいい弟さんご夫婦が経営されておる。 バンコクの法令を無視して朝まで営業しており、表の看板の照明を落とした夜12時以降になると、“良いネタ”をもった興味深い欧米人たちが集まってくる(笑)
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