ROCK FIREBALL COLUM by NANATETSU Vol.136

 アメリカ最大手の音楽雑誌であり、使用写真でもセンスのあることで名高い(The-KingのHP表紙ほどではないが!?)ローリング・ストーン誌(以下RS誌)から、先月末に「もっとも偉大なギタリスト100人/100 Greatest Guitarists of All Time」が発表されよった。 RS誌は何年か一度に、年末になるとこの「オールタイム・ベスト何々人気投票」を発表しておって、かつては「アルバム・ベスト500」「ナンバーベスト500」「アーティスト(バンド含む)ベスト100」、2008年には「シンガー・ベスト100」をやっとる。 今年の企画は「ギタリスト」ってことじゃった。
 わしは昔っから「人気投票」ってのが嫌いでの〜。 ロッカーってのは反逆のシンボルだったのに、それが多数決という民主主義で優劣が決められてしまうというのは到底納得が出来ん! そんなものは作品のヒットチャートがあれば充分じゃ。 どっかの国の「じゃりタレ選挙」とか「抱かれたい男ランキング」じゃあるまいし。 え?「ジイさんよ、よく言うぜ!AKB48の選挙に一喜一憂しているって噂じゃねえか」ってか? バカモノ! あれは職場の同僚のハナシじゃ。 でも「抱かれたい男ランキング」には一度でいいからランクインしてみたいもんじゃのお〜♪ このわしが福山クンにどこまで迫れるか!?って、キモいことを言わせるでない!

 まあ実を言うと、このRS誌の「人気投票」に限っては、毎回注目しとるんじゃよ。 それは投票者が一般読者ではなくて、新旧の現役ミュージシャンだからじゃ。 そしてクラシック以外のすべてのポピュラー音楽が投票の対象だからなんじゃ。 ブルースの神様あり、カントリーの大御所あり、ロックの王様ありで、それはそれは壮観な顔ぶれが並ぶんじゃよ。 日本の音楽雑誌では決してこうはいかんじゃろう!
 
 さてその100人なんじゃが、ランキング順位の方は後ほど専用ウェブで詳しくチェックして頂くとして、ランクインした者には共通した属性、傾向というもんがある。 それは大体次のようじゃ。
@レコードの売り上げ枚数、ライブの集客力が優れておること
Aブルースやカントリーの土壌の上で、独創的なプレイをすること
Bギター・テクニック至上主義者ではなくて、作曲能力にも優れていること
C巨匠の絶対的従順なフォロワーではないこと
D活動期間が長いこと
 予めこういう条件の上での投票だったのかどうかは知らんが、音楽ジャンルを限定しなくても、@〜Dをクリアできた者などはそうはザラにはおらんから、ランクインするギタリストというのは大体は想像できる。 そうなると気になるのは順位じゃが、こればっかりは音楽フリーク一人一人ぜ〜んぶ意見が異なるから、わしがここでアーダコーダまくしたてるのはほとんど無意味じゃ。 それは諸君がロック友達と居酒屋ででも延々とやってくれいっ! 何ならわしが付き合ってもええぞ。 なんせ、ロックンロール・カー・コートっちゅうニュー・タイプのハーフコートをThe-Kingが発表してくれたんで、毎日でも外で酒を飲みたくて仕方がないからの〜♪ 忘年会の予定をひとつふたつキャンセルしてもお誘いにのるぞ〜。 わし個人のランキングをブチかましたるわい!
 ってことで、このコーナーではRS誌のランキングに対して冷静になるべく、わしが「この人のランクインは意外だ!」と驚いたギタリストをここで紹介してみよう。 案外同じように感じる諸君も多いかもしれんからな。 しかしこの意外性こそが、我々フリークには分からない、投票者であるミュージシャン特有の感性、評価ってもんじゃろう。 それを知ることによって、新しい音楽の世界へと旅立っていくのもおもしろかろう!


ローリング・ストーン誌選出
「もっとも偉大なギタリスト100人」の意外なランカーたち




■ 
はじめに〜ランキング順位について 

 順位は後廻し、意味は無いとは言ったものの、やっぱり皆さん気になるには違いない。 では主だったところをそぉ〜と(!?)最初にご紹介しておこうか。
輝く
第1位はジミ・ヘンドリックス。 「やっぱり、この人しかおらんじゃろうな〜」と納得! 来年生誕70周年を迎えるジミ・ヘンドリックスは、故郷シアトルに記念館が設立されるそうじゃ。 もうNo.1の座は永遠にこの人のものじゃろう。 続く2位はエリック・クラプトン。 こ、これもまぁ分からんことはないな。 そして3位ジミー・ペイジ。 4位キース・リチャーズ。 5位ジェフ・ベック。 「おいおい、これでは70年代のヤング向けギターマガジンの人気投票ではないか!?」とどうも“ひっかかる”ものの、ここまでは何とか納得・・・ではなくて我慢はできる(!?)。

 しかあ〜し、
ジャームス・バートンは19位。 「ぬわにいっ!」 スコッティー・ムーアは29位。 「あのなあ〜」 バディ先生80位にカールのお父さん88 位って、「ざけんじゃねーぞコラアア〜!」 い、いかん。 順位を追うごとに腹が立ってきたぞ! しかもマディー・ウォータース49位にロバート・ジョンソン71位じゃぞ。 「ナメとんのかこのガキャア〜」 更に「ジョニー・キャッシュとブライアン・セッツァーの兄貴がはいっとらんぞコラァアアア〜!」ってもう怒りが収まらなくなって原稿にならんから、やっぱし順位のハナシは止めよう。 こりゃ〜100位以内にランキングされること自体が名誉なことであり、80〜120位あたりはみんな“鼻の差”だと考え直した方がよさそうじゃな。


■ 第36位 ランディ・ローズ(元オジ―・オズボーン・バンド) 

 「ベスト100」の顔ぶれで最初にサプライズしたのがこのお方! メジャーシーンでの活動期間僅か2年。 残したアルバムも2枚。 25歳でバディ先生のような飛行機事故で亡くなってしもうたので、100人の中ではダントツでメジャーシーンでの活動期間が短い。 失礼ながら死後30年が経過した今でも数多くの同業者の心の中に宿っておるとは驚いた。
 クラシック・ギターの素養に裏打ちされた重厚かつ美麗なギターソロの全てはへヴィ・メタル界では永遠の名演扱いじゃが、まさかまさか、こういう機会にまでご登場なさるとは! わしはかつてメタル方面の原稿を書く時、「ランディ・ローズがあと5年生きていたら、へヴィメタルは世間からもう少しまともな評価を頂けたはずだ!」とよく強調したもんじゃ。 それほど彼のギターソロは異次元から輝きを放つ、空前絶後の超絶的な美旋律じゃった。 また容姿が天使の様な美青年じゃったからか、ランクインを目にした時には不意に涙が出て来てしもうたよ。 ランディのランクインは、いわばジェームス・ディーンが永遠の映画界のヒーローであることと同じことじゃな。 尚、日本人の大好きな同系的ギタリストとしては、リッチ―・ブラックモアが第50位。 その他マイケル・シェンカー、イングヴェイ・マルムスティーン、スティーブ・ヴァイ、ポール・ギルバート、ヌーノ・ベッティンコートらの名は100人の中には入っておらんかった。


■ 第41位 ミック・ロンソン(元スパイダース・フロム・マース) ■
 
 だ、誰なんだこの人は?ってなったじゃろう。 わしは知っとるが、ランクインには目を疑ってしもうた。 「あ〜思い出した! “かみさまあ〜おねがーいーだあ〜”のバンドの・・・」って、それは日本のスパイダースだっつうのっ! このお方は70年代の前半にグラムロックの旗手としてケバイファッションで暴れまくっとったデヴィッド・ボウイのバックバンド、スパイダース・フロム・マースのギタリストじゃ。 当時のボウイは自らを「地球に落ちてきた異星人」、バンドをその名の通り「火星からの蜘蛛軍団」と設定。 徹頭徹尾、退廃的官能ロックを展開しておったが、しかしどうしてランクイン?ってのが正直な感想じゃった。
 んで、RS誌の解説を読んだら納得。 サウンドにしろステージアクトにしろ、ボウイとミック・ロンソンの華麗なる絡みってもんが、ミック・ジャガー&キース・リチャーズやロバート・プラント&ジミー・ペイジとは異なる新しい「ロック・デュアリズム(デュエット主義)」を確立させ、それはエアロスミス、ハノイ・ロックス、ガンズン・ローゼス辺りに大いなる影響を与えたと! なるほどな〜さすがは音楽大国アメリカ、いろんな評価のされ方ってのがあるもんじゃな〜。


■ 第57位 ロリー・ギャラガー(元テイスト)

 この人もまた現在ではマイナーじゃな。 ヴァン・モリスン(元ゼム)に続くアイルランド・ロッカーの元祖的存在であり、70年代初頭は第二のクリームと言われたテイストっつうバンドを率いて活躍しておった。 写真の通り塗装が禿げたストラトキャスターとチェックのシャツがトレードマークじゃったが、カワイイお顔がアダとなって(!?)、とかくアイドル視されてしもうて、なかなかギタリストとしての正当な評価をされないまま消えてしもうたんじゃ。
 プレイの特徴は泥臭いクラプトンとでも言うべきか、ホワイトブルースの王道にサザンロック的な砂塵のフレーバーがミックスされたブルース・ギター。 そいつをゴリゴリに押しまくっておったなあ〜。 わしは結構好きじゃったが、日本でそんなことを言うと男性ロックファンには「あっそっ。 だから?」、女性ロックファンには「でもロリーってカワイイわよね〜」とかで、全然会話にならんかったな〜。 あの頃わしの話をスルーしやがった仲間たちよ、これを機会にロリーを聞き直せ!ってちょっと爽快な気分になったぞ!


■ 第62位 ロバート・フィリップ(元キング・クリムゾン) ■

 キング・クリムゾンといえば、70年代にプログレ・キングだったバンドじゃ。 でも超名盤のファースト以外はアメリカでまったく相手にされず、いやプログレ自体がアメリカではお呼びではなかったはずじゃ。 しかしこの高い評価は実に意外じゃ。 要因を探るべく、ふる〜い音楽雑誌をあれこれめくっておると、こんな記事があった。
 「キング・クリムゾンがデビューした60年末期にはまだシンセサイザーはなかったが、当時のスタジオ技術を駆使してギター1本で多種多様なサウンドを創出。 それは地球上の“あらゆる音”が再現出来るような驚異的な技術であり、楽曲に無限のイマジネーションを与えている」とな。 旺盛な研究精神がプログレ不毛の地においても揺るぎない名声を勝ち得たってとこじゃ。 まさにギター博士じゃな。
 余談ながらロバート博士は、シンセが登場する前のセミ・オーケストラ楽器だった「メロトロン」の名手でもあり、初期のクリムゾン・サウンドで活躍する豪快で深遠なアレンジはほとんどがメロトロンの仕業だと思うとったが、どうやらギターでもやっとったんじゃな〜。 あらためて恐れ入りましたってとこじゃ。


■第81位 ルー・リード(元ヴェルヴェット・アンダーグラウンド) ■

 うわっ、黒沢年雄さんじゃっ! 違う違う。 60年代末期にニューヨークで狂い咲きした、伝説的パンク・バンド、ヴェルヴェット・アンダーグラウンドのリーダーじゃよ。 その後も長きに亘ってコンスタントにソロ・アルバムを発表しておるが、ヒットチャートにお目見えすることは滅多にない。 それだけマニアックな存在であり続ける地下ロックのキングじゃ。
 作詞作曲の能力はストリート・ロッカーとしての軸がブレないし、ブラックユーモアや文学的なセンスも抜群。 セルフ・プロデュース力のレンジも幅広く、独特の陰影のあるテノールの歌唱力もクール。 しかし、わしはこの人のギタリストとしての力量だけは・・・分からん。
 ってことで、かつてデヴィッド・ボウイが評したギタリスト・ルー・リードの魅力を御紹介しておこう。 「ルーのギターを聞いていると、自分が今何をやるべきなのかをひらめくことが多い。 普段は自覚できない深いエモーションに訴えかけてくるんだよ」  ふ〜む、典型的なミュージシャンズ・ミュージシャンってことなんじゃろうな。


■ 第97位 スティーブ・ジョーンズ(元セックス・ピストルズ) ■

 
はあ? そりゃ〜ねーだろう〜って、唯一呆れてしまったのがコレ。 誤解を招かぬよう言っておくが、わしはこの人好きじゃよ。 ホワイトブルース・フィーリング溢れるファースト・ソロ「マーシー」は愛聴盤じゃ。 しかしRS誌の解説ではピストルズ時代のプレイについて云々されておる。 ロック史に残る衝撃的な3コード・ギター!と言えばそれまでじゃが、実はな、レコードであれをやっとるのはスティーブじゃなくて、某有名セッション・ギタリストじゃ。 これは公然の秘密であり、わしが知っとるぐらいだから、本場ミュージシャン連中にはバレバレなはずなのに、どーいうことじゃ・・・。 こりゃ〜事実を洗い直してみんといかんなってことでこれ以上のコメントは差し控えておこう。


 以上6名を含めて、その他にも「なんでじゃあ〜? オセーテオセーテ!」ってのが何名かおる。 諸君も専用ウェブでじっくりと100名の顔ぶれを見ておくれ。 ほぼ全員に対して、投票したであろうミュージシャンの丁寧なコメントも紹介されとる。 もちろん英文じゃが、音楽についての文章じゃし、ライターではなくミュージシャンの文章だから理屈っぽくないんで、案外読解できる部分は多いぞ。
 「シンガー・ベスト100」は2008年に発表されておるから、当面はないじゃろう。 ならば来年あたりは「グレイト・ファッション・ロッカー100」なんかやってくんないかの〜♪ そうしたらこのコーナー100回分くらいのコメントが書けるな! いや、何事も人任せではいかん! まずThe-Kingのボスにお願いして特注ファッションをこしらえて頂き、ローリング・ストーン誌にわし自らその企画を売り込み、コメンテーターを名乗り出るか! コメンテーターどころか、「スペシャル・ランカー」としてわしがRS誌で紹介されたりしてな〜♪って初夢にはチト早過ぎたワイ。 シツレイしましたっ!
 
 

七鉄の酔眼雑記 〜“飲むまいと、思うヒマない五日酔い”の輩へ

 今年もやってきおった忘年会/新年会シーズン! やはりこの時期に飲む酒はって、そーいうハナシは聞き飽きた!ってか。 はいはいスイマセン。 ではこの辺で失礼ってわけにもいかんので、たまには「悪酔いしない方法」ってのをオハナシしてしんぜようか。 飲酒運転取り締まりが極限まで厳しくなっているので、まさか忘年会に自家用車で駆けつける輩はおらんじゃろうが、反対に泥酔して寝込んで風邪ひいたり、電車の降車駅を寝過ごしてしまう人が俄然多くなることが予想されるからのお。 長年の飲酒生活においてこれは間違いなかろうと確信しておるヤツを紹介しよう。 もちろん酒酔いってのはその人の体質やその日の体調に左右されるから、“絶対”ではないのでその辺はご了承下され。
 
 まず、「ドケチ根性」は厳禁じゃ。 最近は“節約”とか“コストパフォーマンス(CP)”っつうのがヨシッ!とされ過ぎていて、「タダ酒」や「割カン」の際に普段よりも何倍もの酒やメシを喰らおうとする輩が多い。 少しでも得をしておこうとするこのケチ根性こそ悪酔いの入り口なのじゃ。 中には「今夜は飲み会だから」って昼飯も我慢して、その分を飲み会の飲食で補おうとする大馬鹿野郎もおる。 すきっ腹に大酒は大敵なんじゃ。 だから飲み会の前こそ、適度に胃袋を満たしておくことは悪酔い防止に不可欠じゃ。
 次に、飲み会が激しくエキサイトしそうな時、もしくは長丁場になりそうな時は、出来るだけビールで引っ張ること。 冬場のビールってのは最初の1〜2杯だけで終わり、チューハイやサワーとかに切り替えられる場合が多いが、これもまた危険の入り口じゃ。 「ビールなんて腹が膨れてそんなに飲めないぜ」って思うじゃろうが、それでええんじゃよ。 エキサイティング&長丁場の飲み会において、最初からたくさん飲む必要などないのじゃ。 ビールをちょびちょび飲んどりゃ時間も稼げるし、トイレが近くなって適度に場を離れてクールダウンも出来るし、結局は長丁場の飲み会をじっくり楽しめるってもんじゃ。
 つぎ〜はだな、女性がたくさん参加された場合じゃ。 ヤロウばっかしの飲み会と違って、普段より濃いお化粧とシャンプーリンスの香りで気分はついついデレデレ!じゃなくて、最近の女性は勇ましくなって男性に負けず劣らずガンガン飲む方もいらっしゃるが、中にはかわい〜くワインなんかで「きゃんぱ〜い!」ってのも多い。 このワインってのがクセモノなんじゃ。 ホロ酔い気分になるとスケベ心が出てきて(?)、女性にヘラヘラしながら「たまには僕ちゃんもワインいっちゃおうかな〜♪」なんて時が往々にしてあるな。 これがいかんのじゃ。 ワイン自体ではなくて、ビール、チューハイ、焼酎の中にワインが入りこむと、悪酔いモードが突然ターボに入る場合が多いんじゃよ。
 ちなみに複数の種類の酒を飲む「ちゃんぽん」は悪酔いに直結するというのが定説じゃ。 しかし最近の飲み屋さん(特にチェーン店)は、あんまり酒を入れてくれないので「ちゃんぽん」が危険とは必ずしも言い切れないのが現状じゃ。
 
 しかしまあこのシーズンにおいて「飲み過ぎるな」と強調するのも無理があるから、せめて二日酔いだけでも軽くしたいところじゃ。 そこで最後に意外な二日酔い対策をひとつ。 ハッピーな飲み会の後は、日本人は何故だか牛丼とかラーメンで〆たくなるな。 わしもそうじゃ。 猛然と醤油ラーメンにがっつきたくなる! これが肥満に直結することは誰でも知っとるが、酔いざましの妨げになることを知っとるヤツは案外少ないのと違うか? 普段以上の酒酔いと必要以上の満腹感が一緒になると、熟睡出来なくなるんじゃよ。 眠りが浅いと酒の抜けが当然悪くなるし、寝起きは最悪・・・。 寝る前にどうしても空腹を我慢出来ん時は、わしは冷水をがぶ飲みすることにしておる。
 以上4つの注意事項、医学的根拠なんかはないが、長年の経験から会得したわしの真理じゃ。 出来れば実行することでどうか楽しい「忘年会/新年会シーズン」を送ってくれたまえ〜。



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