ROCK FIREBALL COLUM by NANATETSU Vol.98


 本文でも触れたように、思わぬ怪我の功名(雨漏り→住居移動)により わしのGWは引っ越しに追われてもうてどこにも行かんかった。 本来GWは、The-Kingの入口で、杖を持ちながら門番をする予定であったんじゃ。 行けなくてスマンかったのお〜。 でも引っ越し作業中のパターンとでもいうか、昔の写真、それも30年も前のヨーロッパの旅の写真が出て来てしもうてな。 しばし作業の手を休めて、心の中で旅をしてしまったわい! わしも若かったわい! でもやっぱり酔っ払ってる写真が多かったのには苦笑じゃ! てなワケで、前回のイギリス体験記に続いて今回はフランス初体験記じゃ。
 フランスといえば“花の都”パリのエッフェル塔! なんつうのはもう古い! タワー(塔)といえば、今やThe-Kingにとってお膝元でもある東京都墨田区の東京スカイツリーじゃ!てなノリはまたあらためて。  「お帰りおフランスざます」ではないが、フランスは日本ではとかくお上品なイメージが強いのお〜。 道行く人々は優雅な貴婦人と、それをエスコートするダンディな紳士。 パリ名物である路上の無数のカフェには、読書や芸術談義に耽る人々が溢れ、アコーディオンの音色とエスプレッソの香りが・・・なんて感じじゃな。
 ただしわしは、先のイギリスにおいて、日本のマスコミに植えつけられていたイメージを見事にぶっ壊されただけに、フランスの場合は先入観を取っ払って入りこんでいったんじゃが、やはり予想もつかなかった現実、お国柄を目の当たりしたぞ! それは、このわしをはるかに凌ぐ(?!)ガンコ一徹ぶり! 華麗な風情とガンコなスタイルが表裏一体となったていたのがフランスじゃ。 では丁度30年前のその真相をご紹介してしんぜよう!

ガンコ七鉄青年がたじろぎ、怒り、感心した!
        ガンコおフランスの30年前のお姿!!

   


■episode-1 フランスのドリンク・スタイルに“たじたじ”


 イギリスは「ビールと紅茶」じゃが、フランスは「ワインとエスプレッソ・コーヒー」じゃな。 じゃが正直なところ、ドリンクは何でもドンと来い!のわしもこの習慣には戸惑ってしもうた。 ビールはガブガブ! コーヒーはスイスイ!のわしにとって、昼間からチビリチビリと味わうってのはどうにも落ち着かんのじゃ。
 エスプレッソなんざ、現在日本で飲まれている薄められた「エスプレッソ風味」ではなくて、ショットグラス程度の極小カップに入った超濃厚なヤツ! 一滴口に含むか含まないか、のビミョーな量でどーのこーのなんて言われても当時のわしにとってはシャラクセー! 一度フツーのコーヒーのように飲んでみたら、ソッコーで喉と食道がケ・イ・レ・ンしてしもうた!
 まあワインにしろエスプレッソにしろ「
濃厚なヤツをチビリチビリと味わう」というのが、他国の者からすれば“お上品”に見えるんじゃろうなあ〜。 当時既に欧米では「飲食のライト嗜好」はブームになっておったが、フランスは「これがオレたちの不滅の食文化だ!」ばかりに、ヘヴィーなドリンクをじ〜くりと堪能する伝統の習慣をガンコに守り続けておった。


■episode-2 英語は犬が喋る言葉?! チェーン店はいらん!!
 
 フランスで一番困ったのは、
街中でぜ〜んぜん英語が通じないこと。 空港と中級以上のホテル&レストランの他ではまったくノン! これは正確に言うとだな、「通じない」のではなくて「喋ってもらえない」じゃ。 実際フランス人は英語が分かるのじゃが、故意に使わないようにしておるらしい。 イギリスとフランスは、お互いに「ヨーロッパ先住文化圏」を主張し合っているので仲があんまりよろしくないから、こんなくだらない習慣が根強いのじゃ。 「英語なんてのは犬の喋る言葉」と、イギリス人の犬好きを引き合いに出して、犬までもバカにする徹底ぶりじゃ。 なんたるガンコっつうか偏屈ぶりじゃ。
 「アホたれめが。 旅行者は外でメシ食うのにも苦労するじゃねーか!」と不満タラタラ状態のまま、ある日パン屋さんに入ったわしは、お上品な女主人の一言で機嫌がコロッと直ってしもうた! 「ハ〜イ、ムッシュ〜♪」 「ムッシュー」とはフランス語で「ミスター」の意味じゃ。 ヤラレタね!「ん〜おフランスでミスターか。 ムフフ、悪かないのお〜」と、食いきれないほどのパンを買ったのはいうまでもない!
アホかわしは!
 ちなみに当時のフランスは、
ファーストフードのチェーン店が参入できないほど、街の個人営業のパン屋さんが充実しておった。 「“●ac”とか言ったらパリジェンヌからバカにされるからネ」とは、パリ行きの飛行機で隣の席に座った在パリ5年のオネーさんからのアドバイスじゃった。

 

■episode-3 怒りの「かたつむり事件」! ロック野郎に料理は出せぬ ?!

  あれは忘れもせん、雪が降りしきる夕暮れ時じゃった。 わしは「今夜はいっちょ、腹いっぱいかたつむり(エスカルゴ)でも食ったるか!」と意気込んでコジャレたレストランに入ったんじゃ。 ところが、わしのオーダーした「かたつむりくん」だけが出てこない。 わしの連れ3人が食事を終えても出てこない。 わしは自慢の大シャウトでクレームを入れた! 「ザケンナ、テメ―ら! マネージャー呼ばんかい!!」 
 それまでわしの催促を聞き流していた初老のウエイターが突然青ざめて、走って厨房へ消えた。 大シャウト爆弾の威力もさることながら、欧米の従業員は「マネージャーを呼べ」というクレームに非常に弱いのじゃ。 そうしたらものの1〜2分で「かたつむりくん」が出てきたのじゃ。 作られてあるのに持ってこなかっただけだったんじゃ。
 会計の際、ウエイターの“七鉄いじめ”の原因が判明した。 「レストランには、なるべくネクタイしてきて下さいね。 あのウエイター、古い人だし・・・」とレジのオネーさんに優しく諭された。 ラフなロック野郎的ファッションで入ったのがマズかったのじゃ。 フランスでは「
ノータイ、ノージャケのディナーはご法度」と何かの本で読んだ事を急に思い出したが、ここまで意地悪されるとはのお〜。 いや〜ガンコなお国柄じゃ。 The-Kingのナッソースーツでキメていったら、こんなメに会うはずはなかったであろう!


さて、episode-2 の習慣が根強いこともあって、1980年当時は「英語ロックはフランスでは不毛」だったのじゃ。 なんつったって、シャンソンとフレンチポップスが絶対的な存在じゃ。 ロッカー的ヒーローには、セルジュ・ゲインズブールという大御所もおるしな。 それに「ボンジュ〜ル、シルブップレ〜、コンソワ〜」とか、口元でシュワシュワとやるフランス語とロックのリズムは合わないから、フレンチ・ロックなんつうのも聞いた覚えがない。 では数少ない「フランスの英米ロック話」をしてみよう。


■episode-4 フランスで最大の人気バンドはドアーズ

 エルヴィスもビートルズもストーンズも、フランスではそれなりには有名ではあったが、英米ロックでもっとも芸術的評価が高く、好んで聞かれていたのがドアーズってのには驚いた! ドアーズのインターナショナル・ファン・クラブの本部がパリにあるぐらいじゃ。 先述したセルジュ・ゲインズブールも、ジム・モリスンを讃える曲を書いておる。
 その最大の理由は、ヴォーカルのジム・モリスンの書く詩が、フランス文学界の歴史的な英雄である詩人ランボーや小説家セリーヌの世界観の直系に位置しているという歴然とした事実であり、そしてジムが客死して、葬られたのがパリであることじゃ。
 2004年にジム・モリスンの伝記映画「ドアーズ」のDVDがリニューアルされた時、特典映像としてパリの現地ロッカーからの「ドアーズ賛辞」が長時間収録されており、現在でもドアーズ人気は継続しておるのじゃ。 こんなところからも、フランス人がガンコに自国の文化、歴史に固執する姿が分かるってもんじゃ。

 

■episode-5 ロックの名を汚す不届き者たち

 実はわしがフランスに行った最大の理由は、わしも大ファンであるジム・モリスンのお墓参りだったのじゃ。 ジムが眠る「ペール・ラシェーズ」という墓地は芸術家のお墓がたくさんある所で有名じゃ。 ショパン、バルザック(詩人)、エディット・ピアフ(シャンソン歌手)らのお墓もジムのお墓の近くにあり、わしは皆様すべてにお参りしたもんじゃ。
 この「ペール・ラシェーズ」の他にも、パリ郊外には広大な墓地、霊園がある。 現地人によると、どこも木々や緑が多く、美しく丁寧に整備されており、パリ市民にとっては生活に欠かせない「憩いのお散歩コース」になっているらしい。
 しかし大変残念なことに、ジムのお墓の周囲だけがやたらと落書きが多く、ジムの胸像と墓石もペンキや何やらで荒れ放題。 墓地の入口にいた守衛さんに「これ以上汚すなよ!」的なことを言われた(ような気がする)。 そして「乞食ジジイ」みたいなのもたむろってて最悪の雰囲気じゃった。 しかも毎年ジムの命日になると、ここはどんちゃん騒ぎになるらしい。 (決してわしが扇動しとるのではないぞ!)
 諸君とは違うて、何故ロック・ファンにはマナーを守れんヤツが多いのじゃろう・・・なんて言いながら、わしもチャッカリ、ジムのお墓のまわりの敷き砂利を一つかみ失敬してきたがのお〜スンマセン。


■episode-6 画家の広場がもっともロック的!

パリの街中で唯一ロックを耳にしたのは、「画家の広場」と呼ばれる一画じゃった。 「画家の広場」とは、モンマルトルという小高い丘の上に位置する地域にある、50〜60人ほどのアマチュア画家が密集して青空工房を形成している約20メートル四方の広場じゃ。 かつてこの地には、ヨーロッパ中の画家の卵たちが集まってきて、「エコール・ド・パリ」という文化の発信基点になった所じゃ。
 ここは当時からちょっとした観光名所になっており、広場を四方から取り囲むようにカフェや土産物屋さんが軒を並べており、ここから結構英米ロックが流れていたのが印象に残っておる。 それよりもなによりも、将来の巨匠を夢見て一心腐乱にキャンパスに向かう若き絵描きたちの姿は、メジャーデビュー前のロッカーの姿そのものじゃ。 「これで身を立ててみせる!」「この道しかオレにはない!」といった純粋なエネルギーが、この青空工房いっぱいに充満しとったもんじゃ! 実際にわしも、ここに居る時がフランス滞在中もっとも落ち着いていられたもんじゃ。 
画家と言えばじゃな〜、先日100億でピカソの作品を落札したのは、このわしじゃ!のワケね〜じゃろう!
 私事で恐縮じゃが、2年後に再びここを訪れたわしは、絵描きだった今は亡き母上を連れて行った。 母上はさっそく広場の端で猛烈な勢いで写生を始めた。 気分が高揚し過ぎたのか。 持参していた2本のペンが筆圧で折れてしまい、母上は泣き出しそうになってしもうた。 すると後ろから1本のペンを差し出す黒い腕が伸びてきた。 すぐ後ろで写生をしていた若い黒人さんからのヘルプじゃった。 そのご厚意にわしまで泣きそうになってしもうたよ。

 ロックの匂いは希薄じゃったが やはりわしはその後もフランスという国に惹かれ続けたもんじゃ。 絵画や文学の魅力もさることながら、アフリカ系や中東系の移民が多くて、パリ市内で一生懸命働いておる移民たちの姿が強烈だったからじゃ。 サッカーのフランス・チームだって、半分以上が黒人や中東系民族ではないか。 
 また当時は本物のジプシーもたくさんおった。 ジプシーとは、国籍不明の旅芸人や行商人じゃ。 「ジプシーは半ば盗賊だから近づくな!」と現地人にアドバイスされたが、わしは昼下がりの公園で何度か話しかけられて、談笑したぞ。 ひょっとして同類と思われたんじゃろうか! 移民やジプシーの生活水準がもう少し上がった時、新しいフランスの文化が生まれてくるのではないか。 それはどこか、ロック的な匂いのする原初的パワーが宿っておるに違いない気がするんじゃがのお。
 それにThe-Kingブランドが放つ独自のファッション・イメージが、「ファッション大国」でもあるフランスで、どんな反応を示されるのかも興味が尽きないんじゃ。 通貨統一になったヨーロッパ全体が、歴史の大きな転換期に来ておる。 ガンコなフランスももはや例外ではない。 フランスにアメリカ的カルチャーを理解させたのは、「ドアーズの次は、The-KingのMr.NANATETSU だ!」と言われてみたいもんじゃあ〜! 



七鉄の酔眼雑記
 〜水パイプの似合うアヤシイ・オトコ!

 左の写真の人物はだな、写真初公開!のわしじゃ! 実は先日、旅行好きの仲間が集まって、トルコ料理屋さんに行ったんじゃ。 トルコ料理といやあ、水を混ぜると白く濁る酒ラクをはじめとして、臓物のスープのイシュケンベ・チョルべス、肉料理のドルマやサルマ、ビロ〜ンと伸びるトルコ・アイスなんかを楽しみにしておったが、なんだか、トルコ風カレー料理ばっかりで、ちょっと拍子抜け。 しかしコース料理の中に「水パイプ/タバコ」が含まれておったのがおもしろかった。
 これが美味い! 写真の通り、一升瓶ぐらいのデカイ器に長いチューブが付いており、器の先端で燻したタバコの葉の煙を水を通して吸い上げるという仕組みじゃ。 あんまりにもわしが手放さないもんだから、同じコース料理をオーダーしていた周囲の客が「これもよかったらどうぞ!」って持って来てくれて、合計水パイプ3本分くらい吸わせていただいた! 途中から日本語堪能のオーナーからも「ソコノ アヤシイ オトコ、ニアウネ!」なんて茶々も入った。
 現地で吸った時はこんなに美味いと感じたかのお〜? 恐らく、店内禁煙だと早とちりしてタバコを控え、ラクが無いからあんまり好きではないトルコ・ビールで我慢しておったから、その反動で余計に水パイプの味わいを強く感じたのかもしれん!

 んでだなあ〜、吸い始めてから大体一時間後のこと。 トルコビールを一缶しか飲んでいないのに、どうも体中に酔いのような気分が回ってきたんじゃ。 随分前に、水の代わりにウイスキーを入れて日本の水タバコを吸った時の感覚に似ていなくもない。 でもこの水パイプはウイスキー入りじゃない。 う〜ん、何なんだ、この感覚は?
 そのうち気分がワクワクしてきて上機嫌になってきよった! コレ マチガイナク ナンカ ハイッテル感じじゃ。 別にヤバイ成分ではなくて、ひと昔前の中近東やアジアのタバコはこんなんが結構あったので懐かしさでいっぱいになってしもうた。  ラーメン丼の模様みたいな飾り枠が入った中国の紙タバコなんかも、すぐにニコニコしながら拍手したくなるような効果があったもんじゃ。
 しかし現代はあれこれ規制が厳しくなって、ソノヨウナ成分はほとんどタバコから取り除かれてしもうたから残念じゃな。 ハッピーになっていいではないか! タバコそのものへの風当たりが強くなる一方の風潮に、またまた一人逆らっているようで、反逆者気分の一夜を過ごした七鉄であった! 当然水パイプと専用タバコはそのお店でゲットしてきたわい!


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