NANATETSU ROCK FIREBALL COLUMN Vol.252

 250回以上やらせて頂いておるこのコーナー。 何度か“苦し紛れ”のテーマがあったのは事実じゃが、何者かに成り代わることによってわし自身のロック嗜好を外れた「捏造記事」だけは書かなかったもんじゃ。 だから継続するのが時には苦しいんじゃが、先日ふとある事実に気が付いた。10年以上の連載で、もっともわしらしいテーマを取り上げていなかったことじゃ。 それは「酒とロックがダイレクトに繋がったナンバー」じゃ(笑) 明らかに酔っ払って書かれた曲、歌詞の中に酒が登場する曲、酒に対する愛を歌った曲なんかじゃな。
 まあわしの場合はロックを聞いとる時は大概酒が入っており(笑)、楽曲に漂う酒の香りを特別なものとして感じることは少ないから取り上げる気にならんかったんじゃろう。 またやるとなったら、それこそ膨大な数の曲があるからピックアップが面倒臭い! やっとるうちに酔っ払ってしまって「あれもいい、これもいい」で収拾がつかなくなっちまうしな。 でも急に「一度はやっておこうか!」という気分になった。最近オキニのウイスキー複数の銘柄がビックリ価格で売られておるもんだから、ストレートでクイクイやる夜が続いておるんでな〜www
 そのウイスキーとは「バレンタイン」に「カナディアン・クラブ」にって、そんなハナシではないな。 曲のピックアップをスムーズにするためにテーマはズバリ!「“ウイスキー”がタイトルに使わわれたロックナンバー」じゃ。 これなら、ある程度絞り込みが楽なんでな(ニヤリ!)

 わしが本格的にウイスキーにハマったのはもちろん青年時代(少年時代ではないぞ!)。 ツェッペリンのジミー・ペイジやストーンズのキース・リチャーズが携えておったバーボンのボトルがひたすらカッコ良く見えたからじゃ。 あの当時洋物のバーボンもスコッチも高くてなかなか買えなかったから、国産のサントリー・ホワイトで代用しておったっけ(笑) でも、「ロックにはウイスキーだ!」っつう固定観念はあの頃に強固に完成されたもんじゃ! ウイスキー好きの方なら馴染みのある曲が少なくないと存ずるので、どうか楽しんでほしい。
 またウイスキーが苦手な方は、まず最初にサントリー角のCM「♪〜ういすき〜がお好きでしょう〜♪」の井川遥嬢の妖艶なお姿でも拝んでからどうぞ! わし個人的には「小雪さんバージョン」の方がエエ。 「私は氷。 あなたはウイスキー〜」なんちゃってって、何を言わせる! では、いきますぞ。 ロッカーの為のロッカーによる「ウイスキー・ロック」じゃ。 酒の飲み方を知らないお子ちゃまのドンチャン騒ぎロックなんざ一切ないから、ジェントリーな魅力極まる新作イタリアン・カラーシャツを羽織ってアダルトロッカーとしてのたしなみを忘れることなく、どうか良い酒、良いロックを存分に楽しんでくれたまえ〜。

【上写真】 ブルースマン、エルモア・ジェイムスのアルバム・カバー。 バーのウイスキー群をバックにした女性をあしらった、わしが大好きなカバーじゃ。
【右写真】 ステージ上で、南部ウイスキー(バーボン)「レベル・イエール」をラッパ飲みするキース・リチャーズ。 この酒は20年ほど前に製造終了になり、今では入手困難。 わしも大好きな酒であり、酒屋から販売終了の報を聞いて最後に1ダースまとめ買いした思い出がある酒じゃ。


Rock , Go back to the wild ! Vol.3 
ウイスキーをタイトルに掲げるロック・ナンバー


♪余興/前座〜ウイスキー嫌いの方のために!?

一応ウイスキーがダメな方にご遠慮して、カクテルなんぞから(笑)。

♪tune-1 ブルー・ハワイ/エルヴィス・プレスリー

 「ブルーハワイ」という名のカクテルの語源になったのは、エルヴィスの同名曲だという説が有力なんで、久しぶりに映画を観てみたけどそれらしいカクテルが登場するシーンすらないようじゃ。 わしはこの手のカクテルは苦手というか、「ブルーハワイ」に相応しいセレブでロマンシックなシチュエーションで酒を飲んだこともないから、語源を追求したことがないんで悪しからず! 酒云々は別として、この曲に漂う「50年代を振り返る」様なアレンジはステキじゃな。 あらためてブルーハワイというカクテルの“装い”をチェックしてみたが、とても50年代的じゃ。

♪tune-2 テキーラ・サンライズ/イーグルス
 
 「ブルーハワイ」ついでに、もうひとつオシャレな酒、ナンバーを。 そして今年1月8日に亡くなった名ボーカリスト・グレン・フライを偲んで。 日本人のウエストコースト幻想のシンボルがこの方の歌声じゃった。

“テキーラサンライズをもう一杯 空をゆっくりと見渡して、サヨナラと言ってみた”
“彼はただの下働き遥かな夢への第一歩さえ、まだ踏み出したばかり 毎日はただ過ぎ去ってゆく”
“テキーラ・サンライズをもう一杯 だけど、ちっとも変わらないこの世界の景色が、同じように過ぎてゆく”

 テキーラ・サンライズの情熱的な色合いもええが、この空虚な歌詞の方に酔ってしまいそうな曲じゃのお〜。 目の前にささやかな幸福(カクテル)があるから、現実がより虚しくなるというイーグルスならではのリリシズムに乾杯じゃな。

優しいお酒によるお戯れはこれまで!ウイスキー・ロック本番はここからじゃ!


♪tune-3 ウイスキー・ヘッド・ウーマン/トミー・マクレナン

 まずはブルースからじゃ! “ドタマがウイスキーな女”ってすげ〜タイトルじゃな。 曲も“このクソアマ、いつもヘベレケになりやがって、え〜加減にしろ”“これ以上オレを困らせるでない!”ってな、まあ〜タイトルそのまんまの曲じゃ。 こんなしょーもない曲をビシッとキメることのできるのはデルタ・ブルースマンしかおらんな!
 1930年代のデルタブルース黎明期に活躍した方らしいが、ブルースマン特有の放浪をあまり好まず、故郷ミシシッピー周辺にどっかり腰を降ろして演奏していたんだそうで、だからこそ生涯にわたって故郷の男独特の野卑で豪快なキャラが反映された演奏が損なわれなかったっちゅう説が強い! この曲を聞くと、その説の正しかったことが分かるな! 「ほほぉ、でもオメーさんは逆に放浪大好きなのに、ますます野卑で下品になっていくってのはどーいうことだ?」ってクダランつっこみはせんようにな(笑)


♪tune-4 ドランクン・ハーテッド・マン/ロバート・ジョンソン
 

 ブルースをもう一曲。 タイトルにウイスキーは使用されておらんが、“ドランクン(飲みすぎ)”ってパートから分かるように、明らかにウイスキーを扱った曲。 わしが70年代の終わりに初めてLPを買った時は、確か「いつまでも酔っ払っていたい男」なんて邦題が付けられておった(笑)
 タイトルをわしなりに意訳すると“ウイスキーの飲みすぎで欝状態に陥った男”ってところかのお。 かといって、当時の質の悪い密造酒の悪影響ってことではなくて、飲むごとに欝になり、それを解消しようとまた飲むアル中の歌じゃ! まあロバート・ジョンソンはそんな精神状態を歌に変換する才覚があったからまだ救われていたってことじゃな。

【右写真】 ジャックダニエルを楽屋でラッパ飲みするジミー・ペイジ。 ジミー&ジャックのショットは結構多くて、彼にとってジャックは創造意欲をかきたてるなくてはならない存在だったのかもしれない。

♪tune-5 ウイスキー・リバー/ウイリー・ネルソン、ジェリー・リー・ルイス

 カントリー・ミュージックのもつポジティブなマジックをまとってどこかコミカルに歌うウィリーのセンスは素晴らしい。 この曲の人気にあやかって、「オールド・ウイスキー・リバー」というバーボンが誕生したのも頷ける!
 時は流れ、ジェリー・リー・ルイスが2010年に発表したアルバ厶「ミーン・オールド・マン」では、ジェリーとウィリーがこの曲をデュエットでレコーディングしておる。 老成した名シンガー二人の歌いっぷりは貫禄があってよろしいが、なんだかジェリーが元気ハツラツ○ロナミンC!時代に聞いてみたかったと思ったのはわしだけはないじゃろう!


♪tune-6 アラバマ・ソング(ウイスキー・バー)/マリアンヌ・フェイスフル

 サブタイトルではあるが、“ウイスキー”というフレーズがタイトルに登場した白人の洋楽曲ではもっとも古い部類に入るであろう曲。 作曲者は第二次世界大戦以前にヨーロッパで活躍したドイツの作曲家クルト・ヴァイル。 この方は不思議とロッカーに人気が高く、この曲もドアーズ、デヴィッド・ボウイ、マリリン・マンソンら多くのロッカーがカヴァーしとる。 誰のテイクをピックアップするか迷ったが、紅一点としてマリアンヌにご登場して頂くとしよう
 “愛しいママが死んじゃったんだ。(もう一杯飲みたいから)お次のウイスキー・バーに連れてっておくれ”って他愛もない曲じゃけど、浮揚するような不気味なリズムが飲み助ロッカーのスピリットを激しく刺激するようじゃ!?
 “ママが死んじゃった”ってパートは一番の歌詞であり、二番以降は“彼女にフラレタ”とか“金を無くした”とか、カバーするロッカーによって替え歌風にチェンジされて歌い継がれておる! “人生の希望を失った”とか“仕事に夢が無くなった”とか大袈裟な理由ではなく、誰にも日常生活で当たり前に起きる不運、不幸を歌うスタイルがわしは大好きなんじゃよ。
 なお、クルト・ヴァイルのアルバムには「ウイスキー・バー」のサブタイトルはクレジットされておらんので、第二次世界大戦後にアメリカで広まった後に付けられたのかもしれん。


♪tune-7 ウイスキーマン/ザ・フー

 1966年に発表されたザ・フーのセカンド『ア・クイックワン』収録曲。 ベーシストのジョン・エントウィッスル作曲であり、後に彼のソロアルバムでも新録されておる。
 ジョンの書く曲は、完璧な構成のピート・タウンシェントの曲に比べてどこか未完成的でクールなノリが魅力であり、この曲も『ア・クイックワン』の中でその一種箸休め的な役割を果たしておるんじゃが、箸休めで“ウイスキー”ってのもなんだか(笑) ジョンが初めて書いた曲らしく、やはり『ア・クイックワン』に収録されたもうひとつのジョンの作品「ボリスの蜘蛛野郎」とともに、ストーンズの連中としこたま飲んだ勢いで書いたとか!意外にも、自作曲なのにジョンのマシンガン・ベースは影を潜めており、案外二日酔いを紛らすために書いた曲だったのかもしれんな!


♪tune-8 ウイスキー・イン・ザ・ジャー/シン・リジー

 アイルランドの英雄的バンド、シン・リジーの隠れた名曲! まるで演歌の様な情緒的なギターソロでスタートするこの曲、発表された70年代初頭に日本で紹介されたらシン・リジーはもっと日本でメジャーな存在になっていたかもしれん。 まあ周囲は誰も知らんかったから、当時のわしはまるで自分だけの宝物のようにこの曲をひっそりと、そしてワクワクしながら聞いたもんじゃよ。
 てっきりシン・リジーのオリジナル曲だと思っておったが、これはアイルランド民謡。 「荒くれ者の盗賊がたんまり金を手に入れて愛しい彼女の元に戻り〜やがてフラレテ〜挙句ムショにぶち込まれ〜」ってな物語なんじゃけど、〆で「やってらんねーよ、ウイスキーならたんまりあるけどよ〜」って、いいではないか、このコミカルなペシミズム! 80年代に入ってメタル・バンドの雄メタリカもカバーしておったが、彼らは風貌が本物の盗賊みたいで(笑)演奏も饒舌過ぎてあんまり馴染めんかった!


♪tune-9 ウイスキー・ボトル/バッド・カンパニー

 75年のヒットシングル「グッド・ラヴィン」のB面収録曲。 A面よりも断然気に入っておったな〜。 ホンキートンクなピアノのノリは、酔いどれでバーを探し回る気分にピッタリ!(笑)上半身を気持ちよく左右にスウィングさせんがら「♪〜ウイスキーボトル・イン・マイ・ハンド〜♪」って口ずさまないわけにはいかんな〜。
 当時のバッド・カンパニーの演奏力について、つい最近どっかのガキんちょがネットに「中学生バンド並みで聞いてらんない」なんて書き込んでおり、それに賛同するコメントもいくつかあって、怒るどころか大笑いしてしまった! そういうヤツは一生ロックなんて聞かなくてよろしい〜。 スイーツ食べて清涼飲料水飲んでどっかの国のポップスで遊んでおれってなもんじゃ!


♪ちょっとブレイクタイム
 〜ウイスキーばかりでは早く酔い過ぎるかもしれんので(笑)、ちょいとワインやラムの曲を。 おっと、ちゃんぽんは悪酔いするか!?

♪tune-10 レッド・レッド・ワイン/ニール・ダイヤモンド

 この曲はレゲエバンドのUB40のテイクが有名じゃが、オリジナルはアメリカンフォークシンガーの大御所ニール・ダイヤモンド。 ダイヤモンド様は、その一般的なイメージと裏腹に多彩な作曲能力があり、他にも確かモンキーズの「デイ・ドリーム・ビリーバー」も書いておる。
 ダイヤモンド様は、まさか後にレゲエバンドにカバーされるとは夢にも思っておらんかったそうじゃが、オリジナルのノリもそれっぽいんで先見の目があったということか。 しかしオリジナルもUB40のカバーもハッピーでええノリじゃ。 やっぱウイスキーじゃこうはならんじゃろうなあ〜。


♪tune-11 ラム・テール/プロコル・ハルム

 おっしゃれ〜なワルツのリズムに乗って高級ラム酒もたまには悪かない! そんなエレガントな気分になるような曲であり、ウイスキーじゃこうはいかんじゃろうなあ〜。

 「島を買うんだ 太陽が輝くどこかに 身を隠してラムだけを飲んで暮らそう」
 「自伝を書いて売ろう 誰も買ってくれないなら 飛行機を借りて空に書いてやるさ」

とまあ、ラム酒の酔いに任せての果てしない空想が広がるような歌詞もとてもええ。 プロコル・ハルム独特のどんでん返しの歌詞がラストにセットされておるが、それは忘れて優雅に酔うのがよろしいようで。


♪tune-12 ウイスキー・オン・ザ・ロック/AC/DC


 ではウイスキーの暴力的な魅力を思い出すべく、ベタなヤツを(笑) AC/DCといえばメタルさんであり、わしゃ〜基本的には苦手なんじゃけど、まだウイスキーなんざを知らない若きロックファンが聞いたら、「こりゃウイスキーってもんに挑戦したくなるな!」って曲じゃ(笑) ヒステリックなヴォーカルは「御免なさい」じゃけど、ギターリフがジワジワと酔いが襲ってくるウイスキーの魔力を表現しとるから紹介しておくぞ。


♪tune-13 ヘイト・アンド・ウイスキー/ナッシュビル・プッシー

 日本ではほとんど無名のバンドじゃけど、アメリカ南部では結構な人気を博しておる男女2人づつという変則構成のハード・ブルース・バンドじゃ。 メタルっぽいフンイキはあるが、南部特有の泥臭さと骨太さがサウンドの真骨頂であり、ルックスのイカガワシサ、卑猥さは満点(笑)南部モンの腕っ節の強さがそのままプレイに現れとるようであり、この曲は彼らのイメージソングと言ってもええじゃろう。しかしここまでヘヴィにやられると悪酔いまっしぐらじゃのお〜♪ ブルース・ロックとヘヴィメタが南部フィーリングで融合した迫力ある現代ウイスキーロックじゃ。



♪tune-14 ジョッキ・フル・オブ・バーボン/トム・ウエイツ

  キース・リチャーズとともに、もっとも酒瓶が似合うロッカーがトム・ウエイツ。 もうキャラそのものが酒瓶と一体化しとるようなイメージであり、昔っから「酔いどれ詩人」と言われておったな。 大概な曲は酒飲んで書いた曲みたいだし(笑)、わしのとってはたまらない存在じゃけど、この曲も「ジョッキいっぱいのバーボン」って、いかにもこの人らしい。 でもわしはバーボンをジョッキでは飲めんぞ!
 ギターの音は場末のパンクみたいだし、リズムもポルカ?タンゴ?ってなミョーチクリんなんじゃけど、飲みながら聴くのがよろしかろう! トム自身が出演した映画「ダウン・バイ・ロー」のサントラに使用された曲じゃけど、この曲がバックだと映像の意図がまったく分からなくなることがある(笑) そんなちょっと支離滅裂な展開がトムの持ち味であり、恐らくわしのような酒飲みでないと彼の“嗜好回路”にはついていけないんじゃねえのかな!


♪tune-15 ウイスキー・ロック・ア・ローラー/レイナード・スキナード

 ♪tune-9「ウイスキーボトル」を強烈なロックバージョンに改編したような豪快なエレクトリック・ウイスキー・ロックンロール! 超楽観的な人生観をゴキゲンなロックンロールに乗せて聴衆とともに自らの運命を共有しようとするのはレイナードの十八番! 「オレはロックンローラー。 ウイスキー片手に街から街へとプレイしにいくのがオレの運命」なんて言葉にすると単純明快極楽過ぎて笑っちゃうけど、レイナードが演るとキマル! 彼らの代表曲ってわけではないが、バンドと聴衆が運命共同体になるにはもってこいの曲であり、70年代中期に彼らが全米で異常な人気を博したことを証明するような曲であ〜る!


♪tune-16 レディ・ウイスキー/ウィッシュボーン・アッシュ

 
単純な歌詞なんじゃが、意味がイマイチ。 悲しみを湛えながらクールに日常を彷徨う女性を、一種羨望のまなざしで見る男の歌のようじゃけど、アメリカ系のウイスキー・ロックばかり聞いていると「お〜イギリスっぽいフィーリングじゃなのお〜」と、バーボンとスコッチの魅力の違いに気が付いたような気分になる(笑)
 “レデイ・ウイスキー”とは別に酒癖の悪い女って意味ではなく、ウイスキーを小さな心の拠り所にしとる名も無き女のようじゃが、語感というか、響きがええな。 ♪tune-3のウイスキー・ヘッド・ウーマンとは対極の境地で作られたウイスキー・ロックじゃろう。ステキな酒の飲み方をする女性と一緒に聞いてみたいもんじゃ!

【右写真】 永遠のロック・クイーン、ジャニス・ジョプリンのフェイバリットな酒は、メッチャ甘いリキュール「サザン・コムフォート」じゃった。

♪tune-17 ワン・バーボン、ワン・スコッチ、ワン・ビア/ジョン・リー・フッカー

 酒造メーカーに依頼されて作った曲みたいじゃ(笑) ブルースなんだけど、曲のスピリットがブルースじゃないような気もするが、まあ酒がすすんでしょーがない曲であることは間違いない!  ジョン・リーのフォロワーである白人ブルースギタリストのジョージ・ソログッドもトライしておった曲じゃけど、そっちはなんかカッコわるかった(ファンだった方、申し訳ない)。 やっぱりド単純なテーマをキメラレルのは黒人ブルースマンしかおらんじゃろうな。それもオジイサンのブルースマンじゃないとダメじゃな。
 しかしジョン・リーは何を演っても極めてクールじゃな。 ストーンズやクラプトンと演った時でも、絶対に自分のペース、スタイルを崩さない。 場末の酒場での演奏でも、スタジアムでの演奏でもまったくブレないから恐れ入る。 酒を飲む時もそうなんじゃろうな〜。 わしもそんな男でありたい!


♪tune-18 ウイスキー・ミスティックス・アンド・メン/ドアーズ

 ロック史上でも希に見る大酒飲みとして悪名を轟かせたジム・モリスンの隠れたテーマ・ソングともいうべき小曲。 その昔船乗りや港湾労働者たちによって自由自在に歌われた、いわゆる“舟歌”“囃し歌”の形式で披露されておる。

「これからウイスキーと神秘と人間について話そうか それを信じている者たちのこと全てがどのように始まったかを」
「まず月に従った女たちと子供たちがいた それから夜明けの光が 知恵と熱情と病いをもたらした あまりにも早く」

 う〜ん、気違いじみた大酒飲みで周囲に散々迷惑をかけていたと言われるジムじゃが、どんなに酔っ払っていてもこういう素晴らしい詩を書けるから、わしはジム・モリスン信者をどうしても止められないのじゃよ。
 この曲は長らくオクラ入りじゃったが、1998年発表のボックスセットにて日の目をみた。 いわば未完成曲なんじゃが、ジムの独創的な歌詞と船乗りをイメージした歌声を色鮮やかな民族楽器で独特の色合いに染めていくアレンジは、ジムおよびドアーズの底知れぬ魅力を雄弁に物語っておる。 機嫌よく晩酌を始める時のBGMは、何度この曲からスタートしたか分からない! 今回はあえてエンディングにセットさせて頂いたが、これもまた我ながらオツじゃのお〜と只今シビレテおる次第であります!


 え〜どんなもんじゃい? 酒のススム曲はあったかのお〜。 少なくとも悪酔いロックはセレクトしなかったつもりじゃ(笑) 全18曲の中に、諸君にとって「酒は百薬の長」になるような曲があることを心より望んでおるぞ!

 さあ〜て、わしの方はこれから本格的に酒の用意をするか! ここに至るまで随分とチェックしたので、上記18曲は今夜はパスじゃ。 他になんかええ曲なかったかのお〜とは思うものの、諸君へのご紹介で頭が少々疲れておるので、今夜は「♪〜カッパパ〜 カッパパ〜 カッパ黄桜カッパパ」をyou tubeで探してみようかのお! ウイスキーには合わんけどな(笑) ではでは、いい酒を飲んで、翌日はいい仕事をして、そしてThe-Kingでいいお買い物をたくさんして下され!(笑) ゴキゲンヨウ。 

【右写真】 若きジム・モリスンが60年代中期に出演していた、ロサンジェルス・サンセット大通りにあるライブ・ハウス「ウイスキー・ア・ゴーゴー」。 ちなみに1984年の初めてのアメリカ放浪でロス周辺に逗留した時、ココの斜め前にあった安ホテルに泊まったんじゃ! 「ウイスキー・ア・ゴーゴー」は写真で見た全盛時代の賑わいには程遠かったものの、店内はその名の通り、ロックとウイスキーとゴーゴーガールが主役じゃった。


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