NANATETSU ROCK FIREBALL COLUM Vol.292



 もうすぐサッカー・ワールドカップ・ロシア大会じゃな。 サッカー関連のサイトも、昨年秋ぐらいからあれこれ企画に趣向を凝らしておるようじゃが、つい最近おもしろい記事を発見した。 ナイジェリア代表の新ユニフォームのレプリカが、世界中の売上300万枚を突破してソールド・アウトになったそうじゃ。
 
 また英サッカー専門誌「フォー・フォー・トゥー」では「お気に入りのフットボールシャツ」と題して、歴代のユニフォームベスト50を発表しておった。 ベスト50をセレクトしたニール・ヘラルドって人物はサッカー・ユニフォームの目利きとして有名らしいが、わしゃ知らん。 でも「フォー・フォー・トゥー」のサイトにはセレクトされた理由が掲載されておって、スポーツ・ユニフォーム・マニアのわしもなかなか興味深く読ませてもらったわい。

 スポーツ・ファッションとロックンロール・ファッションはまったくの別モンじゃけど、どちらも「戦闘着」であることには変わりは無い! またユニフォームのレプリカは、サポーターたちの単なる応援着ではなく、今や日常生活のファッションとしても愛用されており、そんな事情も考慮されて新しいデザインが生み出され続けておる。
 そこで、ナイジェリア代表チームのユニフォームやニール・ヘラルド氏セレクトのユニフォームをチェックしながら、最近のファッションモードの傾向みたいなもんを探し出してみよう。ついでに野球のユニフォームの個人的な「ベスト3」と「ワースト3」も追加しておくぞ!



人気のサッカー・ユニフォームから、最新ファッションモードを覗いてみよう!?


■ スポーティ、ダイナミック&クール・グリーン! ■

「ナイジェリア代表2018年度版」

 これが短期間で300万枚を売り切ったナイジェリア代表のユニフォームじゃ。
 全身がフェザーパターン(羽模様)であり、ボディとラングスリーブが色違い。 ボディのグリーンはナイジェリアのナショナル・カラー。 フェザー・パターンは鷲がシンボライズされておる。 ただでさえ身体能力抜群のナイジェリア選手なのに、このユニフォームを着たら益々雄々しく見えるな!
 またこのユニフォームと同時に別バージョン、ロングスリーブ、Yシャツ、パンツ、キャップも同時に発表されており、グリーンというカラーのファッション威力をまざまざと見せつけられるようじゃ。 グリーン・ファッション・ブーム、フェザー・パターン・ブームを巻き起こすようなグレイトなデザインじゃわい。

 なんでも、ナイジェリアが1994年に初めてW杯に出場した際のモデルのオマージュらしく、1994年版はラングスリーブのブラック&ホワイトのフェザー・パターンが強烈! (冒頭部、右上写真) ちょっと野暮ったくはあるが、個人的には1994年版の方がええな。 でも自分の年齢を考えると(笑)、やはり2018年版が欲しい!

 ではここからは、歴代のサッカー・ユニフォームベスト50の中上位ランキング、および気になったユニフォームをご紹介しよう。

■ 大胆不敵な半身ストライプ ■

「デンマーク代表1986年度版/ホーム用」(ランキング1位)

 このデザインはスポーツ・ウエアの域を超越しておる! 左右色違いのパターンはたまに見かけるが、レッド・ストライプとレッド無地のコンビネーションには恐れ入った。 ラングスリーブも左右非対称じゃ。 Vネックをホワイト&ブラックのツートーンにしておるのも、クールなアクセントじゃな。

 デンマークの国旗はダンネブロと呼ばれ、赤地に白のスカンディナヴィア十字を描いた旗じゃ。 オーストリアやスコットランドの国旗と並んで現在使用されている国旗の中で世界最古の国旗といわれるおる。 だから赤がモチーフとなっておるのは当然であり、スカンディナヴィア十字の意味合いをレッドストライプに込めてあるのじゃろう。
 それにしてもいかなるファッションにおいてもストライプと無地の組み合わせってのは、わしは初めて見たわい。 ネット上のコメントでは「コンビニの制服みたい」なんてのがあって笑ってしもうたがな!


■ マラドーナ級ボディなら似合う?!■


「ボカ・ジュニオルス1981年度版/ホーム用」(ランキング2位)

 ボカ・ジュニオルスとは、アルゼンチンの首都ブエノスアイレスのラ・ボカ地区を本拠地とするスポーツクラブであり、かつてサッカー史上最大の英雄マラドーナが所属していたクラブじゃ。 もっともマラドーナが在籍していたのは1981年のみであり、その時のユニフォームが第2位になっておる。 う~ん、正直どこがええのかワカラン・・・。

 胸部のぶっといイエローが、マラドーナのぶ厚い胸板を更に強調しておるようで、これはマラドーナ・スタイルのずんぐりむっくり系肉体の持ち主が着たらカッコエエとは思う。 またパンツがサテン地のような光沢ある生地なのはグッドじゃな。 当時のサッカーパンツはフィット型の丈の短いタイプじゃが、案外現在のぶかぶか、丈長のスタイルにしたらもっとカッコよく映るのかもしれない。


■ ブラックパンツが、華麗なオレンジにパワーを与えた! ■

「オランダ代表1976年度版/ホーム用」(ランキング3位)


 1974年のW杯で惜しくも準優勝となったオランダ代表チームが、W杯優勝に向けて新たなる決意の元で着用したユニフォーム。 当時最大のスターは「フライング・ダッチマン(空飛ぶオランダ人)」と呼ばれたヨハン・クライフ。 名ストライカー/ミッドフィルダーにして、当時のリヌス・ミケルス監督の志向した組織戦術「トータルフットボール」をピッチ上で体現した選手じゃった。
 1974年型からのユニフォームの変化は胸のエンブレムが右に移り、パンツが白から黒に。 よりアグレッシブな印象を与える変化じゃ。 袖の3本ラインはaddidas製作をシンボライズしておるが、上述のクライフを初め他社と契約していた選手は、3本ラインを2本ラインにするという特例が認められていた!

 オランダ代表のユニフォームと言えばオレンジ色のイメージが強い。 これは建国の父である「オラニエ公ヴィレム」の名前に起因する。 オラニエ(Oranje)は英語だと”オレンジ色(Orange)”なのじゃ。 このオレンジをより際立たせる為にブラックのパンツは有効じゃ! 襟付き、Vネック、ホワイトのソックス等様々なバージョンが歴代ユニフォームに存在するが、丸襟でソックスもオレンジ一色、ブラックエンブレムのこのバージョンがもっとも、オランダ・オレンジを引き立てておる。


■ レプリカの売上まで考慮されたデザイン!? ■

「ラツィオ1982~83年版/ホーム用」(ランキング4位)


 ラツィオとは、イタリア・ローマ市(ラツィオ州)を本拠地とするサッカークラブチーム。 ローマ(チーム名)とは同じスタディオ・オリンピコを本拠地とするが、ローマは主としてローマ市内での人気が高いのに対し、ラツィオは広くラツィオ州に支持者を持つ。
 この2チームのダービーマッチはローマ・ダービーとして盛り上がりをみせ、熱狂的なサポーター同士の暴力沙汰や器物損壊などの騒動も少なくない。 またラツィオはイタリア国内では初めて株式を上場したサッカークラブでもあるのじゃ。

 シンボルマークは鷲であり、エンブレムでも常にデザインされておるが、このバージョンのユニフォームではほとんど胸マーク代わりに鷲のイラストがあしらわれておる。 ファッション大国イタリアらしくない!?ちょっと漫画チックなデザインじゃけど、以前の歴代ユニフォームがチームカラーであるライトブルーとホワイトの組み合わせパターンのチェンジのみだったので、女性ファンや子供ファンに人気が出たユニフォームらしい。


■ モダンでブリリアント! ■
「イングランド1990年版/サード用」(ランキング5位)

 サードユニフォームの為か、試合で着用されている写真が見つからなかったが、このバージョンのレプリカユニフォームの売上は歴代ユニフォームの中でも高いらしい。 90年代に流行し始めた、トーンの濃淡によって類似色を共存させたモードが特色じゃ。
 目を凝らして見ると、若干濃いブルートーンでシンボルのライオンが描かれて、地のライトブルーよりも薄いトーンで、ENGLANDの文字(上下逆さま!)を全身に斜めに走らせておる非常に凝ったデザイン。 ブルーの2グラデとホワイトをあしらった襟は通常のポロシャツ仕様でとてもオシャレじゃ。 パンツは濃いブルーだったんじゃろうか。

 ファースト、セカンド・ユニフォーム(ホーム、アウェイ用)は、国を象徴するカラーリングという規制がある分、サードユニフォームになると最近では結構自由奔放なデザインがなされる場合が多いが、このイングランド1990年度版はさしずめそのはしりと言えよう。 イングランド代表史上最高の人気プレイヤー、デビッド・ベッカムが代表に招集される前のユニフォームじゃが、もしベッカムが着ていたら似合っておったじゃろうな!


■ 迫るアステカ王で迫力倍増! ■

「メキシコ代表1998年版/ホーム用」(ランキング11位)


 ベスト50のユニフォームで、もっともインパクトが強烈なヤツはこれかのお!
 1428年頃から1521年までの約95年間北米のメキシコ中央部に栄えたメソアメリカ文明時代の王国アステカの王様がど真ん中にあしらわれた斬新なデザイン。 アステカ王の周囲の意味不明な図柄はアステカ時代のカレンダーとか!? う~ん、こんなのを着られると、いにしえのパワーが迫ってくるようでちょっと怖いのお(笑)
 このデザインはサポーターたちに大人気じゃったらしいが、何度かのマイナーチェンジを経て、21世紀からは使用されていないのが残念じゃな。
 日本代表ユニフォームも、例えば日本武尊(やまとたけるのみこと)とか天照大神(あまてらすおおみかみ)とかをさりげなくあしらって気品と迫力を出すのもいいかもしれない!(笑)


■ 凝っているがスピーディーなフィーリング ■

「ヴェルディ川崎1993~4年版/ホーム用」
               (ランキング17位)


 日本のJリーグ発足当時の王者だったヴェルディ川崎の1993~4年版ユニフォームも上位にランキングされておった。 絞り染めと見まごうような、右胸上部から放射状に広がるグリーンの濃淡はアーティスティックじゃ。 スポンサーロゴが入ってしまって折角の名デザインが台無しになっとるけど、これはわしもお気に入りのユニフォームじゃ!
 ちなみに日本のJリーグ・チームでは、50位にガンバ大阪1996~7年版(ホーム)、27位に名古屋グランパスエイト1993~4年版(ホーム)が選ばれておった。

 放射状デザインと言えば、日本代表ユニフォーム2014年版も秀逸。 一見サムライブルー一色に見えるが、右胸上部から若干トーン違いの直線のブルーラインが放射状に広がっておる。 隠し味が活きているシンプル・イズ・ベストなユニフォームじゃ。
 もっとも日本代表のユニフォームは、1990年代よりひたすらブルー一色で様々なパターンが追求されているので、ここらで一発、ナイジェリア代表のような大胆なイメージチェンジが図られてもいい頃ではないじゃろうか?


■ まるでロックTシャツ!■

「グリーンバンクU10S 2006年版/ホーム用」
                 (ランキング48位)

 グリーンバンクは、イギリスにある10歳以下(アンダー10)の子供たちのためのクラブチーム。 子供チームのユニフォームまでチェックされていることに驚いたもんじゃけど、このユニフォームが有名ヘヴィ・メタル・バンドであるモーターヘッドのロゴそのものがメイン!
 グリーンバンクの監督ギャリー・ワイトはモーターヘッドの元ツアーマネージャーだっただけにその理由も頷ける。 とはいうものの、将来の代表メンバー入りを目指す10歳以下の健全な子供たちにヘヴィ・メタルを布教(?)してどうする?って思うけど・・・。 でも集合写真を見る限り、みんな似合ってるから不思議(笑)

 ヘヴィ・メタルと言えば、イギリスの国民的メタル・バンドであるアイアン・メイデンのリーダー、スティーブ・ハリスもU10のクラブチームを所有しておるらしい。 その名もずばり「メイデン・ユース」。 スティーブ自身も少年時代に、イギリスのクラブチームであるウェストハム・ユナイテッドのユース・チームに所属していた。 しかし「メイデン・ユース」のユニフォームはアイアン・メイデンとは一切関係ないデザイン。


■ チェ・ゲバラが来た!■

「マドゥレイラ 2013年版/ホーム用」

 英雄の図柄をモチーフにした有名人気ユニフォームを、ランキング外ながらもうひとつ紹介しておこう。 マドゥレイラは、ブラジル・リオデジャネイロを本拠地とする、ブラジル3部リーグのクラブチーム。 2013年度のユニフォームは、キューバの革命闘士チェ・ゲバラの逞しい面構えが用いられておる。
 実はマドゥレイラは1963年にキューバへ遠征し、その際にゲバラと対面。 2013年がその50周年にあたることから、彼の肖像が入った記念のユニフォームを制作したのじゃ。
 全体のバランスを見ると、みぞおちから肩口へ広がるレッドのVゾーンが広過ぎな感があるが、ゲバラの顔がプリントされた位置、顔半分にブルーラインを重ねたアイディア等、デザイン性、攻撃性は悪くないな。 

 ベスト50のデザインの傾向やランキングの基準はあまり分からないが、上位のユニフォームは基本的に「シンプル・イズ・ベスト」路線か。 また代表チームならナショナル・カラー、クラブ・チームならチーム・カラーをいかにシンプルな方法でフューチャーするか、そのデザイン力がキーになっておるようでもある。 とはいえ、No.1のデンマーク代表のユニフォームはあまりにも斬新じゃがな!

 ベスト50のユニフォームを全てここで紹介するわけにはいかんが、どうしても見たい方は特集サイトに全種類紹介されておるのでチェックされたし。


余興:ベースボール・ユニフォームよもやま話

わしのもっとも好きなスポーツ、野球の世界においては、サッカー界の様な歴代ユニフォームのランキングや、レプリカの人気指数などは発表されておらん。 そこでわしの独断で「「ベスト3」と「ワースト3」をやっておこう!

■ 「一度は着てみたいユニフォーム・ベスト3」(順位不同) ■

日本野球のユニフォームに、初めての“プロの仕事”!


「北海道日本ハム・ファイターズ(全種)」


 現在の日本のプロ野球チームのユニフォームの中では、もっともセンスの良いデザインは「北海道日本ハム・ファイターズ」じゃろうな。 様々なバージョンがあって、どれも甲乙つけ難いほどハイセンス。
 このユニフォーム・デザインを手掛けておるのは、アメリカでCI戦略(企業イメージの再構築)の際に人気の高いデザイン会社SME社。 監督の思い付きやオーナーの気まぐれで、デザインをコロコロ変える日本の野球ユニフォームにおいて、斬新さが初めて人気と評価に直結したパターンじゃ。

 個人的には、北海道の青空をイメージしたといわれるブルー地と右肩から左袖、左半身半分までの白地を組み合わせたパターンがベスト(上写真左上)。 2004年に北海道に移転してから発表された日本ハムのユニフォームは、日本初のラングスリーブ左右非対称という斬新なデザインがほぼ一貫されておって、上半身が貧弱に見える選手に力感を与える効果も発揮しておると言えよう!


大先輩球団へ敬愛を込めたユニフォーム

「ニューヨーク・メッツ1962年版/ホーム用」


 ブルーのピン・ストライプに、ブルー&オレンジの「Mets」の胸マーク、帽子やアンダーシャツはブルー。 極めてオーソドックスなユニフォームじゃが、実はデザインひとつひとに意味があるんじゃ。

 メッツは1962年に誕生した新興球団じゃが、1958年まではニューヨークにはヤンキース、ジャイアンツ、ドジャース(ブルックリン)の3球団があった。 しかし経営難からジャイアンツはサンフランシスコへ、ドジャースはロサンゼルスへ移転。 新たにニューヨークに誕生したメッツは、3球団の時代のニューヨークの各球団へ敬意を表して、ピンストライプはヤンキース・スタイル、胸マークや帽章のオレンジはジャイアンツ・スタイル、帽子&アンダーシャツのブルーはドジャース・スタイルを採用しながらユニフォームを完成させたのじゃ。 こういうエピソードがわしは大好きなのじゃよ!


ブラック・ユニフォーム唯一の成功例?!

「シカゴ・ホワイトソックス2005年版/ビジター用」


 ブラック・ユニフォームと言えば、ニュージーランドのラグビー球団オール・ブラックスが有名じゃが、スポーツのユニフォームの地色にブラックが採用された例はあまりない。 近年では福岡ソフトバンク・ホークス(ダイエー時代から)や千葉ロッテ・マリーンズが採用しておるが、どれもデザインはイマイチ。

 わしがもっとも惹かれるブラック・ユニフォームは、メジャーリーグのシカゴ・ホワイトソックスが2005年に46年ぶりに世界一に輝いた時のヤツ。 白い左胸マークとのカラーバランスもよく、グレーのパンツともフィットしておる! 袖口のホワイト&ベージュのラインもさりげなくクールじゃ。


■絶対に着たくないユニフォーム・ワースト3」(順不同)■

にっぽん男児はまだレッドが似合わなかった!

「中日ドラゴンズ1968年度版(ホーム用)」

(右写真左側)
 今から50年前、中日ドラゴンズの奇妙キテレツなユニフォームが登場した! 日本球界初のノースリーブ・スタイルで、胸マーク、アンダーシャツ、ストッキングはレッド(正確にはスカーレット)! 帽章は踊る龍じゃ。
 当時の日本ではレッドは女性の色という認識が当たり前であり、スポーツユニフォームに大胆にレッドを採用することなどは非常識!とばかりに避難轟々。 まあ当時の風潮は別として、まだ野球選手がユニフォームの着こなし云々なんてまったく眼中にない時代だったんで、むさいオッサン選手がこれを着ちゃうとダッサダサ(笑)
 おまけに龍の帽章も、なんだか中華どんぶりに描かれている龍みたいに漫画チックであり、これじゃあ気合が入りそうもない(笑) 現にこのシーズン、中日はぶっちぎりの最下位じゃった~。


前代未聞!さつま芋カラーに胸マークが背番号!


「太平洋クラブ・ライオンズ1976年前期版/ビジター用」

(右上写真右側上部)
 日米を通して野球史に残る笑劇のパターン最高峰がコレじゃ! 太平洋クラブ・ライオンズは埼玉西武ライオンズの前身球団(本拠地は福岡)。 1973年に日本初の真っ赤なユニフォームを発表したり、サード・ユニフォームを用意するなどユニフォーム戦略の先駆者じゃったが、これは奇をてらい過ぎじゃ! アメフトのユニフォームみたいに、胸マークの代わりに背番号をど~ん! 最初に見た人はみんな、前後逆さまに着てるみたいじゃねーか!って感じたに違いない(笑)
 最初にメディアに発表された時は「地はワインカラー」じゃったけど、実際に現物を見たらワインカラーというよりも紅芋、さつまい芋みたいな色じゃったわい。 当時の球団オーナーは「ユニフォームは選手という商品を包む包装紙みたいなもの」とか言っておったが、これじゃあ~着なきゃならん選手がかわいそうじゃ!


泣く子も笑う?!伝説の7色ユニフォーム

「日拓ホーム・フライヤーズ1973年後期版」

(右上写真右側下部)
 日拓は日本ハム・ファイターズの前身球団(1973年のみ)。 話題づくりのために、こともあろうに後期シーズン(65試合)用に7種類ものユニフォームを採用したのじゃ! デザイン性もへったくれもなく、とにかく7種類ありゃいい!みたいなラインナップ(笑) 球団オーナーの命令で毎試合違うユニフォームを用意しなければならず、特にダブルヘッター(1日2試合)の日は、1試合目が終わったら着替えにゃならんかったようで、また遠征が長い時は何種類ものユニフォームを持参せにゃならんし、選手たちは大変だったとか!
 このユニフォームが発表された時のキャッチフレーズは、「日拓は、7種類のユニフォームで相手チームをかく乱します」じゃったが(笑)、実際は「今日の試合はどれを着るんだっけ?」と、相手をかく乱する前に選手たちが混乱していたようじゃ(笑)


 スポーツ・ユニフォームは戦闘着であり、着用する選手は常に動いておる。 デザイン性を重視し過ぎると案外滑稽に見えてしまうじゃろう。 またナショナル・カラーは他国とだぶる場合も多いので、ナショナルチームのユニフォームには個性が求められる。 デザイナーのお仕事も大変じゃわい。
 ちなみに、どんなカッコイイユニフォームでも、企業マークがベタベタ貼り付けられるのはいただけない。 日本のプロ野球ユニフォームなんて酷すぎる。 サッカーのクラブチームのユニフォームも、せめて胸マークにはチーム名かフランチャイズ名を入れてもらいたい。 この点はアメリカ・メジャー・リーグを大いに褒めたたえたい!
 近年では服地への着色技術、プリント技術も大幅に進化してきたので、今後はますます雄々しく勇ましく、それでいてクールなデザインが登場してくることを期待しておる! 
(※右写真は、「ニューヨーク・ヤンキース」伝統のユニフォーム。 最初の黄金時代を築いた1920年代から、約100年間デザインの変更一切なし!)


GO TO TOP