ROCK FIREBALL COLUMN by NANATETSU Vol.99


 このコーナーもついに次回で100回目じゃな。 「よくもまあ、ここまでお付き合い下された」ってな深い御礼の言葉はまだ控えておいてだな、大台目前の99回目は期待(?)を大きく裏切る(??)ことを書いてみたい! そうじゃの〜思い切りワガママなテーマにするので許して下され。 題して、


七鉄のお願い!どうか探してチョーダイ!!死ぬほどWANTのCD


 わしが長年探し続けて今だに見つけられんCDをご紹介するので、情報をお持ちの方は是非七鉄までご一報を!って少々情けないコトをやらせてくれ〜い。 「ほほぉ〜。 さてはジジイめ、目も足腰も衰えてきたから、いよいよブツ探しも他力本願かよ!」と言われたら即座に「バカモノ!」と返すのがパターンじゃが、この際何を言われてもええから「お代官様おねげえしますだぁ〜」とアタマを地面にスリスリしたくなるCDじゃよ。 とは言ってもサウンド的に生粋のロッカーである諸君に紹介してもよかろうと踏んでおるもんじゃないと失礼であり、他にもたくさんあるのじゃが、とりあえず僅か数枚にとどめたんで、どーかヨロシュー頼む!
 いまや海外オークションにもネットで参加できる時代じゃが、わしは3回ほど不良品をつかまされた揚句、「クレーム→返品→先方逆ギレ→説得・・・」とかやっとるうちにブツへの愛着が薄れてしもうた苦い経験があるので、海外取引は避けたいのじゃ。 だから「日本国内市場」という条件も付けさせていただきたい。 「何がミントだ、ドアホ!」を英語でやるのはもう勘弁じゃ。
 なおワンアイテムを除いて、これらは全てアナログ・レコードでは所有しておるが、時代が「音楽のCD化」を迎える前に聞き過ぎて盤面がオシャカになったものばかり。 5年ほど前から、古い音源がぎょうさんCD化されておるが、オオザッパなわしのことじゃ。 リストから見落としておる可能性もあるとは思う。 またCDがダメならミント状態な日本盤のアナログディスクでもええ。 とにかく情報をクビを長〜くしてお待ち申し上げておりまするぞ!
 


●WANT-1&2 ブラック・シープ/「Black Sheep」「 Encouraging Words」


 
この2枚は日本の市場でCDを見かけたことはまずない。 アナログもカットアウト盤が極たま〜に出てくるぐらいレア〜じゃ。
 ブラック・シープとは、90年代のクラブ系黒人ユニットのことではないぞ。 70年代中期に存在した“アメリカのフリー”と呼ばれたブルース・ロック・バンドじゃ。 発売当時には日本のロック関連のラジオ番組でも結構オンエアされていた記憶がある。 後にフォリナーのシンガーとして全米で大ブレイクすることになるルー・グラムが在籍していたこともあり、興味をもつロック・ファンは少なくないと思うがのお。
 彼らのサウンドは、絶海の孤島の岸壁で海風に吹かれながら聞いておるような、寒々としたおも〜いブルース・ロックじゃが、こんなサウンドは現在ではまず聞けん珍品であり、是非クリア―な音質で味わってみたいのじゃが・・・。
 余談じゃが、同じ名前のバンドっつうのはブラックシープ同様に先輩さんはマニアック、後輩くんはビッグになるようじゃ。 従って先輩さんの作品のCD化は極めて遅い。ブラックシープの他にも、スキッド・ロウ、ミスター・ビッグの先輩さんは解散からCD化まで四半世紀近くかかったもんじゃ。 ブラックシープもそろそろ・・・と期待しとるんじゃがな。 ちなみにe-bayにおいて、つい最近美品らしき外国盤CDが出品されておったが、また騙されるのもシャクじゃ!



●WANT-3 ナイト・シティ/「Nite City」
 
 ナイトシティとは、ドアーズのキーボード・プレイヤーじゃったレイ・マンザレクが、「ドアーズの復活!」を目指して1976年に結成したバンドじゃ。 アルバムはこのファーストのみで、邦題は確か「果てしなき夜への挑戦状」だったかいのお〜。
 「ドアーズの再来」と謳われてデビューしたバンドはいくつかあるが、サウンド的にはこのナイト・シティだけがドアーズ・フリークであるわしが合格点をあげられたバンドじゃった。 大都会の夜の絶望的な甘美性が表現されたサウンドは、もしジム・モリスンが存命していた場合の、いわば「ドアーズの失われた未来」の一部のような感動があったもんじゃ。
 カリスマだったジムの後釜に座ったノア・ジェイムスとかいうヴォーカリストは、ツラ構えはジムに似ておったが、ヴォーカルは十人並みであり、わしが代わりたかったぐらいじゃ! それ以外ではほぼ完璧な演奏であり、口うるさいアメリカの評論家連中からも期待の声が高かったと記憶しとる。 ドアーズの本国アメリカ、人気が高いフランスでもCD化が熱望されておる一枚じゃ。

 

●WANT-4 ベック・ボガード&アピス/“幻のセカンド・アルバム”

 ジェフ・ベックがヴォーカル入りへヴィ・ロックをやっとった最後のバンドがBBAじゃよ。 BABAではないぞ! スタジオ盤とライブ盤を1枚づつ発表して解散したが、実はセカンド・アルバムはほぼ完成していたらしく、その音源をハーフオフィシャル盤でわしが入手したのが今から15年くらい前。(←写真のアルバム) 新曲9曲、ライブ7曲という変則的な構成じゃったな。
 入手先のショップのオーナーはロック界の裏事情にやたらと詳しくて、「これは未完成盤で、収録曲も一部だけ。 ヨーロッパのどこかの国では完全盤が限定発売されたらしいですよ」と言っておった。 彼の発言を今日まで信じて探し続けておるというわけじゃ。
 なにもレアな存在っつう理由だけで探しておるのではない。 ハーフオフィシャル盤で聞けるヴァージョンは、ファーストよりセカンドの出来の方がいいことを十分に想像できるからじゃ。 もし今後正規発売されるならば、ツマラン未発表デモとかくっつけて値をつり上げることなく、オリジナルの構成で出しなさい、レコード会社さん!


●WANT-5 ママ・ライオン/「PRESERVE WILDLIFE」

 (←)この写真を観てびっくらこいたじゃろ! 超セクシーなオネエ様がオッパイを露わにして赤ちゃんライオンに母乳を飲ませておる! この衝撃的なジャケは、1973年にデビューしたその名もずばりママ・ライオン! このオネエ様は、1972年にアメリカのセクシー・マガジン「ペントハウス」でも話題になったグラマラス・モデル、リン・キャリー嬢じゃ。
 すごいのはボディだけでないぞ! 「喉に拡声器でも入ってんじゃねえのか?!」ってな大声量は、わしの大シャウトも敵わんギョーテンものじゃ。 それでへヴィなブルース・ロックをバッチシ歌いあげるんじゃから、わしゃ〜一発でそのダイナマイト・ボディ、じゃなくてヴォーカルにノックアウトされた!
 リン・キャリー嬢の話題性以外では、ママ・ライオンはいわゆる実力派のマニアックなバンドじゃったが、07年にジャケットが修正されて(写真右下)1st&2ndのカップリングという形態でCD化されたが、わしはやっぱり別売りされたファーストの方を望んでおる。 なんつっても、オリジナル・ジャケットはこれじゃからな!(写真左上)。 確かLP発売当初は、リン様のオッパイが隠れて顔だけが見えるような二重構造になっており、バンド名なんかがプリントされた上側のカヴァーを抜くとこの強烈な写真の本ジャケがどど〜ん!と登場する仕掛けになっておった。 このオリジナル仕様でのファースト単体CDを探しておるところじゃ。

 

●WANT-6 ポール・ロジャース/“夜明けの刑事”挿入曲「Yoake No Keiji」

 これはレコードすら持っとらん。 いや、どうやらレコード化されたことはないようじゃ。 「You Tube」にもアップされたこともないようだし、今のところどうにもならんブツじゃ。 “ブートレッグ”でもええから、何としても欲しい一曲なんじゃ。
 「夜明けの刑事」とは、74〜77年代にTV放映された刑事番組であり、坂上二郎や鈴木ヒロミツや石立鉄男らが出演しとった。 その番組内の挿入曲は英語によるバラード・ロックであり、歌っておったのは、当時の名ロック・シンガーであるポール・ロジャースじゃ。 作詞・作曲もポールなんじゃ。 曲の最後に「Yoake No Keiji〜」と歌われるのじゃが、遠い昔に友人がカセットテープに録音してくれたことがあった。 あれはレコードからだったのか、TVからだったのか・・・。
 この曲を録音した当時ポールはバッド・カンパニーに在籍しており、1975年3月3日の日本公演でちょっとだけ歌ったらしいが、わしが持っとるその日本公演を収録した“ブートレッグ”には収録されておらん。 探し求めて30年余年、いつになったら聞けるんじゃろう・・・。 


●番外編 ロバート・ジョン・ゴドフリー/「太陽神ヒュペリオンの堕落」

 実はコイツだけは、今回のテーマのためにあらためて調べまくったら、一昨年にメデタクCD化されていたことが分かった。 気がつかなかったのは、わしのイージーミスであり、ブツ探しの反面教師として諸君にも失敗談を披露しておこう。
 CD化において、タイトルの一部“ヒュぺリオン”(ギリシャ語発音?)が英語発音で“ハイぺリオン”に直され、タイトル全体が原題そのまんまの「フォール・オブ・ハイペリオン」に変更されておったので見落していたんじゃ。 70年代の多少大げさなロックの邦題に慣れ親しんでおったファンは、再販盤を探す時にこういうミスにおちいるものなのじゃ。 
 ったく発売元のバカタレが! 何でワシに報告せんのじゃ!!と腹が立ったものの、わしはもっと恥ずかしいミスをしとった。 アーティスト名を「フランク・ジョン・ゴドレイ」と記憶違いをしとったんじゃな。 これじゃあ気がつかんわな! いかんのお、いろんな知識が交錯して記憶が混濁してきたかのお〜。 わしもチトボケたのかもしれん! 諸君も自分の記憶を信用し過ぎんようにな。 ちなみにこのアルバムは1973年に発表された、クラシック・ロックを地でいくプログレの王道的アルバムじゃ。


 思いっきり、ワガママな内容にさせてもろてすまんの〜。 まあ年寄りは大切せにゃあならんので(都合のいい時だけ年寄りになるな!)、敬老の日にはチト早いが、ヨロシクな!
 さて次回100回を迎えるに当たり、時期をみてお付き合い下さっておる諸君との「交流の場」というか、「情報交換」みたいな企画もやってみたいと考えることもあるのじゃ。 ためになる!だけではなく、楽しめるヤツをな。 音源でもファッションでも、欲しいブツを探している時の失敗談や思わぬ横道の成果!みたいなオハナシじゃ。 人間、他人様の自慢話よりも、失敗談や余談の方がはるかに有益ってもんじゃよ。 そうやって今後少しでも諸君と「裸の付き合い」をしていきたいと思うとる。 では今回の新作ナッソーをしかと!カートに入れて、100回目をまっとってくれ〜い! 
  
 

七鉄の酔眼雑記
 〜七鉄危機一髪! 30年前の奇跡の帰還(?!)

 ここのところアジアではタイのバンコク、ヨーロッパではギリシャのアテネで市民による暴動が大々的に報道されとるな。 両国ともかつてわしが訪れた国であり、共にお気に入りの都市であるだけに気になって仕方がない。 幸か不幸か、わしは旅の最中に現地の暴動に巻き込まれたことはないんじゃ。 そんなラッキーな旅人生の中で、「旅の神様」のお陰で命びろいしたことがたった一回だけあるのじゃ。

 あれは30年ぐらい前、2回目のヨーロッパの旅での事じゃった。 その旅はイギリスを基点として、都合三ヶ月ぐらいヨーロッパ各地をほっつき歩いておったんじゃが、友人からの手紙により帰国日をきっかり二週間早くしたんじゃ。 手紙をくれた友人と帰国後のわしに共通の用事があり、それをどうしても早くしたいという要望だったので、悩んだ挙句に帰国日を早めることに同意したんじゃよ。
 そして帰国してから丁度二週間後、つまりわしが本来帰国のためにイギリスを出国するはずだった日じゃが、トンデモネー!ニュースが飛び込んできよった! イギリスの空港のロビーで爆破事件が起きたのじゃ。 そのロビーっつうのが、出国日の前々日からわしが泊っていたロビーだったのじゃ! つまり、友人からの手紙を読まずに、当初の予定通りの帰国をしていたら、わしは爆発が起きたその場所にいたっつうこっちゃ! しかも爆発時間は、わしがロビーのソファーで眠り込んでいた時間だったんじゃ。 恐らくわしは爆風に吹っ飛ばされてあの世行きの危険性もあったはずじゃ。 「なお現地の情報によると、日本人の犠牲者・七鉄さんは爆破時刻にロビーで寝ており、そのまま云々かんぬん。 所持金はわずか・・・」とか報道されておったのかもしれん。 末代までの恥じゃ、カッコワル〜イ。
 このニュースには心底肝を冷やし、手紙をくれた友人と旅の神様に感謝したもんじゃった。 人生だって、旅だって、命あってナンボじゃ。 それからは宿泊費を削ってまで欲しいレコードを買いまくり、酒を飲みまくるような旅はせんようになった。 とはいうものの、安宿ばかり泊っていたら同じく危険だって考え方もあるが、今ではホースシューペンダントをお守りとして旅のお供にしとる。 The-Kingに宿っておるロックの神様、今後もわしを守ってくだされ〜。



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