NANATETSU ROCK FIREBALL COLUMN Vol.245 |
先週の日曜日(6/19)は「父の日」じゃったな。 昨年の今頃は確かカンボジア周辺を放浪しておって気がつかんかったんで、帰国しておる今年の父の日は、ガラにもなく「亡きオヤジ殿を偲びながら酒を飲んでみよう」と思った七鉄じゃ。 諸君はどうしておったかい? なに、お父上の為にThe-Kingアイテムを買って差し上げただと! それはジャケットか、パンツか、シューズか! 何にしてもそれはグレイト過ぎるアクションじゃぞ〜エライ! The-Kingファッションは、シルバー・ジェントルマンにもバッチリ! それで父上殿がロックってもんに目覚めでもしたら、諸君は表彰もんじゃぞ〜(笑) ところで、わしのオヤジ殿は大正生まれであり、いわゆる“海の男”。 戦前の旧水産講習所(現・日本水産大学)時代から約30年間のほとんどを海の上で過ごした男じゃった。 だから「一丁、海の男を讃えるロックナンバーでもセレクトしてオヤジ殿に捧げるとともに、それをThe-Kingの新しい原稿にしよう」と決めた! 「海の歌ロック」をあらためて掘り起こしながら実に意外じゃったのは、期待を遥かに下回るほどに曲数自体が少なかったことじゃ。 「太陽」「大地」「川」「空」に比べて遥かに少ない。 ブルースナンバーに至ってはほとんど皆無! 比喩として「海」を用いるとしても、やはり存在自体があまりにも神秘的であって、手に負えないんじゃろうか、「海」ってヤツは。 それともロッカーってのは内陸出身者が圧倒的に多くて、「海」に馴染みが薄いんじゃろうか(笑)わしの知っとる限り、海を仕事場にしておった男どもは、親父殿を含めて“ロッカー的”な生き様をよしとする者が多いんじゃがな〜。 そんな数少ない「海の歌ロック」を、「海sea」「船ship」「船乗りsailor(voygar)」をキーワードにしながら思い起こしてみたので、どうかご賞味あれ。 |
“海の男”の血が流れる七鉄が選んだ、“2016年父の日記念”海洋ロック・ソング・セレクション |
♪tune 1〜素晴らしき航海/デヴィッド・ボウイ ボウイ79年発表のアルバム『ロジャー(間借り人)』のオープニングナンバー。 80年代は『レッツ・ダンス』を皮切りにエンターテナーとしての資質に磨きをかけ続けたボウイじゃったが、その前にもう一度人生ってヤツをシビアにシリアスに総括しておるような曲であり、この曲の言うところの“航海”とは“人生”の意味であり、ノッケの歌詞がいい。 〜かくして この素晴らしき航海は 波打つ岸壁へと向かうしかなく 我々は年老いることもない 我々は他人の不況によって生きることを学ぶのだし 私はそんな不況に生かされるのはまっぴら御免 まぁやり過ごせるだろう おそらくは おぉボウイよ、大いにやってくれ!と絶賛した歌詞じゃったけど、不況を乗り切る術が後のダンスミュージックだったとは・・・。 正確には海洋ロックではないが、心地よい波の揺れを想起させるエレピのリズムも美しく、全体のイメージは逆立ちして聴いても「海」じゃ。 ♪tune 2〜ランド・ホー!/ドアーズ タイトルは「陸地だ!」という船乗りたちの歓喜の言葉であり、まさに舟歌! 「舟歌」ってのは現在ではクラシック音楽の小ジャンルのようじゃが、元々は船頭が舟を漕ぐのに都合の良い調子で口ずさむ歌じゃ。 ロシアや日本に数多く存在するらしいが、ドアーズは舟歌のスピリッツを見事にロック調に変換しており、彼らのユニークな音楽性の一端を知らしめる佳曲じゃ! まるでベテランの船乗りが、幼い子供を膝の上に乗せて海の上の武勇伝を語り聞かせておるような風情があり、印象的なギターのリフは荒海の中をぐんぐん突き進んでいく力強い船の動きそのものじゃ。 “お〜陸地だ! 金が入ったらひと瓶(酒)買って たらふく飲むぞ” “ナンバー2(宝くじ?)が当たったら 家に帰ってお前と結婚するぞ” “家に帰って気分が良くなったら、今晩お前を愛してやるぜ” 船長に成りきって吠えるジム・モリスンのボーカルもステキじゃ! ♪tune3 〜セイリング/ロッド・スチュワート 航海ってもんが、もっとも美しくロマンチックに歌い上げられたナンバーとして世界中で有名じゃな。 自らを世界的なシンガーに押し上げたロッドの熱唱も素晴らしい、少々暑苦しいけど(笑) ロッドが本格的にアメリカ制覇を達成するために大手レコード会社に移籍して製作した『アトランティック・クロッシング』のラストナンバーであり、イギリスからアメリカへ大西洋を横断せんとするロッドのイラストが描かれたアルバムカヴァーの効果もあり、まさにロッドの一世一代の出世曲じゃ。 シングル盤としてはアメリカではさほどヒットしなかったが(チャート58位)、当時のコンサートのアンコールの定番じゃった。 「航海っつってもロッドの場合は豪華客船だよな〜新大陸を目指す、みたいな男臭さはねえよ。 スターの豪勢なフランチャイズ移動みたいなもんだ」って思っておったけど、アメリカ人にとってはその煌びやかな上陸スタイル全体が“ニュースターの到来”として輝いてみえたに違いない! ♪tune 4〜サウンド・オブ・ザ・シー/ルネッサンス ルネッサンスってバンドは、元々はプログレ系じゃったが、女性美声シンガーのアニー・ハズラムが加入してからは、映画音楽/ムード音楽的なフレーバーが俄然強くなってきて、結果としてそれが70年代後期に彼らをそこそこメジャーシーンへ押し上げることになった。 女性シンガーをフューチャーしたプログレバンドなんて聞いたこともないし、時代はプログレを必要としなくなってきてたんで、見事なシフトチェンジといえるじゃろう。 この曲は全編にわたって美しい海の情景をテーマにした『プロローグ』に収録。 波の音やカモメの鳴き声が効果音として挿入されており、今で言うヒーリング・ミュージックのハシリのような趣きがある。 少々俗っぽくベタな印象は否めないが、アニーのクセがまったくない透明な美声が曲の格調を一気に引き上げておる! 「海洋ロック集」の箸休めとしてのタイミングにもってこいじゃ。 因みにだな、転調も変拍子もアクセントもなあ〜んの工夫もないAKBちゃんたちの一本調子な歌を聞かされると、“清純派女学生路線をいつまでも突き進むなら、せめてルネッサンス紛いの曲ぐらいは用意してやれよ!”って言いたくなってしまうわい(笑) ♪tune 5〜愛の船出ち/ドアーズ 邦題は無視してくれ! この曲はジム・モリスンの死後に残された3人のメンバーによって制作された『アザー・ボイセズ』収録曲であり、あの世からモリソンがメンバーたちに語りかけておるようにわしには聞こえる。 決してラブソングではない! “君は僕がどれだけ君を愛しているか聞きたがったもんだ” “どうして帆船が風を必要としているかのように” “僕がどこに行くか聞かないでくれ” “僕がブラツキ症なのは知っているだろう?” 生涯ロックンロール・ドリフターじゃったジムの言葉としては的を得ているようじゃが、ちょっとマトモ過ぎておるようでもある(笑) 原題は「Ships w/ Sails」。 船(Ships)がバンドで風を受ける帆(Sails)がジムという比喩じゃろうが、大型母船でもなく豪華客船でもなく、瀟洒なクルージング船でもなく、前時代的男のロマンをかきたてる帆掛け舟にバンドを例えるとは、なかなかクール。 それにしても激動過ぎたジム在籍時のドアーズの記憶を蘇らせるには、あまりにも静かで胸がジワジワと濡れてくるような物悲しいメロディーじゃ。 “君の記憶を辿らないでくれ 僕は夢みたいなものだったんだ だから僕はこのメロディーを歌うのだ” まさに“さらばジム・モリスン”ナンバーであり、深い漆黒の闇の中に消えていく大海への航海をイメージしたかのよう・・・。 ジムを失ったバンドの行く末をも暗示しておるような曲じゃった。 ♪tune 6〜シップビルディング/エルヴィス・コステロ、ロバート・ワイアット 「船」というよりも「造船業」とそれに就く人々についてのラメント(哀歌)をひとつ。 この曲はエルヴィス・コステロの名曲のひとつじゃが、当初はイギリスきってのマニアックな人気シンガーソング・ライターであるロバート・ワイアットの為に書かれた曲であり、ロバートの朴訥とした歌声によって名曲の称号を得たのじゃ。 海へのロマンや船員の喜怒哀楽を歌ったのではなく、80年代のサッチャー首相の政策により斜陽に向かわざるをえなかった造船業と職を失う人々。 更に戦争(フォークランド紛争)による艦隊製造特需で造船業が息を吹き返すものの、それは国策とはいえ人殺しの道具を作るという罪悪感から逃れられないという過酷な心情・・・。 時代の潮流の中で、もはや自分の力ではどうにもならない人間の悲しい運命が歌われておる。 航海や漁業の力強さ、クルージングの幸福感とは正反対の境地にある悲しき海の歌じゃ。 ♪tune 7〜シーソング/ロバート・ワイアット 前述の「シップビルディング」をヒットさせたロバート・ワイアットから、もう一曲海の哀歌的な曲を。 この方は元々プログレ黎明期に活躍したソフト・マシーンのドラマーじゃったが、ビルの5階から転落して下半身不随となり、以降車椅子で歌うシンガーへと転向。 その第一作目『ロックボトム』(意味は“どん底”)の収録曲じゃ。 身体の自由の効かなくなった己の運命を受け入れた不安定な心情を、行先の分からない海上や深い海の底にいる得体の知れない隔絶感になぞらえて歌われておる。 健常者には到底理解し難い、あまりにも深くて暗い絶望感の果てで作られた自己治療音楽であり、発表された当時(1974年)はわしも若かったからまったく受け入れ難いサウンド・トーンじゃった。 申し訳ないが、聞かされる方が病気になりそうじゃった。 「シー(海)というより泥沼ではないか・・・」と。 時が経過して40年余り。 行先、立ち位置が依然として不安定な毎日を送り続けるような人生になってようやくこの海の哀歌的ニュアンスが心に浸透してくるようになったわい。 ♪tune 8〜ロスト・セイラー/グレイトフル・デッド タイトルを直訳すると「迷える航海士」ってトコか。 このバンドをじっくり聞く機会はいまだに訪れておらんが、この曲は例外中の例外じゃ。 陸に上がってしまったことで己の人生の行先を見失ってしまった元航海士の悲哀が歌われており、デッドの演奏も定番の“ラフ・アンド・ドラッグ”を忘れて真摯なトーンを出しまくっておって正統派ロックバンドの趣きじゃ。 この歌で歌われておる航海士は、多分陸に上がって平穏無事な生活を手に入れた代わりに、人生のダイナミズムを失ってしまったんじゃろう。 “オマエを呼ぶ海鳥の声や亡霊風の音が聞こえるか” “深い霧が渦巻く海がオマエを呼んでいるのが聞こえないのか” という歌詞の一節は考えさせられるな。 これは天使の呼び声なのか、悪魔の囁きなのか。 中年以降の男性なら聞き逃すことのできないテーマじゃな。 わしの親父殿も長年の海上勤務がお役御免になり、陸上の本社勤めが始まってから少しづつこんな気分に苛まれていったことを思い出させる曲じゃ。 |
♪tune 9〜フィッシャーマンズ・ブルース/ウォーターボーイズ 吟遊詩人の繊細さと、ストリートミュージシャンの愚直さを失わないまま80年代のロックシーンに登場した男が、このバンドのリーダー・マイク・スコット。 90年代前後にはマイクは創作の視点をアイリッシュ・トラッド(ケルト・ミュージック)に求め、その第一弾として発表したのが『フィッシャーマンズ・ブルース』。 “フィッシャーマン”とは“漁師”であり、極寒のアイルランドで漁業を生業としてきた荒くれ者の漁師たちのスピリットを歌っておるんで、アイリッシュ・ブルースといってええじゃろうな。 マイク特有の目を見張るような視点や胸のすくような描写はないが、伝統のケルト・ミュージックの軽快なトーンをバックに、お隣の大英帝国の脅威と戦いながら頑なに古来の生活と情緒を守り抜いてきたアイリッシュたちの静かなる讃歌が歌われるておる。 それはメリーゴーランドの様な、即席ではあるが心が揺れるような小さな喜びを生み出してくれるサウンドじゃ。 ♪tune 10〜シップス・パッシング・スルー・ザ・ナイト/ジミ・ヘンドリックス タイトルは“夜通しの航海”じゃが、夜間航海日誌というよりも、なかなか完成しない曲を「試しに夜の船の中ででも演奏してみっか!」の様でもあり、出来上がったテイクは一風変わったブルース?ファンク?? (なんか、いくつかの前テイクの方がよりブルース調で良かったと思うが・・・。 わしはジョニー・ウインターが参加したとされるテイクがベスト) ジミのレコーディング記録を見ると、実際に完成までかなり手間取った曲だったようで、セッションは実に32テイク。 更にそれをジミがスタジオで弄りまわして完成にこぎつけたとか。 最後の弄りまわし作業が夜の船上だったのかもしれない!? 通常のスタジオ環境では到底「OK」を出せないような(笑)仕上がり具合のようでもあるが、これも天才ジミヘンの偉大さの一端と思えば納得!? わしは夜中にオカシナ酔い方をしたり、眠れなくなったりした時に最終テイクを聞く。(『ヴァレリィ・オブ・ネプチューン』に収録) 意外と効果が高いんじゃ(笑) 毒には毒を持って制すってトコかのお。 ♪tune 11〜宵の明星/プロコル・ハルム 原題は「The Wreck of the Hesperus」で、直訳すると“難破した船の宵の明星(金星)”なのか“宵の明星丸”といった船の名前なのか? このバンドの歌詞を書くキース・リードって人は、とにかく一読、一聴しただけでは到底ワケノワカランフレーズを多用するんで、この曲もタイトルも真意は謎。 “帆をたたもう、荒れ狂う海で船を停めて、『自分の葬式に急げ』とヴァルキュリヤが叫んだ” “帆をたたもう、そうしなければ、この嵐の海の真っ直中でおぼれ死ぬことになる” “ここに棺桶が埋まっている』と墓地が叫んだように思えた” もう、なんだこりゃ?じゃ(笑)じゃが、全編に鳴り響くピアノや中間部を盛り上げるオーケストレーションはあまりにも美しいので、わしは勝手に「難破した船にようやく訪れた静かなる夕刻の喜び」っていう感じで聞いておる(笑) この曲を含むアルバム『ソルティ・ドッグ』は海の冒険をテーマにしたコンセプトアルバムなんじゃが、制作概念は聞いていてもサッパリ(笑) 解明したその暁には「海洋ロックの決定版」とかなんとか題してご紹介致します! ♪tune 12〜イントゥ・ザ・ミスティック/ヴァン・モリソン 海洋ロックの名曲として、数多くの英米ロック・ブログで紹介されておるので、海を題材にした曲なんじゃろう。 でもわしには“Mystic”という表現が海の比喩なのか、人生という名の神秘なのか、どうもよくワカラン。 多分簡単ダブルミーニングなんじゃろうが、確かな事は海だろうが人生の神秘だろうが、そこを漂い生きることを楽しみ、愛する者に「オレと一緒に航海しよう(生きていこう)」と呼びかけておることじゃ。 ヴァン・モリソンの圧倒的な歌唱力が、男の揺るがぬ自信、決意を壮麗に浮かび上がらせておるのがわしは大好きなのじゃ! “ぼくたちは風のまえで生まれた それに、太陽よりも若いのだ “美しい小舟にたどり着かれてしまうよりも先に ぼくたちは神秘へと船出していく” 美しい小舟が〜ってのがイミシンじゃのお。 これは、安寧とした人生の幸せってトコか。 この良さを味わってしまう前に船出しよう!とはカッコイイ! 人生はやはりハードロマンじゃな! 以上12曲、もしわしの親父殿が生きておって聞かせたらって考えると笑い出してしまうな! 「なんだこれはあ〜」「村田英雄かさぶちゃんかなんかないのか!」って言い出すに決っておる(笑) まあええわい、今度お墓参りに行った時に墓前で何曲か流してみようかのお〜お寺のお坊さんがすっ飛んできて「止めて下さい」とか注意されるだろうがな(笑) なかなかわしなりの供養がでけんもんじゃけど、心の中には海の男だった親父殿の魂がいきづいておりますって事で勘弁してもらうしかなさそうじゃ。 諸君もこの先いつの日か親父殿を偲んで勝手に捧げたいロックナンバーをセレクトする時がきたら、そん時は案外楽しいもんじゃぞ。 親父殿とかお袋殿に捧げるロックなんて普段は考えもしないじゃろうから、それはそれは新鮮じゃ。 何かひとつセレクトのテーマが決まれば、自分だけの意外な名曲を探し当てたりするもんであり、またまたロックの深みにハマっていくじゃろう! ではごきげんよう!! 最後までお付き合い頂きかたじけない!!! 七鉄の酔眼雑記 〜“七鉄の親父殿”の記録が、国立国会図書館に眠っていた! 「海の歌ロック」の記憶を辿っておる途中、同時に親父殿の思い出を濃くしておこうと思い立ち、「親父殿の本名」と航海が長かった「ベーリング海」の二つをキーワードにして面白半分にネット検索してみたんじゃ。 知らぬ方とはいえ、親父殿の元同僚とか誰かさんが、万が一ブログかなんかに遠い昔の思い出とかをアップしていないかのお〜などと淡い期待を抱いて(笑) そうしたらな!と、と、とんでもねえモンが引っかかったからビックラこいた! それはPDF形式で保存された「国立国会図書館デジタルコレクション」だったのじゃ。 タイトルは「ベーリング海日記」。 親父殿が1968年に行った北洋航海漁業に同行した方の「航海日記」の一部であり、親父殿の人となりの記述と親父本人のコメントの数々が書き残されておったんじゃよ。 かつてわしが直接親父殿から聞いた体験談の一部も含まれておったから、これは間違いない! 笑っちゃうと同時に涙が出そうになった記述は、「○○船団長(親父殿のこと)は、とても物静かで思索的な人物であり〜」ってトコ! 陸に上がっておる時の親父殿は大酒飲みであり、ナイーブの欠片もない性格に映っておったのに、物静かで思索的な人物だったとは! 生前ついに見知ることのなかった親父殿のキャラの一端を知って感慨深かったのなんのって! 書いておるのは「大瀧重直(おおたきしげなお)」というお方。 もちろんわしは知らんから、この方の名前もネットで検索してみたら、またまたビックリ。 ウィキペディアでも紹介されておる、昭和の小説家、ルポライターじゃった。 しかも、この「航海日記」を元に執筆した作品「白夜の海〜だれも書けなかった北洋船団ルポルタージュ」(1971年刊)は文藝春秋社の「大宅壮一ノンフィクション大賞」ノミネート作品でもあった! 恐らく、この本の中で親父殿の仕事がもっと詳しく書かれておるはずじゃ。 さっそく当書を探してみたが残念ながら絶版。 ネット上の古本屋各店にも在庫なし。 しかし日本国内のいくつかの図書館に蔵書があると分かったんで、この締め切りが終わった後の直近のお休みの日にその図書館を訪れて読んでみるつもりじゃ。 親父殿に対してはまったく親孝行が出来なかったんで、せめてもの罪滅ぼしに読破して、あらためて親父殿を偲んでみようと思っておる。 もうひとつ余計な事を付け加えておこう。 わしが生まれた時も親父殿は海の上におったそうじゃが、誕生日当日に青々と繁った“海松”が漁網に引っかかったんで、予め電報でお袋さんが打診しておいたいくつかの名前の候補から親父殿は「繁」を選んだらしい。 そう、この七鉄の本名は「繁」なのじゃ。 “海松”というのは海藻の一種、つまり「わかめ」や「こんぶ」の仲間じゃ。 「ってことは、七鉄っつあんは“わかめじじい”だな」ってヤカマシーワイ(笑) |
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