8鉄風 ROCK COLUM by 8TETSU Vol.55 |
懐かしの昭和8 今でも残る「450円天国」 こんばんわーゎゎゎゎゎーぁー・・・・・(こだま) 隠れ銭湯マニアの8鉄です。 実は、たまたま時間と物件があれば、ライブ前などに、こっそり銭湯に入るのが悦楽となっておりますが、銭湯こそは、わずか、450円で手に入る、「天国」であります。 「ジジくせえええ」とか、「なぎらケンイチか、おまえは・・」「山田五郎か、おまえは・・」といった類の突っ込みがおそろしく、黙っていましたが、この際カミングアウトすることにいたしました。 以下は日記風につづった駄文の寄せ集めですが、強烈に昭和を印象づける物件と思いますので、数は少ないですが、いくつか実体験を掲載させていただきます。 @上越泉(中野区・野方) 先日、お邪魔したのは、中野区野方にある「上越泉」さん。 さて、高円寺のライブハウス「楽や」に出演ついでに銭湯へ・・ともくろんで、4時半には高円寺に到着。店の場所を確認してから、北3丁目にあるはずの銭湯に向かったのですが、方向オンチのわたくし、いつものことながら、道を間違えて、いけどもいけどもたどり着けませんでした。とうとう高円寺駅から阿佐ヶ谷駅まで歩いていったことに。 戻る道も大幅に間違えて、気がつくとなぜか阿佐ヶ谷から野方へ抜けてしまい、途方に暮れたいたところを助けてくれたのは、わたくし以上にすごい格好の御仁。わたくしはウエスタンハットにカウボーイブーツだったのですが、向こうさん、近所のブティックの経営者らしく、フリンジつきの白いレザージャケットまで着ている。 彼が、近所にあるよ、銭湯が、てな一言で、言われたとおりの道を往く。 環7近くの狭い路地を進むと車も通れない生活道路に。 こんなところにあるんかいな??と思いきや、路地のどんづまりにいきなりえんとつが出現。 カウボーイブーツを小さな靴箱になんとか押し込み、中に入ると誰もいない。 おばちゃんが、なにやら、おどおどしながら出てきて、「お客さん・・・ですよね・・?」 そうだ、というと、「ああよかった!セールスの人かと!」 カウボーイの格好のセールスマンなんているのか?野方には・・? と思いつつ、100円の手ぶらセットを買って男湯に。 数人の年配の紳士が入っておられたけれど、なによりも天井の高さに驚く。3階くらいの高さがあるのじゃないか。 これが全部吹き抜けに。建物はたぶん築50年くらいじゃないか? そして、小さな小さな「露天風呂」がついているところが実に天国度アップに貢献している、素晴らしい銭湯でありました。 ごくごくフツーの銭湯ファンゆえ、星などつけませんが、あえてつければ、5つ星クラスかも! というわけで、いつもどおり、さっとはいってさっとあがり、ライブハウスへ。 しかーし!! ちょ・・トおい・・・・w 湯冷めしつつ、歩くうち、自前の腰痛が悪化。 銭湯は素晴らしくても、俺の方向音痴なノウミソがこんなんでは、幸せ度も半減してしまう!と痛感した、銭湯体験記でありました。 A銀座湯(中央区・銀座) さてさて、銀座のど真ん中(つか、端だけど)、銭湯があるのをご存知でしょうか? 先日まで、わたくしも知らなかったのです。 意外な立地の物見遊山ということで、行ってきました「銀座湯」。 「有楽町で逢いましょうイタリアンディナーデート」(フランクさん懐かしい・・)をしたのですが、友人の女性との待ち合わせまで若干時間があったのを利用して、銀座一丁目まで一気に探索、意外と目立たない立地にもかかわらず、すんなりと発見できました。 これが、また、あーた、銀座の一番日本橋寄りのハズレに位置する首都高京橋出口のたもとにあるのです。これが、「公衆トイレ」かと見まがうようなチッポケな建物で(失礼・・)。 銀座広し! そもそも、このインターを使ったことがないので、銀座にもこんな一角があるのか・・と改めて思うような、レトロなところなんですよ。 まあ、もすこし、南にいけば、そこは古式ゆかしい月島のレトロな街並がつづくのですから、当たり前といえば当たり前なのですが、銀座4丁目の交差点と有楽町を結ぶ動線しか思い浮かばない若い方などには、意外かもしれません。 で、銀座湯。 入るといきなり番台。その後、階段を上っていくと上の階が銭湯になっている。日本一地価が高い銀座らしい効率的な建物利用なのですが、やはり開放感とか広さは大幅にかけるところは否めません。 すべてが狭く、天井は低く、「銭湯」というより、なにかの施設の風呂場、みたいな感じ。 おまけに、たまたま、刺青のあるおじさま方の集団がいらしたこともあり、ちょっと早々に退散してしまったのでありました。 有楽町に戻ると、待ち合わせ時間ギリギリ! なんとか間にあった!と汗を拭きながら、ほっとしたところへ、メールが。 「今、やっと出れたので・・・しばらく遅れます・・」 湯冷めモードに突入し、30分以上遅れてやってきた連れとレストランについたときには、おじさんは、グダグダモード全開に! 湯冷めしたりヘナヘナになったりしてしまうデート前の銭湯、夏場以外はお勧めしません! B梅の湯(千代田区・神保町) さてさて、今回お邪魔してきたのは、都心のど真ん中、千代田区は神保町にある「梅の湯」さん。 神保町というのは、子供のころからなじみの場所であり、また、現在も毎日の通勤途中乗り換え駅、ということもありで、大変、よく知ってるつもり・・だったのですが。 これまた、銭湯があることを恥ずかしながらつい先日まで知らず。 場所をネットで確認し、ちょっと早めに職場を後にし、帰りに「道草銭湯」してきましたよ。 ところが、もう、毎日、降りている駅のすぐ近くなのにもかかわらず、相変わらず発見できず、同じところをグルグル廻るという有様・・。 あっさり自力で発見を諦めて、そばやに飛び込み、ざるそばを注文、おばちゃんに尋ねたところ、すぐ隣の路地の角・・・。 ああ、銭湯は、なぜ、こんなに地味で目立たなくて、俺の注意を引かないんだろう・・・・。 やはり、ここも一等地のせいか、狭い。 オフィスビルの一角にある、職員用の休憩所みたいな雰囲気で、ちょっとどうかしら・・ってところ。 ところが、あがってみたらロッカールームに知った顔が! 神保町が誇る、旧石器時代!からの生き残り喫茶店、「さぼうる」のマスター。 俺のオヤジ世代の方なのですが、自転車で、通われているようで。 銭湯は本当に元気の秘訣なのかもしれません! C仙石湯(渋谷区・幡ヶ谷) だいぶ前ですが、渋谷区には結構たくさんの銭湯があることを知りましたね。 そのときは、ジルコンズでお呼ばれライブがあったときで、場所は渋谷は幡ヶ谷。ライブ前に、旧い商店街の一角にある、仙石湯にお邪魔しました。 ここは、昭和40年代のまま残る、旧い商店街にあるけれど、銭湯の建物そのものは建て替えており、さほどレトロな懐かしさを感じさせないのだけれど、中はなかなかのもの。 富士山の絵がなくちゃ!というあたり、ちゃんと押さえてありましたね。 幡ヶ谷近辺には特にたくさん銭湯があるようですが、渋谷広し! あのごちゃごちゃした公園通りだのばかりでなく、ちゃんと人が住んでいる街が残っている。(当たり前か・・) ちなみに、幡ヶ谷は、賃貸マンションなどが意外と安くて、穴場かもしれませんよ。 D藤乃湯(横浜市・小机) さて、歴史文化遺産、遺跡、記念碑、現存するアンティーク・・としかいいようのない、飛び抜けて素晴らしい銭湯は、横浜小机の「藤の湯」さん。 ここは、単なる「旧い銭湯」ではない、と思います。 オーナーの話では、60年間、ほぼ、そのまま保全・維持し、営業を続けているという、地元の方々の汗と努力と涙の結晶、というか、もはや、文化財のレベル。 小机は、THE KINGでもおなじみの、ロカビリー・ミュージシャンにして画伯の柳谷氏が経営する、イケてるパブ「メンフィス」があるところ。ここに出演するために、うかがったときに、藤の湯さんに寄らせてもらいました。 小机の街並み自体が、もう、感無類の、昭和30年代そのまま、手付かずで保存されてきたような街並み。 そこに、こんな銭湯が立地しているのだからたまりません! 家に風呂がなかった小学生のころ、2日に1度通った、思い出の麹町銭湯がそのまま移設されたかのようなところでした。 旧い銭湯にいっても、富士山の絵がなかったり、飲み物は自動販売機だったりするところも多いようですが、ここは、そこまで、そっくり昔のままなのです。 俺は、当然、クーラーボックス(ガラスの棚みたいな)から、コーヒー牛乳を取って飲みましたよ。(フタが紙でないところが残念ですが・・) そんなわけで、藤の湯さんは、メンフィスに2回出演し、2回お邪魔しました。 出演しなくてもいいから、日曜日の昼にでも藤の湯さんに入って、近所のとんかつ屋さんで飯を食い、ぶらぶらしたら、きっと、ミステリーゾーンみたいに(世にも奇妙な物語、みたいに)、タイムスリップしてしまうに違いない!・・・と夢みる、昭和36年生まれの中年、であります。 E小杉湯(杉並区・高円寺) 昨夜、東京は杉並区、高円寺にお邪魔いたしました。 ムーン・ストンプさんという、古い商店街の地下にあるステキなライブ・バーで、ジルコンズのライブをやらせたいただく、ということでお邪魔したわけですが、高円寺ライブは2回目。 前回、ライブ前に、行こうと決意し、本番より4時間も早く行って、探し回ったのにもかかわらず、迷子になってしまい、とうとうたどり着けなかったのが、都内では、有名な銭湯のひとつ、小杉湯さん。今回は、ちゃんとお邪魔して参りました。 この小杉湯さんのある場所が、商店街からさらに路地を入り、さらにまた、細い路地に入り込まないといけないところなもので、前回は、あっさりと見落としていたようです。 しかし、そういう立地だからこそ、どっこい活きている「昭和の風景」を間近で堪能できる、素晴らしい銭湯でありました。 売りはなんといっても、「ミルク風呂」。これが強烈に暖まる。 冬場のライブなどには、ここには行ってから行けば、もう、そこはほかほか天国! ああ、出演者でなくて、お客でいきたい!と思う高円寺なのでした。 さて、話は違いますが、わたくしが東京千代田区から千葉県の佐倉市に移り住んで、すでに、28年。 この間、佐倉市は、たぶん、東京以上の猛スピードで、「東京近郊とは思えないド田舎」から、「モダンなベッドタウン」へと変貌した街ですが、ちょっと隣の地区にいけば、まだ田園風景が広がり、場所によっては、「昭和」どころか、「江戸時代」がそっくり残っているところすらあるという、規模こそ小さいながらも、由緒正しき「古都城下町」であります。 そんな地元、佐倉が、テレビ番組などで改めて紹介されたりすると、すぐ近くの蕎麦屋だの、おみやげ物屋だの、オランダ風車だの、歴史的遺産みたいなものなんだな、とわかるけれど、住んでいると、なんとなく見過ごしてしまう。 テレビで紹介されるまで、毎年、世話になる、近所のちっぽけな神社が、実は歴史的に有名なものだなんて全然知らなかったし。不思議なものであります。 同じように、東京のあちこちで、まだまだ現役活躍している銭湯もありますが、昨今は、次々と廃湯になっている。 古くから地元にとけ込んでいると見過ごしがちですが、実は、改めて考えると、消えゆく名所なのかもしれません。 |
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