ROCK FIREBALL COLUM by NANATETSU Vol.28


ナッソージャケット

 うむっ、親愛なる諸君、わしは予定通りバカンスに大変忙しい身じゃ! 海外旅行で何が嬉しいかというとじゃな、欧米人の多いエリアではわしが着ているナッソーに結構注目が集まることじゃ。 先ほどもホテルにチェックインの際、ロビーにたむろしていた欧米人の客の視線を痛いほど感じて、実にええ気分じゃ。
 統計をとった訳ではないが、特にアメリカ人とオーストラリア人がわしのナッソーに興味津々であり、 彼らは積極的に「どこで入手したのか?」とか「ドルでいくらぐらいだ?」とか、出会いの挨拶もそこそこに聞いてくるのじゃよ。 座って話し込むうちに、更にわしの薬指に燦然と輝くホースシュー・リング(ホースイン)や、足元を飾っているフラップ・シューズ(ホワイト&ブラック)にも話題が流れ、うふふ、わしの思惑通りの展開じゃのお〜。 オイボレ・ジャパニーズのわしでさえ、馬子にも衣装じゃのおて、THE-KINGのアイテムのお陰で人気者じゃ。 優越感にひたりながらも、そこまで彼らを惹きつけるその魅力とは何なのじゃ?とあらためて考えてしまうってもんじゃ。 ここは旅行中の酒タイムを少々返上して、フィフティーズ/ロック・ファッションそのものの魅力を考えてみよう。


七鉄は旅先で考えてる その一
フィフティーズ/ロック・ファッションは、
現存する唯一のロック・オリジナル・ファッションであ〜る!


 いきなりハナシの核心に迫る前に、別の角度からフィフティーズ/ロック・ファッションってものを見てみよう。 エルヴィスやビートルズをはじめとした特定の超人気アーティストではなく、 ロックという音楽そのものが市民権を獲得したと思われるのは1970年代からと言えよう。 当時のロックはポップス・チャートを荒らしまくりながら、サウンドは多様化の極みに達しておった。
 ハード、プログレ、グラム、パンク、スワンプ、サザン、トラッド、パブ、フォークetc、これらを更にアメリカとイギリスとに分けたら、○○ロックと名の付いたジャンルの数はちょっと異常じゃったな。 これに60年代末期に開花したサイケデリック、ブルース、ラーガ(ビールでないぞ。 インド的っつう意味じゃ)、オリエンタルなんかを加えたら、ロックミュージックって一体なんなんじゃ? パ〜子分からない、オセーテ、オセーテ!ってなりそうなほどじゃった。


 まあここら辺のツッコミは、大亜米利加音楽歴史研究協会のミスター・イシアタマ名誉理事長と協議が実現したアカツキにでもご報告するが、
ところで、ロックが変化すればするほど、それと比例して様々なファッション・スタイルが生まれてくるのも当時のロックの楽しいところじゃった。  ジャンルの数だけファッション・スタイルがあったと言ってもよかろう。  ファッション・スタイルを見れば「あっ、コイツは○○ロックが好きなんじゃのお〜」とすぐに分かったほどじゃ。 そう、ロックが音楽とともにファッションというかたちで一般社会に根付いたのも70年代からなんじゃな。
 ところが、現代でもしっかりと当時の原型をとどめているロック・ファッションって、実は無いんじゃよ。 どれもこれも、時代に狂い咲きした“悪の華”って感じで、それぞれの個性を撒き散らしておったが、やがて近しいロック同士のサウンドが合体と融合を繰返すことによって、ファッションの方も変化していき、中には跡形も無く消えてしまったものもある。

 (写真は上左デヴィッド・ボウイ、上右マーク・ボラン、下左ニューヨーク・ドールズ、下右セックス・ピストルズ。 70年代のロック・ファッションを先導した代表的な悪の華たちじゃ。)


 さてここから本題じゃが、どっこいオリジナル・スタイル、原型ってヤツが今も生きているロック・ファッションは、実はフィフティーズ/ロック・ファッションだけに思うぞ。(思うはやめろってか?) そう、今諸君がご覧になっているTHE-KINGのホームページの中にぎっしりと詰まった、愛すべきコイツラなんじゃ! スバラシイッ!! 原型が現存するというより、あの時代の息吹がそのまま伝わってくるような、ほとんど真空パック状態で現代に継承されておる。 どうしてフィフティーズ/ロック・ファッションだけが、オリジナルなかたちで生き続けることが出来たのじゃろうか? 70年代のロック狂乱時代には、日本人が知る限りではどちらかというと地味な地位に甘んじておった印象が強いはずじゃ。
 それは代表格であるホースシュー、ナッソーが放っている、いかなる時代性やムーブメントの影響も受けない、オンリーワンの個性、オーラに包まれておるからじゃ。 その個性、オーラは何故永遠に健在なんじゃろうか?

 
 まず第一に ホースシューじゃが、キング・エルヴィスが愛用したことで、成功者やアメリカン・ドリームの体現者の栄光の証としての地位、価値が既に確立されておった。 ナッソーもまた、かれらのゴージャスなバカンスを彩る定番ファッションじゃ。 だからこれから時代の階段を駆け上ろうとする
新進気鋭のロック・カルチャーとは別次元のシロモノなんじゃ。
 第二に、ナッソースーツ(ジャケット)には独特のファッション性と優れた機能性(羽織りやすさ、着心地の良さなど)が共存しており、ロックファンを飛び越えて、
一般的なジェントルマンをも魅了していたことじゃ。
 第三に、もともとスーツ、ジャケットというものはヨーロッパで発祥、進化したもんじゃが、ナッソーはいわば初めての“アメリカン・ジャケット”ともいえ、世界的に
アメリカン・ファッションのステイタスを大いに上げた存在であることじゃ。 
ちなみにナッソーをスーツとして世に送り出したのはTHE-KINGであり、諸君そのあたりを大いに評価すべし、じゃ。
 そして第四に、すでに挙げた3つの要因ゆえに、フィフティーズ/ロック・ファッションは、70年代のロック狂乱時代にはヤング・カルチャーの表舞台からは姿を消したことで、
余計な合体や融合の被害を受けずに済んだことも重要じゃ。 
 姿を消したといっても、それはあくまでもロックサイドでのオハナシであり、何よりも伝統を重んじるカントリー&ウエスタンや、リズム&ブルースのカルチャーサイドにおいては、フィフティーズ・ロックのサウンドもファッションも“50年代そのまんま”の姿で生き続けていたのじゃ。 ここら辺の情報は、当時の日本にはまったく入ってこなかったので、ご存じない方が多いのも無理はないんじゃな。 特にホースシュー、ナッソー以外のもっと身近なアクセサリー類なんかは、こっちサイドに“一時避難したかたち”となって、激動の時代のミョーな影響を受けずに済んだんじゃよ。  諸君、アメリカってのは想像を絶するほど広いのじゃ。 ロックを含めたポップシーンだけでなく、ミュージック・シーン、カルチャー・シーンというのは他にもたくさんあるんじゃよ。 
 
やがて流行のロック狂乱時代がひと段落した後、ホンモノはこれだっ!ってことでフィフティーズ/ロック・ファッションは再びロック最前線に復帰して現代に到っているという訳じゃのお〜。


 どうじゃ、これなら誕生から50年が経過しても、オリジナル・スタイルのさながら真空パック状態での存続も可能というもんじゃろう。 50年代というのは、いつの時代もアメリカにおいて永遠に語り継がれる“黄金の日々”なのじゃ。 その黄金の日々のシンボルであるファッションが原型に限りなく近いスタイルで現存しているんじゃから、アメリカ人の心が騒ぐのは当たり前!ってことじゃ。 

 そんな、こんなで素晴らしきフィフティーズ/ロック・ファッションは、オリジナル・スタイルに極めて近い状態で現代を生きフラップシューズる諸君にもお目見え出来るって訳じゃ。  伝統と不変性とロックスピリッツにあふれたその魅力を分かっておる諸君フラップシューズは大したもんじゃ! もちろん、そのためにブツと諸君との間で活躍、苦労しとるTHE-KINGの存在ってのはデカイ! 今後もチェックを怠らないようになっ!  
 なに、わしの存在? そーじゃのお〜。 THE-KINGのブレイクタイム担当っつうか、余興担当っつうか、ボスの酒飲みフレンドということでええわい! まあ旅先でもさり気なく自然体でナッソーをかましとるという訳じゃ!




七鉄の酔眼雑記

 「アイアム・ナナテツ。 アイ・ハブ・リザヴェイション」(俺は予約しておいた七鉄だ)
 先述の通り、わしは先ほど超高級ホテルにチェックインしたばかりなんじゃ! 高級ホテルと安宿を使い分けるってのがわしの旅の流儀であり、今日は大枚叩いての宿泊の日なんじゃ。 しつこいようじゃが、わしのおニューのナッソーに釘付けだった、ロビーのお客の視線がいまだに心地よい! 

 「ところで七鉄のオヤジ、アンタ今どこにいんの?」ってことじゃが、それは秘密じゃい。 下手に所在地を明かすと、現地のわしのファンから連絡が殺到するんのでのお〜。(?!) いやいや、かつての旅でかき捨てた恥の代償を請求される恐れがあるので、やはり公表はできんな。
トホホ。 日本から飛行機で約10時間の某国の首都におる、とだけ記しておこう。
 ホテルといえば、ライブ・サーキットに明け暮れたかつてのロッカーたちにとって、ホテルってのはトレイン(エアプレイン)、酒、とともに親友みたいな存在だったんじゃ。 ってことは、ロックの名曲の多くはホテルの室内で書かれたものも少なくないはずじゃ。 そう考えるとホテル暮らしってのもじ〜んとくるもんじゃ。
 まだまだ旅は続くので、酒が過ぎなければ、また旅の便りをかまそう。 では諸君、とりあえずサラバじゃ! 「サヨナラを言うことは、少しの間死ぬことだ」
(by 英国詩人・チャンドラー) なんつってガラにもなくキドッテもはじまらんな! さあ階下のバーへ繰り出すぞお〜!! 明日はインターネットの設備もない辺境地、焼け付くような猛暑の下で広大な大地が延々と続く某地域へと移動じゃ!

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