NANATETSU ROCK FIREBALL COLUMN Vol.283

 サワディ、諸君!(ラオス語で“こんにちは”)わしは今、ラオスの首都ビエンチャンにおるぞ。 
 ラオスという国は、アセアン諸国の中でもっともマイナーな国であろう。 その理由は、良くも悪くも、今日まで世界中で取り沙汰される話題をほとんどもちえなかった国だからじゃろう。
世界中から観光客が押し寄せるタイ。
公用語が英語であり、欧米とアセアンの文化折衷地のようなフィリピン。
1960~70年代に長引いたアメリカとの戦争と驚異の復興力が話題になってきたベトナム。
世界最大級の世界遺産アンコールワットを擁するカンボジア。
一昨年に長過ぎた軍政から解放され、待望の民主化を果たしたミャンマー。
しかし時代がネット社会へと移り変わった21世紀になっても、「ラオス」という言葉自体がまず我々の日常生活、お茶の間に登場することは稀じゃろう。

 わしのラオス入国は1998年、2015年、2016年に続き4回目になる。 1998年の体験はさておき、段々とビエンチャンの街の魅力に取りつかれてきておるから我ながら不思議(笑) ここ半年ほど取材旅行が続いており、さすがに心身が疲れてきたので、「一ヶ月ほどのんびりしたい」気持ちじゃが、その際は是非ビエンチャンに滞在しよう!と思っておるほどじゃ。 正確にいうと、タイとの国境であるメコン川沿いに広がるリバーサイド歓楽街に、わしは恋をしかかっておるのじゃ(笑) じわじわとわしの感性に浸透してくるラオスとビエンチャンの魅力の一端を、「ラオスって何処?」っつう諸君にお届けしたい!

七鉄のロック回り道紀行~Vol.26 
アセアン最マイナーな国ラオスの首都ビエンチャン。
“ゆるい”近代化とメコンの風が長旅の疲れを癒してくれる、小さなパラダイス・シティ


■■ラオスの基本知識 ■■

国名:ラオス人民民主共和国 Lao People's Democratic Republic
首都:ビエンチャン
人口:約660万人(2013年 / ラオス統計局)
政体:人民民主共和制
面積:236,800平方キロ(日本の本州の面積にほぼ匹敵)
国土概要:ベトナム、カンボジア、タイ、中国、ミャンマーの5カ国と国境を接し、アセアン10ヶ国の中では唯一の内陸国。 タイとの国境沿いにメコン川が流れており、国土の8割、特に北部はそのほとんどが山岳地帯。 平地はビエンチャン周辺やメコン川流域に広がり、豊かな森と川の恵みあり。

 北部には「ルアンプラバーン」「バンビエン」という、手つかずの大自然と風土習慣の残る有名な山間の街と景勝地があり、南部には「サバナケット」「パクセ」「ムアンコーン」という、メコン川の流れに沿って出来上がった河川自然の美しい観光地がある。 わしは1998年にこれら全て訪れたものじゃが、今回は首都ビエンチャンについて書かせて頂くので、これらの地のお話は回をあらためてお送りしたい。 (※なお、日本人のラオス旅行者は、年平均2~3万人と言われておる)


■ ビエンチャンの魅力その1~静かなる首都、ビエンチャン ■

 ビエンチャンの中で外国人旅行者の集う地域、それはメコン川沿いのリバーサイド周辺。 この一帯に足を踏み入れると、その静かさに唖然とする。 旅行者用のホテル、ゲストハウス、各種飲食店が点在してはおるが、とにかく「これが一国の首都なのか」「最大の外国人居住地域なのか」と信じられない気分になる。

 どこの国でも外国人の集う地域には、彼らが“落としていく”外貨を収入源とする現地人が大量に流れ込んできて、外国人用歓楽地帯と現地人用集落とがそれなりのスケールで街を形成しているものじゃ。 しかしビエンチャンにおいては、その規模は大きくはない。
 調べてみると、まず人口そのものが少ないのじゃ。 このリバーサイドの外国人用歓楽地帯周辺の人口は、わずか20万人程度。 郊外に広がる地元民用地域までは車で30分ほど要し、リバーサイドとは表向きは関係無し! これではこの一帯が静かなことも当たり前なのじゃ。 静かな歓楽街なんてあるのか!と思われるのじゃが、それがビエンチャン最大の特徴じゃ。
 しかし、その静かで小さな歓楽街の中には、種類豊富な外国料理レストラン、ラオス料理レストランがあり、立ち飲み屋的格安バーからオシャレなバーもある。 安い宿でも、最近では清潔な宿が増えてきて、wifi設備もバージョンアップ! コンビニエンスストアはもちろん、衣料品関係が充実しているナイトマーケットは毎晩催される。衣食住にまったく困らない!

 唯一の難点は、歓楽街とはいえ午前0時でほぼ一斉に店舗がクローズされて、辺りが一気に真っ暗になることぐらいじゃろうか。 飲食店で流れているBGMも照明も、どこも必要最低限レベル。 快楽に興じようという雰囲気、またある方の言葉を借りれば「人間のもつ暴力性というものがまるで感じられない」雰囲気が漂っているのがビエンチャンのリバーサイドなのじゃ。


■ ビエンチャンの魅力その2~ぼったくり無し、商売っけ無し ■

 我々外国人旅行者にとっての最大の敵?!は、現地商売人の外国人用のぼったくり! 現地語や現地人気質が分からない、現地通貨の単位に慣れていない、などのゆとりのなさを狙って、あの手この手でぼったくりをやるのが東南アジアの商売人の基本スタイルじゃが、ビエンチャンにおいてはほとんど無いといってよかろう!(まあ、上述のナイトマーケットでは、多少ふっかけてくるが)
 ローカル・レストランに行っても、愛想も良くなく、オーダー取りもスローで、追加オーダーを促すこともなし。 何だか商売する気があるのか?と思えるほどのんびりと接客をしておる。 日本人旅行者は、母国日本における過剰な接客ぶりに慣れておるから、すぐに外国人の接客態度に対して文句を言う傾向が強いが、わしに言わせれば日本がやり過ぎ。 ビエンチャンでは、まず「ぼったくり無し」が最大のサービスなんじゃ。 愛想なんてものは二の次、三の次!


■ ビエンチャンの魅力その3~“清潔感”溢れるビエンチャンの人たち ■

 メコン川の対岸からはタイであり、ビエンチャンは普通にタイ語が通じるのじゃ。 これはタイのTV電波が自然とキャッチできるので、ラオス人がタイ語を聞きなれていることと、元々タイ語とラオス語が非常に似ていることが要因なんだそう。 川岸近くであれば、タイの携帯電話用電波も届く(タイのSIMカードが使える)のでモバイルデータ通信が可能!
 だから“なんちゃって”レベルながらタイ語が話せるわしは、現地人と普通にお話が出来るのもビエンチャンの魅力のひとつ。 そんなわしから見ると、ビエンチャンのラオス人は、何と言うかな、「精神的にとても清潔感がある人々」と感じておる。 お金にもガツガツしていないし、あくまでも自分たちのペースで仕事をして生活をしているから、外国人を特別、特殊な存在としては見ていないようじゃ。

 こう言っては何じゃが、アセアン諸国はどこに行っても、外国人として「いつも何かを期待され、求められている」といった現地人の視線からは逃れられないものじゃ。 恐らく、現地に駐在しているビジネスマンから、小汚い恰好をしたヒッピー風の旅行者まで、外国人ならば同じじゃろう。
 ところがビエンチャンにおいては、例えば、ローカルのバーや食堂に行っても、「どこから来たのか」「どれぐらい滞在するのか」といった当たり前の質問をされることすら少ないのじゃ。 わしのように長旅をしておる者にとっては、現地人から外国人として特殊扱いをされるよりも、普通に接してもらえるビエンチャンの人たちの態度が何よりも安らぎになるのじゃよ。


■ ビエンチャンの魅力その4~夜の街は静かで、治安も安定 ■

 一国の首都最大の外国人地域が静かって、ちょっと信じられないと思うので、まずは夜7時頃の晩飯時のストリートの写真をご覧頂きたい。

 フランス統治時代のコロニアル調の建物が多く残るビエンチャンじゃが、夜ともなると街の建物の半分は電気が消え、広告のネオンなどもさほどないから街中は御覧の通り! 暗がりの所々に飲食店の電灯が点灯しているといった感じじゃ。
 夜間営業の飲食店は、どのお店も繁盛しておるのかどうか、傍目にはさっぱり分からない(笑)どこも泰然と営業しておるようにしか見えないのじゃ! 他の東南アジアの都市では、流行っていない飲食店からは従業員たちの物欲しそうな視線を感じるものじゃが、ビエンチャンではそれすらもない。 店外での客引き行為もほとんど無し。 それは店舗であろうが、路上の屋台であろうが同じ! 生活するために懸命に営業している活気が感じられないのじゃ。 かといって閑古鳥が鳴いておるような悲壮感もない。 「外観が気になるなら、入ってみて下さい」って感じじゃな(笑) だからある意味で、どの店も「一度は入ってみるか」といった気分にさせられる。
 夕方17時頃から交通量は増えてはくるが、信号が無くても楽に道路を横断できる程度じゃから、車による騒音もない。 ストリートでのひったくり被害も少なくともわしは聞いたこともない。

 唯一夜間でも明るくて少々の活気が感じられるのは、メコン川の土手沿いに約100メートルに渡って毎晩催されるナイトマーケット周辺。 ビエンチャンの夜でもっとも明るい場所なんじゃが、何曜日に訪れても「押し合い圧し合い」がなくて平和的な雰囲気が漂っておる。 この地に住むラオス人と、この地を訪れる外国人がそんなには多くないことの証明になる場所! 

またメコン川の西側に太陽が沈む美しいサンセットが拝める場所でもあり、今の時期だと午後5時半から6時頃にかけて空は美しいオレンジ色に染まる!(冒頭写真参照)


■ ビエンチャンの魅力その5~ラオスにはうまい酒がある!「ビアラオ」&「ラオディ」 ■

 何はともあれ、わしがラオスを気に入ったのは、何と言っても美味しいお酒があるからじゃ(笑) まずはビール「ビアラオ」。 ラオスの事なんぞ何も知らない、興味のないアセアン旅行者でも、酒好きならば「ビアラオだけは美味い!」「ビアラオを飲むためだけにラオスに行く」とまで言わしめる人気絶大のビールじゃ。 恐らくアセアン産のビールの中では、シンガポール産の「タイガービール」とともに「本物のラガービールの味がする」数少ない本格派ビールじゃ。
 隣国タイでも、輸入用のビアラオを飲むことが出来るが、これが不思議とタイで飲むビアラオはそれほど美味いと感じない!
 ビールはその土地の風土、気候によって飲む味が左右されるものじゃが、タイとラオスの気候は似たり寄ったりなのに誠に不可解なのじゃ。 だからビアラオを美味しく飲むならば、ラオスに行くしかないのじゃ!

 デンマークの「カールスバーグ社」が開発したビールであり、種類は「ラガービール」「ダークラガー」「ゴールド」の3種類。何と言ってもオリジナルの「ラガー」がもっともわしのお気に入り。 アルコール度数は5%じゃが、わしはスイスイと飲み過ぎてしまい、気を付けておかないと大瓶2~3本なんて30分ぐらいで空けてしまう!
 最近になって新しい美味しい飲み方を現地ラオス人に教えてもらった。それは「ラガー」と「ダークラガー」をハーフ&ハーフでミックスする飲み方。 これがまた恐ろしいぐらいにイケルのじゃ!

 一方「ラオディ」。 これはラオス産のラム酒であり、開発者、醸造者は日本人なのじゃ! 今やラオスの最高級ラム酒として国内では有名であり、その知名度とハイクオリティは徐々に周辺諸国に浸透しつつある!
 ラム酒というのは、ご存じの通りサトウキビから作られるお酒。 カリブ海の島々のサトウキビが原料となった「バカルディ」や「ハバナクラブ」は超有名じゃ。 「ラオディ」はラオス産のサトウキビから作られておるが、醸造法が一般のラム酒とは違う。 普通はサトウキビから甘味を絞り上げた際に出る廃蜜糖が原料となるが、「ラオディ」はサトウキビを絞り上げた液そのものが原料となる「アグリコール・ラム」という高級なラム酒。 この醸造法で作られるラム酒は世界中の数あるラム酒の中で僅か3%のみという希少ラム酒!

 実は今回のラオス入りは、この「ラオディ」の醸造所の取材の為だったんじゃが、取材前に予め飲んでみた「ラオディ」は、美味い! ラム酒としては「ホワイト」「ブラウン」の2種。リキュールとして「梅」「プラム」「ココナッツ」等の5種類があるが、わしは当然全部飲んでみたが、 断然「ホワイト」派! ストレートはもちろん、ロック、水割り、ソーダ割り、更にお湯割りまでもイケテ、イケテ、ショーガナイ!
 ちなみに醸造所を取材した時は、醸造者のI氏のススメにより、試作中のリキュール3種まで飲んでしもうた(笑) 実はこの「ラオディ」、既に事実上のラオス政府公認の高級ラム酒であり、3年前にビエンチャンでサミットが開催された際には、「各国首脳陣のおもてなしの酒」として振舞われ、醸造者I氏によると「ロシアのプーチン一派がやたらと気に入ってバカ飲み」しておったらしい(笑)

 現在のところ、ラオス国内のみの販売ではあるが、何故このわしが「ラオディ」の存在を知り、取材にこぎつけることが出来たのか? それはタイでラオスの情報を集めまくっておった昨年末のある日、一件のバーで「ラオディ」のタイでの販売を計画中の一人の日本人業者さんと知り合うことが出来て、その方を通して「ラオディ」本部と現地販売代理店とのコネクションが出来上がったのじゃ! こりゃもう、旅の神様、酒の神様に感謝、感謝、感謝じゃ~。


■ ビエンチャンの魅力その6~個性的ながらも“来店者に優しい”日本人経営の飲食店 ■
 
 現在のところ、ラオスに住んでおる日本人は推定数百人、その内ビエンチャンには300人と言われておる。 もちろんアセアン諸国の首都の中ではもっとも少ない数字じゃろう。
 当然日本人旅行者も多くはなく、彼らもルアンプラバーンやバンビエンといった観光地域への中継地として立ち寄る場合が多く、ビエンチャンに長居する方はいたって少ない。 ところが、ビエンチャンの日本人経営の飲食店は数は少ないが大変にサービスのレベルが高い!

・ラオディの販売代理店、販売促進店としての「ラオディー・バー」。(写真左) 目の前がメコン川という絶好の立地。 
・新宿の老舗バー「ドレスデン」の姉妹店であり、ビエンチャン有数のオーセンティックな高級バー&レストランの「どれすでん」。(写真右下)
・画家と陶芸家の日本人カップルが経営するアーティスティックなカフェ・レストラン「アンゴ・カフェ」。
・東南アジアではトップレベルのお味の本格的ラーメン店「ワラオ」と、隣接するプールバー「ワラオ・バー」。
・関西風お好み焼きと和食メニューが充実した「OSAKA」。
・「とにかく普通の和食が普通に食べられる」と、リバーサイドからは遠くて立地が悪いのに大人気な「YOKOHAMA」。
・「ラオスでジャパンが感じられる」と白人旅行者の方にも大人気な居酒屋「大」。

 どのお店も素晴らしく、なおかつ個性的なクオリティのサービスを誇るお店じゃ。 日本人マスターさんたちのお人柄も大変によろしい! ビエンチャンという場所柄、日本人客だけを相手にしておると商売が成立しないので、様々な人種へアピールしておるだけに、フレンドリーな人格者が多いのじゃ。 「こだわり頑固ジジイ」や「“俺の〇〇を食ってみろ”的アンチャン・キャラ」では生きていけないのじゃ。
 お店の名前やメニュー内容を和風にしただけの、“なんちゃって偽日本人店”はビエンチャンには無いに等しい!(以前は“なんちゃって店”がいくつか存在したが、現在は廃業しておったわい)

※なお上記のお店は、全てグーグルマップに掲載されておる。


■ビエンチャンの魅力その7~日本人の口に合うラオス料理■

 ラオス料理と言ってもわしも正確にはよお説明出来んが、まあタイ料理に似たエスニック料理と言えばお分かり頂けるか。 しかし味付けはタイ料理ほど濃くなく、スパイシーではない。 スパイシーな料理でも味加減の調整を頼むと、ちゃんとその通りに出てくる店が多い。 これがタイ人だと「分かった、分かった」と言いながら全然調整してくれない! それで文句を言うと「辛い方が美味しいから」と(笑) でもラオス人はちゃんとリクエスト通りにしてくれる! また中華料理風の食事メニューも多いので、ビエンチャンは食べ物に苦労せんのじゃよ。
 野菜類もハッパ物は大量生産されているので不自由しないが、根菜類はタイやベトナムからの輸入物が多いらしく、メニューでも若干値が上がるが全体的にみて野菜類、果物類は豊富じゃ。

 唯一の難点は、ラオスは内陸国なので海の魚が普通に食べられない。 川魚は豊富じゃが、特有の臭味を消すために大量の香草を腹部に詰め込んで調理されるのでわしにとっては異常に淡白な味になっておってちと残念。

 なお、ラオスのサッカー・リーグで活躍する日本人ストライカー本間和生選手と幸運にも知り合うことが出来たが、セルビア、ハンガリーという東欧のチームに長らく在籍していた本間選手も「ラオスは食べ物の種類が豊富で、野菜と果物がたくさん摂れるので嬉しい」と語っておった。
 本間選手に対しては、取材仕事の一環としてインタビューさせて頂いたが、場所は本間選手が時々立ち寄るラオス料理のローカル店であり、この時のメニューは「ラオス風焼き鶏」「ラオス風豚肩肉焼き」「青パパイヤのサラダ」「もち米」であった。ご本人の承諾を得ておるので、特別に写真を披露致しますゾ!


 適度な文明化、適度な人口、適度な数の観光客、静かな街中、安くて美味しい現地料理、レベルの高い日本食、そしてうまい酒! 肩ひじ張らずに泰然と構えて穏やかに暮らすことができそうな、ビエンチャンのメコン川リバーサイド。
 今から20年前1998年に訪れた時は、この辺り周辺は舗装もされいないただの土手状態。 川っぺりには放置された流木や廃船があり、飲み屋や飯屋の掘っ立て小屋だけが目に付くだけじゃった。 遠い記憶を呼び戻してみたが、街の雰囲気自体は当時とさほど変わっていないようじゃ。
 恐らくこの国の人民が敬虔な仏教徒が多く、経済発展よりも何よりも仏様への信仰を大切する人々の心の美しさが、過度な西洋化、観光地化を防いでおるのじゃろう。 良い意味で「時間がゆっくりと流れている」のじゃ。

 ラオスを“チラ見”した程度の旅行者たちは、「首都ビエンチャンに行っても、何にもやることがない」という。 以前のわしもそうじゃった。 真昼間からメコン川沿いでビアラオを飲んで、美しい夕日を眺めて、屋台飯をかき込んで、はいおしまい!って感じじゃった。 
 しかし今では、「何もやることがない」の後に、「何かが生まれてくる予感」みたいなものがある。 「ラオディ」が美味し過ぎて酔った際の錯覚かもしれんが、こういう錯覚は嬉しいものじゃ(笑) ラオス、ビエンチャン、メコン川リバーサイド、もうしばらくお付き合いさせて頂こうと思っておる次第じゃ。


 ロックンロール戦士の諸君よ、諸君の中にもタイやフィリピンを休息のために密かに訪れとる方も多分いるであろう!(笑) タイやフィリピンも悪くは無いが、機会があったら思い切ってラオス・ビエンチャンのリバーサイドを訪ねてみてくれ。
 上記の日本人経営の飲食店等でビアラオとラオディを飲み周りながら、日がな一日何もせずのんびりしてみてほしい。 ナッソーを着ておるとちと暑いかもしれんが、好みのイタリアンカラーシャツをサラリと羽織って、メコン川と対話しておると、きっと新しい幸せがやってくるじゃろう。 くれぐれも、ビアラオとラオディを飲み過ぎんようにな!

※日本からのラオスへの直行便はないが、本年度中に就航予定とのこと。 タイ・バンコク、ベトナム・ハノイからならビエンチャンへ空路直行入域が可能。 うまくいけば往復1万円程度。 滞在二週間以内ならば、ラオスはビザは必要なし。
 バンコクからならば、陸路でも行ける。 わりと豪華なバスで所要時間は約12時間。 トイレ付の夜行バスなので、寝ているうちにラオス国境付近まで運んでもらえて、簡単な入国手続きの末、早朝にビエンチャンに到着する。

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