8鉄風 ROCK COLUM by 8TETSU Vol.82
                                                                                                                               
             新年ご挨拶



 謹賀新年!

頑固8鉄でございます。

 さて、日本で新年、といえば、お正月、「もーういーくつねるとーおしょうがつー」のお正月であります。では、ラケンロールな海の向こうではいかがなもんかい?と思って調べてみますと、お休みではあるものの、あまりこれといった盛り上がりはないみたいです。

どうやら、キリスト教圏では、クリスマスやイースターといったキリスト関係以外のイベントを禁止していた時代があるらしく、新年はたんに年が変わっただけなんで、特段何もなし!というのが歴史になってるらしい。そのせいか、盛り上がるのは、12月31日大晦日のカウントダウン時のみで、明けて1日は、カウボーイ衣装で着飾って初詣に行きますなんてこともなく、フツーに自宅で静かに過ごすということのようです。

わたくしの思い出では、テレビで紅白歌合戦やゆく年くる年を見て静かに大晦日を過ごすのが日課でありましたが、アメリカのカウントダウンはみんなでわいわいと盛り上がるそうな。その際唄われるのが「オール・ラング・サイン」。語感からドイツの歌?と思っていたのですが、スコットランド語、だそうで、古いスコットランド民謡とのこと。新年を祝う歌というのは欧米ではこれくらいで、クリスマスソングみたいにたくさんあるわけじゃないのは、キリスト教の歴史がらみみたいです。



:レオン・レッドボーンの「オール・ラング・サイン」(後半)

 さて、「オール・ラング・サイン」、歌われている内容は、懐かしい友達と飲んじゃおう!乾杯だぜ!みたいな明るい歌でしたが、これが日本に輸入されたとき、明治14年に稲垣千頴さんという方が日本語の作詞をし、小学校唱歌として採用されました。おなじみの「蛍の光」です。オリジナルと違って、ちょっとマジメな、ちょっともの悲しい感じがするのは、歌詞のせいかも。




でも待てよ、螢の光、窓の雪・・、あれ?蛍が光るのって夏じゃなかったっけ?と思い、調べてみますと、西表島に生息するイリオモテボタルは冬に発光するらしい。でも、本土で有名なゲンジボタルは夏に発光するので、この歌の蛍の光は、昆虫の蛍が光っているという文字通りの意味ではないんじゃないの。じゃ、なんだ?というと、これが、「蛍雪の功」と言われる、一途に学問に励む事を褒め称える中国の故事が由来であるそうで、東晋の時代のえらい人、車胤は、家が貧乏で灯す油が買えなかったために蛍の光で勉強していたとか、同様に、同じ頃の孫康は、夜には窓の外に積もった雪に反射する月の光で勉強していた、という言い伝えに由来するらしいのですね。なんか今でもよく言われる、東洋人のマジメさ、ってこんなところから来ているのかもしれません。

ところで、蛍という虫ですが、これがなかなか曲者。成虫の期間は2〜3週間程度しかないのですが、この間は口器が退化しているので、水しか飲めず、幼虫時代に蓄えた養分のみで生きていくのだそうです。幼虫時代は、巻き貝を食べて育つそうで、こやつは歌のロマンチックなイメージとは裏腹に、捕食者側、つまり、バリバリの肉食系。なかにはでかいヤスデなんかもバリバリ食っちまうやつがいるらしいので結構エイリアンな感じもしますね。でも、成虫になったらもう食べることが出来ない体になってしまう。なんて悲しいんでしょう。こないだまでバリバリ肉喰いまくってたのに、大人になったとたん、水だけしか飲めず、子孫を残すためにがんばり、力尽きて死んでいくのです。やっぱり生きていくのって誰にとっても大変なんですなあ。

ロイ・オービソン「ウイズ・ザ・バグ」



人間がなぜ蛍にロマンチックなイメージを持ってるのかっていうと、やはり、「光る虫」だからじゃないかと思うのです。夜空を覆い尽くすばかりに淡く光る蛍の大群なんて、かなり神秘的。

実は、生物発光する生物というのは、たくさん種類があるものの、その大半(80%)が海棲生物だそうで、深海魚、例えば、有名なチョウチンアンコウなんてのがそうですね。アタマに釣り竿みたいな触角がついていて、その先に光る部分がある。これに寄ってきた小魚をパクッと食べてしまう。同じく深海魚のワニトカケギス科の魚なんかは、光る理由ってのが違って、こいつは赤く光って深海を照らしたりする(青い光しか見えない深海では、特殊な目を持つワニトカゲギス科以外の相手からは見えない)。海棲無脊椎動物になるともっと種類が多くて、有名なのでは、ウミウシとかオキアミなんかも自力で光る。蛍がらみでいえば、ウミホタルっていう、日本の海岸でもよく見ることができる青い光の甲殻類がいます。刺激を与えると強く光るのでこいつは、周囲に対する威嚇として光るらしい。これ以上近づくと容赦しねえぞ!もう、こうなったら光っちゃうぞ!ってなんかかわいい感じもしますが。あと有名なのは、深海クラゲ。これは、水族館なんかで見ると、本当に神秘的で思わず見入ってしまいますね。





 ところが、陸に住んでいる生き物が光る、っていうのは、例が少なく、一部のキノコとか昆虫などの無脊椎動物のごく一部に過ぎません。要するに、蛍はレアなんですね。

もうひとつ、蛍には意外と知られていないことがあります。それは毒を持っていること。蛍は比較的柔らかい外骨格を持っていますが、毒で十分身を守れるからだそうで、さまざまな擬態のモデルにもなっています。無毒なので、自分を蛍に見せかけることで身を守るっていう虫のモデルになってるってこと。言ってみれば、防御のお手本みたいな虫なんですね。

鳥くん「げっ!あいつはやべえ・・。あいつだけは避けないとな・・。」

物まね虫くん「あー、助かった!蛍くんの仮装しといてよかったあ!」ってな具合ですかな。

特に強い毒ではなくて、「わ!まずっ!」って思わせる程度らしいので、人間には無害とのことです。

電気もないのに光るっていうと、私の世代なんかは、子供のころに遊んだ「夜光塗料」を思い出します。時計の針なんかに今でも使われていますが、昔の夜光塗料は性能が悪くて、光をあてなくするとすぐに暗くなってしまい、光っている時間がとても短かったのです。プラモデルの付属に自分で塗るようについていたような気がします。ゲゲゲの鬼太郎のキャラクターとかですね。あれは鉱物系の化学作用が応用されているそうで、ラジウムが使われていた。当然放射性物質なので、人体に害がある。1993年にこのタイプの塗料は禁止になっていて、今では安全なものになっているそうです。

そういえば、先だっての原発事故に伴って、放射性物質の測定が強化されましたが、世田谷で異常に高い放射線量を測定した地点を調査した結果、民家からラジウム226の入った瓶が発見されたそうです。これには「日本夜光」とレベルが貼ってあったそうで、昭和40年代ころの夜光塗料らしいとのこと。わたくしも親しんだ夜光塗料が今日大騒ぎのもとになるとは思いませんでした。なお、蛍の光のような生物発光は放射線とはなんの関係もございません。

えー、どんどん話がそれていって、何が本題だっけ?

あ、そうそう新年でした。え?もう明けてる?

え?もう9日?正月はとっくにおしまいだって?

あれま、ホントだ。土星でお屠蘇なんて飲んでる場合じゃなかった。すぐに地球に帰還せねば。
では、みなさん、今年もよろしくお願いします。

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