8鉄風 ROCK COLUM by 8TETSU Vol.239

スーパーバイリンガルの大スター ニール・セダカ



みなさん、こんにちはんさむまん、頑固8鉄です!俺ってハンサム!
なんか、!をつけるだけで、元気いっぱいな感じがして、ちょっと気分もアッパーな感じになりますよね!
あまり頻発すると変な人みたいですけど!とか言ったりして!!

ところで、こちらをご覧ください。昔、書いたニール・セダカの記事。


まあ、だいたい、ザット・コンナモンで、いいかなー、短い紹介ですが。
この大作曲家は現在も元気いっぱいで、YOUTUBEとFACEBOOKで、
日課みたいに自宅ピアノ弾き語りを配信してます。
なんというか、偉そうなところが皆無、っていう感じで、逆に不思議な感じがしますよ。
歴史的な偉人なのに。

これなんか、ついこないだ(2022年6月6日)のもの。
ダイアリー(恋の日記)の弾き語りしてくれてます。
ちなみに今、83歳。歳なんて関係ないですけどね。


今回のご紹介は、1960年代の全盛期にこの人がやったかなりすごいこと。
あまり知られてないかもしれません。
セダカは、世界中に出向いて行ってコンサートをして、世界的スターになっていきましたけど、
それだけではない。
RCAレコード戦略に乗って、世界中の言語で、世界中のスタジオで吹き込みを行い、
レコードを連発し、その国のスターになっていきました。
コニー・フランシスなんかもそうです。
このあたりって、ほとんど語られることがなく、わたしも詳しい事情が書かれたものを見たことがないので、
録音記録をもとにあらましをご紹介したいと思います。



実は、わたくし、ドイツベアファミリーから出ているニール・セダカの
ボックスセットを持っています。
NEIL SEDAKA / OH CAROL -THE COMPLETE RECORDINGS 1956-1866というタイトルで、
豪華ブックレット付CD8枚組。
これ、全盛期のRCA録音すべてを含んでまして、本国アメリカのヒット曲すべて、
アルバム収録曲すべてで4枚。
あと半分の4枚のうち、1枚は、なんとヒット曲のインスト集。
3枚が外国語版録音という構成です。
まあ、1966年までの全録音の半分近くが、外国でその国の言葉で歌ったものなので、
どれくらい力が入っていたかわかります。

最も初期のものは、1960年から1961年にかけて、なんとヘブライ語版の
「オー、キャロル」と、ドイツ語版のクレイジー・デイジー(リトル・デビル)。
どちらもオリジナルのバックトラックをそのまま使って
別バージョンボーカルトラックをミックスしてますね。
その後1963年には、ドイツ本国で、独自のレコーディングをしています。
ドイツ独自の曲もあるのですが、このコンセプトはのちのちの世界録音でも続発します。

Neil Sedaka - Candy (Madchen Aus Old Germany)



1963年の5曲は、西ドイツ(当時)のベルリン録音。

同じく1961年、イタリア録音も開始。イタリア語ものは、最も多いです。
どれも素晴らしい出来栄えで、アメリカ版とまったく遜色ありません。
同じ人なんだから、当たり前だけど。
1962年から1965年まで、RCAイタリアから、コンスタントに39曲もリリースしています。
すべてローマのスタジオ録音。
バックのオーケストラも見事ですし、どこであれ、当時の圧倒的な音圧で迫ってくるRCAの音なので、
非の打ちどころがありません。

Neil Sedaka -Viene La Notte

そして、バイリンガル録音の白眉は、スペイン語バージョン。
1962年のブラジルのサンパウロ録音から1964年のメキシコシティ録音ともに、
オリジナル版を超えるほどの出来。
もともとセダカの曲調のもとをたどるとラテン音楽の影響がとても強く、
とりわけ、ボレロ系のリズムを多用しているためでしょうか。
ブラジルでは、バジーリョ・エスポジート楽団の抜群のラテン音楽バッキングが超ドはまり。
さらに、メキシコ録音は、チューチョ・サルソーサ楽団の圧倒的な伴奏を得て、
どんなラテンクラシック名演にも負けない、恐るべき出来栄えです。

"MARIA ELENA" (NEIL SEDAKA)

セダカ本人が書いた自分のヒット曲の多言語版というものと、
ご当地ソングをやってるものがありますが、世界各国の当時の
ヒット曲となると、たくさんあり、私の知識ではとても追いつかず、
気の利いたことが書けません。ご容赦を。

そして、最後に。1965年、わたしたちにとっても特別な、絶品は日本語の2曲。
「涙の小径」と「ハイ・オン・ア・マウンテン(日本語バージョン)。 
こればかりは、もうナミダナミダの出来栄えです。
昭和レトロとかぶるのは、日本でも独自のヒットがあったセダカならでは。
我々以前の世代にはもうたまりませんね。

Neil Sedaka - "High On A Mountain" (Japanese version)

ベアファミリーのブックレットには、他では見たことがない貴重な写真が山盛り。
すごい仕事ぶりに驚嘆します。
そんななかに、1963年に日本の高校生(16歳の誕生日)の女の子がセダカに出した
ファンレターが出ていました。
つたない英語と手書きのイラストでつづられた夢のスターへの想い。
これはもう、言葉になりません。
セダカご本人が全面協力して作られた世界唯一の60年代の完璧なボックスセット。
このお手紙はご本人がずっと保管していたものでしょう。
なにか、ほんとに、いい人なんだろうなあー、というのがよくわかる。
ちなみに、千葉県木更津市のI・Kさんという方のようです。
現在は、79歳になられるはず。
ご本人に連絡がついたらすごいなあ、と空想してしまいました。
わたしも15のときから、セダカの音楽、大好きでしたけど、
60を過ぎてますます好きになりました。
80代でもお元気。まだまだ元気で配信をしてもらいたいと思います。



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