8鉄風 ROCK COLUM by 8TETSU Vol.157 |
フォギー・マウンテン・ボーイズ みなさん、コンバンワンソロ!インドネシアの貴公子、ブンガワン8鉄です! 季節はすっかり冬。もうあの人は戻ってこないのかしら。。落ち葉を踏みながら、狸子は言った。。。 あ、それは秋だ。 えー、さて、ブルーグラス。40年代にビル・モンロウから始まり、綿々と今でも全く同じスタイルで 演奏されるケンタッキー方面のカントリー音楽の一種でございます。 マーチンの大型戦艦(ドレッドノート)のギター、フィドル、ギブソン発祥のフラットマンドリン、 5弦バンジョー、アップライトベースなど全部生。電気楽器禁止!エレアコすらなし! みんなが1本の古式ゆかしいコンデンサ もしくはベロシティマイクを前に演奏するのが今でも流儀です。これがかっこいい。 さて、そんなブルーグラス音楽はロカビリーのルーツでもありまして、エルビスが「ブルームーンオブケンタッキー」を サンレコードで吹き込んだりしてます。エルビス版を受けて、オリジナルのブルーグラス王、ビル・モンロウが 吹き込みなおしをしたり、となかなか切手は今は82円ないとはがきも出せない時代です。 ん?違うな。切っても切れない縁なわけえですねっ! で、そんなブルグラ連中はたいてい世界ヒットなんかとは縁がないローカルな連中ですが、 まれな例として、全米大ヒット、世界中に知られたヴェアリーフェイマースなバンドもあるのです。 フラット&スクラッグス&フォギー・マウンテン・ボーイズ。長いので、平霧山男にします。 これがあーた、大変なんすから、もー。牛もびっくりでお乳がいっぱいでて酪農農家が大もうけですね。 最大の売りは、アール・スクラッグスの発案したスリー・フィンガー・ロールの5弦バンジョー奏法で、 これジャズのテナーバンジョーを抜いてバンジョー=スクラグス奏法になるほど人気になった。 私が初めて聴いたスクラグスはこの曲で、16歳くらいだった思います。 バンジョー高校時代こっそり買って練習していたのを思い出しますが、ブタ、もとへ、 タブ譜とかいうわけわかんないものを見ながら練習するという、いやーな暗黒の時代でした。 いまはどうやって弾いているのか観られるので実にいい時代ですね。百聞は一見にしかずっていう。 で、大学入って、ブルーグラスバンドに入って、そこからいろんな音楽をやるようになったんですが、 バンジョーはメチャメチャ上手い1年坊主がいて、こりゃかなわん、と手を引きました。 こんなのもあるでよ。 なんだかんだ言って、これまでの人生で一番ギター伴奏でよく演奏した曲は、これなんじゃないか。 3年間こればっかり毎日やってたような気がするが気のせいだろうか。もう40年も前のことですからね。 毛と一緒に脳みそもだいぶ減量しましたから、記憶があいまいです!ノーミソダイエット効果抜群ですね。 早稲田のアメ研サークルで俺たちが1年坊主で最初にやったのがこれでしたね。 なんか、メンバーがみんなうまくて、いきなり出来てたような覚えがあります。あくまで大昔の記憶ですけど。 バンジョーのインストばかり出てきますが、やはり一番のお気に入りは歌。 レスター・フラットの滑らかだけど、南部なまり丸出しのボーカルが好きでした。こんなのです。 もう言うことねえなあ。馬鹿みたいに毎日やってた。 簡単に孫引きで紹介すると、フラット&スクラッグス(フォギーマウンテンボーイズ)が結成されたのは1948年。 グランドオールオープリーで大活躍して1970年に解散。その間に、1949年にはじめて録音されたバンジョーのインスト、「フォギーマウンテンブレイクダウン」が20年近くあとの1967年に映画「俺たちに明日はない」の主題曲として使われて大ヒット。その前の64年には、マーサホワイト(クッキー)のコマーシャルソングで大ヒット、その マーサホワイトが提供するテレビドラマ「ビバリー・ヒルビリーズ」(日本でも「じゃじゃ馬億万長者」のタイトルで ヒット)の主題歌「バラッド・オブ・ジェド・クランペット」が大ヒット、という、本人たちが自作自演で大ヒットを出した ブルーグラスバンドという異例中の異例グループでした。 解散後、レスター・フラット(ギター&ボーカル)はナッシュビルグラス、というオーセンティックな ブルーグラスバンドを作り活躍しますが、79年に心臓病で亡くなりました。 一方のアール・スクラッグスは、アール・スクラッグス・レビューという、もっと実験的なバンドを作って活躍し、 数々の賞をとって2012年に亡くなりました。 他の主要なメンバー、ポール・ウォレン(フィドル)、ジョッシュ・グラヴィス(ドブロ)、カーリー・セクラー(マンドリン)、セドリック・レインウォーター(ベース)も面々も今は全員鬼籍に入っています。 ウォレンは78年に亡くなっているので最もはやくに亡くなった人ですね。 彼らの素晴らしい演奏の数々は録音物として実にたくさん残っており、わたしもほんの一角しかしらないのですが、「誰だべか?この人ら?」と思ったそこのあなた!是非、一度、聴いてみてください。 そのアグレッシブでスマートな演奏は、唯一無二。虜になってしまうかもしれませんよ。 あれ?平霧山男とか勝手に名づけておいて一度も使わなかったな。。。 まあ、いいや、おいさんはそろそろ山に芝刈りにいくのでよ、ほんじゃな!ヒーハー! |