8鉄風 ROCK COLUM by 8TETSU Vol.300

新年1発目は、楽器ネタ

みなさん、こんにちわ。頑固8鉄です。
あけましておめでとうございます。

さて、新年1発目は、楽器ネタ。
THE KINGのお客様、ミュージシャンの方も多いと聞きます。
わたくしもそのひとり。いろいろ楽器を弾いてきましたが、
ギターがなにより好きです。

そんな中、これは最高、というのが、ギター。
で、さらに絞ると、アーチトップといわれる、バイオリン型のものの大ファン。

最初のアーチトップは、ギブソンのL-5で1922年にロイドロアーによって設計され、
23年に発売されました。

当時、世界一高価なギターで、
ギターのロールスロイスと称されました。

もともと、創設者のオーヴィル・ギブソンはマンドリン製作者でしたが、
トップ、バックをバイオリンのようにアーチ形に削り出した、
いわゆるフラットマンドリンで有名になった人です。
それをそのまま、ギターに応用したのが、アーチトップギター。

もちろん、当時はアコースティック。
エレクトリックバージョンのL-5CESが出たのは、
1951年になってからです。

さて、今回は、このL-5の歴史とそのスタイルを代表する
伝説のミュージシャンたちを紹介します。



1 Gibson L-5 (1928)

こちらの紳士がサウンドチェックをしてくれてます。
これが初期Lー5。16インチと一回り小さい。

マーティンに代表されるフラットトップ(日本ではフォークギターとよく呼ばれていました)
とは全く異なる特有のサウンドなのがわかると思います。

そもそも、このギターが流行ったきっかけは、スイングジャズの流行。
1920年代は、レコードが一般化、ラジオも開始。

一定時間で録音向きなダンス音楽が求められ、
当時流行していたディキシーランドジャズをもっと都会的に
洗練されたものが好まれるようになりました。

そこで流行したのが、フレッチャー・ヘンダーソン、
ルイ・アームストロングといったスイングジャズの先駆者たち。

ディキシー以前のダンス音楽で主流だったバンジョーに代わり、
もっとサウンドの違うリズム用弦楽器として注目されたのがギター。

しかし、音量がなく、周りの音に埋もれてしまう。
そこで大音量が出せることで好まれたのが、ギブソンの発明品、
アーチトップギターのL-5ということのようです。



2 April Kisses

L-5がジャズギターだというのは、
そもそもラングのギターだったせいもあるでしょう。

ジャズギターの父、エディーラングの有名なエイプリルキスは1927年録音。
L-5生誕の23年から4年後のこと。
古い録音でも、L-5らしい響きが存分に伝わってきます。



3 Matt Munisteri: An Interview and Tunes

ラングのギターを再現する現代の名手がマット・マニステリ。
古い音源だけでなく、こうして彼の再現するラングの
ソロギターはびっくりするほど、素晴らしいです。



4 The Carter Family - Wildwood Flower

ギブソンL-5は、寄ってたかってジャズ用ギターだと思われていますが、
別の分野でも一気に有名に、なりました。それがカントリー音楽。

最初に有名にしたのはメイベル・カーターで、
サムピックとフィンガーピックで奏でるいわゆるカーターファミリーピッキングでした。
後の初期ブルーグラスギターの基礎になりました。



5 1924 Gibson L-5 signed by Lloyd Loar played by Molly Tuttle

現代ブルーグラス奏者の名手、モリー・タトルによる、
16インチ初期型L-5のカントリー系奏法。



6 1947 Gibson L-5 Blonde | Guitar of the Day - Jonathan Stout

ジョナサン・スタウトによる、17インチに移行した後のL-5演奏。
この人は、30年代当時、人気のあったソロギター奏者、
アラン・リュースのコードメロディ奏法を現代によみがえらせています。

7 Matt Munisteri and Jonathan Stout- From the Porch

戦前16インチと戦後17インチL-5。
マット・マニステリとジョナサン・スタウトがポーチで気楽なジャム。
彼らは、現代最高のスイングギタリスト2人。
ギター好き、アーチトップ好きにはたまりませんね。

GO TO TOP