ROCK 'N' ROLL HOT COLUM by NANATETSU Vol.10

  ロックンロールのレジェンダリー・アイテム(伝統的ブツ)であるブルーキャップのアイコンをクリックした諸君。 真夏の暑さに負けず劣らずホットなアクションじゃのお〜。 五感が研ぎ澄まされるこの季節、テンションをさらにアップさせてサマータイムを一気に駆け抜けていってほしいところじゃが、ちょっとばかりクールダウンじゃ。 にっぽん人として忘れてはならん夏の歳時、「お盆」がもうすぐそこまでやってきておるぞ。
  そこで今回は、にっぽんのロックフリークにとっての「清く正しく熱いお盆の過ごし方」をご提案するべく、今年の七鉄流お盆タイムのグッドなアイディアをご紹介してみよう。 ご家族のご先祖様はもとより、さらに冥福を祈るべき大切なヒーロー、スターが諸君にはおるではないか。 諸君のロックン・ロール・ライフに新しいセレモニーを設けるべく、今宵も七鉄は全開じゃ。 テメエついに脳みそまで酒が回ったかって呆れるのはまだ早い。 七鉄様の言葉は仏様の御言葉に次いで有り難いって、ここは一発騙されたとカンネンしてご精読下され!!
これぞ七鉄流!
「ロック野郎の、清く正しく熱いお盆の過ごし方」



 お盆の過ごし方っつうのは、人それぞれ、田舎や実家によって様々じゃが、わしは江戸っ子らしく、キュウリとナスをお供えし、迎え火、送り火を炊いてご先祖様の供養をするんじゃ。 何を隠そう、わしは血筋は九州男児、生まれと育ちは江戸っ子、そして青春時代は湘南ボーイじゃ。 にっぽん男児として、実にイキでクールな人生レールじゃろう! どうじゃ諸君参ったか!! そんなわしは、ご先祖様の供養が終わったら、お次は若くして命を落としたロックンロール・スターたちに心の中でそっとお線香をあげ、一人静かに酒を飲みながら彼らの音楽に聞き惚れるのが長年の慣わしじゃ。
 しかしまあ実のところ、しめやかなのは最初の30分くらい。
最近は酒が弱くなってのお〜(?!) んでもって、続きは毎年決まって、「う〜ヒックッ、エルヴィス、コクラン、ヴィンセント、バディー・・・どうしてみんなわしを置き去りにして逝ってしまったんじゃ」となってまうんじゃ。 その挙句に「神様はなんで真のロックスターには悲惨な人生しかお与えにならんのじゃ。 交通事故、飛行機事故、ヤク中、アル中、孤独死、他殺ってロックスターの死は、悲惨な死に方のオンパレードじゃねえかっ。 え〜い、悔しかったらわしの首を取ってみい〜」って、まさに神をも恐れぬ泣き言やらたわ言やらが爆発してしまうのじゃ。
 寄り添ってくれた(ような気がする)マーガレット嬢はどこかに避難してしまい、こっちが供養、介抱されなきゃならん泥酔におちいってしまうって、そこまでタチは悪くはないはずじゃが、 まあ普段と大して変らんような気もするのお。 結局故人のありし日を偲ぶにしちゃあ、ガラの悪さテンコ盛りって訳じゃ。 ったくイキでクールな人生レールを走ってきた人間とは思えんな。神様ゴメンナサイ・・・。


 しかしながら、今年はエルヴィスのメジャーデビュー50年周年じゃ。 我がにっぽんにおいても事あるごとに「ロックの歴史」が紐解かれ、夭折したスターが再評価されておる。 こりゃあ〜わしもいつまでも神様にまでいちゃもんつけて、“酒と涙と男とロック”じゃ情けないっつう気分になってきたんじゃ。 やっぱり生きている者は偉大なる故人を悲しませるような行為は慎み、敬意を表する姿勢をとらなあかん。 それが故人のスピリッツを受け継ぐっつうもんじゃ。
 そこで今年のお盆からは、今は亡き偉大なるロッカーたちの鎮魂をチョイト違った趣向で行うべく、現役バリバリのロッカーの優れた作品を用意することにした。 迎え火、送り火の代わりに、彼らのサウンドをオンするのじゃ。 
真のヒーローやスターは、後継者の出現を歓迎するってもんじゃっ! 純度200パーセントのロック・スピリッツを受け継いだ、イカシタ、キレのいいヤツを!ってことで悩みぬいた末に選んだ1枚は「ブライアン・セッツァー・オーケストラ/ベスト・オブ・ザ・ビッグバンド」じゃ。
 2002年に発表されたこのアルバム。 諸君もCDデッキが煙を吐くほど聴いたことじゃろう。 わしがこの作品をチョイスした理由はただひとつ。 

エルヴィスやエディ・コクランらに聞かせたら、彼らはたいそうお喜びになることじゃろう!

 直属の後輩たちが、自分たちが生み出したサウンドを21世紀になってあんな風に壮大なスケールで演奏してくれたことに涙を流すに違いない。 それは、ホンモノのロックの過去と現在と未来が一直線で繋がった、正真正銘の由緒正しいロック・アルバムだからじゃ。 ブライアン自身も、発表当時に「このアルバムを自分のヒーローたちに捧げたい」って発言したと聞いておる。 それが決して自信過剰とは思えんほど素晴らしい作品じゃ。 まあこれ以上の賛美を並べる必要もなかろう。 諸君がそれを一番分かっておるからじゃ。

 全編にほとばしるあのビート、それはすべてのロックフリークの心身の奥底で鳴り続けている永遠のビートじゃ。 その昔、ガッコの帰り道、愛しいあの娘とデート中、何気に見ていたTVから、深夜放送のどっか、学友とサテンでダベッテいた時、初めて家出した時(?!)、いつだったかはっきりと思い出せんが、青春のフラグメントのどこかで不意に、突然に聞こえてきて魂を支配されたあのビートじゃ。 いやいや、わしはお袋さんのおなかん中にいる時から聞いておったっ!とまで言ってしまいたくなるような、まさにロックの神様が舞い降りた瞬間だったあの原始的なロックビートが、見事なお化粧直しをして炸裂しておる! 本当に久しぶりに

ロックという名の掛け金をつり上げ、
フリークたち全員がその高い金額を死んでも狙わなきゃなんねえっ!


って感じのグレイトな一枚であ〜る。
 コイツがあれば、お盆のセッティングはすべて決まったも同然! 我が命の水であるスペシャル・バーボン「レベル・イエール」をたしなみながら、

「偉大なるロッカー諸氏、あなた方にはこんなにクールでグレイトな後輩がおりますぞ! どうかお喜び下され!」


ってご挨拶してからコイツをかます。 これが今年の七鉄流「お盆の儀式」ってもんじゃ〜!!

 ご挨拶も決まった。 BGMも決まった。 お神酒も決まった! え〜と肴は、最近お気に入りの韓国の岩海苔(いわのり)じゃあ〜ってちょっとムードが崩れてしまうがそれもまたヨシッ! あとは愛しのマーガレット嬢(最近コレばっかし!)が寄り添ってくれれば言うことなしのお盆じゃわい。
 おっと、三次会のセッティングを忘れるところじゃった。 う〜んコイツをやらかしちゃうと、今年こそ神様から天罰を食らいそうなので、お盆の時だけは自重するかのお〜。 今のうちに三次会の会場であるべき不夜城に繰り出して飲んでおこう!
 どうか諸君も、天国にいるロックスターたちに聞かせたい「現代の一品、逸品」をセレクトして、「ロングリブ・ロックンロール!」と心から叫ぶことのできる清く正しく熱いお盆を過ごしてくれ〜い。
↑こんな夢を見れるよう、お盆はジェントルに飲みたいものじゃ!



vincent ★七鉄のアイテム紹介コーナー  「ブルーキャップ」  TC-003

 ほんの数年前を考えると、普段着の中でキャップをキメる日本人って、若いモンを中心として本当に増えたもんじゃ。 わしらの時代は帽子っつったら、まず外套(がいとう、つまりコートじゃ)とセットの防寒服としての鳥打帽であり、帽子をお洒落としてかぶるのは全然フツーじゃなかった。 大体いつも帽子を被っているのは小学生か野球選手ぐらいだったからのお〜。
 キャップ愛用者が増えたことは、日本人のお洒落感覚もより多岐に渡ってきたってことじゃが、でもやっぱり夏になるとその姿は一気に少なくなってしまうようじゃ。 まあ日本のお国柄があるとは思うが、今回はキャップのキメ方を含めて、ロックのレジェンダリー・アイテム(伝統的ブツ)であるブルーキャップをご紹介しよう。



 革ジャンとともに、ジーン・ヴィンセントのトレードマークでもあるブルーキャップ。 やっぱりコイツはキング・エルヴィスでもなく、プリンス・コクランでもなく、ヴィンセントが一番よく似合うってもんじゃ。 もちろん、バックのブルーキャップスのメンバーも全員バッチリじゃ。わし個人としては、ヴィンセントとともにギターのクリフ・ギャラップのキメ方もシビレルわいっ!

 ハンチング・スタイルのキャップは、もともと西洋のハンターたちの愛用品であり、その後に肉体労働者の間で広く普及することになった。 それをヴィンセント&ブルーキャップスが、「ブルーキャップ」でキメたことで、それまでのジミ〜な歴史が一気にひっくり返ってしまったんじゃ。 それは彼ら特有のストリート・ロッカーとしてのシャープでワイルドなアクションとファッションセンスがもたらした賜物じゃが、果たしてこのブルーキャップのどこに彼らのセンスを演出したクールなポイントがあるんじゃろう。

 THE-KING製のブルーキャップは、ヴィンセント&ブルーキャップスのモデルをほぼ忠実に再現したスタイル。 ひさし部分が小さい、というより、キャップ本体の先端部分がひさしの中央部まで覆いかぶさるように縫いこまれておる。 後頭部へ向ってキャップ本体が急激に盛り上がるオーソドックスなスタイルじゃ。 70年代から流行し、ジョン・レノンやキース・リチャーズらロックスターたちも愛用していたサイドにタックの入るヴァージョンもある大ぶりのハンチングに比べると、極めてタイトでシャープな装いじゃ。 しかもブルー単色なのでその伝統的なスタイルがより際立っている。

 ヴィンセント&ブルーキャップスの写真をよく見ると、このブルーキャップをヘアースタイルのフロント&サイドを隠すことなく、斜にちょこんと浅めにキメておる。 これはキャップをかぶるというより、頭に乗せる、もしくはヘアーアクセサリーを付けるって感じじゃ。 これがブルーキャップの正統的なかぶり方なんじゃろう。
 日本人には、鮮やかなブルーカラーがちょっと目立ち過ぎと感じてしまうかもしれんが、そこもやはり浅めに乗っけることで、スカーフやマフラーをちょいと引っかけてきたようなラフなお洒落に変身するんじゃ。 自分には派手と思えるカラーも、こんなさり気なさを工夫、演出することでマスターしてほしいぞっ!


「ブルーキャップ」を生かすも殺すも、この“浅め”ってのがポイント。諸君もよ〜く習得してくれ〜い。

 ハンチングにしろ、シルクハットにしろ、ベースボールキャップにしろ、日本人は帽子っつうと「風に飛ばされちゃいかん」ってことなんだかどうだが知らんが、
ひさしは真っ直ぐに目深にかぶるのが当たり前っていう習慣があるようじゃが、ロッカーたる者、帽子のキメ方ひとつにしても、もっとラフにオリジナリティを求めてみよう。
  
 
調整金具付  \5,040(税込)




 七鉄・雑記編   

 今年はいろんなメモリアルイヤーのようじゃな。 ハレー彗星が何発も一度にやってきたような驚くべき年度じゃ。 エルヴィスのメジャーデビュー50周年から始まって、バディー・ホリー生誕70周年、ビートルズ来日40周年、名曲「ホテルカリフォルニア」発表30周年、歴史的ロックコンサート「ラストワルツ」開催30周年などなど。
 音楽以外でも、マリリン・モンロー生誕80周年、ウォルト・ディズニー没後40年、名作映画「男と女」公開40周年で「カサブランカ」は60周年。 ウルトラマンが40周年で「サザエさん」は60周年じゃ!

 こうなると「何十周年記念特別限定企画オハヤメ二オモトメクダサイ」ってブツやイベントがぎょうさん重なってしまい、「昔はヨカッタのお〜」とか手を出しているうちにヘナヘナと自己破産になってしまうではないか。
 まあ男っつうもんは、二度、三度くらいなら惚れぬいたモンに情熱と有り金かけてスッカンピンになるのも頼もしいというもんじゃが、問題なのは見かけ倒しのつまらん企画に引っかかってしまって、汗水たらしていただいた報酬を無駄金にしてしまうことじゃ。

 とにかくいらん情報までやたらと錯綜する時代じゃ。 何が本当に必要で、何がそうじゃないのか区別がつかんのは確かじゃ。 そーなるともはや羅針盤は、当の本人の愛と情熱の純度の高さじゃな。 ここはひとつ故人やその遺産を偲ぶお盆って期間を有効活用して、冷静に自分自分の愛と情熱を振り返ってみよう。
 故人自体、またその人物の実績に対して、自分はどれだけの愛と情熱を注いできたか。 レコードやCDを何枚持っているかとか、未発表曲を何曲知っているかとか、そういうレベルのオハナシじゃないので勘違いなさらぬように。 愛と情熱の純度を正しく再認識できれば、くだらんもんに身銭を切ることもなかろう。諸君にとっての真のヒーローやその作品は、美しい思い出だけではなく、未来永劫のパワーをも授けてくれる! 我らのエモーションを駆り立ててくれるすべてのヒーローに、そしてあつかましくも諸君のご先祖様にまで敬意を表してシーユーアゲインじゃ。

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