NANATETSU ROCK FIREBALL COLUMN Vol.106

 ゲキアツの夏が終わる気配がない毎日に、わしのオシャレ・フィーリングもチト萎えかかっておったが、The−Kingの新作ブルー・イタリアン・カラー・シャツで一気に覚醒! 秋冬モードへの意欲が俄然高まってきた一方で、誠に残念なニュースもある。 ついに来月からタバコが大幅値上げされてしまう。 うぅ・・・40年あまりの歳月をともにしてきたタバコがますます手の届かないところに行ってしまうなあ〜。 しかしわしらが愛した昔のロッカーは愛煙家が多かったもんじゃ。 ロック雑誌のグラビアなんかで、タバコをくゆらせながらのポーズはカッコえがったのお。 タバコはロッカーのビジュアル性をアップさせるために重要な小道具だったのじゃ。 じゃからよくマネしたもんじゃよ。 またプロフィールには「好きなタバコの銘柄」なんて項目も結構あって、オキニのロッカーと同じタバコを必ず吸ってみたもんじゃ。 そして「酒もタバコもやらないヤツはロクなロッカーじゃねえ」なんて言っておったもんじゃよ。
 しかし時代は変わってしまい、世界中でここまでタバコが嫌われることになるとは予想もしなかったもんじゃ。 最後の抵抗として、半年分ほどまとめ買いをしたところじゃが、抵抗ついでに、ここでも「タバコ万歳!」をテーマにしてみよう。 名づけて

今蘇る、タバコでキマった!ロック・レコード・ジャケット!!


 わしはカッコつける以上に、タバコそのものが大好きであり、「タバコ、ライター(マッチ)&灰皿」の3点セットの図も大好きなので、レコード・ジャケットの中にタバコを見つけると、それだけ買っていたような気もする。 ところが、人間の記憶ってのはやはり曖昧であり、あらためて探してみると、「タバコ・ジャケット」はロックではなくて、ジャズの方が圧倒的に多かった。 う〜ん、これは意外じゃった。 わしのコレクションの中にも「ロック・タバコ・ジャケット」は50枚程度だったのじゃ。 しかし、どれもシャレているか、ジョークが冴えていてええもんじゃ。 その中で特にオキニのジャケットを引っ張り出してきたんでご紹介しよう。
 これだけタバコが嫌悪される時代なんじゃから、そのうちこれらのジャケットは国家教育委員会とかからクレームがついて、ぜ〜んぶが差し替えになってしまうかもしれんぞ。 いや、ジョーダン抜きにそんな気がするんで、諸君もしっかり拝んでおくように! プレミアが付くかもしれんので、見つけたら買っておくようにな。(笑)
 
■キャメル/蜃気楼■

 まずは、わしの愛煙生活の中で約30年という最長継続喫煙記録(?!)をもつ「キャメル」のパッケージをパロッたジャケから。 バンドの名前も同じ「キャメル」で、タバコのパッケージ・デザインをぼかしただけじゃが、気の効いた邦題「蜃気楼」の効果もあって、わしはこのデザインに合格点をあげた! 
 しかしタバコのキャメルは美味しいことこの上なかったが、バンドのキャメルはどうも・・・。 70年代に一時流行したB級プログレバンドであり、サウンドはまさに「蜃気楼」っつうか、「陽炎(かげろう)」のようであり、どうも的を得ていないフワフワした感じで、わしにはしっくりこんかったな。
 ちなみにタバコのキャメルじゃが、日本にはハードケースしかなく、わしの好きなソフトパックは現在入手できないのじゃ。 このソフトパックでキメていたのが、今や伝説的男優となった故松田優作。 70年代後半の人気TV番組「探偵物語」の中で頻繁にこのらくだタバコを吸っておった。 それに映画「マディソン郡の橋」の中で、カメラマン役の主人公クリント・イーストウッドも、クールにキャメルを吸っておったのが今も印象に残っておる。


■カルメン/ダンシング・オン・ア・コールドウインド
  
「キャメル」の次は「ジタン」じゃ。 「ジタン」は「ゴロワーズ」と並ぶフランスの代表的タバコじゃ。 どっちかと言うと肉体労働者用のタバコのイメージが強く、その強烈ないがらっぽさが持ち味じゃ。 日本の「ハイライト」のような存在じゃな。 でもパッケージがオシャレなんで、ゲージュツ家諸氏にも結構人気があったそうじゃ。
 この「ジタン」のパッケージ・デザインをパロったのが、コレ。 実は「ジタン」とは「スペインの踊り子」という意味で、それはつまり「カルメン」その者のこと。 バンド名を「カルメン」にしたから、ジャケは「ジタン」で!ってことになったんじゃろう。 ちなみにこのバンドの活動は、「ジタン」の人気に比べると、あまりにもほど遠い結果となった。
 余談じゃが、わしは80年代にフランスに滞在した時、「ジタン」ばっかり吸っておったが、おもしろかったのは、買った店によって、巻き紙の色が違うのじゃ。 通常の巻き紙は右の写真の様な白じゃが、黄色があったりピンクがあったりもするのじゃ。 店のオネーさんに聞いたところ、「製造工場によって違うのかも。 チョットしたしゃれっ気みたいなものね」とのことじゃった。



 ■ヘッドストーン/バッドハビッツ■

 お美しい修道女がくわえタバコ! こーいうB級ブラック・ジョークがわしは結構好きで、即買いしてしもうた。 これなんか、間違いなく将来闇に葬られるジャケットじゃろうなあ〜。 発売当時(1974年)は、男の歪んだサド願望の対象として、修道女がB級ポルノ映画の主役として度々描かれておったが、そんな風潮に便乗してデザインされたのかもしれんが、それにしてもこの桐島カレン似のモデルさん、うつろな瞳と全体の浮揚感をさりげなく演出する首の角度はゲージュツ的じゃ。
 肝心のサウンドの方は完全に「ジャケット負け」! 何がやりたいんだかよー分らん、不可解でファンキーなB級プログレ。 でもジャケットのお陰で、イギリスではそこそこ売れたらしい。 でも「何がやりたいんだか・・・」ってアルバムには、逆に相応しいデザインなのかもしれんな。 なにはともあれ、「タバコ・ジャケ」の中では、インパクトが強烈な忘れがたき1枚じゃった。


■ヴァン・ヘイレン/1984
 修道女のお次は赤ちゃんじゃ。 これには笑ったな! アメリカ人らしいナイスなジョークじゃよ。 発表はタイトル通り1984年。 当時、「へヴィメタル/ハードロックは青少年にワルイ影響を及ぼす音楽だ」っつって、アメリカのどっかの州の女性なんとか教育団体が大騒ぎしておって、そこのオバハン連中はこのジャケに激怒したそうな。 わしらは「タバコ持ってるだけで、吸ってるわけじゃねーからいいだろう!」なんて言ったもんじゃった。 同じブラック・ユーモアのセンスでも、アメリカ人がやるとどこか笑える要素があり、イギリス人がやると上記の「修道女」的にどこかニヒリスティックになるんじゃな。
 このアルバム、日本盤の広告のコピーも良かった。 「神様、やっちまったぜ!」 このコピーとジャケ、それに抱腹絶倒&天衣無縫のネアカ・ハードロック・サウンドがミョーにイメージ的に合致して、オキニの度合いを大いに底上げしてくれよった!

 

■バッド・カンパニー/デンジャラス・エイジ

 赤ちゃんのお次は、僕ちゃんといこう! こっちは吸っちゃってますなあ〜。 しかもタバコのくわえ方、マッチの持ち方も本格的! こんなガキが本当にいたらコワイじゃろうなあ〜と思ってタイトル見たら「アブナイ世代」! これまた近い将来、抹殺処分のジャケットじゃろう。
 このアルバムを発表した時のバッド・カンパニーは、70年代に名声を勝ち得たオリジナル編成とは別のバンド。 単なる再結成ではない!ってことで何かインパクトが必要だったんじゃろうが、ジャケット・アイディアとしては合格じゃろう。 だけど、小さいお子さんをお持ちのヤング・ママには毛嫌いされるだろうな〜と、元々このバンドのファンじゃったわしは変な心配をしたもんじゃった。



■トーク・イズ・チープ/キース・リチャーズ
 
ローリング・ストーンズのキースがデビュー後四半世紀以上も過ぎてから発表した初のソロ・アルバムのジャケじゃ。 まあステージ、スタジオ、私生活、所構わずタバコを吸い、ふかし続けておるキースならではポーズ! じゃがやはりキマっとるなあ〜。
 何がキマっとるかって、残り少ない短いタバコを持っとるところじゃ。 小道具として取ってつけた様なところがなく、愛煙家としてのリアリティが伝わってくるではないか。 それにフィルターが茶色なのがキツイタバコっぽくてカッコええ! 白いフィルターってのはな、マイルドなオコチャマ・タバコじゃよ。
 このジャケは、ブレスレット、スケルトン・リング、プロミスタイ、そしてタバコ(マルボロ)と、キースの愛用品のオンパレード。 ファンには嬉しいデザインじゃ。 う〜ん、わしなら、ホースシューリングをはじめとしたThe-Kingアイテムをフューチャーしたところじゃろう!



■マネー・アンド・シガレッツ/エリック・クラプトン
 キースと同じくらい、年がら年中 タバコをふかしている印象の強かったクラプトン。 数あるソロ・アルバムの中でも、意外にもタバコが登場するのはこの1枚のみ。 黒スーツにタバコを持つ姿はキマッとるが、何の変哲もない部屋に、グニャっと溶けている様なストラト、それにアルバム・タイトルも何だか意味不明。 収録曲も焦点がみえない不思議な出来じゃった。
 いつだったか、知り合いの熱狂的な女性クラプトン・ファンに「マネシガってよお分からんな〜」とうっかり口を滑らせてしまった。 そしたら「この頃(1980年代初頭)のクラプトンは、生きているってことが分かればそれでファンは喜んだのよ。 だからソロアルバムは存命報告のお知らせみたいなもんだから、これでいーの!」と一括されてしもうた。 全然答えになっとらんが、いやはや幸せな方じゃ、クラプトン殿は。

  


■ブロークン・イングリッシュ他/マリアンヌ・フェイスフル
 最後は、そんじょそこらのヘナチョコ男性ロッカーも敵わない、壮絶な人生を送ってきた女性シンガーであり、ミック・ジャガーの元恋人マリアンヌ・フェイスフルじゃ。
 ドラッグ地獄から奇跡の生還を果たして発表した「ブロークン・イングリッシュ」のジャケにあしらわれたタバコじゃが、灯火部分だけレッドに着色されたアイディアがキョ―レツじゃ! 電子タバコなんかではないぞ!
 このお方、よほどタバコがお好きらしく、他の2枚のアルバムでもタバコやタバコの煙をデザインとして見事に使用しとるなあ〜。 お肌のためにタバコを控える女性ロッカーが多い中、マリアンヌは美貌の崩れもなんのその、ひたすらタバコを愛し続けておるようじゃ。 

  冒頭でも振れたが、「タバコ・ジャケット」はジャズに多い。 それからシャンソンにも多いのじゃ。 ロックに少ないのは、ロッカーというのは自分の理想的な美意識や幻想風景をジャケットで表現したがる傾向が強いから、日常性の描写は好まないからではないかのお〜。 (そう言えば、ストレイ・キャッツのファーストの裏ジャケには、ラッキーストライクがあったのお) その反面ジャズやシャンソンの連中ってのは、自分の「素の姿」をジャケットに描き出すことが好きなようで、あまり仕掛けを好まんようじゃ。 だからフツーに楽器と戯れていたり、日常生活の一部を切り取ったような写真が多用されるから「タバコ」がジャケットに登場する確率がロックより高いんじゃろうな。 いずれにせよ、ミュージックソフトのジャケットからタバコが完全に消えてしまう日も遠くはあるまい。
 ビッグなミュージシャンにとっては、タバコの大幅値上げなんざは痛くもかゆくもないんじゃろうが、世間一般の愛煙家にとっては複雑な心境じゃ。 これを機会に禁煙に挑戦する方も大変多いらしい。 諸君はどうじゃ? 禁煙治療クリニックは、来院者が3〜4割も増えているらしいが、あれは必ずしも禁煙に成功する訳ではないそうじゃな。
 そうじゃのお、もしわしが禁煙するならば、まだ入手していないThe-Kingのアイテムを完ぺき!パーフェクト!!に揃えて、お小遣いがタバコに回らんようにするぞ。 The-Kingアイテムを我慢するのは身体に悪いぞ、諸君! 今回のニューイタリアン・カラーシャツもドカン!と揃えてしまうようにな!

  

七鉄の酔眼雑記
 〜この夏の救世主!ゴーヤ&モロヘイヤ

 天気予報を見るとだな、関東地方はずぅううううううっと快晴・・・。 もうなんか、生きる気力を無くしそうじゃあ・・・。 バテバテ防止食は「うなぎ」と「焼肉」なんつっても、年寄りは毎日毎日は食えんよ。 「なんか他にないんか・・・」と意識がモーローとしながらスーパーに出かけたある日、救世主ともいうべき食物をハッケ〜ン! ゴーヤとモロヘイヤじゃ。 野菜とはいえ、この2つは体力回復、血流改善、滋養強壮(?)にもってこいなのじゃ!猛暑のせいで、すっかり忘れとったわい!
 ゴーヤはご存知沖縄特産の長寿食品の代表じゃ。豆腐や豚肉との炒め物よし、湯がいてサラダよし。 独特の苦味がビールにも飯にも合うから食欲は確実に増進じゃ!ガリガリくんをガリガリするのもええが、厚みのあるゴーヤをバリバリと食いまくった方がいいにきまっとる。
 モロヘイヤは「野菜の王様」と称されるほど各種ビタミン、ミネラルが豊富じゃ。美容食としても名高く、あの伝説の美女クレオパトラの常食だったそうじゃ。 まあ美容効果はええとして、モロヘイヤはその強烈な繊維質が体内に蓄積した毒素をキャッチして排便を促すというスバラシー能力もあるのじゃ。 わずかに温めれば、オクラや納豆よりも強力なネバネバが出てきて、おひたしにサイコー!ビールとの相性もいう事ナシ!
 ゴーヤ&モロヘイヤのドカ食いを二週間続けたら、もう効果てきめん! 寝起きもよくなったし、暑さに立ち向かう気力の回復も早くなった。 スタミナドリンクなんかのその場しのぎ的な元気とは違う、身体の芯がかなり元気になったって感じじゃ。 年寄りのわしでさえこの効果じゃ。 若い諸君ならもっと早く元気になるじゃろう。 騙されたと思って試してみる価値はあるぞ。ゴーヤもモロヘイヤも旬は10月初旬くらいまでなんで、早めにトライしてみてはいかがかな!
 長くなるのでレシピはネットで検索してくれ。ポイントをひとつだけ伝授しよう。ゴーヤもモロヘイヤもざく切りで十分。 小さく刻むと、ゴーヤは苦味が飛んでしまい、モロヘイヤはネバネバが流れすぎてしまうぞ。ではレッツ・トライ! 緑色野菜のパワーをあなどるなかれ!
 




GO TO TOP