8鉄風 ROCK COLUM by 8TETSU Vol.319

ポスト・モダン・ジュークボックス

みなさん、こんにちは。頑固8鉄です。
秋に向かうと、外で聞こえるセミの声が
徐々にコオロギの声に変っていきますよね。

ちょっとメランコリックな気分になったりもします。
そんなとき、気分を高めてくれるのが、お気に入りの音楽。

みなさんは、どんな音楽がお好きでしょうか。

音楽の大きなジャンル、クラシックとかジャズとかロックとかだけじゃなく、
お気に入りの曲、お気に入りのアーティストも人さまざま。

音楽って、ほんとに、その人ごとに好みがあって、簡単に一致しない気がします。
でも、売れる曲って、なんだか、どっかで聴いたことがある、
って思いませんか。
そうなんです、普通に売れるものって、先にあったものを真似るところから、
スタートして、様々な化粧を施していくようなものがほとんど。
本当に斬新なものを作ったら、売れないどころか、完全に無視されますよね。
たまにそれを突破して、変態ロックとか言われて1ジャンルを築いてしまった
フランク・ザッパやキャプテン・ビーフハートみたいな人もいますが、極めて稀です。

さて、そんな様々なことを思い出させてくれる面白い
TUBEチャンネルがあるので、紹介します。

POST MODERN JUKEBOX

ドゥーワップ、ジャズ、カントリー、50年代ロックンロールなど、
「新しめのアメリカ・ヒットソングを20年代~70年代の
アレンジ&楽器編成で演奏したもの」

というのが、コンセプトです。
演奏者そのものは有名人ではなさそうですが、極めてハイレベルです。
なにより、全体のコンセプトが凄い。

わたしは新しい曲のほうを知りませんが、このチャンネルの
カバーからオリジナルを探して比較してみると、驚いちゃいます。
アメリカのポップ音楽って、うわべが変わっただけで、昔と全く同じじゃん、
ってのがバレて面白いです。

このチャンネルには、以前紹介した、
「もしもビージーズがロカビリーバンドだったら」もあります。
では、今回は、ドゥーワップ(のアレンジ)を例にとって、いくつか紹介します。

1 Million Reasons - '50s Doo Wop Lady Gaga Cover ft. Aly Ryan



これって、どこから聴いても60年代のディオン&ザ・ベルモンツの
曲に聴こえるんですが、実は、レディー・ガガの作品。

オリジナルのガガ動画は、3億5千万再生ですが、
こうやってアレンジされると、まるっきりディオンの「ラナラウンド・スー」ですよね。

もとのレディー・ガガも聴きましたが、このカバーを先に聴いてから聴くと
、レディー・ガガのほうが60年代の人に見えちゃいます。


2 Lady Gaga - Million Reasons (Official Music Video)



こちらがオリジナルのガガ版。2016年。


3 I Kissed A Girl - Vintage '50s Doo Wop Katy Perry Cover ft. Robyn Adele Anderson



2008年のケイティ・ペリーのカバー。
オリジナルのヘヴィーなロック調は全く無視して、
かるーいドゥーワップに仕立てています。


4 Katy Perry - I Kissed A Girl (Official Music Video)



こちらが2008年のオリジナルのケイティ・ペリー版。
セックスシンボルといわれるスターらしいビデオになってますね。


5 Good Luck, Babe! - Chappell Roan (1960s Lesley Gore Style Cover) ft. Tatum Langley



これは、レスリー・ゴアの60年代ヒット曲のカヴァーです、
って言ったら、ゴアファンでも信じてしまいますね。

そんな曲、あったかなあ、とか言いながら。
すごくいい感じなのですが、
実は、オリジナルがつい昨年の新しい曲、っていうのが面白い。

チャペル・ローンは、今年2025年、
グラミーの最優秀新人賞を受賞したバリバリの「今の人」なんですよ。


6 Chappell Roan - Good Luck, Babe!



こちらは、2024年のオリジナル、チャペル・ローンのライブ版。
これ自体、1980年代のパワーポップのオマージュみたいな作品なんですね。

シンディ・ローパーかスティーヴィー・ニックスみたいですもん。
いいですねえ。これは本当に素晴らしいです。ファンになりました。

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