ROCK FIREBALL COLUM by NANATETSU Vol.37

 今回のわしのコーナーのアイコンをクリックした諸君! 相当の通と見たぞ!! メンフィスのメインストリートであるビールストリートのとあるバーの看板じゃ。 そしてTHE-KINGの新作が「スターバースト・ペンダント」じゃ。 黄金のフィフティーズの興奮が蘇るこのラインアップの勢いにわしも触発されたぞ! これを機に一気に「スターバースト」ってキャラの真実を諸君に伝授してしんぜよう。
 アメリカの歴史上、燦然と輝くフィフティーズ・カルチャー。 そのまばゆいばかりの時代のラストを飾ったのは「宇宙ブーム」じゃった。 この時期に成長期を迎えた世代は「スペース・エイジ」とも呼ばれておる。 人類にとって夢のまた夢どころか、想像すらできなかった「宇宙」という概念、世界を、人類史上はじめて庶民のアタマん中に植え付けた衝撃的なブームじゃ。 ロケット、人工衛星、お月さん、お星様なんかが一気に身近な存在となり、その形が今で言う“キャラクターズグッズ”のデザインにどんどん投影されたのじゃ。 「スターバースト」はその中でもトップスターといってもいいぐらいの人気のあるデザインの素材だったのじゃ。


ロックとともに時代に花開いたキャラクター「スターバースト」。それは黄金のフィフティーズの終焉を飾ったロッカーズ・モデルじゃ!


 
50年代を迎えるとともに、アメリカとソビエトとの間で「どっちが先に人類史上初の人工衛星の打ち上げを成功させるか」っつう壮絶な宇宙航空戦争が始まり、これが「宇宙ブーム」のきっかけとなったのは言うまでもない。 その宇宙航空戦争の軍配はというと、1957年に「スプートニク」号の打ち上げに成功したソ連に上がり、それによって世界中で史上空前の「大宇宙ブーム」が爆発したんじゃ。
 当時は米ソ間の対抗意識が異常に強くて、宇宙航空技術で先を越されたアメリカの国家的悔しさはハンパじゃなかった。 それでも国家の敗北は「宇宙ブーム」の更なる爆発に水を差す結果にはならんかった。それはスプートニク号の成功が、国境なんざ小さい縄張り意識を越えて、人類にとってどれだけ衝撃的だったかを物語っているようじゃ。
 そう言えば、ミュージック・シーンでもスプートニクスとかアストロノウツ(宇宙飛行士)なんて名前のバンドが出てきたぐらいじゃ。 サウンドは全然宇宙的じゃなかったが、スプートニクスなんかは日本でも妙に人気があったことを記憶しとるぞ。

 さて、宇宙というものが身近になってくると、デカイ顔をしておいでなさるのが宇宙研究家とか宇宙科学博士とかいうセンセー方じゃ。 「月は自らは光を発しない」「地球の他に空気のある星は見つかっていない」なんて事から始まって、今思い出してみると随分とまあ初歩的な知識を並べ立ておって、そんなんでさぞかし法外な講演料とかTV出演料をふんだくっておったんじゃろうが、そんな事はどーでもいいが、彼らの宇宙解説の中でなあ〜んも知らん庶民が驚いた、ちょっとだけレベルの高い解説があった。それは「星というものは、爆発を繰り返すことで巨大化する」という宇宙空間特有の現象じゃ。
 爆発イコール破壊って単純に考えていた人類にとって、それは信じがたい理論だったのじゃ。 だからスターバースト(星の爆発)ってのは、破壊、消滅、ジ・エンドではなくて、再生、巨大化、リスタートってことになる訳でやがてアメリカでは、ポジティブで輝かしい現象、行動を言い表す言葉として認識されるようになったんじゃ。

 ところで驚くことに、「宇宙ブーム」の初期の段階で、既に「スターバースト」はデザイン化されて商品を彩っておったのだ。 サンフランシスコの陶器製造メーカーである「フランシスカン」は、1954年に発表したコーヒーのマグカップのデザインに「スターバースト」を使用しておった。 
 その他ではコカコーラのプロモボードに「スターバースト・ボトル」ヴァージョンっつうのもあり、これは1956年製。 時計メーカーのロンシャイン社が1956年に発表したスターバースト型の掛け時計もマニアの間では有名じゃ。 これらの形をイカす!と感じるかどうかは分からんが、「スター」や「スターバースト」が徐々にアメリカ社会にインプットされていく過程でキャラクター化の動きが現れてきて、その形は洗練されていって、最終的に今回のペンダントの形の「スターバースト」が完成したのじゃ。


 「爆発して大きくなる」という「スターバースト」のモチーフは、日常ではありえない爆発の論理であり、それはまた大人たちが教えてくれる常識とは正反対の論理でもあったのじゃ。 だからこそ、新しい自由な生き方を求める若者たちに爆発的に歓迎されたってことじゃ。 その昔、日本のCMに「みんな悩んで大きくなった」ってのがあったが、アメリカは「みんな爆発して大きくなった!」じゃ。 やっぱアメリカの方がカッコエエってもんじゃのお〜。
 そして重要なことは、「スターバースト」の全盛時代が、ロックの第一次黄金時代とピッタリと一致することじゃ。 これは“神様のセッティング”ともいうべき最高の偶然じゃ。
 スターとなって光り輝き、スケールアップするために爆発する!「スターバースト」はロックミュージックのエネルギー、スピリッツそのものなんじゃな。 「スターバーストとロックの遭遇」は、ロックの歴史を語る腕でも欠かすことの出来ない輝かしい事件だったのじゃ!
 さあ諸君、爆発して更にスケールアップする「スターバースト・ペンダント」をロッカーズ・スピリッツのシンボルとして胸元を輝かしく飾ってくれ〜い!


●オマケ●  この際だから余談としてもう少しだけ付記してしんぜよう。 「スター」や「スターバースト」がポピュラーになったら、次の話題は、キャラクター化するにはどうやって描くか?っつうことじゃった。 まず星の形じゃが、それはズバリ!今回のペンダントの形であるハーフアンダーの方が長いひし形となった。 それはアメリカ人が星を見たらその形に見えるからだそうじゃ。つまりTHE-KINGの「スターバーストペンダント」はアメリカにおける「スターバースト・キャラ」の由緒正しいオリジナルの形を使用しとるということじゃ。
 次に星の色じゃ。 夜空をよ〜く見ると星には様々な色があり、トレードカラーがなかなか定まらなんものじゃが、この問題をまあ〜るく収めたのもまた、「宇宙ブーム」によって明らかにされた「宇宙学」のひとつじゃった。 地球から肉眼で見た場合、「青く見える星は新しい星」「赤く見える星は古い星」という宇宙現象により、「どうせなら新しい方がいい」っつうことで星は青が相応しいってことになったんだそうじゃ。




七鉄の酔眼雑記   

 最近はスポーツ界の著名な若モンの傍若無人な言動が後を絶たんようじゃのお。 正直に言うとじゃな、わしは力のある若モンの奔放な言動っつうのは嫌いではないんじゃ。 「皆様のお陰です」ばっかし繰り返すお人形ちゃんよりも、多少クソ生意気な方がはるかに若モンらしい! ちょっと前までは亀田兄弟が話題を独占しておったが、リング上の反則行為は言語道断じゃが、あのパフォーマンスはカワイイもんじゃよ。 ロックの世界なんざ、もっとスゴイ発言が飛び交っておったぞ。
 ジョン・レノンは、こともあろうに「ビートルズはイエス・キリストより有名だ」と言い放ち、そのビートルズに対して後発のレッド・ツェッペリンのジミー・ペイジは「ビートルズって、冗談で演奏しているのかと思った」とブチ上げ、パンクの王者セックス・ピストルズのジョニー・ロットンに至っては「ビートルズもツェッペリンも、博物館にしまってカギをかけとけ!」とまで言いおった。
 これらは決して褒められた発言、姿勢ではない。 でもな、そこまで言ってのけるだけの資格が彼らには確かにあった。 その資格とは、言うまでもなく天下を取った!っつうこっちゃ。シーンのトップスターになっただけではなく、彼らの存在そのものが、時代の象徴、社会現象の代表にまでなっておったということじゃ。 そこまで成りゃあ、世間をナメたコメントのひとつやふたつブチかましたって、そりゃ〜仕方ねえってもんじゃよ。 相撲の朝青龍が、ボクシングの亀田兄弟が、ゴルフの上田桃子が、果たして天下を取った若モンじゃろうか?これは、たいした実績もないのに、素質だけで話題を取れる若モンを過剰にノセようとしたマスコミの責任じゃ。

 マスコミ君よ、持ち上げるだけ持ち上げておいて、今度はバッシングかい?そりゃ〜ないじゃろっ! キミたち自身が天下を取るってことがどういうことなのか分かってないんじゃろうな。 長らく続くヒーロー不在のフラストレーションを、見苦しい話題作りの乱発なんかで発散しとらんで、スター育成学、ヒーロー創出学からしっかり学んだ方がええんとちゃうか?ってのがわしの偽らざる本音じゃ。


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