ROCK FIREBALL COLUM by NANATETSU Vol.31


 長いバカンスが終わり、旅ボケも消えていよいよ夏の到来じゃ。 いい歳こいていてもわしゃあ〜この季節がイッチャン嬉しい! ビールは美味くなるし、女性はセクシーに見えてくるし(オマエ歳はいくつだ!)、なんつってもストリートにはロックミュージックが溢れ、ロックファッションがガゼン注目されるからじゃ。 このシーズンのわしの酒量はハンパじゃないぞ!!(エラソーに言えるか!)
 ここはわしも一発、夏の風物詩である花火のような派手なヤツを打ち上げたいところじゃが、やっぱりその前に、ロックに関しては一般的に勘違いされとるようなモンを正すことをやっておきたい!  
 さあ〜て今回わしのターゲットは、真夏のストリートに飾り立てられるロックファッションそのものじゃ。 なんで日本の場合はロックファッションというと、いつまでたってもレザー、Tシャツ、ジーンズをベースにしたスタイルばっかりがフューチャーされるんじゃろうか。
 
一般的な日本人のイメージが、ロック・イコール・パンク、へヴィ・メタルってことになっとることもあるが、ここは日本にロックってものが入り込んできた当時の状況にツッコミを入れて考えてみることにした! な〜に、恐れることなどないぞ。 諸君なら「あっ、そっか。 そりゃそうだ」とあっさり納得できるハナシじゃよ。



七鉄のロック・ファッション・ヒストリー逆三段跳び!  
今は亡きROCKERSは、果たしてロッカーの原点だったのか(?!)


 レザー、Tシャツ、ジーンズこそロックファッション!というイメージは「100パーセントの間違い」ではない、と思う。 しかしそれは決してロックの王道ファッションでも、オリジナル・ファッションでもない、とも思う。 ロックの本場であるアメリカやイギリスでは、それは「バイカーズファッション」ってニュアンスでくくられておるぞ。 
 一般的な日本人がロック・ファッション・イコール・レザー、Tシャツ、ジーンズと認識しておるのは、「ロック・ファッション」と「バイカーズ・ファッション」がゴッチャ混ぜになって、それぞれの歴史やキャラの違いをはっきりと分類できていないからじゃ。 しかもかつてアメリカとイギリスに存在したバイクをブッ放して街中を暴れまくっておった「ROCKERS(ロッカーズ)」のファッションが、レザー、Tシャツ、ジーンズが基本であり、しかもROCKERSという名前を日本人は「ロック愛好者」みたいに早とちりしていたからロック・ファッション・イコール・レザー、Tシャツ、ジーンズっつう本筋を外れた認識になったんじゃろう

 まずオリジナルのアメリカ人版ROCKERSじゃが、最盛期は1952〜4年あたり。 これはエルヴィスがメジャーデビューする前じゃ。 つまり彼らはエルヴィスおよび、エルヴィスが創造したロック・ミュージックとは全然ムカンケイ! 第一、彼らはまだROCKERSとは呼ばれていなかった。 
特定のネーミングは無く、彼らの実態が映画化された作品の名前は「THE WILD ONE」(邦題は「乱暴者」)じゃった。 エルヴィスが登場して、ロック・ミュージックが世の中に認知された時のスターたちのファッションは、言うまでもない「フィフティーズ・ロック・ファッション」じゃった。 そう、THE-KINGが諸君に提供しとるちょいとお熱いブツのことじゃ。 ちゃんと毎回チェックしとるか〜?
 ROCKERSっつうネーミングがなされたのは、そのスタイルがアメリカで衰退してイギリスに渡ってからじゃ。 このROCKERSのセカンド・ジェネレーションともいうべきイギリス人版のROCKERSは、確かにアメリカから流れてくるエルヴィス、コクラン、ヴィンセントらのロックに熱狂したが、そのスケールは本家本元のアメリカに比べればずっと小さかったんじゃ。 
 やがてビートルズ、ストーンズ、ザ・フーらがたて続けにデビューして、イギリスでも「ロック」が市民権を得た頃にはROCKERSの勢力は風前の灯火であり、新興勢力の「モッズ」に蹴散らされてしまった。 そして何よりもイギリスの若者の先導者となったビートルズもストーンズもザ・フーも、そのファッションはROCKERSとは似ても似つかないものだった。

 どうじゃ、これだけの説明でもROCKERS的ファッションは、ロック・ファッションの王道でもオリジナルでもないんでないかい?ってことがお分かりいただけただろう。 

 1957年に公開された映画、監獄ロックやラヴィングユーの中でELVISはデニムを着用しとるが、ロックシーンに初めてジーンズを流行らせたのは、60年代末期のハードロックの連中じゃった。 しかし彼らのジーンズはパンタロン・タイプのすそが大きく広がったスタイルで、ROCKERSのタイプとはまったく別物。 ROCKERSファッションの基本スタイルを本格的に復活させたのは、70年代中期に世界中を震撼させたパンクスだろう。 つまりエルヴィスがロックを創造した1956年から、実に20年も後になってレザー、Tシャツ、ジーンズはロックの表舞台に登場してきたんじゃ。 
 しかしそのパンクスも2〜3年で衰退。 次にROCKERS的ファッションがロックシーンにリバイバルするのは、80年代中期のへヴィメタル・ブームの時じゃ。 それも90年代の声を聞く頃には下火になった。 まあロックファッションの歴史において、ハレー彗星のような存在なんじゃな。

 ただし、じゃ。 ファッション・スタイルではのうて、スピリッツという部分においては、ROCKERSはロックの原点と言えなくもない。 大人たちの作り上げた既存の文化、ライフスタイルに飽き飽きして、夢も希望もなく、バイクをブッ飛ばして暴れまくる彼らの恐ろしく虚無的で暴力的なエネルギーは、ロックのエネルギーに確かに近い。 
 しかしROCKERSは現実的な破壊行為に走ったが、ロックは破壊衝動を命としたんじゃ。 完全な破壊行為に突っ走る直前にそのエネルギーを何かの生産的なエネルギーにシフトしていくのがロックじゃ! カシコイロッカーってのはそのビミョーな違いの分かるヤツラだ。 だから50年代のエルヴィスやコクラン、60年代のビートルズやストーンズら、時代を代表するロッカーたちは誰もROCKERSスタイルじゃなかったのかもしれんぞ! まあパンクスが登場する以前に、しぶとくROCKERSの雰囲気をカマシ続けたビッグロッカーはヴィンセントぐらいじゃろうな。
 
 ところで、わしはROCKERSやバイカーの立場を見下げているのでは決してないぞ。 ロッカーも含めて、みんなが自分たちのオリジナリティを正確に自覚して、仲良く共存すればいいのじゃ。 かつてのROCKERSとモッズのような流血暴動は、21世紀においては相応しくない。
 しかしながら、ROCKERSのスタイルってのは、ロッカーが「さあ、これからだっ!」っつう肝心な時になると彼らからソッポを向かれてしまうのは事実じゃった。 ロックの歴史においては悲運だったそんなROCKERSに最後は光を当ててしんぜよう。 ROCKERSが明日なき暴動を繰り広げたことで、若者たちはフラストレーションをストレートに爆発させるアクションがあることを知ったんじゃ。 ROCKERSこそ若者たちのために、自由や新しいライフスタイルを激しく求める気運を作り上げたということじゃ。 だからこそ、1956年にメジャーシーンに登場したエルヴィス&ロックは、そんな若者たちに熱狂的に受け入れられたのじゃ!

 


七鉄の酔眼雑記  

 久しぶりに帰国してみると、牛肉偽装事件の大騒ぎの真っ最中じゃった。 お次は中国からの輸入食品の実状がひでぇ〜もんだった!ってことで、今度はマスコミの矛先が大陸に向けられるようになった。 どちらもブツが食品であり、大事件であることは間違いのないことじゃが、報道のしかたがいちいち大げさで、新しい事件が発生すると、それまでのことは無かったかのような変わりっぷりじゃ。 
 犯罪に対して法律のシロウトが無責任にランク付けしてはならんが、このマスコミの尻軽的な報道を見るにつけ、先に起こった牛肉偽装事件の方が罪が軽く思えてくるからまことに困ったもんじゃ。 マスコミさんよ、大事件を報道するのに一斉に大騒ぎすることを控えて、もっと冷静に正確に報道してほしいもんじゃ。 一般市民にとって報道は聞き捨てるもんじゃねえぞ!

 ホント、食品に対する不安が日々大きくなっていくばかりじゃが、酒に関してはチョー・オ・ド・ロ・キッ!の大感激情報をゲットしたぞっ。 先日ひょんなことから地球上のある物質の研究を長年続けておられる大先生と知り合いになったんじゃが、その大先生、モーレツな話好き、酒好きで、研究の成果をマシンガンのごとき勢いで話してくれた。 当然わしも酒が入っていたので、チョーシこいて「ぉおっ!スゴイ!!」とかなんとか相槌を打っておったら、ホント〜にスゴイ話を披露してくれた。 なんとっ! 安いウイスキーが美味しく化学変化する地球上の物質を発見したというのじゃっ!! まだ研究、実験の段階であり、公表するにはかなりの時間を要するらしいが、これが真実で、しかも化学的に証明されたら、世界中がぶっ飛ぶ大ニュースになるじゃろう。 まあいかに大先生とはいえ、酔った上での勘違いかもしれんという心配はある。 しかも酒好きのヤツの酒の席での話ほど信用できんものはないからのお〜。(ってそれはオマエだっつうの!) 近々大先生の研究室に招かれておるので、必ずモニターになって真実を突き止めてくるので結果の報告を楽しみにまっとってくれ〜い! 

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