ROCK FIREBALL COLUM by NANATETSU Vol.30
約一ヶ月の長いバカンスから、諸君! 戻って参ったぞ。 マイルームにおいては、その昔愛しマーガレット嬢からいただいたロカタイ付のティディ・ベアが、変わらぬラブリーフェイスでわしを迎えてくれた! 別に傷心旅行だった訳ではないが、この変わらぬラブリー・フェイスに久しぶりにお目にかかると、やはりじ〜んと来るもんじゃ。 さて、わしが旧友を訪ね回って毎晩酒盛りしとる間、THE-KINGのボスは今年の諸君のサマータイムを彩る新作のために汗水流しておったそうじゃ。 ボスは常日頃「いい仕事が出来た時は酒がうまい!」と言っとるが、う〜ん、わしの場合はいつでもどこでも酒がうまくて困ったもんじゃ。 やっぱりボスをはじめとして日本人は勤勉じゃのお〜。 飲んだくれのわしだって、ロックとお仕事、そして酒の理想的な三角関係を求めておるんじゃが、今回旅先で驚くような三角関係を見つけたぞ。 それは日本社会の中ではありえない光景であり、「なんじゃこりゃあ???」って激しく動揺してしもうた。 そのオハナシをオープニングとして、今回はロックとお仕事と酒の新しい三角関係つうか、信頼関係みたいなものを提案してみたい。 まあわしからの「帰国あいさつ」みたいなもんじゃ。 お気に入りのロックを聞きながら、酒でも飲みながら読んでいただければなおヨロシ! 七鉄は旅先で考えてる その三 出て来い「爆発!ロック・リフレッシュ・カフェ!!」 |
わしが旅の最終地として選んだその都市は東南アジアの某大都市。 久しぶりの訪問だったのじゃが、ここ2〜3年で欧米パワーが幅を効かせ始めたようで、街の様相が大きく変わっておった。 当然欧米人ビジネスマンと、彼らとその家族向けの飲食店の数が飛躍的に増えておった。 中でも真昼間からビールをガンガンに飲ませてくれるパブが増えたこと、増えたこと! しかしそんなことに驚いたワケではないぞ。 わしがギョーテンしたのは、午後3時くらいから、スーツ姿の欧米人がぎょうさんやって来ては堂々と昼酒(午後酒?)を始めるんじゃな。 「オメーさんたち、仕事中じゃねえのかい?」って余計な心配をしてしまうぐらいの飲みっぷりなんじゃ。 あらためてメニューを見ると、午後3時からを「ハッピーアワー」として、ビールが安価でふるまわれておる。 20年ぐらい前のヤツラの本国ならまだしも、ビジネスマンの生活態度、食習慣がうるさくチェックされる昨今、昼酒なんてモッテノホカのはずじゃが・・・。 これは東南アジア赴任者だけの特権なんじゃろうか? そしてこーいうパブには例外なくゴキゲンなロック・ミュージックが流れており、ヤツラはポテトやフライドチキンをムシャムシャほおばりながらビールをあおって、ロックミュージックにシビレテから仕事に戻るんじゃな。 正直なところ、スズシ〜顔して颯爽とパブを出て行くヤツラの後姿は実にカッコええ〜。 わしの個人的な意見としてはだな、その後の仕事さえしっかりこなせば、文句ねえよのお〜!って拍手でもしてやりたい!! |
しかしいかに外地とはいえ、日本人がこれをやっちゃあ〜いかんな。 昼酒キメて仕事を再開するなんつう習慣はほとんどない国民じゃし、ヤツラと比べりゃ格段に酒が弱いから仕事にならん。 (わしは例外じゃが、わしだって休日以外は昼酒はやっておらん、と思う) しかも仕事仲間からツマハジキにされるのがオチじゃ。 何よりも人と人との連携プレーを重んじる仕事のスタイルが身上の日本人社会では、やっぱり昼酒はご法度じゃ。 でも「昼酒」はいかんが、「昼ロック」の方は大賛成じゃ。 ランチの後に眠気でウトウトしたり、午後の会議中にカックンカックンして上司にハリセンでひっぱたかれるくらいなら、間食の時間帯に大音量のロックでバシッ!と目を覚ますってのは素晴らしく健康的な行動じゃよ。 仕事の能率もアップして、ストレスも少なくなるはずじゃ。 ところが真昼間から気軽にロックを大音量で聞ける所ってのは日本にはないよのお。 その代わりにウォークマンやらi-podがあるっ!って言われるかもしれんが、違うんじゃな〜それは。 自分の耳にだけ入ってくるロックじゃだめじゃ。 そんな小道具じゃなくて、空間を占領するロックの大いなる包容力に抱かれて休憩してこそ、リフレッシュ出来るってもんではないかのお。 70年代のほんの一時期、日本にも「ロック喫茶」ってのが結構あって、それなりには流行ったもんじゃ。 しかし「コーヒー1杯、ビール1本で2〜3時間」って客ばかりでツブレルのも早かったもんじゃ。 「ハードロックカフェ」とか「アイリッシュ・パブ」の類なら日本にも結構出てきて、昼間でもロックを聞けるが、店の造りもメニューも、気軽に立ち寄って休憩するって感じじゃないようじゃ。 列記とした「お食事処」ってフンイキじゃ。 そういえば、リフレッシュじゃのおて、昼間から営業するリラックス・サロンってのが随分増えたのお〜。 清潔で静かな空間でマッサージ師にやさ〜しく身体をもんでもらう、1時間数千円もするあれじゃ。 こーいうのも悪くはないんじゃが、わしとしては何だかますます気合が入らなくなりそうで、昼間の入店はどうも気が進まん。 やっぱりわしらロッカーは、リラックス・サロンより、「気分爽快!爆発ロック・リフレッシュ・バー!」みたいなサービスの方がええ。 さて最近ではレトロ・ブームの影響で、夜の一杯立ち飲み屋がちょっとしたブームになっとるようじゃが、ならばここは発想をもっと健康的に、そしてロック的に発展させて、昼間にロックを立ち聞きできる「ロックカフェカウンター」ってのが出現してほしいもんじゃ。 これなら1時間数千円なんて高額な費用なしでリフレッシュできるぞ。 気軽に立ち寄って、気分を一新させて、気軽に立ち去ればええんじゃ。 店側としても、DJや凝ったインテリアなんかも必要ない。 最高のサービスは大音量のロック! だから昼間はコークやコーヒーで充分じゃ。 これなら客に長居されることもないし、開店資金、運転資金もそんなにかからんじゃろう。 そうじゃのお〜、どうしても店作りでこだわりのスピリッツをお客に提供したいならば、THE-KINGのラインナップをカウンターの後ろにビシッとディスプレイすればええ。 そういうことであればTHE-KINGのボスは世界中のどこでも嬉々として協力に参上するはずじゃ。 THE-KINGのアイテムをかましておけばそれだけでその空間はロック黄金時代になるってもんじゃ。 まあまあ、以上は旅の興奮さめ止まぬわしが思い描いた夢物語かもしれんが、こーいう発想をもった実業家、どこかにおらんもんかのお〜? 「ロックカフェカウンター」は停滞気味の日本経済を必ずや根底から活性化させるぞお〜! ロックが世の中のためになる典型的な存在としておおいに話題になることじゃろう。 新しいビジネスチャンスをうかがっている実業家志向のロックファンよ、是非ともご一考のほどを! やる気のあるお方は、THE-KINGを通さずに、この七鉄にそぉっと直アポを! とにかく直じゃ!!ポイントは開放感、清潔、安値、そしてロックじゃ。 そして利用者としての諸君の心構えっつうもんは、昼だろうが夜だろうが、ロック・カフェ、ロック・パブの類には無用の長居はせんことじゃ。 その後のアクションへの契機付けにぶらりと立ち寄るのが正しいスタイルであ〜る、とわしは思うとる。 何故ならば、昔のロックスターは言っとったじゃないか。 「ブルースは、しぶとくその場に居座るための音楽。 そしてロックは、その場をカッコよく走りぬけるための音楽だ!」 |
七鉄の酔眼雑記
今回をもって「旅先で考えてる」編は終わりとさせていただくが、今年の秋口か、遅くとも冬場には、またまたバカンスを予定しておるので、ご紹介できる新しいネタを仕入れてくることを今のうちから約束しておこう。 やっぱりオイボレってのは環境を変え、気分を変えながら、脳みそを活性化する努力をせんとな! しかし今回の旅は、ラストでとんでもないハプニングが待っておった! なんと最終寄港地の空港免税店で酒が買えんかったんじゃ! 旅ガラス七鉄の長い旅人生の中でこんな屈辱(?)は初めてじゃ。 わしが予約していた帰国フライトが、航空会社がアメリカで、しかも最終地がアメリカということで、酒類は持ち込み禁止だったのじゃ! そんな異常な取り決めはチケットには書かれておらんし、チェックイン・カウンターでも何ひとつ注意されなんだ。 それが免税店では「○○航空のお客様はダメ」の一言。 諦めきれずに空港職員に詰め寄ったところ、何でもテロ、ハイジャック防止のために、発火の危険のある「液体類」は一切持ち込み禁止らしい。 おまけに搭乗直前の厳重な持ち物検査の際には、愛用のヘアジェルやアフターシェーブローションまで没収されてしもうた。 ところが友人へのお土産の香水はOK。 どうなっておるんじゃ??? 「禁止液体類」の基準がさっぱり分からんし、よりによってわしから酒の方を取り上げるとは、「ふざけるなっ!」と大暴れしたい気分じゃった。 こうなったら乗客サービス用に機内に運び込まれた酒類を全部飲んでやる!と意気込んでおったが、世の中そんなに甘くはなかったんじゃよ。 「エコノミークラスのお客様は、サービスのアルコール類は一食に付き1ドリンクとさせていただいております」とフライトアテンダーのツメタイ一言。 「キサマ、客の目を見ないで話すその態度は止めろ!」とわめき散らしたい気分じゃった。 もうあの航空会社は絶対に使わんぞー! |