ROCK FIREBALL COLUM by NANATETSU Vol.54



 酒を知ってロックを知る! 前回は日本のビールとロックシーンの軟弱なブームに、闇から一撃を加えて(?)やったぞ! 他でもない死ぬほど好きな酒とロックへの愛の警告じゃ。 すかさず第二弾もかまさんと七鉄の名がすたるってもんじゃ! これぞ七鉄の十八番(おはこ)じゃよ。
 さて今回のターゲットは酎ハイじゃ。 わしの酒好きの友人がうまいことを言っておった。 「缶酎ハイなんてのは“中ハイ”だよ」と。 つまり中途半端なハイ状態(酔い)にしかならん、ということじゃ。 最近は酒屋さんでもコンビニでも、ビール類と並んでとにかく種類の多いのが缶酎ハイじゃ。 しかもパッケージを見ただけでは、酒だかソフトドリンクだかよお分からんもんが多い。 まあ中身の大体は、1本飲んだら胃袋が砂糖漬けになりそうな代物ばかりじゃ。 酒の肴類でも、従来の“味なやつ”は隅に追いやられて肴もどきの菓子ばっかしじゃ。 日本のアルコールを取りまく環境はいつからこんな「糖分大全盛時代」になってしまったんじゃ。最近は糖質なしとは言いつつアマったるいもんがあるから要注意でもある。
 これは最近のロックにも言えるぞ。 「あなたがいなければ私はない」なんて、どっかの“北の国”の気持ち悪い国歌と同じようなテーマを、大袈裟なシュガーコーティング(過剰アレンジ)で歌い上げるのがロック(もどき)の定番になっておる。 しかもやるヤツの面構えは、揃いも揃って「趣味は美容院通いで〜す ウフウフ」ってな甘っちょろい感じじゃ。 酒でもロックでも、“甘味”という要素は必要に応じて適度に加えられてこそありがたいものなのに、最初からガツンとかまされちゃあ“中ハイ”どころか、「悪酔い一直線」じゃぞ。 ここはもう一発吠えさせていただくぞ、諸君! 


◆酒とロックは時代の鏡〜その2◆

酒よロックよ、“甘味汚染”から抜け出してこい!
主張とこだわりこそ、新しい歴史を作る“凄み”を生むのじゃ!!
 

しの記憶では、酎ハイなるものが俄然注目を浴び始めたのは、今から約20年前じゃ。 世の中でライト嗜好が流行し、酒、たばこ、コーヒーといった嗜好品の味がどんどんマイルド化していた頃じゃ。 酒はウィスキーや日本酒よりも、何か別モノ、異物で割りやすい(薄めやすい)焼酎がもてはやされるようになった。
 異物とはいえ、当初はお湯、梅、シソぐらいのもんじゃった。 そこにフルーツ君たちが介入し始めてからおかしくなってきおった。 さらに炭酸やら人工甘味料がブチ込まれるようになったのが今日の「缶酎ハイどんちゃん騒ぎ」を招くことになったのじゃ。
 大体だな、果汁入りとかいって、そのほとんどは着色料バンバンの人工甘味料という噂が絶えんぞ! 胃袋が砂糖漬けどころか、着色料漬けになるぞ。 人間の着色は女性のお化粧だけで十分じゃ。 それに健康アルコールとか申して、単に口当たりを良くしてぎょうさん飲ませようって魂胆じゃろうが。 どこが健康じゃドアホッ!
 もともと焼酎というのは、日本人の身体に合った、お米や麦、おイモちゃんといった良質な穀物から作られ、適量で適度な酔い加減をもたらす本当の意味での健康アルコールじゃったのに、今や不健康な加工酒の原料になってしもうた。

回、ロック界にプロデューサーが過剰に加入するようになってからサウンドがおかしくなってきたと書いたが、そのおかしくなりようってのが、まさに酎ハイのソフトドリンク化同様の、大砂糖漬け化じゃ。 つまり、「そんなことまで歌にすんじゃねーよ!」ってドツキたくなるような羞恥心のない大袈裟でチンケなラブソング化ってことじゃ。
 わしはラブ・ソングは嫌いじゃない。 
LOVE ME TENDERにおいては5万回は聴いとるのぉ。昔っからロックの歌詞の大半はラブ・ソングじゃ。 じゃが「叶わぬ思い」の辛さを周囲にまき散らすのではなく、ロックのノリとそいつがもたらすエクスタシーの連発で「叶わぬ思い」を突き抜けて別次元の境地まで突っ走るのがロックじゃ。 自分勝手な思いを執念深く追いかけるのは、今やストーカーとかいって変態、罪人扱いされるんじゃねーのか? ロックを変態音楽にするなっちゅうの! まあ変態ってのは言いすぎたが、自分の思いを切々と伝えるのはポップス(日本なら歌謡曲、演歌)にお任せするべきであって、ロックにはロックの世界があるってことじゃ。 
 そして酒には酒、ソフトドリンクにはソフトドリンクの領域ってもんがあり、ここら辺の線引きが実に曖昧になってお互いのきちんとした棲み分けが出来ていないってとこが、日本の酒およびロックの正しい現状であ〜る。  
(ふぅ〜なんとか平和的にまとめてみたんじゃが、お酒の飲めない人、ラブソング命の人、失礼な発言があったらお詫びする)
 ちなみに、酒をお子ちゃまドリンク化しておきながら「お酒は18歳から」なんて強調するのはどういう了見じゃ、まったく。 お子ちゃまが気軽に飲めんような酒本来の味に戻した方がよっぽど教育的によろしいではないかい!?


てここで、諸君に耳寄り、いやショッキングな情報をお伝えしておこう。
 諸君は先進国にっぽんの国民として、多少なりとも自らの国民性に誇りをもっておるじゃろう。 もっと平たく言えば、同じアジア圏内にある発展途上国の国民に対して優越感をもっておるじゃろう。
 ところが、ロックのポップス化、酒のソフトドリンク化ってのは、日本よりも発展途上国から先に始まったのじゃ。 学術的に正確に言えば、ポップスのロック化、ソフトドリンクの酒化になるんじゃろうが、わしに言わせればどっちでも同じことじゃ。 先進国にっぽんと途上国の嗜好が同じになってきているということじゃ。 自分より格下だと思っていた相手のレベルにまで日本人は後退しておるのじゃぞ。
 この事態に対して、焦ったり、嘆いたりしてもしょうがない。 これは一体どういうことだと思う? 要は特異嗜好集団(場合によっては特権階級)以外で、ロックを楽しむ、酒を楽しむ、という文化や習慣が日本にはなかったということじゃよ。 文化が出来上がらなかったということは、一時の流行、もしくはマイノリティ(少数派)な嗜好品に過ぎなかったということであり、だから大きな実態を築き上げる前に、お子ちゃま文化(お砂糖文化)に乗っ取られてしまったのじゃよ。 日本が世界一イケてる国だ!なんて信じておる輩がいたら、是非とも認識をあらためてほしいぞ。
 THE-KINGブランドは、裏の裏の路地裏を走るロック・ファッション・ブランドとして世界有数のイケてるブランドではあるが、それは今の日本では国宝級とまでは言わんが、非常に有り難くも珍しいことであり、そいつを追っかける諸君の感性というのはもっともっと讃えられて然るべきじゃ!

 元々欧米の音楽であるロックはまだしも、日本独自の酒の方の文化はあったんじゃないのか?という冷静なご指摘もあるじゃろうが、わしがズバリ!お答してしんぜよう。 次の有名な歌のタイトルを覚えておるか? 「酒は涙か溜息か」「酒と涙と男と女」。 つまり日本において酒ってのは、庶民レベルでは極めて「一夜限りの鎮痛剤」だったのじゃ。 
 また一時期「飲みニケーション」なんて言葉がおおいに流行って、アフターファイブに大勢の者で飲みに行くことがヨシッ!とされた風潮も確かにあった。 しかし所詮は職場内の人間関係を良くしたり、仕事の契約をとりつけたりする手段としての酒に過ぎす、どちらもとても文化を作り上げられるような習慣ではなかったのじゃ。 まあほんの30〜40年までは豊かな国ではなかったので、これは仕方のないことではあるがのお。


のハナシはまあさておき、ロックファンである我々はまだまだ日本では無勢であり、多勢ではなかったのじゃ。 マイノリティなのじゃ。 そんなことは先刻ご承知だったかもしれんが、無勢は多勢には勝てはせんぞ。 のほほ〜んとしておったら緩やかに滅びてしまうのがオチじゃ。 諸君、それではあまりにも悲しいではないか! 長年にわたってロックにこだわり続け、素晴らしい!と感動し続けたならば、それは後世に伝えてこそ意義ある感動!ってことになるのじゃ。
 じゃが、ロック誕生から50余年、日本では今だにマイノリティであるロック・ファンが、じゃあ文化を作ろうぜ!って声高に叫んで、似た者同士集まって大騒ぎしながらロックへの忠誠を誓いあっても今更何も変わらん。 無勢同士が肩寄せ合っても、世間を変えることは出来ないのじゃ。

 ここはひとつ、ロック同好会的な小さな群れから離れて孤独になり、自分一人でどこまでロック・ライフをキメられるか、やってみようではないか。 理想のスタイルは左に見える若き日のエルヴィス! ええ面構えじゃのお〜。 オレのロックに文句あっか!って感じて、キメにキメたファッションは、偽物を拒絶して、真の同士を惹きつけるオーラがドップリある。 このまま一人ふらりと酒場に入ったら、“中ハイ”なんざを出すドアホなバーテンなどはおらんだろうな!
 こういう一本ビシッと芯の通った孤独な男のカッコよさってもんがロッカーが本来もっておったカッコよさじゃ。 女性の視線を思い浮かべながら美容院の鏡をニタニタ見ているヤローとは対極のカッコよさじゃ。 THEーKINGブランドを愛好するイカス諸君だったらデキルというか普段どおりでええ! そんな男がストリートに増えれば、下らない酒が作り続けられる風潮も下火になるとわしは信じておるんじゃがのお。 うん、やはり酒とロック、ロックとTHE-KINGは一心同体じゃ。 

 ええか諸君、モノホンのロッカーのカッコよさってのをこのにっぽんで、まずは独りでキメてみせてくれ! イキなサウンドはロックンロール・スターたちがレコードで残してくれた。 ファッションの方はTHE-KINGをはじめ優れたブランドがある。心配ない! 唯一無比のサウンドとファッションが一体化した文化がフィフティーズ・ロックであり、それを男一匹で後世に伝えていこうとする気概こそ、諸君たちに求められる姿勢であり、そして使命なんじゃよ。 独りでいてキメられるオトコには、必ずいいオトコ(最高の同士)が集まってくる。 それが真実の力強い和じゃ! 独りで酒場に行けんような情けない根性にロック魂は宿らんぞ! 
ピンクのネオン街の方はほどほどにな。
 ちなみに 本来の酒が市場に堂々と復活するまでは、わしは絶対にくたばらんぞ〜。 こっちの方はわしにまかせておけ〜(!?)。 酒場からつまみ出されようが、メーカーから無視されようが、ソフトドリンク化には終生異を唱え続けてやるわい!




七鉄の酔眼雑記   

 実は現在“旅の空”にいるわしじゃが、日本では洞爺湖サミットとかで、世界各国のお偉いさん方が集まってミーティングをなさっているらしいな。 中でも日本は「地球温暖化防止対策」のテーマをメインに掲げておるらしい。
 さてこの地球温暖化というヤツじゃが、危機感をもっておるもんがわしら庶民の中でどれぐらいおるか、はなはだ疑問じゃ。 年中同じ場所で生活していれば、地球全体の変化に気が付く訳がない。 しかもわしらは“地球がぶっ壊れてもロックンロール!”なんじゃからな!
 そんなお気楽人間たちが悪いと言うとる訳ではないが、これが勝手知ったる人様の国、つうか行き慣れた外国にいくと、異常気象状態というのが分かるんじゃな。 わしが今おる場所はかつて大変に世話になった亜熱帯地方じゃが、ここは日本のように四季はなく、あるのはうだるような暑さの乾季と、毎日ほぼ定刻にやってくるスコールがある雨季だけのシンプルな気候じゃ。
 ところが現在は雨季にもかかわらず、雨は来たり来なかったり、来てもスコールではなく、まるで日本の梅雨のようにじとじと降ったりもする。 気温だって、はるか北の東京よりも涼しい日もあるんじゃ。 あきらかに天空で異変が起こっており、しかもその異変の原因が我々人間の身勝手な生活習慣にある思うと、ノーテンキなわしもさすがにゾッとする。
 ご家族があり、子孫のことを念じながら日々暮らしておる方々は、こういう異変を自覚した時はさらに不安になることじゃろう。 子孫のためによりよい未来を願うのが人間として当然の姿勢じゃからな。

 ロックが人民思想改革やら天変地異やらの一種のコズミック(宇宙的)な姿勢を掲げることは、ロックのもつ本来のイノセント(無邪気)な楽しさを奪うことになることは歴史が証明しておる。
 が、しかしだ。 地球温暖化をもたらした過剰な文明の進化は、ロックが産声を上げたフィフティーズから始まっておるのじゃ。 この奇妙な偶然に気が付いた時、わしは考えてしまった。 別にロックの進歩が地球温暖化の原因の一端になった訳ではないが、ロックを通じてこの危機的状況に対して何かをやるべきなんじゃなかろうか、とシリアスしてしまったのじゃ。 う〜ん、旅をシンプルに楽しめなくなったっつうことは、わしも歳をとったのかのお〜。


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