ROCK FIREBALL COLUMN by NANATETSU Vol.75

 諸君よ、THE-KINGの新作「ホワイト・コインローファー」のまばゆい白い輝きに目もくらみ、さてはクラクラしとるな? ところであの”白い輝き、ホワイト・シャイニングはただ事ではないぞ! 北海道の名菓“白い恋人”を片手にお紅茶をすすっている場合ではな〜い!って「白い恋人」はわしも大好きじゃし、アフタヌーン・ティーにはもってこいじゃが、そんなノンビリした気分に浸っとったら売り切れてまうぞ! これほどの「白」を生み出すことのできるTHE-KINGに対しては、もはや「カラスは白でございます」とまで言える!なんてくだらんダジャレはほどほどにして、何故あれほどまでに輝く白を完成させられるのか?ってことをロッカーならじっくり考えてみるべきであろう。
 それはわしの知り得る限り、ロック界特有の「白い伝説」のスピリッツが宿っているからであ〜る! 「ロック界の白い伝説だとお〜?」と首をかしげおったな。 決してオバケのオハナシではないぞ。 よかろう、わしがじっくりお話してしんぜよう。 イギリスの名スコッチ「ホワイトホース」でもグイグイたしなみながら、今宵は白く染まってくれ〜い。 わしの方はとっておきのにごり酒「どぶろく」をガソリンにしてかますぞ!


ロック界に伝わる「白い伝説」。ロック史におけるグレイト・ホワイト事件を探れ!!


@曲名編永遠の“白い輝きを放つ3つの名曲 
 曲名に“ホワイト”の付いたナンバーといったら、即座に次の3曲が思い浮かんだぞ! どれもロック史上に燦然と輝く名曲じゃ。 またこの3曲は、ホワイトっつうカラーの清潔さ、神秘性、透明感といったイメージをまとうことで名曲になったといっても過言ではないじゃろう。

♪ホワイト・クリスマス/ビング・クロスビー

 ポップス界の大御所ビング・クロスビーをロックの枠で語ってええのかっていう問題はあるが、なにせ最大のヒット曲「ホワイトクリスマス」は、1942年の発表以来いまだに歌い継がれ、聞き継がれており、エルヴィスも自分の持ち歌のように歌っていたので、この際ロックの名曲としてしまおう! クリスマスだろうとなかろうと、この曲を聴けばいつでも誰でも厳かに白〜く染まることが出来るのお。
 クリスマス・イベントは永遠であることと同じく、リメイク版を含めれば今までに全世界で5,000万枚のレコードを売ったロック/ポップス史上最長寿ヒット曲である「ホワイトクリスマス」もまた永遠なりじゃ!

♪青い影/プロコル・ハルム
 邦題は“青”じゃが、原題は“The
Whiter Shade of pale”じゃ。 1967年にシングル盤で発表されるやいなや、イギリスでは発売後二週間で50万枚を売ったとされる、ロック史上に残る爆発的なヒット曲じゃぞ。
 ところでこの原題、直訳すると“悪い気分がますます白い色合いを帯びてくる”ってなるんじゃが、これは“ますます気分がすぐれなくなる”と訳すんだそうじゃ。 それをなんで日本では「青」と形容したのかよお分らんが、“気分がすぐれなくなる”ってトコを“顔色が青白くなる”と意訳したんじゃろうな。
 いずれにしても 「ホワイト・クリスマス」とは正反対の実にゆ〜うつな歌詞なのじゃが、全篇に亘って流れる、まるでバッハの宗教曲のような壮麗なオルガンサウンドに世界中が騒然となったもんじゃ。 ジョン・レノンは「この曲以外、今のロックシーンで聴く価値のある曲などない」とまで言い切って褒め称えたもんじゃったのお。


♪ホワイト・ルーム/クリーム

 こちらはハードロックの古典的名曲じゃ。 ワウワウを効かせたエリック・クラプトン大先生のかっちょえ〜ギターや、ローリングを効果的に挿入したジンジャー・ベイカーの手数の多いドラムは、ミディアムテンポのハードロックの理想的なアレンジ!と言えるじゃろう。 06年に約40年振りに再結成されたクリームのリヴァイバル公演でも、もっとも拍手喝さいを浴びたナンバーじゃ。



Aアルバム・デザイン編二大ビッグ・バンドのイメチェンを推進した“真っ白け”アルバム
♪“ホワイト・アルバム”/ビートルズ
♪ベガーズ・バンケット/ローリング・ストーンズ

 1966〜7年頃のロック界では、猫も杓子もサイケデリック文化(ドラッグ&ヒッピー文化)にどっぷり浸っており、サウンドはやたらと複雑で、レコード・ジャケットやファッションは原色をいくつもちりばめたド派手なもんが多かった。 ロック界の二大巨頭じゃったビートルズとストーンズもまた然り。 当時の風潮を恐縮したような作品「サージェント・ペパー」(ビートルズ)、「サタニック・マジェスティー」(ストーンズ)を発表しおった。 
 そしてビートルズは、次の作品ではまったく正反対のシンプル&バラエティなサウンドをちりばめた2枚組アルバム「ザ・ビートルズ」(通称ホワイト・アルバム)を、なんのデザインもしていない真っ白なジャケットにパッケージして発表!
 一方、ストーンズも音楽的原点であるR&Bに回帰したストレートなブルース・ロック・アルバム「ベガーズ・バンケット」を発表。 ジャケ・デザインは当初はトイレの落書きをモチーフにしたものだったが、「下品だ!」っつうことでレコード会社からクレームがつき、いみじくもビートルズと同じ、ほぼ真っ白なジャケットに差し替えられてお目見えした。
 「ホワイト・アルバム」も「ベガ―ズ・バンケット」も歴史的名盤の評価が高く、サイケデリック文化から抜け出して“真っ白”になった末の大勝利となった!


Bバンド・ネーム編“白の呪い”を解いたホワイトスネイク

 その昔ロック界には「バンド名に“ホワイト”と付けてはならん!」という不文律(言わずと知れた習慣)があったもんじゃ。 “ホワイト/White”という単語には「白人」という意味もあり、ルーツが黒人音楽であるロックをやる集団の名に相応しくない、というのがその理由じゃ。 先生に対する生徒からの礼儀みたいなもんじゃな。 実際にそんなしきたりを破って「ホワイト何々」と名乗ったバンドの成功例はなく、それは「白の呪い」と密かに噂されておった。
 そんなジンクスを破ったのがホワイトスネイク。 ブルースロック・バンドとして70年後半にデビューしてイギリス、日本で人気を博したものの、どうしてもアメリカでは無視されっぱなし。 「やっぱり白の呪いか?」と思われたが、デビュー約10年後の85〜6年頃からへヴィ・メタル色を強くしてついにアメリカでも大成功! 基本的な音楽性はデビュー当時と変えることなく、まさに長年の執念で勝ち取った栄冠じゃった。 ホワイトスネイクの場合の白は、まさに“信念の強さ”のシンボルじゃ!


Cギター・カラー編〜ホワイト・ギターはリーダーたるプライドのあかし!
 
最近ではこういうブームは見られんが、70〜80年代に自分のリーダースバンドを率いてアメリカ進出を狙っていた大物ギタリストたちは、白いボディのギターで存在をアピールすることが多かったもんじゃ。 70年代はジョージ・ハリスン、ジェフ・べック、ニール・ヤング、80年代はリッチー・ブラックモア、デイブ・ギルモアなどなど。 レスポール派はほとんど「赤」じゃったが、スティーブ・ジョーンズ(元ピストルズ)だけは「白レスポール」に固執していた珍しいヤツじゃったな。 我らがブライアン兄貴の場合は、“ホワイト・ファルコン”がブレイクに一役買ったことも覚えておるぞ!
 反対に、バンド内の一メンバーという位置づけのギタリストたちは、偶然にも白いギターはあまり使用していなかったから、その色分けは見事にはっきりとしておった。 リーダーたるものは白でイケッ!ってな風潮がロック界であったのなら、それは実に興味深いもんじゃな。
 わしが想像するにだな、これは永遠のギター・ゴッド、ジミ・ヘンドリックスへのオマージュの色合いが多分に濃いんじゃないかと。 驚愕のテクニックで世界中のロックファンを狂喜させたジミ・ヘンドリックスは、ブレイクしてからは白のストラトキャスターを愛用していたからじゃ。
 当時はジミの死から歳月がそれほど経過しておらず、全てのロック・ギタリストの魂の中にジミの記憶が生々しく残っていた時代だっただけに、同じモデルのギターでシーンを疾走したくなる熱い情熱はよ〜く分かるってもんじゃ。

 どうじゃ! 「ロック史の白のパワー」が白日の下にさらされた今、白という色を見る目が変わったであろう! 
@曲を名曲たらしめる白 Aルーツ回帰や再出発を彩る白 B音楽性へのこだわり、信念の強さを表す白 Cリーダーとしての自覚とスケールアップを促す白。 「たかだか色がどうしたっていうんだ」なんて少々あま〜く構えていた輩もさそがし驚いたことじゃろうな!
 ところで、ホワイトカラーについて力説してしまったが、「それなら七鉄さん、ピンク&ブラックやペパーミント・グリーンの立場はどこにいってしまうのでしょうか?」というスルドイつっこみをされるとわしも困ってしまうのお。 白じゃなくて真っ青になりそうじゃが、そろそろ酔いもまわってきたし、ここら辺で失礼するとしよう。ごきげんよう、さようなら〜。






七鉄の酔眼雑記
 七鉄の必殺レシピ〜♪

 先日ボケっとインターネットを閲覧していたら「最近のモテル男の十カ条」みたいな企画ページにサーフィンしてしもうた。 ついつい惰性で眺めておったら、ランキングの5番目ぐらいに「料理のできる男」ってのがはいっとった。 女性も大々的に社会に進出しておるこの時代、「料理は女性の役割」という風潮はもはや風化し、男性が女性に料理を作って差し上げるのは当たり前になったからなんだそうじゃ。
 このわしも自炊を始めて早や三年あまり。 最近ではその味が人様から御褒めの言葉を頂戴するようにはなったものの、女性にモテ始めた!なんてことは残念ながらないのお・・・。 まあ気を取り直すとして、若い諸君のためにわしのとっておきのレシピ(っていうほど大げさなもんでもないが)をひとつご紹介してしんぜよう。 日本人であるからには、何をオカズにしようとも、米を食わんと力が出んぞ!ってのがわしの持論なので、メシ類、それもみんなが大好きな(?)中華炒飯(チャーハン)でいくぞ。
 まあここは料理ページではないんで、大事なポイントだけを列記しておこう。 これをやるだけで味が劇的に良くなって、中華料理屋さんの炒飯の味に近くなるぞ。

@炊いた米を水洗いする ← 炒飯は米の炒め具合が命!少々かためにパラリと仕上げるには、炒める前に炊いた米を水洗いをして、十分にほぐして米粒同士をバラバラにしておくこと。 その後5分ぐらい水切りすることも忘れんようにな。
Aハムや焼き豚は細かく切り過ぎないこと ← 具となるハムや焼き豚は適度な大きさを保つこと。 細かく切り過ぎると、炒める際に中の脂がしみだし過ぎて調味料の味が変わってしまうのじゃ。
B調味料は「味征」と「ネギ油」 ← 塩コショウ以外の味付けは、“中国の味の素”と言われる「味征(ウィーパー)」がよろしい。 さらに仕上げにネギ油を一滴垂らすと全体の風味も増してより食欲を駆り立てることになるじゃろう!

 この3つを実行するだけで味のグレードがアップすること間違いなしじゃ。 炒飯と一緒に野菜も食べたいという方は、レタスに包んで食べればよろしい。 「味征」で仕上げた炒飯とレタスは驚くほど相性がええぞ。 色添え、口直しの漬物は定番である紅生姜でもええが、色も味もどうも嘘っぽくて品がないんで、わしとしては芝漬けの方がオススメじゃ。 
 この七鉄流中華炒飯を是非とも試してみて、ヨメさんや恋人を感心させてみてはいかがかな? ロッカーとキッチンってのはイメージ的にしっくりこんかもしれんが、たまには男の意外性ってもんを発揮するのも評価を上げるコツじゃ!

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