8鉄風 ROCK COLUM by 8TETSU Vol.131 |
メキシコ各地の弦楽器 | |
みなさん、こんにち・・・わっ!! びっくりした?ね?びっくりしたでしょ?ダメ? 5歳児みたいなこと言ってても仕方ないので、今回は、楽器の話でもいたしましょう。しかも、ロッキンなTHE KING読者とは縁もゆかりも緑のゆかたもない「メキシコ音楽専用弦楽器」の紹介です! なぜか、って?そら、あーた、わたくしの趣味だからに決まってるじゃないですか!そんなことでいいのかって?いいんですよ、だってギャラはたったの2億円ですから。わたくしなんか最低で5億、って言ってるんですけどね。ま、税金でほとんど持って行かれちゃうんで、手元には20円くらいしか残らないんですけども。(上沼恵美子か!) というわけで、みなさんに、いつものようつべりんく、など駆使してメキシコ各地の音楽など紹介しつつ、楽器も紹介しちゃうよ!全然手に入らないけど!のコーナー。 1 ギタロン メキシコといったら、マリアッチ!ですが、んなもんしらんもんなー、なんだってえ?マッチ売りの少女がどうしたって?(無理矢理) とか言われそうなので、楽器のほうから紹介。ギタロンってたぶん、どっかで目撃したことある人いるでしょ? なんだこら?みたいなインパクト大なので、とりあえず、ここからスタートします。 キダタロー、もとへ、ギタロンは、「馬鹿でっかいギター」みたいですね。 しかも大デブ。「ギターの石塚」「ギターの白鴎」「ギターのマツコ・デラックス」なにがいいですか?それはあなたのお好み次第・・なんてことはどうでもよくって、デブなのは、背面が「アーチバック」だからです。ご覧のとおり。どうしてか、っていうと、胴が深いほど低音が響きやすいからです。音量も確保出来る。 用途は、ずばり、ベース。ベース・ギターの元祖みたいなもんです。ベースっていうと、普通、21世紀の人は、「エレキベース」を連想すると思いますが、1960年代くらいまで、世界的な流行の主力だったアメリカ合衆国では、ポップでもジャズでもロックでも、普通に使われていたのは、クラシックでも使われるコントラバス(ウッドベース)でした。その後、エレベの時代を経て、エレベのアコースティック版みたいなアコースティックベースギターが1972年にアーニー・ボールからでて、今でも多くの人が使っていますが、その元になっているのは、古来からあるメキシコのギタロンです。 こいつは、アメリカンベース4弦と違って、6弦で、チューニングは、A-D-G-C-E-A。オクターブで2弦同時に弾くのがマナー。 なお、これは「マリアッチ専用」といってくらい、マリアッチバンドを代表する楽器で、ほとんど他の音楽(メキシコ国内ですら)では、使われません。マリアッチは、ハリスコ州起源の、ランチェラ(牧場歌)を起源にしたこういう音楽です。 ようつべ:「ルイス・ミゲルーラ・ビキーナ」 ギタロンって思いのほか、でかい音で、迫力満点なのがわかるでしょう?でも、日本では売っていません。かつてヤイリギターが特注で扱っていたことがありますが、あれは、「○堀ギター」のギター・アンサンブル用に作られた日本独自の「低音ギター」で本国のギタロンとはなんの関係もありません。チューニングも弦の数も違います。本物を手に入れる方法もありますが、ネットで個人輸入する以外にありません。 しかし、持ってみたこともあるのですが、ホントにでかいですよ!ただし、びっくりするくらい、軽いです!!ものすごく重宝なものなのに、誰もやらないのはなぜなのだろう・・ なお、マリアッチ以外で使われた最も有名な例は、フランク・ザッパ&マザーズ・オブ・インヴェンションのアルバム「フリーク・アウト」とイーグルスの「ホテル・カリフォルニア」のようです。 2 ビウエラ さて、お次はビウエラ。これは実は、わたくし、持っています。奏者、と思ってくれて良いです。レアです。変わり者です。ヘンタイです。なにしろ、これまた手に入れるのが大変ですから。しかも、わたくし2本持っていて、そのうちの1本は、「ラテン弦楽器のストラディバリ」と言われるモラレスの手工品。すごいですねー、こわいですねー、ヘンタイですねー。アミーゴ! 同じくマリアッチ用の楽器で、形も構造も「ちびっこいギタロン」と思って頂いて良いです。ただし、こちらは、ちょうど、リズム・ギターの役割を果たします。 5弦で、チューニングは、A-D-G-B-Eです。ちょうどギターの6弦だけないチューニングですが、2弦のBが一番低い音、という変則的なものです。 ちょうどバリトンウクレレくらいの大きさでギターよりずっと小柄なのですが、やっぱりデブです。ちびデブですね。渡辺直美でしょうか? これ、ナイロン弦で、指(普通、フィンガーピックをギターと反対につける)で弾くんですが、想像を遙かに超える爆音なんですよ。なんせ、マリアッチのあの大編成(トランペット2本、バイオリン4本など)を向こうにまわして、ギタロンとこれだけでリズム担当しますから。しかも、マイクなんてない野外で。実によく出来てるものですが、これはギタロン以上にマリアッチ以外には使われない楽器です。 もうひとつ付け加えると、ギターとパーカスをいっぺんにやっているような演奏が可能で、トリッキーです。そのあたりがこの楽器の面白みですが、古来のマリアッチでは、淡々とリズムを刻んでいます。その素朴さもまた良いのです。 ようつべ:「ビウエラの演奏- ラ・ビキーナ」 3 ギター これは、単なるギターです。いわゆるクラシックギターとほとんど同じ、と思って頂いていいです。だから省略。 4 ウアパンゲーラ&ハラナ・ウアステカ でた!いや、独り言です・・。ばかもの、もとへ、化け物じゃないんだからね、でた!はないだろう。でも、そんな気分になる、滅多にお目にかかれないのに、まか不思議な魔力に満ちた楽器、それが「ウアパンゲーラ」と「ハラナ・ウアステカ」だ! おお!なんか、川口浩探検隊みたいなノリになってきましたね!「ウアパンゲーラ」なんて密林にいる珍しい動物みたいな名前だし! チューニングは、G- dd'- gg- bb- e。複弦なので、ちょっとややこしい。 これが使われるのは、メキシコシティから東に行った沿岸部にあるウステコ地方で演奏される、「ソン・ウアステコ」という音楽。 編成は、たいてい、トリオで、3人がリードボーカルを回すスタイル。楽器は、バイオリンが間奏を担当し、リズムセクションが、ウアパンゲーラと、「ハラナ・ウアステカ」という小型ギター。ウアパンゲーラは低音部を担当。 ソン・ウアステコで演奏される演目はウアパンゴという特有のスタイルを持っていて、マリアッチでもよく演奏される音楽スタイルの一種でもあります。独特のリズムに注目。 ハラナ・ウアステカのチューニングは、G, B, D, F#, Aになります。 ようつべ:(ソン・ウアステコ) 5 レキント・ロマンティコ これは、普通のギターの「チューニングが高いバージョン」です。小さめのボディで弦長も短いですが、基本的には、ギターそのものです。普通のギターより、それぞれ5音高くチューニングします。レキント、って小さいって意味ですから。でも、小さくロマンチック!じゃないんですよ。小さく前へ習え!じゃないんすから。 これが使われるのは、大変に普及している「トリオ・ロマンティコ」といわれるトリオ編成のバンドにおいてだからです。代表格のトリオ・ロス・パンチョスは日本でも昔、有名でした。ドン・ガバチョって人も有名でしたが、あれはミュージシャンじゃなくて、人形でしたね! さてk、ギター2本とレキントを持った3人が、ぴったりと息のあった甘いコーラスを奏でるところがこのスタイルの美点で、素早い、メロディックなランや間奏を奏でるレキント・ロマンティコは、器楽演奏の華となっています。 ようつべ:(トリオ・ロス・パンチョス) 6 レキント・ハローチョ 同じレキントでも、こちらは、ますます小さくなり、大きめのウクレレくらいしかありません。なんで違う楽器なのかというと、こちらは、「ソン・ハローチョ」というヴェラクルス地方の民謡グループで使われる楽器だからです。「ソン・ハローチョ」の中心楽器は、基本的には、アルパといわれるダイアトニック式のハープ(竪琴)で、それをレキント・ハローチョやハラナ・ハローチョがバックアップする、という編成。もちろん、歌も入ります。トリオ・ロマンティコとは打って変わって、ど迫力のダンス音楽という観じのする音楽です。 さっきから、レキント・ロマンティコ、とか、ハラナ・ウアステカとか、似たような名前ばかり出てきてわかりにくい。「おはようございます!出席をとります。佐藤一郎くん、佐藤委一郎くん、齊藤一路くん、齊藤一郎太くん・・・とか続くのと同じですね!ちょっと違うか?ま、んなこた、どうでもいいや。レキント・ハローチョのほうは、リード楽器でして、ものすごく変わった形のピック(割り箸みたいな)でバッキバキと弾きまくるのが特徴。 7 ハラナ・ハローチョ こちらは、ソン・ハローチョの楽団で使われる、リズム・セクションのほう。指でジャカジャカと弾きます。 これまた、小さいのに大音量で、メキシコの弦楽器というのは、音がでかいものが多いですな。 ようつべ:(ソン・ハローチョの楽団) 8 バホ・セスト(バホ・キント) 最後に紹介するのは、メキシコでも最北の地(すなわち、アメリカ合衆国との国境地帯)で使われるバホ・セスト。(12弦。キントは10弦)最北、なんていうと、「北の国から」の寒そうな田中邦衛を連想しますが、東京と同じ緯度のテキサス州ヒューストンよりもまだ南ですから、くそ熱い日が多いとこです。 国境のあちら側(テキサス州)の音楽、テックス・メックスでもまったく同じものが使われます。 これもわたくし、初心者ではありますが、持っていますし、弾くことも出来ます。 いい楽器ですよ、素直に。なんで、これ、もっと世界的に広がらないんだろう、と思ったりします。 普通のギターより1オクターブ低くチューニングします。(複弦なので、低音弦は、オクターブになっています。)普通のチューニングと違うのは、1弦〜4弦(単弦でいえば、1,2弦)で、普通のギターはB,Eですが、バホは、C,Fとチューニングします。 テックスメックスでもメキシコ北部(ノルテーニョ音楽)でも、アコーディオンの伴奏、リズムセクションとして使われ、他の地域で使われているのを観たことがありません。 でも不自由が楽器というわけではなく、低音弦のオルタネート・ベースを弾きながら、高音弦ストロークでカッティング・サウンドを出す、というのは、いろいろなジャンルで使える可能性を秘めています。いずれにせよ、ボタン・アコーディオンとともに、テックスメックスとノルテーニョを代表する楽器と言えるでしょう。 ようつべ:(フラコ・ヒメネス&マックス・バカ) どうですか?興味わきました? なに?馬鹿野郎なオヤジギャグが多すぎる? いいんですよ、どうせ20円しかもらえないんだし。ね、シャチョさん!痛っ!なにすん・・以下略 で、では、また、お会いいたしましょうー! nos veremos de nuevo!! Amigos!! |