8鉄風 ROCK COLUM by 8TETSU Vol.38
                                                                                                                                                                                                                 
                       頑固8鉄風 楽器選び

 みなさん、こんにちんわんこうどん。頑固8鉄です。
さてさて、THE KINGのコラムの読者の方々、お得意様方には、ミュージシャンの方々も多い、と聞きます。
そこで、ギター、ウクレレ、サックス、アコーディオンなどなどを扱うミュージシャンの端くれ、でもあります、わたくし頑固8鉄なりの、楽器選びのルール、について、思いつき、デタラメ、タメになる話、諸々ごっちゃごちゃでお届けいたしたいと思います。

 えー、みなさんは何を基準に楽器を選びますか?
かっこいいから? 安いから? 好きなアーティストが使っているから? トーンが気に入ったから?
「いろいろありますが全部せいか〜い!」 というとやけに当たり障りのない紳士になってしまいますが、話が終わってしまう。 ほな、さいなら! ってそりゃーないでしょう。


 さて、自分の楽器がどんな種類であれ、あったりまえの選択のコツがあると思うのです。別に楽器でなくてトンカチでも同じですが。(実は、かなりの部分、洋服も同じ!なのではないかと思います。ここが肝心!)

何でこんなこと書くんだ? 誰が読むんだ? バッカじゃねえのか、おまえは! というヒトはとてもマトモですから、あなたは幸せな一生を送れます。「そういえば、そうだったかも……?」と思った人は、誰か悪いヤツに騙されてますから、この辺で目をさまして、真っ当な人生を送りましょう。
なお、あまりに特殊な暮らしをしているヒト(たとえば大金持ち)には、あてはまらないものもあります。
では、重要な項目から順にいきます。

レベル#1

1.丈夫なこと
何といってもこれでしょう!!
僕は短気で、すぐこわれたりするとアタマにきてゴミ箱に放り込んでしまいますから、出来れば一生リペアしなくて済むようなのがベストなお買い物です。まず、「これはすぐこわれたりしないでしょうね?」と店員に尋ねてみましょう! 中古・ビンテージなどは穴があくほど観察しましょう!ホントに穴を開けてはいけませんよ! まあ、チャンスがあったら落っことしてみましょう!(うそ)

2.安いこと
世の中には、金があまっていて、「何でもいいからタカ〜イもの欲しいっ!」というヒトもいるんだそうですが、普通は近所のスーパーで「こっちの方がトイレットペーパーが14円安いわ!」なんて買い物をするヒトがほとんどです。同じような楽器ならマメに調べ、バカクソ高いボッタクリ屋は無視して、出来るだけ安く、信頼できるところで買いましょう!特に1、2とも「ビンテージ」は危険がいっぱいです!

3.軽いこと
「門外不出」という前提ならいいですが、いざスタジオに持っていこうなんてことになると、重いのは地獄。車に積んでスイスイーと行ける方は幸運ですが、都心などのスタジオやライブハウスにはたいてい駐車場がありませんし、車なんか持ってない!という人は基本徒歩ですし。
まあ、あなたがアーノルド・シュワルツェネッガーかバリトン・サックス奏者なら話は別ですけど。
あ、あと、ウッドベースの方は、ここんとこはとばしてください・・。

以上の3原則をクリアしたら、次のレベルへ行きます。

レベル#2

1.音痴じゃないこと
ガキ、じゃない、楽器は音を出すので、チューニングがちゃんと出来るか、どこを弾いてもヘンなピッチになったり、音が詰まったりしないか調べましょう! 初心者で弾けないヒトは詳しいヒトに付いていってもらいます。ちなみに僕の「同伴料」は1回3千円プラス交通費です(うそ)。

2.似合っていること
カッコイイナアーと思うことも大事ですが、自分がもって似合うもの、自分が好きな音楽のスタイルに合ったものを選びましょう。楽器屋には洋服屋にあるようなデカイ姿見がありませんが、是非導入すべきと思います。ヘビメタなヒトがウクレレをもっていたり、ゴルフオヤジがイナズマシール付きエレキを持っていて悪いとは言いませんが、やっぱりヘンです。ヘビメタがお琴を弾いてるようなレベルになるとまた違った意味で素晴らしいような気はしますが。

3.弾きやすいこと
ヒトはとてもサイズがまちまちですが、楽器はサイズだのスケールだののバリエーションが限られてます。自分に合ったものを選ばないと、何時の間にか倉庫で埃をかぶったり、電話台になったり、壁飾りになったりします。

レベル#3

1.デザインがいいこと
「音色」とすぐに言うヒトもいますが、僕はデザインのほうが優先です。トータルでいったら、「弾いている時間」より「視界に入っている時間」のほうがたいてい長いからです。音が素晴らしくても、ぜんぜん気に入らないデザインのモノが部屋にあったりすると捨てたくなるのが人情です。

2.音色が好みであること
ここまで来てやっと音が出てきます。まあ、ここまで絞り込まれるとあとは好みの問題なので、好き勝手にいろいろなことをほざいたりしてください。

以下はかなり専門的かつ高度な留意事項です。

レベル#4

1.音色、音量の決定要因を知ること
楽器によって音色が異なりますが、弾く環境やパーツ、電気系ならアンプなどによっても異なってきます。全く同じ条件で試奏しないといけません。これで数件の店を回ったりすると結構時間と労力がかかりますし、知識も必要です。狂ったようにうるさいエレキ屋で試奏して微妙なトーンの差を指摘できるくらいの耳が必要になったりします。また、非常に個性の強い使途制限付き楽器の場合、それにあった弾き方を要求される場合もあります。

2.妙なオカルト・ジンクスにとらわれないこと
「パチンコ台はたたくとぞろ目が出る」とか、世間には科学的根拠のない奇妙なオカルト、ジンクスがたくさんあって、実直でいいヒトほどひっかかるのは、ネズミ講や悪徳商法と同じです。楽器にもこれが結構あるようです。ソリッドボディのエレキはピックアップが磁気コイル式なので金属の振動しかひろわないのに、ボディの振動をひろうために、いい木を使っているから値段が高い、とか、管楽器は何メッキかで音色がぜんぜん違うとか、全部メッキを落としたほうがよく鳴るとか、アコギのサイドとバックは「音の反射板」じゃないのに、単板のほうが音がいいとか、「音」が目で見えないうえに「音色」の捉え方に個人差があるため、真偽が定かでない話をよく聞きます。
この手の話がぞろぞろ出てきたのは、バブル期のいわゆる「ビンテージ楽器ブーム」のころからで、どうも商売人がポンコツ高く売るためにいろんなこと言ってんじゃないかと想像しています。中古車屋、骨董屋にこの手のオカルトがつきものなのと一緒です。

すべてのバランスを勘案して決定するのがベターですが、大事なのはこれらの順番だと気がつきましたか?
順番を間違えると、ぜんぜん違うほうに行ったりしますので、気をつけてください。

「音がヘンだが、古くて木が枯れているギターだから、きっとこれが正しいんだ! デザインもいいぞ!でも100万円するから、安いところで80万のを見つけた! 」というようなのが大変危険です。

そういうヒトは近所のおばちゃんから「スーパーにおける買い物の極意」を伝授してもらってから、もう一度考え直してみてください。

まあ、こうしたことを洋服に置き換えてみれば、「服は鳴らない」・・・じゃなくてえ、やっぱりデザイン、着心地、適正な価格が大切という、当たり前のところにいくわけであります。あとは、あなたのお好み次第。

THE KINGのラインナップも改めて、皆様のお好みに加えていただき、お買い求めいただければ、その信頼性は間違いなし!であります。



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