8鉄風 ROCK COLUM by 8TETSU Vol.210

ロックン・ローラーの没年

みなさん、スッパマン!頑固スッパ鉄です。人生ってスッパいよね。スパイじゃないよ。
ぜろぜろせぶんじゃないからね。
最近、気になって仕方ないんですけど、人生100年時代。そんなんないだろ、100歳の人、ひとりもしらねー、
一度も会ったことねえしー、と思うんですね。
あります?100歳の人に会ったこと。おじいさんが120歳で健在!
とかいう人いたらごめんねごめんねごめんチャイナ。
まあ、おらんでしょう!

ここで、ネットで調べてみた。誰が「人生100年時代」とか言い出したのか。
政府が言い出したデマだという事らしいのですが、もともとは、イギリスのリンダ・グラットンという人が
2016年に書いた著書からきているらしい。ちなみに、この人、ロンドンのビジネススクール教授という
肩書らしくて、要は、働き方とか組織の在り方とかの研究者。そもそもが、人生100年ってのが、
医学系ではなくて、社会論、しかも、企業経営理論なのがわかります。
で、この本を読んだ小泉純一郎が、「人生100年時代の社会保障へ」を発表。
「日本はこれから本格的に「人生100年を生きる時代」に突入するので、
戦後の高度成長期に形成された今の社会保障制度では、対応できない。」って内容だったわけです。
でもって、その後2017年9月に安倍首相を議長とする、「人生100年時代構想会議」が設置され、
2018年6月には、「人づくり革命 基本構想」を発表。人生100年構想とは、超高齢化社会に突入する日本において、
その社会で生きていく人が、老後まで働くことができ、充実した人生を送るために必要な
経済社会システムの実現を目指す構想とされているようです。

さて、一方、こちらは、人生100年時代についての専門家である医師の寄稿。(抜粋)
時を経て、行きがかり上、医療の現場で高齢の患者さんとお付き合いしたり、
何よりも自分自身が後期高齢者の仲間入りするに及んで、「高齢者」が意味することの
容易ならざる現実に出会うことになってしまった。
事故は別として、突然命がなくなるわけでもなく、生活に使えるエネルギーが徐々に減少していき、
ある閾値に達するとそれまで出来ていたことができなくなってしまうというのは悲しいとしか言いようがない。
実際に、家族の中に106歳まで生きた人がいて、その日常生活上の処置で、
如何したら良いのか立ち往生してしまうことが少なからずあった。近年、健康寿命という言葉を
耳にすることが多いが、いったいどういう状態を想定して言っているのか、その言葉を発した人に聞いてみたい
という衝動に駆られることがある。

まあ、乱暴にまとめちゃうと、
・100年って言ってるけど、実際に100年生きる人はほんのわずか。
・そうであっても、ピンピンコロリなんて人はいなくて、みんな長生きするほど、
寝たきりになったり認知症でわけわかんなくなったり、大変なのが現実。
・そもそも、「平均寿命が延びて今の社会システムでは経済社会がもたないから、
いろいろと社会保障制度を変えなくては。」
という議論のために、100年時代という考え方を出しただけ。
ということですね。

だから、「100年時代なんだって!俺なんかあと40年もあるわー。
あと何回結婚しようかな!」とか「俺なんか、まだ50年もあるから、
爪に火をともすようになんとか1億円貯めなきゃ!」とか単純に思うのはどうかと思うよなあー。
なんのかんのいって、60代になったら、実際は、統計データによれば、
・10人中、70歳で生き残っているのは約8割。(60代中に2割はあの世行)
・80歳では6割。
・90歳では2割。
・100歳ではゼロ。
というのが現実です。
65歳の人が、明日あれ?と思ったら死んじゃった、とか別にそんなに珍しくもないわけですね。

さて、そんなわけわかんない話と関連して、「1950年代の我らがロックンローラーたち」はいくつまで生きたのか、
をざっくりもっこり調べてみたんだわよ。もっこりは余計か。
没年齢が若い順にしてみたところ、下記の通り。



エディ・コクラン
生年月日 1938年10月3日
没年月日 1960年4月17日(21歳没)
自動車事故

イギリスツアー中、タクシー事故に巻き込まれてわずか21歳で他界。なんてことでしょう。運が悪いとしかいいようがない。
以後伝説となった人ですね。まあこのあたりの事情は100歳云々なんの関係もなし。

バディ・ホリー
生年月日 1936年9月7日
没年月日 1959年2月3日(22歳没)
飛行機事故

「音楽の死んだ日」と言われ続けている2月3日は、ホリーだけでなく、リッチー・ヴァレンス、ビッグ・ボッパー(ふたり
とも飛行機で同乗)の命日でもあります。変なこと言うようですが、昔のセスナ機って危なかったんだねえ。

ジーン・ヴィンセント
生年月日 1935年2月11日
没年月日 1971年10月12日(36歳没)
胃潰瘍

コクランの事故の同乗者だったヴィンセントは、大けがを負って助かったものの、後遺症に苦しみ、酒におぼれ、あげくの
果てに胃潰瘍で死去。今日、30代の若さで胃潰瘍で死ぬ人はまずいないと思いますが、昔は違うからねえ。
それどころか、心臓病やがんでも運がよければ、十分助かるようになった。我が国は皆保険制度だしね。
時代は変わったんだな、と思います。こういう点は。



エルヴィス・プレスリー
生年月日 1935年1月8日
没年月日 1977年8月16日(42歳没)
薬剤の誤使用

ドーナツの食いすぎで、とかずいぶんいい加減なことを言われていたこともありますが、現在では、処方薬の飲み間違いだ
ったようだと言われているようです。うっかりするとアブナイ薬を処方した医者がいかがなものかなあ、と思いますが。
42歳はおっさんといえばおっさんだが、若いよなあー。やっぱりこれくらいの歳まではふつう死なない。
エルビスもほぼ、事故死と一緒だよね。不運だとしか。

ロイ・オービソン
生年月日 1936年4月23日
没年月日 1988年12月6日(52歳没)
心筋梗塞

オービソンはかなり若いときから心臓が悪くて、手術をしてよくなったものの、数年後にわずか53歳で急死。
これはニュースをよく覚えている。びっくりしたなあ。カムバックがうまくいって、大ヒット寸前だったのに。
死後、ホントに大ヒットになったけど、死んでから売れたってあまりうれしくない、つか死んでるんだからうれしいもへっ
たくれもないだろ、と思ったもんです。

ビル・ヘイリー
生年月日 1925年7月6日
没年月日 1981年2月9日(55歳没)
脳腫瘍



ここに挙げた人たちの中では、ダントツで年上。1925年生まれですからね。
なんだかね、この人、おかあさんもお姉さんも似たような病気でなくなってるらしくて、ずいぶん、若いころから悩んで
いたらしい。そういう意味では、なんというか、痛ましいです。人生って運なんだなあ、と思う。

カール・パーキンス
生年月日 1932年4月9日
没年月日 1998年1月19日(65歳没)
咽頭がんに伴う脳梗塞

この人の歳あたりから、ごく普通といってはなんだが、よくある病死になっていきますね。65歳はもう十分に危険。
うっかりすると命とりになる病気になってしまうかもしれない確率がうなぎ上りとなります。
ヘビースモーカーでヘビードランカーだった過去のある人って、なかなか難しいのかも。

ジョニー・キャッシュ
生年月日 1932年2月26日
没年月日 2003年9月12日(71歳没)
糖尿病による合併症

この人、ずいぶん長生きしたような気がしましたけど、70そこそこだったんですね。車椅子でやせ細った姿が痛々しか
ったのを覚えてます。糖尿かあ。

ボ・ディドリー
生年月日 1928年12月30日
没年月日 2008年6月2日(79歳没)
心不全



これくらいになると、まあ、順当、というか、今の平均寿命くらいなんで、仕方ないかなあ、という感じします。心不全
というのもなんとなくわかる気が。気がついたんですが、ディドリーとファッツって同い年なんだね。

リトル・リチャード
生年月日 1932年12月5日
没年月日 2020年5月9日(87歳没)
癌(骨肉腫)

なんか、不死身っぽい、宇宙人っぽい人でしたけど、昨年亡くなりました。かなりな長生き。100歳、、、まあ、あま
りきかないよねえ。

ファッツ・ドミノ
生年月日 1928年2月26日
没年月日 2017年10月24日(89歳没)
自然死(老衰)

いよいよ、「自然死」が出てきた。病死とかかれないで、自然死。まあ、老衰ってことにしときましょう、原因追及して
も仕方ないし、って感じか。ホントの老衰って結構寝たきりが長かったりして、そんなに楽そうでもないんですけどね。

チャック・ベリー
生年月日 1926年10月18日
没年月日 2017年3月18日(90歳没)
自然死(老衰)

ベリーは、ちょっとファッツより年上ですが、同じ2017年に亡くなりました。この人も自然死。
まあ、90ですからね。

ジェリー・リー・ルイス
生年月日 1935年9月29日(85歳)
存命中

さて、死んだ人ばかりなんですが、生き残っている人をひとり挙げときます。それは、ジェリー・リー。
エルビスと同じ歳なんで、エルビスが生きていたら85歳なんだなあ。

こうしてみると、わたくしなんか、もう相当いろんな人を追い越しまして、ビル・ヘイリーより長生きしております。
さて、どこまでいけるか。そればかりはわかりません。


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