NANATETSU ROCK FIREBALL COLUMN Vol.223

■インドシナ半島“ありえない”体験集

 先日、日本から短期旅行でベトナムに来た旧友に言われたわい。 「すっかり旅人の顔になったね」と。 どーいうツラなんだが自分ではワカランけど、旅に没頭しておるということじゃろうな。 「男のツラは履歴書。 女のツラは請求書」って、そんなことはどーでもええわい!
 さて、お叱りを受けるのは承知の上じゃが、旅人のツラになった記念として!?、今回は思い切ってロックとも50sとも酒とも全然カンケーネー事を書いてみるぞ! わしがインドシナ半島の旅で出くわした、日本ではありえないような体験話じゃ。 それを貴重な体験、それとも野蛮な事件と捉えるかは、どうぞご自由に! でもポール・マッカートニーの名言にあるぞ。
「世の中には知らない事がたくさんある。だから僕らは生きていかなければならないんだ!」
 まあわしは、「世の中には飲んだことのない酒がたくさんある。 だからわしは飲み続けなければならないんだ!」じゃけど(笑)、今回は酒の話すらも抜きで行くぞ〜。 日本は本格的な夏を迎える時期じゃが、ひととき暑さを忘れる“涼”は新作イタリアン・カラー・シャツで! そして“驚”は七鉄バナシで!! 新作をしっかりとゲットして落ち着いたところで「ラフ〜」な気分で読んでくれたら嬉しいぞ。コムズカシイのは一切ないんでご安心を!
(上写真は、ベトナムのホーチミンからフエへ向かう途中に広がる砂漠地帯)


たまにはロックを忘れてみましょっ!
七鉄の旅土産・第二弾!?
「インドシナ半島“ありえない!
チョット衝撃体験集」


その1〜ベトナム名物?犬の丸焼き

 まずは「食」から。 そして愛犬家の皆様ごめんなさい。 食文化の違いとはいえ、これは結構キタのお。 体調数十センチの犬の丸焼きじゃ。 表面の色合いは北京ダックみたい。 写真を撮っていたら、売り場のオネエサンの顔は「何が珍しいのかしら」。 って、大きなお世話じゃ。 そう言えば、近くに子豚の丸焼きも売っておったが、偶然にも売り子さんはみんな若い女性。 ベトナム女性を見る目が・・・(笑)
 30分後にもう一度訪ねたら、頭の部分がきれいに無くなっておった。 そこが一番美味しいんじゃろうか? 店の奥は食堂になっており、丁度昼飯時だったんで、皆さん“犬飯”を食っとりました。

 
その2〜多様な味わい?のやぎ焼肉(ベトナム)

 やぎさんのお肉なんてイスラム圏では常食だし、驚くことでもないかもしれんが、わしは初めて。 一番美味しい部分は“おっぱい肉”なんだそうじゃ。
 全体的に食べ応えのある弾力性がやぎ肉の特徴のようじゃが、なんだが超淡白な安い牛肉ってところ。 レバーは鶏よりも臭みが少なくて悪くはない。 お店によって違いがあるのかもしれんが、おっぱい、もも、お腹なんかの部分によって「果たして同じ動物の肉なのか?」って思えるほど味わいが異なっておった。 
 途中「アタマも食べますか?」って聞かれたんで、さすがに断ったわい。 どーせ、ど〜んとアタマ丸ごとが出てきて、目の前で肉をこそぎ落としたりされるんじゃろう。 折角の食欲も減退することは間違いないじゃろうし。 同じ宿の仲間6人で腹いっぱい食べてビールも飲んで、一人7ドル(900円弱)だったんで、まあ リーズナブルな肉食宴会向きじゃな。


その3〜ラーメン屋でインスタント・ラーメン(カンボジア・プノンペン)

 東南アジアの麺類は、圧倒的に米から作られた白い麺ばっかり。 日本の中華ラーメンが大好きなわしは、ある日どうしても黄色い麺が食べたくなった。 旅仲間に相談したところ「ヌードル・イン・ザ・スープ」の表記がある店なら“ラーメン的なのがある”と教えられた。 さっそく、鴨肉麺で有名な中華料理店の看板にその表記を見つけて入店したのじゃ。
 先客たちは黄色い麺をすすっておるので間違いない!とふんでからオーダー。 スープの出汁良し、鴨肉良しで、さあお次はお目当ての黄色い麺へ。 口にいれた途端に「な、なんじゃこりゃ〜!」 なんとインスタントラーメンの麺だったのじゃ! 友人にクレームを入れると(笑)、どうやらこっちでは小麦粉から作られる生麺はあんまり流通していないらしいって、バカモノッ、それを早く言わんかい!


その4〜喜び組に逢える!北朝鮮レストラン

 タイ、カンボジア、ラオス、ベトナムは北朝鮮と国交があり、主要都市のほとんどに北朝鮮料理を提供するレストランがある。 メインは料理よりも、そこで働いておる美しきウエイトレス喜び組さんたちじゃ。 噂にたがわず美人揃いであり、西側諸国の者は見たことのない類の美しさで光り輝いておる。 なんつうかな、化粧や整形では作り出せない、氷の彫刻的な研ぎ澄まされた美とでもいうか、思わず息を飲んで見つめてしまうのじゃ。 その喜び組さんが、約40分ほど歌や踊り、楽器演奏を披露してくれるショータイムが楽しみ! ショーのレベルは、宝塚的でもあり、まあAKBちゃん的でもある(笑)

 ちなみにカンボジア・プノンペンの北レスへ行った時のこと。 夕食後に訪れたので、ビールとツマミばかりオーダーしたら、喜び組さんのウエイトレスが怒り顔になり、「なんでアナタたちは焼肉をオーダーしないのか!」と凄まれて一同フリーズ。 仲間の一人が「客に対するその態度はなんだ!」と日本語で応酬。 平和主義者のわしが慌てて「待て待て。 わしが払うから」と仲間に断ってから、食いたくもない冷麺を二皿追加でオーダーしたら、喜び組さんはニッコリ。 (もっとも、メニューの中で一番高価な冷麺を指差して、“これをオーダーしなさい”と指示されたがな)
 実は店内写真撮影禁止だったんで、お許しを頂くための“ご機嫌取りオーダー”をしたのじゃ。(笑) 左上の写真はそのお陰で撮影出来たもんなんでヨロシク(笑)   


その5〜秘境地帯に位置する国境ゲート

 何度も国境を越えた今回の旅じゃが、地理的にもっとも険しい国境は、ラオス・ナムパオとベトナム・カオチェの国境山岳地帯。 わしはラオス側から入ったが、深夜、秘境温泉のような山の中腹に忽然ラオス側イミグレーションが現れる。 開門まで数時間寝て待ち、午前6時頃に出国ゲートを抜けると、直後に急勾配の峠を約30分も昇降する試練が待っているのじゃ!
 ふと山肌を見ると、黒山羊がアホヅラこいて草を食みながら見物してやがる。 国境警備隊?からの無意味なパスポートチェックも何度もあり、まさに時代劇さながらの峠越え、関所越えじゃ。 ベトナム入国ゲートに到着する頃は、シューズは土埃まみれ。身体は汗まみれ! 雨季に通らなくてよかったわい。
 旅行者に対して、ほとんどなんの配慮もないこの国境で唯一の救いは、ベトナム側イミグレーションに隣接した売店の売り子さんがやたらと可愛かったことじゃな。(笑)


その6〜玄関開けたら2秒で線路!(ベトナム・ハノイ、タイ・バンコク他) 

 日本では鉄道線路は絶対に立ち入り禁止じゃが、タイやベトナムの線路周辺には人家やお店がすぐそこまで迫っておる。 線路があったって「それがどうした?」って感じじゃ。 一日にせいぜい数本程度しか列車が行き来しないので、誰も危険地域として認識しておらんのじゃ。 線路をまたいで建つ人家や店もあるんじゃないか?と、わしはおもしろがって線路付近を長距離歩行してみたが、さすがにそれは無かったな。
 電車の中から線路脇に建つ人家の様子をなんとなく眺めてしまうことは日本では珍しくないが、ベトナムやタイでは下手したら人家の奥まで丸見えじゃ! 雑貨屋、飲み屋、飯屋、床屋、家電品屋、線路のすぐそばには何でもあるのじゃ!(写真は、ベトナム・ハノイ)


その7〜世界遺産の名も泣く?虹色鍾乳洞(ベトナム・ハノイ)

 世界遺産に指定されておるベトナムきっての景勝地ハロン湾クルーズをすると、湾内のダウゴー島にあるティエンクン洞窟(鍾乳洞)にも案内される。 スケールの大きい鍾乳洞であり、その自然の造形美に圧倒されるんじゃが、事もあろうにレインボー・カラーの照明が無秩序に当てられておる。 日本人の感覚なら不粋極まりない装飾なのじゃ。
 現地人ガイドに「なんであんな余計な事をするんじゃ?」と聞いたら、「だって綺麗じゃないですか!」ってお話にならん・・・。 周囲の西洋人観光客もわしに同感のようじゃったが、諸君はどうじゃ?


その8〜“噴火する”大道芸人(ベトナム・ホーチミン)

 やぎ焼肉を食べている時に突如路上に現れた凄まじいストリート・パフォーマー。 まさか、ベトナムで火を吹く芸を見せ付けられるとは思わなんだ。 随分と昔にパリででくわしたことがあったが、あの時よりも火炎量がハンパなく、観ていて恐ろしくなったほどじゃ!
 しかも一升瓶いっぱいに入れたガソリンが空になるまで何度も何度も吹きまくるので、まさに息を呑むようなド迫力じゃ。 キッスのジーン・シモンズより遥かにスゴイわい! 思わずおひねりをはずんでしまった! 日本でこんな事をやったら、ソッコーで警察官がすっ飛んでくるじゃろうな。 
 火を吹くご本人は当然汗だくなんじゃが、顔に光る水分が汗なのかガソリンなのかワカラン! また周囲にはガソリンの匂いが充満していて、やがて引火してしまうんじゃないか?と、観ている者の恐怖感を更に煽るのじゃ。
 

その9〜贋作、模写だらけの画廊(ベトナム・ホーチミン)

 白人旅行者でごった返すホーチミンのブイビエン通りには、ビアバー郡の中にいくつものギャラリーが点在する。 おかしな光景だな、と思って覗いてみると、もっとおかしい事が!
 展示してある作品は、全て有名画家の贋作! いやいや、レベルは模写がほとんど・・・。 ピカソ、ダリ、ダ・ヴィンチ、ラファエロ、ゴッホ、エル・グレコ、クリムト、はたまたウォーホール、ホック二ー、ヘリングetc...もうなんでもござれ。 中には、エルヴィス、ジミ・ヘンドリック、ビートルズ、ボブ・マーリーの有名な肖像写真の模写まであった。 その厚顔無恥?ぶりに呆れてしまったわい。 良くも悪くも、絵画とイラストとの違いに、作者たちは無頓着って感じじゃ。


その10〜運命を受け入れたあひるたち(カンボジア・プノンペン)

 先日の昼下がり、プノンペンの繁華街をふらふら散歩していたら、「グワッ」という動物の呑気な鳴き声に呼び止められた!? 見るとあひるさんたちが10羽ほど、円形の水飲み用のタライの周囲にお行儀よく座っており、そのうちの一羽がわしを呼び止めたようじゃ(笑) 酒なら一緒に飲んだるぞ〜と、ここまでは微笑ましい体験。

 じゃが、ふとあひるの集団の後方1メートルぐらいをみると、床が血の海・・・おっさんがまな板の上であひるをサバイテおるのじゃ。 その横で娘さんが屠殺直後のあひるの毛をむしっておる。
 食用動物ってのは、屠殺される間際には死を察知して騒ぎ出すというが、あそこのあひるは観念してしまっておったのか? “お行儀よく”座っているように見えたのは、実は既に両足が縛られて逃げられなくなっておったのじゃ。 死の間際に声かけをされたわしとしては、何とも言い難い心境ではあった。 しかし、あんな作業場が白昼堂々と繁華街の中で開放されておるとは・・・。


 以上の10エピソード以外にも、いわゆる“不適切”な体験や、フザケタ旅人とのガチの衝突なんかもあるが、そこまで明かすと“やり過ぎ”になるので、今のところ封印しておこう。 最低限の品位だけは守っておかんとボスにクビにされてしまうからのお〜。 せっかく清涼でゴージャスなイタリアンカラー・シャツの新作が発表されたのに、諸君の崇高な気分を台無しにしてしまう可能性も無きにしもあらずじゃしな! この手のオハシは、ネタが貯まり次第、またいつの日か突然やってみたいので、その時はヨロシューな!
(右写真は、タイとラオスの国境に指定されておるメコン川の河川敷〜ラオス側から撮影)


七鉄の酔眼雑記 〜笑劇編はこっち!

 番外編として、衝撃的じゃなくて笑劇的なヤツも少々加えておこう!
 看板を見て大笑いしてしまったのが、カンボジア・シェムリアップにあったコンビニ「シックス・イレブン」! 「イレブン・セブン」にするよりはひねったつもりなんじゃろうな(笑)
 東南アジアでにっぽんブランドの信頼度は俄然高いようで、同じようなヤツはまだまだある。 タイの宿で扇風機を見たら、「SHARP」じゃなくて「SHARK」!サメかよ!! 別の宿では「HITACHI」じゃなくて「HATARI」! どういう意味だ? スイッチをいれたらカバーがガタンと外れて羽が吹っ飛ぶんじゃないか!ってドリフのコントみたいな連想をしてしまったわい。
 他にも大きなレストランでは、日本の大手外食メーカーの名前の文字を少しだけ変えたダジャレにもならない店名がいくつもあったぞ。 いいではないか。 いいではないか。 パクられてこそ一流ってことで笑って許そう!

 それから、カンボジアの世界遺産アンコール・ワットに行った時に出くわした光景も。 当日の体感温度45度と思われる激暑に、遺跡鑑賞どころではなかったが、暑さしのぎに遺跡の日陰を探しておると、若い僧侶が既に座っておった。 修行の身とはいえ、お坊さんだって暑いもんは暑いよな〜と、ついつい同情して近づいたら驚いた! なんと、彼は一心にスマホをいじくってゲームをやっておったのじゃ!
 その名が世界に轟く大遺跡アンコールワットとはいえ、やはりインドシナ!? 日本の比叡山とか高野山とかと違って規律はユルイのかどうかは知らんが、スマホとは呆れるを通り越して笑うしかない!
 わしだけではのうて、周囲の観光客のほとんどがおもしろがって写真をとっておったが、それでも当の本人は意に介さず、ひたすらゲーム! どんなゲームをやっとるのか確認したかったが、さすがにそこまで接近するのははばかられたわい。 和尚さんに見つかったら、さぞかし怒られるだろうな〜とか、みんな思っていたに違いない! 

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