ROCK FIREBALL COLUM by NANATETSU Vol.59


 もはや神がかり的THE-KINGの新作、スバラシすぎてためいきしかでん方もおるじゃろうな! さらにジェームス・バートン御大がTHE-KINGオフィスにお越しなされたとなりゃあ、もうわしの出る幕はない! THE-KINGのファンにとって最高のダブル・サプライズ、そんな至福の時にわざわざこのページまできてくれた諸君、誠に恐縮じゃ。 わしとしては何をかますべきか大いに悩むところじゃが、もうこの際じゃからドリーム・ナッソーをよりキメるために、男の創造意欲とお洒落願望をかき立ててくれる「ロック・エンジェル」たちについて語るしかなーい! “いい女”の視線を意識すること、これもまたロッカーのロック・スピリッツを磨くために必要不可欠じゃ!
 実はこのテーマ、以前から一度はやってみたかったのじゃ! わしの趣味の女性ロッカーたちでこのページを華麗に埋め尽くしてみたかったんじゃ。 しかし切り口をミスったり気を抜いたりすると、イロモノ&キワモノのページになりかねん。 またロック・スケベジジイの爆走ページになる危険性もある?! 格調高いドリーム・ナッソーで飾られたトップページを汚染しないよう、シ・ン・チョ・ウにいくぞ。
 どんな文化でも、その初期段階でまず第一人者、スターとなるのは男性陣の方が圧倒的に多い。 女性陣のご活躍はその後じゃ。 エルヴィスが登場した後、シーンに女性ロッカーが増えるまでに10年はかかったと記憶しとる。 じゃから、1960年代後半あたりが女性ロッカーの創成期に当たるじゃろう。 この時期にスポットをあてて、懐かしいロック・エンジェルたちに復活していただこう。



「ドリーム・ナッソー」をキメてデートしたい女性たち!
女性ロッカー創成期を彩った永遠のロック・エンジェルたち

 
 


 まずセレクトの条件として、ルックスにおいてわしの個人的な好みは出来るだけ度外視してみたいところじゃが 、男性が女性を選ぶ場合にルックスを完全に無視することは不可能と思われる。 そこで「多芸な女性」そして「売れすぎなかった女性」という条件を付け加えておこう。 「ロッカー」から「スター」になった女性でも構わんが、女性ロッカーの場合はゼニがたんまり入ると、どうしても人生の後半は「貴婦人」にヘンシ〜ンしてしまうお方が多いんでな。
 では、男もビビる!女性ロッカー「ロック・エンジェル」のご登場じゃ! まあシャレとして、「ミスユニバース選考会」的な華やかさがあってもいいんで、形式として「国別セレクト」にしてみたのでお楽しみあれ。


●アメリカ代表(黒人)
  :ニーナ・シモン (ブルース・シンガー)


 このお方は、50〜60年代の全ロッカーにとっては神様のような存在のブルース歌手じゃ。 天下一品の歌唱力を誇ったエルヴィスだって、ニーナ女王様のブルース唱法を手本にしたっつうぐらいのお方じゃ。 “エンジェル”なんて気安く呼ぶのは失礼にあたるお方じゃな。
 黒人音楽の殿堂「ハーレム」の大スターだったことはいうまでもなく、“黒いダイヤモンド”と称された長身のルックスもまた独特であり、まだ黒人への偏見が残る時代から歌唱力も含めた黒人女性独特の魅力を惜しげもなく大衆に披露してみせた最初の黒人女性スターでもあった。 そんな勇敢な生き方もまた、世間の非難をまともに受けながら成長していった数々の男性ロッカーにとって憧れだった訳じゃ。
 一説によると、白人ロッカーのブルース・コピーを終生認めなかったらしいが、エルヴィスやエリック・バードン(アニマルズ)ら、ごく一部の白人シンガーに限っては讃辞を惜しまなかったとも言われておる。


●アメリカ代表(白人)
  :グレース・スリック (ロック・シンガー、政治活動家)



 60年代後半にアメリカ西海岸のロックシーンを征服していたバンド、ジェファーソン・エアプレインのシンガー。 野郎どもを従えてロックバンドで華々しく歌いまくった最初の女性じゃろう。 歌うだけではのうて、強烈なリーダーシップでバンドを取りまとめる姉御のようなキャラの持ち主でもあった。  「サウンドとセックス出来ること。 それがロックってもんよ!」なんて過激な発言もイカしておったのお。 メイド喫茶あたりをフラフラしとるオタク野郎を一喝してほしいような逞しい女性じゃった。
 また“自由と新しい価値観”をアジテ―トするステージの姿も実にカッコよかった。 男性だけではのうて、女性ファンも多かったと記憶しとる! 「ウーマンリブ」(女性上位)が声高に叫ばれた時代だっただけに、グレース姉御はまさに時代の申し子的な存在じゃった。 同時代にジャニス・ジョプリンというロック・クイーンがおったが、ジャニスはロッカーというよりデビュー当時から“伝説の巨人”ってな感じだったので、今回のご登場はご遠慮していただくことにした。


●ドイツ代表
  :ニコ (シンガー、ファッション・モデル、女優)
 



 ヨーロッパ各地のファッション・ショーやファッション雑誌を荒らしまわったり、アングラ映画に出演したり、人気絶頂時代のアラン・ドロンの子供を産んだり、アメリカ人映画監督の何人かから「ニコを連れてこい。 どこにいるんだ!」と過激なラブコールを送られたり、とにかく正体不明の話題先行型のブッ飛んだお方じゃった。
 ロック界への参入は、67年にヴェルヴェット・アンダーグラウンドのデビューアルバム(あのバナナ・ジャケットのやつ)でのゲスト出演からじゃ。 それを機に、ロックとオペラと詩を合体させたような奇妙なアルバムを何枚も発表しておった。 既成のモラルや時代の流れにとらわれないその自由奔放で先鋭的なアクションは、アーティストを自称する数多くのロッカーから愛され、彼らのアルバムでの客演も少なくない。 
 180センチを超えるスレンダーなボディ、絹のように柔らかく長い金髪、暗闇の奥から鈍く光るような瞳、くぐもった呪文のような歌声、ニコ・オネータマはまさに「ミステリアス・エンジェル」を地でいくような女性じゃった。



●イギリス代表
 :マリアンヌ・フェイスフル (シンガー、映画女優、舞台女優)


 今回の人選の中では唯一の美女。 といってもそれはデビュー当時だけのオハナシじゃ。 「貴族出身のお嬢様」「ミック・ジャガーの麗しの君」とかいうキャッチコピーで売り出され、最初はロマンチックなポップスをお上品に歌っておった。
 ところが、ドラッグで一時は廃人同然となり、70年代後半にシーンへ復帰した時はドスのきいたダミ声でオリジナル・ブルースやトラディショナル・ソングを切々と歌う超個性派シンガーに大変身。 ルックスも場末のストリップ小屋の女幽霊のような変貌ぶりで、とてもじゃないがかつてのマリアンヌと同一人物とは思えんかった。 世界中の音楽業界で、この人ほど180度キャラを転向させたアーティストはおらんじゃろうな。
 わしの古い友人で、それなりにマリアンヌに近しい業界人は「あの人ほど、ロック界の天国と地獄との両方を生きてきた人はいないだろう」と語っておった。 諸君も興味があったら是非アルバムを聞いてみてくれ。 友人の言葉が真実であることがよお分かるぞ。



●カナダ代表
 :ジョニ・ミッチェル(シンガー、ギタリスト、画家、写真家)

 このお方は「ロック・エンジェル」というより、数多くのロッカーから「ロック界のミューズ(音楽の女神)」と称されたほど豊かな才能を誇っておった。
 ロック、ブルース、ジャズ、スタンダードポップスなど、音楽の大海を自由に遊泳するスケールの大きい才能はポップス史上随一。 それ故にジミ・ヘンドリックス、ボブ・ディラン、ジョニー・ウインター(ブルース・ギタリスト)、ジャコ・パストリアス(ジャズ・ベーシスト)ら、各界の巨人からのラブ・コールが絶えなかったほどじゃ。
 音楽のみならず、試作、絵画、写真の才能にも恵まれており、ここまでアートの神様からの寵愛を一手に受けた女性はなかなかおらんじゃろうな。 容姿? う〜んご覧の通りにこれだけは好みが分かれるといった感じじゃが、容姿云々を超越して(?)男性ロッカーを虜にしたロック史上に残る女性じゃ。 アメリカの音楽誌ローリング・ストーン紙が選ぶ「20世紀ギタリスト・ベスト100」の中では72位にランクされた(低すぎる!)ほどの優れたギタリストでもあったんじゃ。



●日本代表:
  梶芽衣子
(かじめいこ) (映画女優、シンガー)

 
ぇえっ?! にっぽんだいひょう〜??とうろたえるでないっ! まあ日本国内に限ったハナシじゃが、当時はまだ数少なかった日本のロッカーたちにとっての日本人女性のエンジェルがこのお人じゃ。 同世代ではヨーコ・オノが世界的に有名じゃが、ジョン・レノンのヨメサンなんで今回はご辞退(?)いただいておこう。
 梶芽衣子殿は、70年代初頭からスタートした映画「女囚」シリーズ、「野良猫ロック」シリーズなどで、眼光鋭い視線とわずかな台詞だけで観客の目をスクリーンに釘付けにしておった女優さんじゃ。 今時の言葉で言えば“クール・ビューティー”ってやつのハシリ的な存在じゃった。
 ロッカーとは言えんものの、女性の暗い情念をテーマにした彼女の歌もまた、ロックとかポップスとかのジャンルの枠を越えた格別の味わいがあり、ロッカーだけではなく、とかく無頼派やはみだし者を自認する輩からは絶大な人気を博しておった。 
 ちなみに、現代映画界の鬼才 クエンティン・タランティーノ監督は彼女の大ファンであり、最新作「キル・ビル」のサントラに芽衣子様の歌を使用しておる。



 
しかしまあ、こうやって一同にお越しいただくと、皆さんスゴイ才能やキャラの持ち主ばかりじゃ。 男性ロッカー顔負けじゃよ。 先述したが、60年代後半は世界的に「女性上位」を唱える社会運動が活発になった時代であり、そんな風潮に乗ってロック界、ポップス界にも続々と優秀な女性が登場してきおったもんじゃった。

 ロッカーに限らず、最近の女性アーティストってのは、男の勝手な幻想を駆り立てるイメージ作りばかりを優先し過ぎており、インタビューなんぞ読むと「なんじゃい。 素はフツーのレディじゃのお」ってお方が多い。
 その点、今回ご登場いただいた6名様は、カラダ張って自分の真実を表現しておったから、その人特有の美しさをまとっていたような気がするのお。 男性ファンにとっては勝手な幻想などは許されず、彼女たちが作り上げた世界にひきずり込まれるような快感と恐怖とを味わうことが出来たもんじゃった。 (わしは決してM男くんではないが)
 わしにとっての“いいオンナ”ってのは、こういう方々じゃよ! マーガレット嬢? やかましいわい、どあっほっ! 彼女は現実の世界の存在じゃ。
(まあ身近な存在とまではいかんかったがのお〜) しかしこのような“イイ女”にお会い出来る機会があるならば、わしはスーパー・ドリーム・ナッソーを必ずゲットするじゃろうな! そして今後もお洒落に益々気合が入るってもんじゃがのお〜。 諸君も身近な女性だけではなく、時にはおいそれとは手におちん“いい女”をイメージしながら、己のロックスピリットをTHE-KINGのアイテムでもって磨いてくれ! いい女と巡り合った際には、わしにそぉっと報告することも忘れんように。 




七鉄の酔眼雑記 
 
  
  毎年この時期になると思い出されるのが、2000年9月11日に起きた「ニューヨーク同時多発テロ」じゃ。 ニューヨークの摩天楼の一画に聳え立つワールド・トレード・センター・ビルに、ハイジャックされた飛行機が突っ込んだという前代未聞の大惨事じゃ。
 当時のわしはタイの首都バンコクにおり、事件当日の夜は大変お世話になっていたお方の誕生日パーティーの予定じゃった。 あの事件がわし個人にとっても忘れ難いのは、パーティー会場のあるビルの名前が、偶然にも同じ「ワールド・トレード・センター・ビル」だったからじゃ。 大事件の衝撃が冷めやらぬうちに始まったパーティーはさすがに盛り上がらなかった。 被害者とその家族の心中を思えば「バンコクのワールド・トレード・センター・ビルではなくてよかった」などとダジャレをかますこともできない状況だったのじゃ。

 さらに衝撃的というか、わしが怒りにうち震えたのは、事件から二週間も経たないうちに悪魔のような噴煙に包まれて崩壊するワールド・トレード・センター・ビルがデザインされたTシャツを着た某外国人グループにバンコクで出くわしたことじゃった。 「ブラック・ジョークにもほどがある!」どころではない。 わしは心底から「もう世も末じゃ・・・」と絶望的になったものじゃ。 悲劇だろうが大惨事だろうが、何でもかんでもメシのネタにしてしまい、またそれに金を払うという倫理観のかけらもない者どもが存在するその現実に絶望したのじゃ。

 ガラにもなく(?)シリアスで迫ってしまったが、「9.11」当日の情景と心情、それにあのTシャツ野郎たちの醜い姿がフィードバックする少々憂鬱な秋口に、今度は「汚染米流通」じゃとお〜? ひえ〜、米も焼酎も喰らえん時代になってしまったのか?! こ、これはもう、体内の解毒、消毒作用を強化するために、もっともっとアルコールを摂取せんといかんなあ〜ってなんつうオチじゃ。 



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