ROCK FIREBALL COLUM by NANATETSU Vol.61


 このところ女性ロッカー、いぶし銀ロッカーと、ロッカーの人間性にマトを絞ったテーマで迫っておるので、この際第三弾といきたい。 そんな折に、新作ナッソー3種オメミエ〜のグッドニュース! 諸君にとってはナッソーをカマす本格的なオシャレシーズン突入を宣言されたようなものじゃ。 季節は情緒溢れる秋。 イケイケな夏とはちごうて、エモーショナルなナッソーを羽織って、素敵な女性とじっくりと輝かしい将来でも語り合ってみたいもんじゃのお。 そこで「ロック人間シリーズ」第3弾は、「ロックスターを支えた賢夫人セレクション」じゃ。
 何かと派手な色恋沙汰の多いロックの歴史の中でも、賢いご夫人はしっかりと存在しとる。  「賢い」の意味合いが一般社会とはチト違うがな。 まだ独身の輩がおられたら、ジーン&エディでもBGMにしながらゴキゲンに未来の理想の花嫁を思い描いて読んでいただき、その気分のままでナッソーをセレクトするのもなかなか乙なもんじゃぞ。
 しかし難しいのは、本当の賢夫人かどうかなんて、嫁さんをもらったご本人にしか分かるはずもないってこと。 しかも「ロックスター」の奥さんとなりゃあそのご苦労は大変なものとお察し出来るから、奥さんの側からいわせりゃ「真実も知らないくせに勝手なこと言わないで!」とお叱りを受けそうじゃな。 じゃがわしらファンからすりゃあ、憧れのロックスターの奥様もまた同じく憧れの存在なんで、わしの勝手な意見とはいえ、誠意を込めて書かせていただくのでお許し願おう。 
 もし諸君が「○○ちゃんと△△ちゃんと、どっちにしようかなー」なんてエラソーに悩んでおるなら、ぜひ参考されよ! ただし、諸君が下した最終的な嫁選びの結論にはわしは責任はもたんからな!



君の理想の花嫁はいるか?! ロックスターを支えた賢夫人セレクション
  
 本題に入る前に「賢夫人」たる資格、タイプじゃが、ロックスターの数だけ恋の数もあるってことで、異なるいくつかの賢夫人像を集めてみたぞ。 70年代ぐらいまでは、ロッカーの奥様どころか、家族についての記事なんて日本では滅多に読むことができんかった。 しかもたまに奥様インタビューなんかあっても、その大半は「彼は私のことをどれだけ愛してくれてるか」なんてことが延々と語られていてうんざりしたものじゃった。 わしの設定する「賢夫人」の最低資格とは、そんな「おのろけ」をほとんど語ることなく、夫のロッカーとしての真実を読者に伝えようとしていたご夫人方、ということも必須条件として加えておくぞ。


天使か悪魔か? 淑女か悪女か? 永遠に正体不明のロック界の“ファーストレディ”

●プリシラ・プレスリー
 まずは何はともあれ、エルヴィス夫人のプリシラさんから。 このお方ほど世界中で有名で、それでいて真実が分からない女性はおらんじゃろう。 この機にプリシラに関する過去の記述を洗い直してみたが、著者の想像、空想の域を出ていないものがほとんどという気がするのお。 実際のところ、自宅の時計の針ひとつ動かすことのできなかったお姫様だったとしても不思議はないが、ほんの一時期エルヴィスに安らぎを与えていたことだけは確かじゃから、わしはもう余計な詮索はしないことにした。 それがファンのエルヴィス&プリシラに対するひとつの礼儀じゃろう。



スーパー・シンガーに愛された我らが大和撫子


●マチ・ロジャースさん(元ポール・ロジャース夫人)

 さてお次は日本人女性にいってみよう。 マチ・ロジャースさんは、ブリティッシュ・ロック史上最高のブルース・ヴォーカリストとして讃えられておるポール・ロジャースの元奥様じゃ。 71年にポールの所属するバンド、フリーが来日公演を行なった際に、プロモーター側のお仕事でポールと知り合い、ポールが一目惚れしたっつう女性じゃ。 一説によると、その1年後のフリー解散劇は、ポールと他のメンバーとの間でマチさんを巡っての恋のいざこざが原因じゃったらしい。 (マチさんは笑って否定しておったがな)
 マチさんは、映画女優だった野添ひとみの実妹。 フリー来日時は、まだ駆け出しだったフリーの若きメンバーの食事や観光などの世話を一手に引き受け、その日本人女性らしいきめの細かい内助の功的なサービス精神にポールはマイッチング・マチコセンセー状態! イギリスへ帰国したポールは、すぐに借金して家を買ってマチさんを呼び寄せたっつうからその情熱はスゴイ!
 マチさんの献身的な奥方業の甲斐もあって、ポールはやがてスーパースターへ。 夫が華やかに大出世してもマチさんの慎ましやかな生活態度は変らず、ポールが後に結成した人気バンド、バッド・カンパニーのメンバーに対しても家庭的なお世話を提供し続けたそうな。 まあロッカーの世界の中で、日本人女性の株をおおいに上げて下さった女性じゃ。 ポールの初めてのソロアルバムには「スペシャル・サンクス・マチ」とクレジットされておった。 家庭も夫もその仲間も大切にした賢夫人マチさん、庶民の男にとっても理想的な奥様じゃ。


苦悩する人生の過程で理想の同志に巡り合ったフレンチポップ界の歌姫

●ヴェロ二ク・サンソン(元スティファン・スティルス夫人)
 このお方は70年代に世界的に大ブレイクしたフレンチ・ポップス界の代表的なシンガーソング・ライターじゃ。 数多くいたかわいらしいフランス人形ちゃんではなくて、いわゆる知性派シンガーの筆頭であり、生と死を鋭く掘り下げた文学的な作風が、欧米でウケておったな。 またフランス本国では、インテリを自認する著名な男性陣がひっきりなしに彼女を口説こうとしていたらしい。 
 そんな彼女がパートナーとして選んだのは、当時アメリカの社会派フォーク・ロック界のスーパースターだったスティファン・スティルス。 おそらくお二人は、くる日もくる日も、人生、哲学、天下国家に関してアーデモナイコーデモナイ、ウンタラカンタラと飽くなき激論を交わしておったんじゃろうな。 何とも難しそーな会話で付いていけんが、わしだったら新作ナッソーの話をしたいもんじゃがの〜。 歌姫とロックスターのカップルにしては珍しい、理想的な“同志結婚”と言われたもんじゃった。 
 何でも新婚当初から、朝目覚めるとドミニクはいきなり「この高度な文明社会においてアタシという人間の果たすべき使命は・・・」とか人生哲学論をおっぱじめ、スティファンはそれに応えるようにおもむろにギターを抱えて即興で一曲作ったりしていたそうじゃ。 ったくなんつう新婚さんじゃ、こわ〜。 後年離婚することにはなるが、恨みつらみも含めて、2人の作品の中にはお互いの存在、影響力が色濃く反映されていたらしい。 籍は抜いても、魂は繋がっているってことじゃろう。


良妻賢母へと大変身を遂げた元ダイアモンド・モデル

●ジェリー・ホール(元ミック・ジャガー夫人)
 ジェリー・ホールといやあ、超美人モデルをぎょうさん掲載する有名ファッション誌「ヴォーグ」の表紙を飾ったこともある泣く子も黙る(?)スーパー・モデルであり、ミック・ジャガーの前はロキシー・ミュージックのブライアン・フェリーの恋人でもあった。 ロキシー・ミュージックの名作「サイレン」のカヴァーを飾ったり(写真右→)、ブライアンのソロ作品のプロモビデオ(1分56秒あたりからご登場。 ゾッとするほど美しい!)でもフューチャーされていたトビッキリの美女じゃ。 
 そんな華やか極まりない経歴の女性が、ミック・ジャガーの恋人になると、あまり表舞台には出てこなくなり、スーパースターの家庭を守りぬく素晴らしき奥様に大ヘンシ〜ン。 なんというデキタ女性なんじゃろう、エライ! モデル嬢なんてみんな異常な自己顕示欲のカッタマリ!と思うとったが、こんな聡明な女性もおるんじゃのお〜。
 同じような恋の遍歴の持ち主では、ジョージ・ハリスンとエリック・クラプトンを虜にして、ご両人それぞれに「サムシング」「いとしのレイラ」っつう名曲を捧げられた
パティ・ボイドという世紀のラッキーレディがおるが、こちらは良妻賢母とはいかなかった様じゃ。 パティ嬢は先天的にオツムがあまり・・・という評判じゃった。
 しかしジェリー嬢に関して驚くのは、家庭に入っても、子供を産んでも、その美貌は一向に衰えることなく、ますます光り輝いていったことじゃな。 たまにミックと一緒にパーティーに顔を出しても、ミックを完全に食ってしまうほど周囲の視線を集めておった。


後追い自殺によって「悲恋物語」を完結させた炎の女神

●パメラ・コースン(ジム・モリスンの恋人)

 「あなたは職業の選択を間違ったのよ」−ドアーズのジム・モリスンの恋人だったパメラは、事あるごとにジムにそう忠告していたらしい。 ジムの詩作能力を誰よりも高く評価していたパメラは、ジムにロックスターではなくて詩人として生きてほしかったという。
 文学への深い造詣があり、また料理や裁縫の名人だったパメラを、ジムは恋人というより「コズミック・メイト」(宿命的恋人、宇宙的友人)と呼んで愛した。 ジムの優れた試作の根底には常にパメラへの愛があったんじゃ、とだけ書いておけば、パメラという女性は賢い女神のような存在となるんじゃが、トンデモナイ! 
 実際のパメラは、猛り狂う炎のような凶暴さも兼ね備えていた女性だったようじゃ。 ジムの創作活動の邪魔になるからと、ある時はジム愛飲の酒や常用のドラッグを捨てるんじゃなくて、自分で先に平らげてしまうようなストロングな女性だったらしい。 当然その後は凄まじい喧嘩となるんじゃが、ジムとパメラはそんなこともしゅっちゅうやっとったらしい。
  いずれにせよドアーズが活動していた頃のジムとパメラは「現代版ロミオとジュリエット」としてロマンチックに語られていたものの、ジムの急死から約3年後、パメラも実質的な自殺によってこの世を去ってしまった。 こうして2人の悲恋の物語はロック界の伝説となったのじゃ。 シド&ナンシー顔負けのカップルじゃのお〜。



 その他、わしの記憶に残っておるのは、ポール・マッカートニー夫人の故リンダ・イーストマン。 会計士の父親をもつ元カメラマン女性であり、ポールと結婚した後は一緒にステージに立ち続けて、まさに公私に渡ってスーパースターを支えたスーパーウーマンじゃった。
 また元著名なファッション・モデルだったデヴィッド・ボウイの元夫人
アンジー。 ストーンズの名バラード「哀しみのアンジー」のモデルにもなったが、ボウイと一緒に日夜乱痴気騒ぎに興じて、ボウイに異常な精神世界への扉を開いてやったと豪語していたのには驚いた。 それをまた暴露本(写真右→)にされてもボウイはそれを擁護する発言をしておったから、アーティストの恋愛観ってのはよう分からんな。 わしも死ぬほど酒を飲ませてくれるレディに出会いたかった・・・っつうか、出会わんでも飲んどるわい!
 にっぽんの明治女のような芯の強さで有名だったのは、オノ・ヨーコの前のジョン・レノン夫人だった
シンシア・パウエル。 ジョンに捨てられた後も文句ひとつ言わず、金銭的にも息子ジュリアンの養育費以外一切請求しなかったっつう気高い女性じゃ! 本年春に出版されたジョンとの思い出を綴った「ジョン・レノンに恋して」は、前述のアンジーの作品とは正反対で、ジョン・レノンの貴重なドキュメントとしてまとめられている。 美しいプライドをもった女性じゃ。

 最後に変わりダネをひとつ。 難解な歌詞と先鋭的なアートサウンドでロック界を震え上がらせたプログレ・ロックの雄、キング・クリムゾンのリーダーだったロバート・フィリップの奥様トーヤ・ウイルコックス。 トーヤ自身も元シンガーで、奇抜なファッションとヘンテコリンなダンス音楽で一時期活躍しておったが、ロバート・フィリップに見染められてからは家庭にこもり、ミートパイを焼く名人となったらしい。 
 ロバート曰く「トーヤは私のカワユイ奥さんだ。 彼女のミートパイは芸術品だ」。 ったくよくもまあシャアシャアと! いつも化学研究者みたいなコムズカシイ顔をしてたくせに、なにがミートパイじゃ、うらやましい!(笑) あのカタブツ・ロバートを家庭的な男にするとは、トーヤ奥様は偉大なりってとこじゃな。
 
 とまあ、いろいろといらっしゃる内のほんの一部を紹介した訳じゃが、どうじゃい、み〜んなそれぞれに超魅力的じゃろう。 こういう女性には絶対にTHE−KINGファッションをキメたところを見せつけたいもんじゃのお。 そのパワーのお蔭で言い寄られたとしても、その後のお相手を続けるためには死ぬほど努力せんといかんけどな。 わしはもうシンドイんで、諸君の中からそんなビッグな男が出てくることを期待しておるぞ!
 しかしまあ中には「どこが賢夫人なんだ?」と思われる女性もおったじゃろうが、諸君、忘れてはならんのは、スーパーロッカーと一般人では住んどる世界が違うんじゃよ。 現実も常識も違うんじゃよ。 狭い視野だけで彼女たちの優劣を云々してはならんぞ。 視野を広げてロッカーとしてスケールアップするためにもTHE−KINGでお買い物をするように!




七鉄の酔眼雑記 
 
  
 夏から秋への季節の変わり目じゃが、諸君は体調にお変わりござらんか。 わしはこの時期、実に丸3年ぶりに寝込むほどの風邪をひいてしもうたわい。 ゆっくり静養しとりゃいいものの、床ずれを起こすほど布団に入っておるのは大の苦手。 ゴホゴホ、ゲホゲホやりながら、あっちのものをこっちにやったり、くだらないミニ整理なんざやっとったら完治までしっかり10日もかかってしまったわい。
 大急ぎで仕上げにゃならん仕事がある訳でもなし、どうしても行きたいライブがある訳でもなし、おとなしくしているのが良策であることはわかるが、どうにも悔しい。 何が悔しいって、風邪をひいていること自体が悔しいのじゃ。 咳と風邪薬でノドや口ん中が荒れてしまって、酒もタバコもまずい! しかしまずいけど止められん。 だからそのまずさゆえに気分は益々不愉快になってくる。 何をやっとるんだろうねえ〜わしも。 こういう時は「お酒もたばこもだめですよ」って優しく親身になって介抱してくれる賢夫人のおらんチョンガーってのは惨めじゃな。

 こんな憂鬱な時に、ヘンテコリンな話題をもった友人が見舞いにきおった。 見舞いは大変ありがたいのじゃが、友人は開口一番「エルヴィスがずっと生きていたと仮定してさ、老人になってもロックン・ロールやってるってパロディ映画があるらしいんだけど、オメエさんタイトル知ってるか?」
 「ざけんな、どあほっ!そんなもん知るか!!」って、血圧じゃなくて高熱が出そうなくらいに怒りそうになったが、ヤツの右手に寿司の折詰をめざとく見つけたわしは、「ほほお〜なかなかよさそうな寿司じゃのお〜」ってコロリと機嫌が直ってしまったわい。 幾つになっても意地汚・・・じゃなくて食欲旺盛と言ってくれい!
 で、友人の言ってた映画じゃが、そんなのあるんか? とりたてて観てみたいとも思わんが、諸君の中で知っとるお方がおったら、とりあえずタイトルだけでも教えてくれんか。 友人への「お見舞い返し」ということで、情報提供をお願いしたい次第である。


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