NANATETSU ROCK FIREBALL COLUMN Vol.280
現在東南アジア各国の取材旅行を続けておるわしじゃが、カメラマン等の共同取材者もおらず、行く先々で現地エージェント(案内人)が待っておるわけでもない。 また依頼先から潤沢な経費を頂いておるわけでもなく、その反面行動規制も一切ない。 要するに基本的には全て自己責任による単独行動による取材じゃ。
取材するテーマの大枠というのは予め決まっておるから、それに対する下調べはネットや文献で行っておく。 しかし実際に現地に行ってみると、下調べによる知識ってのはあんまり役に立たないのが東南アジア! 特に東南アジアの都市部の変貌のスピードは大変に速く、何を調査するにしても、一年前にあった店や担当者が変わっていたなんてのは当たり前であり、建物そのものが無くなっていることも珍しくないのじゃ。 一年前に好調だった事柄がすっかり衰退しているなんてのもキリがない。 だから取材が成功するかしないかのポイントは、調査対象の場所に出かけて行って現物を確認することを大前提として、いかに現地の情報に精通しておる親切な日本人に巡り合えるかどうかに掛かっておるのじゃ。 興味本位のネットの記事や現地の古だぬきさんのオハナシを真に受け、そのまま受け売りなんかすると、とんでもない恥をかくことになる!
まあロックンロール・バーやファッションブランドの取材ならば、The-Kingのナッソースーツでバッチリキメておけば、素晴らしい取材対象が向こうから勝手にやってくるし、取材の趣旨をいちいち語る必要もない威厳を発揮できるから苦労はせんけど、残念ながらこの度の取材はそういう類のもんではないのじゃ。
そこでわしが出した結論はただひとつ。 ここぞとばかり酒好きの嗅覚を発揮して(笑)、まずは情報源としての日本人経営のバーや居酒屋風酒場を探し出すこと! とりあえず現時点では、その単純な方法論が功を奏し、わしの取材に快く協力して下さる2人のガールズバー・マスターに巡り合うことができた。 今回はそのお二方に感謝の意を込めて、お二人の経営方針、経営哲学を少々皆様にご紹介したい。 お二人は現地でお店をオープンするまでの経緯も、お店の雰囲気も、マスターとしての接客姿勢も、そして経営方針もまったく異質である。 共通しておるのは、マスター両氏ともに年齢が40代前半であること、そして現在経営が順調であることぐらい!
あくまでもわしが知りうる範囲内でお二人のお仕事ぶりを書かせて頂くが、飲食店経営の方や東南アジア出店に多少なりとも興味がおありの方は、ぜひご一読願いたい。
七鉄のロック回り道紀行~Vol.23
夜のアセアンを生き抜く!2人の日本人ガールズバー・マスターに聞く、独自の“おもてなし精神”
■ カンボジア・プノンペン唯一の日本人マスター常駐バー「てさぐり」 ■
カンボジアの首都プノンペンには、北西約200キロに位置する大きな湖トンレサップ湖を源流とするトンレサップ川、さらに遥か北方のラオスとタイを経由して流れ込むメコン川、この二つの大河の合流地点がある。 この合流地点の手前からトンレサップ川の川岸が綺麗に整備されておる一帯は、一般的に「リバーサイド」と呼ばれる外国人旅行者向けの繁華街、歓楽街じゃ。 数多くのガールズバー、ショットバー、ビアバー、カフェ、高級/中級レストラン、ホテル/ゲストハウスが立ち並んでおる。 「てさぐり」はこの歓楽街の外れにひっそりと建つビルの2階に位置し、看板も出さずに営業している日本人専用のガールズバーじゃ。
わしが「てさぐり」のマスターI氏にお会いできたのは、良さげなバーをリバーサイドで物色していたある晩、I氏自らがお店の宣伝のためのフライヤー配りをしていたからじゃ。 まさか日本人が、しかもお店のトップである方がプノンペンの繁華街のど真ん中でフライヤーを配っておるなんて想像もしていなかったので、まあ驚いたわい! I氏のお仕事への生真面目な姿勢、穏やかな物腰に何となく惹かれて、案内されるままにお店にお邪魔して以来、とても親切して頂いておる。
ガールズバーというと、日本では「キャバクラ」ほどお店が豪華でもなく、ホステスは妖艶ではないものの、気楽にカジュアルな雰囲気で女性従業員とお話が出来るバーのことじゃろう。(あんまり行ったことがないので、詳しくはよお知らんが)まあプノンペンの「ガールズバー」は、日本の「キャバクラ」と「ガールズバー」の中間の様な雰囲気じゃ。 しかし「手さぐり」は、全体のイメージとしてはシンプルな店内装飾による「ラウンジバー」。 そこに“ホステス未満・ウエイトレス以上”のきさくな女性従業員が接客をしてくれるといった感じじゃ。
■ ミャンマー・ヤンゴン初の本格的日本人エンターテイメント・バー「東京ラブストーリー」 ■
ミャンマーの旧都ヤンゴン最大の商業区域はダウンタウン。 地方の都市化、インフラ整備が遅れておるミャンマーだけに、ヤンゴンはまさにミャンマーという国の経済の一極集中地であり、ダウンタウンはヤンゴンの心臓と言ってもええじゃろう。 最大の商業区域とはいえ、オフィス街、町工場地域、個人商店街、居住区域とのきちんとした区分けがなく、外国人用の宿泊施設や飲食店までお含めたあらゆる種類の建物が混然一体となっておるのがヤンゴンのダウンタウンじゃ。
「東京ラブストーリー(以下TLS表記)」が位置するストリートは、最近になって近くに和風居酒屋がオープンしたものの、その他は小規模のゲストハウスや飲食店が点在するだけの地味な通り。 しかも大型ホテル「シャングリラ」の真裏に位置し、通りすがりのお客さんを捕まえられる可能性は極めて低い立地条件じゃ。
「TLS」を知ることが出来たのは、某日本料理店の店主さんに「飲みに行きましょう」と誘われたのがきっかけじゃった。 その時にマスターのH氏を紹介して頂いた。 現地日本語情報誌等に広告も出されていないので、日本料理店店主さんのお誘いがなければ、H氏と巡り合う可能性は低かったわけじゃ。
「TLS」の店構え、店内内装は、ガールズ・バーというよりもカフェ・バーに近い。 明るくモダンな内装の店内で、健康的でチャーミングなミャンマーレディが接客をしてくれる。 種類豊富なゲームが用意されており、一人で訪れても、お友達感覚で女性従業員と楽しくひとときを過ごせることができるようなお店じゃ。
時々女性客もいらっしゃることは、「TLS」の魅力がヤンゴンの日本人社会に浸透している証拠じゃろう。 ヤンゴンにはキャバクラ系、高級ナイトクラブ系、カラオケ倶楽部系は結構あるものの、もっと気楽に立ち寄れる「ガールズバー」的なお店は無いに等しいので、「TLS」は画期的な試みと言えるじゃろう。
■ マスター接客編 ■
「てさぐり」にいらっしゃるお客さんを観察しておると、ほぼ全員が「お酒を飲む」「女の子とダベル」よりも、「マスターI氏に会いにくる」といった方が正解じゃ。 「てさぐり」にはカラオケ専用ルームもあるが、そこに入っていくお客さんもカラオケをやる場合よりも、I氏を中に呼び入れて何やらじっくりとお話をしている場合が多い。 I氏がターゲットとしておるお客さんは主に旅行者(もしくは現地視察者)であり、彼らが欲しがっておる情報の提供をI氏は惜しげもなく行っておるそうじゃ。
わしは当初、I氏に対して取材云々は一切口にせず、夜遊び情報をもらうフリをしておったが、I氏は実に熱心に教えて下さり、場合によっては「〇〇なら、この店よりも△△の方がお得で、□□の方が楽しい」と商売敵と思える店舗まで紹介してくれるから恐れ入った。 「自分が知っている情報が旅行者さんやプノンペン初心者さんの役に立つならば、何でも聞いてほしい」という姿勢を徹底されておるので、現地情報を欲しがるわしのようなお客が次々とやってきておる! 極まれに客入りの悪い時は、やはり繁華街の雑踏に立ってフライヤー配りに精を出しておるのじゃ。
「ガールズバー」といえば、普通はお店に入るとお目当ての女の子をまっさきに指名して、彼女に同伴/同席してもらってまず一杯というスタイルが定番じゃろうけど、「てさぐり」の場合は、まず「マスターいる?」って感じで、I氏が真っ先に指名を受けるのじゃ(笑)
I氏は西日本の某大手新聞社の元社員。 さすがに世の中の様々な情報の収集力が長けていらっしゃるようで、わしが聞きたいプノンペン情報に関しても、事実を引き合いに出しながら見事に即答して下さるので、こんな心強い方はいない! 「今、一番興味があることは何ですか?」と伺うと、こともあろうにご返答は「アニメ」!
「今までの企業や会社の社長さんたちは「ON巨人」「ゴルフ」の世代で、その次が「ウルトラマン」「仮面ライダー」世代。 でもこれから組織を率いていく新しいトップの方々はガンダムに代表されるアニメ世代! アニメの話題に付いて行けなかったら、バーマスターは務まりません」。
とまあ実にフルッタコメントじゃ!
(上写真、左側がI氏。 右側は、I氏の片腕である凄腕女性サブ。 写真は2014年当時のもの)
一方「TLS」のお客さんは在住者がほとんど。 一人でまったり飲む方、女の子とダベル方、女の子とゲームを楽しむ方、また食事メニュー(和食)が充実しているので食事を摂る方など、過ごし方は様々じゃ。 H氏は頃合いを見計らってお客さん全員に順繰りに声をかけていき、お客さんのその夜の気分や体調を察してから、場合によっては一人で飲んでいる方同士を上手にくっつけていくような接客が何とも魅力的じゃ。 「てさぐり」における情報源はマスターI氏じゃが、「TSL」の場合はいわば在住者のお客さん全員じゃ。 だからわしは、誰だかまったく知らないお客さんと会話するチャンスを与えて下さるH氏の接客術は大変に有難い! 「TSL」で何人ものお客さんと知り合いになり、名刺交換もさせて頂き、彼らそれぞれが得意とするミャンマーの情報をゲットできた。
ミャンマー・ヤンゴンの日本人社会というのはまだまだ大きな形を成しておらず、在住者も新しい知り合いを求めて「TLS」にやってくる場合が多いのじゃろう。 わしの様な短期滞在者にもある程度は心を割っていろんなお話を聞かせてくれたもんじゃ。
H氏は元JICA(Japan International Cooperation Agency独立行政法人国際協力機構)の一員としてヤンゴンで業務を遂行した経緯があり、ミャンマーやヤンゴンの経済事情にも大変に詳しい。 H氏のその辺の知識や情報を頂きたかったのがわしの真の「TLS」訪問の目的じゃった。 しかし、来店しておるお客様全員に満遍なく声をかけて、お客さんの気分を盛り上げるために店内を巡回しておるH氏に、そんな堅苦しいハナシをもちかけるのはなかなか難しい。
しかし予めH氏にはわしの目的を伝えておいたので、自分の手が空かない時は、別の情報提供者に成り得る一人飲みしているお客さんをわしに紹介してくれたり、その方とわしの会話中にいつの間にかスムーズに入ってきたりと、お客さんの心理や店内の色々な空気の読み方が素晴らしい。 「日本人マスター常駐店」の名に恥じぬ、見事なお仕事ぶりである!
わしはもうガキではないんで、情報のタダ聞きはせんようにしとる。 有益な情報を下さった方には、例え初対面でも必ずお礼にビール1杯、カクテル1杯はご馳走させて頂いた。(上写真、中央がH氏。 左側はミャンマー人男性マネージャー)
■ 夜間営業時間外の奮闘編 ■
バーの営業時間外、接客業務以外の両マスターの奮闘ぶりもすさまじい。 まずI氏じゃが、一度わしが「今日は歩き疲れたので、上手な足マッサージ店を紹介して頂きたい」とお願いすると、すぐに自分のバイクにわしを乗せて案内して下さり、マッサージ終了時間に合わせて迎えにも来て下さった。 その翌日の昼間にはオススメのランチの店にもバイクで連れて行って下さった。 一緒に食事をしていても、プノンペン案内依頼の電話が頻繁に入ってきており、お店の中での接客中も然り。
結局わしは取材の協力依頼をI氏にしたわけじゃが、起床してからお店の開店までの貴重な休憩時間(自由時間)を全部費やして遠方まで案内して下さった。 わしの取材目的は、主にプノンペンにおける「中国資本進出の実態調査」だったが、端から見ても明らかに中華勢力のスゴイ場所から、これから中国資本が進出してくる郊外の更地に至るまで、お金を払ってエージェントに依頼しても、ここまできめ細かい案内はないんじゃないか?と思えるほどの有難いものじゃった。 それでもI氏は案内料等一切請求しないので、こちらとしては恐縮することしきり。
とにかく一日中、まさに八面六臂、「プノンペン滞在中のお客様の面倒をすべて引き受けます」状態の仕事っぷりに感服した! だからわしはせめて昼間の各地案内時の「飲食代+ガソリン代」は実費でお渡しするようにしており、夜間に時間がある時は出来る限り「手さぐり」で飲むようにしておる。 「昼間までお客さんの為に時間を使っておったら、自分の身体がもたないし、経費もバカにならないでしょう?」と伺ったんじゃが、「いえいえ、七鉄さんのように、お暇な時にまた飲みに来て下さればそれでいいですよ」と平身低頭な姿勢を崩さない。 何だか、「手さぐり」での飲み代、各地案内時の食事代+ガソリン代だけでは申し訳ない気分になってしもうたわい。
「TSL」I氏の昼間のご活躍もすさまじい! 実は「TSL」は昼間はランチ・レストランとしても営業しとる。 ランチメニューのレシピは全てH氏が考案したものなのじゃ。 H氏は「TSL」のオープンを決心した後、急遽日本でバーテンダー養成学校と料理学校に通って、「詰め込みながらも」(本人談)本格的なドリンク&フードの勉強をされたそう。 現地女性を雇用した単なるガールズ・バーではなく、美味いお酒と料理も提供できる複合的な新しいタイプの「ガールズ・バー」を目指しておるのじゃ。 H氏のお名刺に記載された「東京ラブストーリー」のロゴマークの上には“Girl's Bar”ではなく“Japanese Dining Bar”の表記がある。 お酒も料理も「本物を出す」という店の方針なのじゃ。
勿論H氏はランチタイムにもお店に常駐しており、自分の作り上げたレシピが忠実に実践されているか、チェックに目を光らせておるのじゃ。 「お酒」と「お料理」という二枚看板があるだけに、現地日本人サークルへの無料食事サービスなども積極的に行っており、「下手に広告宣伝費を使うよりも、現地の日本人にいかに美味しく食べて飲んでもらえるかを考え、実践することが最大のプロモーション」という方針を貫いておる。
うんまあ~~~~~I氏もH氏も、昼夜問わず身を粉にして働いていらっしゃるわい! 正直、彼らの前で「旅人」とか「渡世人」なんてヤクザな生き方を連想させる言葉を使うことすらはばかられてしまうわい。
■ 女性従業員採用基準編 ■
さて、一般男性としてもっとも気になるのは、両店の女性従業員の顔ぶれだろう(笑) お店の看板は「ガールズバー」だから、日本人好みのカワイイ子を揃えており、彼女たちは日本語と日本人的キメの細かい接客法を厳しく教え込まれているに違いない! だって、お客さんは日本人男性なんだから!!と思われるじゃろうな。
ところが、「てさぐり」も「TLS」も高級日本人倶楽部ではなくて、気軽に立ち寄れる「ガールズバー」ということもあってか、日本人男性の夜の願望、欲望の一端を叶えてくれる蠱惑的な女性従業員が多いというワケではないのがミソ!
まず「てさぐり」I氏のこの点におけるコメントが非常にリアルじゃ。
「綺麗な娘、かわいい娘を揃えた方が最初は客入りがいいことなんて当たり前です。でも、人気のある娘は、ほぼ例外なくお客さんが個人的に囲ってしまうからそのうちに店に出てこなくなる。 結局、綺麗な娘を何人採用しても誰も戦力にならないんですよ」
う~ん、確かにその通り!(って、わしは囲ったことはないぞ)
一方H氏はノーコメントだったので、わしから誘い水をかけてみた。
「ミャンマーの女性は、夜の世界で働いても結構身持ちが固くて、男性に心を許すフリすら出来ない女性が多いんじゃないですか。 綺麗な子は基本的にプライドが高いから尚更でしょう。 だから意外と人気が上がらず、プライドを傷つけられたと思って長続きしないような気もします」
ってしったかカマシテ少々エラソーに言ってみたところ、H氏はニコニコしながら、「まあ、そういう子もいたかな。 その見方は間違っているとは言えないですね」と!(笑)
実際、「てさぐり」の女性陣は、街中のスーパーやコンビニで働いている愛想の良い、普通の女の子たちという風情じゃ。 先述の通り、お客さんの大半はI氏との会話を目的に来ておるので、彼女たちはその周囲でドリンクを時々ねだりながら仲間同士で日常会話を楽しんでおるわい!
「TSL」の女性陣は、日本風に言えば健康的なキャンパス・ガール(ちょっとエッチな女子大生風という意味ではないぞ)といった風情! 正直なところ、お酒よりも、珈琲とかチョコレートパフェの方が断然似合うような雰囲気であり、お客さんと色んなゲームに興じておる姿に、ゲスな下心は湧いてこない。
両店とも“夜の世界”という枠組み、固定観念にとらわれることなく、明確な客層の明確な要望に対して、あくまでも健全に明朗に応えることが出来る女性従業員を採用しておるといえるじゃろう。 女性従業員はあくまでもサイドメニューであり、メインメニューは「手さぐり」がマスターI氏の存在そのもの、「TLS」が複合的なエンターテイメント性と言っていいじゃろう。
■ I氏「京都老舗旅館型サービス」 H氏「音楽プロデューサー型サービス」 ■
わしがこの目で見た、この身で体験した、両氏のバーマスターとしてのリアルな姿のほんの一部を書かせて頂だいたが、総括するとプノンペン「手さぐり」のマスターI氏は、本人のお言葉を拝借すると「京都老舗旅館型サービス」なのじゃ。
外国人旅行者がひっきりになしに訪れる京都において、現在激しい旅館戦争を生き抜いておる某老舗旅館のサービスがI氏の基本営業理念なんだそうじゃ。 綺麗な館内と美味しい郷土料理を提供するだけではなく、仲居さん自らが英語を操りながら、外国人宿泊者に京都の観光案内する。 また自分たちの旅館以外でも美味しい食事処へどんどん案内する。 チェックアウト時は、京都ならではの小物のお土産サービスまで行っておるそうじゃ。 外国人宿泊者にとって、これほど心強く有難い旅館はないじゃろう。 この旅館のサービスがI氏の「手さぐり」経営の絶対的フォーマットなのじゃ。 最近では、この旅館サービスを見習って、「てさぐり」に初めて来たお客さんには、お帰りの際にカンボジア珈琲のお土産が付いてくる!
ヤンゴン「東京ラブストーリー」のH氏は、いわば「音楽プロデューサー型サービス」の実践者と言えるじゃろう。 音楽プロデューサーとは、レコーディングするミュージシャンよりも遥かに音楽的に博識であり、ミュージシャンの最高の演奏を引き出す為の黒子でありアドバイザーでなくてはならない。 レコーディング中のスタジオ全体を指揮できるマエストロなのじゃ。
ヤンゴン在住者のある一日、ある時間をハッピーにするために、お酒、料理はもちろんのこと、ミャンマーやヤンゴンの経済事情から日本の最新カラオケ事情まで精通し(「TLS」にもカラオケ専用ルームあり)、あらゆるお客さんのニーズに品物と会話の高いクオリティで応えていくH氏は、まさにマエストロ、プロデューサーじゃ。
しっかし、このお二人に出会わなかったらわしのプノンペンとヤンゴンの取材はどうなっていたんだろう、と思うとゾッとするわい。 「んで、七鉄さんよ。 アンタ一体何の取材してたの?」「いい年こいて、スケベオヤジ丸出しでエッチな記事書いてんじゃねーだろうな!」って黙らっしゃい! 極めて真面目な、それでいてツッコミ過ぎない程度の現地経済現況概論みたいなもんを書いておりますぞ。 まあロックンロールやファッションとは一切関係のない記事なんでここでの詳しい紹介をするつもりはないが、興味がおありの方はThe-Kingまでメールにてご連絡下され。
旅の神様のお導きにより、I氏とH氏に巡り合えたが、その他の国においても同じような幸運が訪れるかどうかはもちろん不明じゃ。 しかし彼らのお陰で、東南アジア取材のコツ、抑え処をつかんだ気がするので、今後ソイツを行く先々の風習等を加味してアレンジしながら取材を続行することにしておる。 もちろん「The-Kingファースト」であることは変わりはないので、「アジア取材セカンド」がパワー不足に陥らんよう、心と身体を引き締めていきまする!
★右写真は、「てさぐり」で女性従業員と興じていた「コイン落としゲーム」。 グラスのふち周りに張った薄い紙の上にコインを乗せ、ゲーム参加者が交互に火をつけたお香でコインを落とさないように紙に穴を空けていくゲーム。 わしがコインを落としたら女性陣全員に1ドルのチップ(笑) 女性陣が落としたら一気飲み!
こーいうことをやりながら、マスターI氏が他のお客さんとの会話を終えて同席してくれるまで待っておるわけじゃ! 情報収集屋も結構辛い、ではなくて楽しいもんじゃあ~(笑)
ちなみに、「てさぐり」にも「TLS」にもナッソーは着ていかん! 何故って? あのなあ~女の子にモテ過ぎて本題(取材)を忘れてしまうじゃろうが!
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