NANATETSU ROCK FIREBALL COLUMN Vol.275

 2014年の秋から始まったわしの放浪生活。 途中半年ほど一時帰国はしたものの、考えてみれば2年半あまり旅烏をやっとる事に時には自ら呆れてしまうわな。 その間、ずっとわしを見放さずにいてくれたThe-Kingと諸君にあらためて感謝じゃな! 「いや、既にオメエさんがどうなろうと知ったこっちゃねーぞ」って声が聞こえてきそうじゃが(笑)、ずっと新作紹介も責任をもってやらせて頂いておるんで、今後もどうぞお手やわらかに! 今回は久々の傑作ナッソーじゃぞ!!
 
 ところで最近では短期旅行者に出会ったりすると、必ず「そんな長い間安宿生活を続けていて、根本的に疲れませんか?」て聞かれるわい。 正直なところ、「疲れる」なんて感覚は通り越してしまって、「当たり前」になっておる!

 その安宿生活なんじゃけど、このところ世界どこでも宿代が高騰してきて、安価で快適な宿は減る一方。 「何処に行って、何をするか」以前に、「どこに安くてよい宿があるか」を追求することが、旅を続ける上での最重要課題の時代になったんじゃ。何だか旅が本末転倒になったようじゃが、ねぐらが無ければ決して旅は出来ん。 そこで、今回はわしの旅の実態の中でのもっとも深部である「ねぐら」の実態をほんの少しだけ披露してみよう。

 実は、ここ最近東南アジア各地において、「ドミトリー革命」が起き始めておる。 その様子を絡めながら、わしがどんな所に寝泊まりしておるのかご紹介してしんぜよう。 何だか「売れないロッカーのライブサーキットの生活レポート」みたいでオモシロクないか? オモシロクねーか!(笑) まあ、ええわい。 低予算で世界を放浪するってのは、こんなトコから生活が始まるって事が分かって頂ければ幸いじゃあ~。

 ※(上写真) バンコクの「ヒドゥン・ホステル」のリビングの内装。 扉を含めた壁一面に白テープによる簡易世界地図が描かれており、宿泊した者に自分の名前を丸いステッカーに記入の上、ステッカーを該当する母国部分に貼り付けてくれ!っていうアイディアが粋じゃ!

※(右写真) ヤンゴン「バックパッカーズB&B」の無料朝食。

七鉄のロック回り道紀行~Vol.18 
貧乏旅行者に追い風!アジア各地で「ドミトリー革命」が始まった!

■長期旅行者の宿探しの条件■

 まず基本的な部分のおさらいから(笑) わしら長期旅行者にとって宿選びの基準、条件は下記の通り。

・宿代は一泊10ドル(現行レートで約1,100円)以下。
・長期滞在による割引有り
・wifi環境が良好
・立地が市街地の中心から徒歩圏内(治安の良さ、移動費節約の為)
・シングルルーム(夜は他人を気にせず熟睡したい為)

 更に部屋の窓、エアコン、ホットシャワーが有ればなお良し!って条件で探すのじゃ。 窓が無いと日当たりが無いので室内の衛生状態が悪くなる。 エアコンが無いと身体は一日中汗まみれになり、ホットシャワーが無いと身体の汚れがちゃんと取れない(気がする)。 若い時分はそんな事気にせんでもへっちゃらだったが、年を取ると自分の身体の不潔な状態が不快であり、しかも不慮の病にかかりやすくなるもんじゃ。
 しかし、以上の条件を満たしてくれる安宿を探すのは至難の業。 見つけることが出来たとしても、泊まってみたらwifiの電波は部屋まで届かず、エアコンはガタピシ、ホットシャワーもチョロチョロ程度、従業員もやる気なし、ゴキブリやダニの類の害虫うようよなんてのは珍しくない。 2014年に久々に旅の現場に戻ってみて感じたのは、「もはや“金持ちではない者”は旅の出来ない時代になったのか」ってことじゃ。 特に東南アジアの魅力は、日本との経済格差による物価安にあっただけに、大した設備でもない宿が結構な金額を取るようになった時代の流れに愕然としたものじゃ。


■今昔・安宿探し方法~今や世界中どこからでも専門サイトで簡単予約! ■

 既に皆様ご存知のはずじゃが、一応海外放浪者もスマホから宿を予約する時代になったことをお伝えしておこう。
 かつての宿探しと言えば、旅仲間からゲットした生の情報やガイドブックにわずかに掲載されとる格安の宿を、自分の足で現地に行ってから探して当て、現場を確認してからチェックインという流れじゃった。
 現代の場合は、世界中どこにいようともネットさえ繋がっておれば、「Agoda」「Bookingドットコム」「World Hostel」といった専門サイトから希望する地域の宿を探し出して事前予約出来る時代になった。 

 泊まる前に宿の設備を確認出来ないから、わしはこのシステムを一時期敬遠しておったが、最近ではお世話になりっぱなし。 その理由は、宿泊日や値段や希望設備を検索条件に入れると、おびただしい数の宿がずらりと紹介され、各宿の写真やレビューも豊富なんで、人づてや自分の足で探すよりもはるかに効率的で選択肢が豊富な事じゃ。 また宿泊費もネットで予約した方が、現地で飛び込みの宿泊をするよりも安いので、これで仮にハズシても運が悪かったと諦めることが出来る。
 更に同一サイトからの予約を繰り返しておると、サイトからの割引サービスを定期的に受けることも出来るのじゃ。 安宿ばっかり予約しとるのに、更に割引が適用されるなんて恐縮してしまうわな(笑)

 「Agoda」は割引サービスが多く、「Bookingドットコム」はクレジットカード無しでもOK(現地払いOK)やキャンセル無料、「World Hostel」はヨーロッパ地域の宿の割引率が高い等それぞれに特徴があるが、現在のところわしは「Agoda」をよく利用しておる。 つい先日も、Agodaの割引サービスで、ミャンマーの宿一泊7ドルが6ドルになってニンマリ。 この差額1ドルでミャンマー・タバコ2箱買えちゃうもんな!

 今も昔も宿探しってのは旅人のもっとも重要な“お仕事”であり、ネット社会になる前は宿探しのアクションの中で色んなストーリーやハプニングがあったもんじゃ。 専門サイトを使うとそんな体験とは無縁になってしまうから旅の情緒が薄れたともいえるが、クレジットカードの番号さえ登録しておけば、いつでもどこでも、どこへでもスマホから予約と支払いが完了してしまうこのシステムの便利さには抗うことが出来ない!


■ ドミトリー革命が始まった! ■

 さて、シングルルームでは希望条件を満たす宿が少なくなったと先述し、嘆いたが、このところ旅の神様が貧乏旅行者たちに微笑み始めたのじゃ。 「ドミトリールーム」専用の小規模の宿が続々と登場し始めたのじゃ!
 
 ドミトリーと言えば、かつては二段ベッドを4つも5つも部屋の中に押し込んで、その中にヒッピー同然の旅行者がひしめき合っとるのが一般的じゃった。 衛生状態も良くないので、ほとんどの利用者は夜も更けてから寝る為だけに自分のベッドに戻ってきておった。 だから、部屋の中での盗難などのトラブルも少なくなかった。 みんな、宿代が格安だから仕方なくドミトリーを利用しておったのじゃ。
 そのドミトリー事情にちょっとした革命が起こり始めておるのじゃ! ホステル自体が新しく、ベッドシーツやバスタオルを毎日のように交換してくれ、お部屋の掃除も毎日行われ、共同のシャワールームやトイレも清潔に保たれておる全室エアコン付きドミトリー・ホステルが多くなったのじゃ。
 中には各ベッドにカーテンが付けられていたり、カプセル型のベッドだったり、狭いながらもプライベート空間が創出されておるドミトリーもある。 薄汚くて狭くるしいドミトリー時代が終わりを告げようとしているほど綺麗で便利なドミトリーが多くなったんじゃ。
 もちろんお値段は一泊6~7ドル程度(約700~800円)に抑えられており、こりゃもう「シングル・ルームじゃなきゃ嫌だ~」って駄々をこねておる場合じゃない! シングル・ルームに拘るあまり、エアコン無しの温度30度の熱帯夜に耐えたりするぐらいなら、エアコンによる快適な室温のドミトリーを選んだ方が賢い時代になってきたのじゃ

 「他人を気にせずぐっすり眠る」ことはなかなか出来ないかもしれんが、わずかながらのプライベート空間を確保できるベッド構造になってきたので、この中での熟睡も“慣れ”次第じゃろう。 就寝時間をきちんと決めたり、昼寝をし過ぎないよう心掛けたり、適度に寝酒したり(笑)、わしもドミトリーで熟睡できる工夫を色々とやっておる最中じゃ。

では、そろそろわしが実際に泊まった典型的な優れたドミトリー(+α)をレポートしてみよう。


■ タイ・バンコク 「ヒドゥン・ホステル」 ■

 バンコクの繁華街、歓楽街のど真ん中に位置し、しかも高架鉄道BTSの駅から徒歩2分! 夜遊びするにも昼遊びするにも立地が最高じゃあ~(笑)
 このホステルは6階までが通常のホテルでお値段も通常価格(一泊3500円~)。 しかし、7階の屋上に増設されたドミトリーがベリーグッドなのじゃ。 コンクリートの打ちっぱなしを基調とした造りがとてもモダンであり、7階まで上がるといきなり20畳はある広大なリビングが広がる。 しかもフローリングと板の間の2タイプ。 冷蔵庫、電子レンジ、電気ポット、TVが常備されており、インスタント珈琲とティーバッグ紅茶は飲み放題。このリビングの東南にカウンター付きベランダがあって喫煙OK!
 西南側にドミトリー4室があり、収容人員数は合計20名。 ドミトリーは従来の2段ベッド型じゃが、造りがしっかりしておるので、仮に上段に寝相の悪い方がおってもきしむことは少ない(笑) 枕元はフットライトとコンセント2つ、小物をおける棚付き。
 各部屋全てに窓があるので、日当たりも良好。毎日ルームクリーングがなされ、その時に頼めばベッドシーツは毎日でも交換してもらえる。 バスタオルも支給され、これも毎日交換可。 余分に何枚かもらっておけば、ベッドのカーテン代わりになる!
 共同トイレと共同バスルームは3部屋づつ。 ここも清潔! バスルームの温水は、水量も温度も快適。 十分に洗濯が出来る。 洗濯した後はベランダに干しておけば、天気の良い日ならものの2~3時間で乾いてしまう。 全てにおいて使い勝手が大変によろしいドミトリーじゃ。 お値段は一泊約1,000円(300バーツ)。

 更にこのホステルが優秀な部分は、従業員の勤務レベルが高く、ホスピタリティーに溢れておることじゃ。 フロントマンから掃除のおばちゃんに至るまで質の高いお仕事をしておるから安心して滞在出来る。 わしは少々タイ語が話せるので、彼らと込み入った話もしたが、皆さん結構良いお給料をもらっておるようじゃ(笑) 
 6階までの部屋は、場所柄ショートタイム(ご休憩)にも利用されており、真昼間から“それ系の男女”が出入りしておる場面に出くわすことも少なくない。 これを良しとするか否かは人それぞれじゃろうが、とりあえず一般宿泊者も休憩者も、通常ホテル部屋利用客もドミ利用客も分け隔てなく受け入れてきちんと対応しとる従業員の姿勢はとてもヨロシイわい。
 ついでに周辺には安いビアバー、スポーツバー(プールバー)がひしめき合っており、1階まで降りたら1分以内に酒にありつくことができる!(笑) wifiの繋がりは具合は、恐らくわしが今までバンコクで泊まったどの宿よりも素晴らしく、2件隣りのビアバーでもこのホステルのwifiが利用できるほどじゃ。

 あえて難点を挙げれば、利用客を差別しないだけに宿泊者には“いろんな事情の方”がいらっしゃることじゃろうか?(笑) そして男女混合ドミトリーであること。 わしが泊まっておった時は、タイ人の夜のオネーサンが3人も同室におり、彼女たちはデカイスーツケースを2個もベッド際に置いておった。 どうみても長期滞在の構え! わしはこの手の方々の扱いは慣れとるから何でもないが、同室になった日本の学生ちゃんはあっさりと(笑) 詳しくは、トップページの「七鉄番外編」をご覧ください(笑)
 

■ ミャンマー・ヤンゴン 「バックパッカーズB&B」 

 「B&B」とは昔の漫才師の名前ではなく(笑)、「Bed and Breakfast」の意味。 つまり、朝食付きドミトリーってことじゃ。 ここはヤンゴンの繁華街(ダウンタウン)の中心にあり、大概の市街地の重要ポイントまでは徒歩で行ける位置にあり、ヤンゴンでは新しくできた部類の綺麗なドミトリー専門のホステルじゃ。

 他の数多あるドミトリーより断然優れておる点は、各部屋4ベッドルームであること。 どうせ共同部屋なら人数は少ない方がいい! そしてベッドが独立型で、横型のカプセルルームの様な構造であることじゃ。 カーテンもあって、ベッド周りだけはプライベート空間になる感覚じゃ。 枕元とベッド右側には収納スペースもあり(左写真参照)、現在そのスペースにPCを置いて作業中であります! 写真をよぉ~く御覧頂くと、右奥にウイスキーのミニボトルがあるぞ~(笑)
 各部屋にバス&トイレ、洗面所が付いておるのもグッド。 温水シャワーはちとぬる目じゃけど、我慢できるレベル。 wifiもとても良好じゃ。 ベッドシーツ、バスタオル、ハンドタオルは毎日交換してくれる。 窓無しの部屋もあるようじゃが、わしは運良く東南の窓有りの部屋をあてがわれた。 洗濯物は窓枠からハンガーに吊るしておけば2時間あまりで乾いてしまう! これで一泊7ドル!
  従業員の態度は、英語が話せる方はグッド。 話せない方はそれなり(笑) ミャンマー人はシャイな方が多いので、外国人相手に言葉が通じないと気後れしておるんじゃろうな~。 フロントには女性社長とアウンサン・スーチー氏の2ショット写真が飾られておる。 女性社長は財閥系の方のようで、とても愛想が良い!

 ミャンマーの安宿は大概朝食が付いておるが、ここの朝食は好評。 トースト(卵焼き、果物付き)、チャーハン(果物付き)、ミャンマー麺料理の中から一品選ぶことが出来てお味もよろしい。
 朝食は8階にあるスカイラウンジのような街中をほぼパノラマで見渡せるバーレストランでとるので、朝からとても気持ちいがエエ! このバーレストランは、屋上のテラスと併せて午後11時まで営業しており、インド系ミャンマーおばさんの作るミャンマーカレー(約180円)がとても美味しい。 わしはほぼ毎日のランチはここのミャンマーカレーじゃ!

 難点は、朝食に付く珈琲が激マズ! オレンジジュースは濃縮タイプを水で薄め過ぎておる(笑) 食事は美味しいのに、ドリンクのいい加減さはどういうことなんじゃろう(笑)
 またヤンゴンは夜が早く、夜8時過ぎになるとホステル周辺の人通りがまばらになるので、女性客は帰館が遅くなると道中ちょっと心細くなる事じゃな。


■ ベトナム・ホーチミン 「スイート・バックパッカーズ・イン」 ■

 ホーチミンのバックパッカーたちの溜まり場であり、外国人相手の安宿、飲食店、旅行代理店などがひしめいておるデタム通りのド真ん中にあるホステル。 一応ファミリー用の部屋も用意されておるが、ほとんどドミトリー専用ホステルといってもええじゃろう。
 ここは1階の旅行代理店が経営するホステルであり、何はともあれ従業員の接客態度が素晴らしい。 常に笑顔を絶やさず、館内での宿泊者のお世話を自ら積極的に行っている姿勢が東南アジアでは非常に珍しい。 日頃上から目線のクールビューティなベトナム女性も(笑)、ここの従業員だけは笑顔がいっぱい!

 ひと部屋に二段ベッドを8台入れた16人部屋の標準的なタイプのドミトリーじゃが、掃除が行き届いておって非常に清潔じゃ。 清掃担当の従業員の仕事っぷりも素晴らしい。 ドミトリーの中では、昼間もカーテンを閉め切って寝ていたり、ベッドにはりついて暗がりの中で延々とオンラインゲームなんかやっとるはた迷惑な宿泊者もおるもんじゃが、そんな時でも清掃担当者が明るく快活な様子で「さあ皆さん、今日も良いお天気ですよ~。 太陽の光をいっぱい浴びて元気にすごしましょう~」とか言いながらカーテンと窓を開けて部屋の換気をはじてくれるので本当に助かるわい! これではベッド大好き宿泊者も、しぶしぶ起き上がるしかないわな!
 設備の中で有難いのは、各部屋に冷蔵庫が、共同スペースの中に電子レンジが設置されておること。 また各部屋には大きなベランダがあり、ここで喫煙も可能。 共同のシャワーもトイレも毎日掃除されておるので清潔じゃ。 館内の一部改装工事が行われていた2年前まではwifiが不安定じゃったが、改装工事が終了した現在は快適。

 難点といえば、すぐ近くに大型ディスコがあり、ここからモレ聞こえてくる重低音が店の営業時間が終わる午前2時まで聞こえてくること。 ただし少々酔っぱらって帰ってくると、この重低音も心地よい子守歌になって響いてくる(笑)

 このホステルは何故か白人客に大人気であり、いつ宿泊してもベッドは白人さんだらけ。 んで、白人さんが多いドミトリーの隠れた利点をひとつ挙げておこう。
 それは中国人、韓国人のグループ客がおとなしくなることじゃ(笑) 彼らは独りでは借りてきた猫のようにおとなしいくせに、仲間が増えるにつれて態度も声をデカクなって不愉快なことこの上ない。(まあ、ひと昔前の日本人グループも似たようなもんじゃったけどな) しかし白人さんたちの前ではおとなしいんじゃよな~。
 さらに白人が多いと、普段は敵対視しておる日本人に対して友好的になってくる! それもまた迷惑なハナシじゃけど、まあおとなしくしてくれとるから文句はねえけどな!(笑)


■ 番外編~カンボジア・プノンペン「キャピトル・ゲストハウス」 ■

 アジア各地の安宿業界で「ドミトリー革命」が起きつつあるが、例外はカンボジア。 この国の安宿には、昔からドミトリーという形式は非常に少なかった。 首都プノンペンでは続々と新しいゲストハウスがオープンしておるが、わしが知っておる限りではドミトリーハウスは皆無であり、シングルルームのお値段もプロモーション期間でもない限り結構高い。
 アンコールワットで有名なシェムリアップには、「タケオ」「クローマーヤマト」という2つの有名なドミトリーハウスがあるが、前者は既に朽ちるにまかせた様な設備状態でもはや利用価値激減。 後者は、真夜中にスタッフが各部屋の冷房のスイッチを切ろうとしたり(電気代の節約)、併設されたツアー会社を利用しないと従業員の態度が悪くなったりと、今や悪評が多い。
 両ゲストハウスともに1階に日本食レストランがあるが、遅いし、不味いし、オーダーミスも多いし、あんな所で高い金払ってなんちゃって日本食を食べる気はわしは到底しないわな。

 そんなカンボジアの安宿事情の中で、唯一奮闘しておるのが老舗のキャピトル・ゲストハウスじゃ。 創業30年を越え、収容人員も100人という、経営の長さも規模も異例のゲストハウスじゃ。 他にも「キャピトル3」「ナイス」「ホンパン」の名の別宿を経営しており、またレストランやバスツアー会社も運営する、今や巨大グループ企業と化したから恐れ入るわい!
 しかし長年わしら貧乏旅行者たちの薄っぺらいお財布をたたき続けながら大成長を遂げただけに、わしらの事情には詳しいようじゃ。 かつての独占市場もいまや過当競争時代にはいったとはいえ、断続的にリノベーションを続けて設備を改善しながら、それでいて決して安易な便乗値上げはせずに、わしらがギリギリ出せる予算を知り尽くしたような値段設定を行っておる。 その額はシングルで10ドル以内であり、冒頭に挙げた「安宿選び5条件」をすべてクリアしており、窓、エアコン、ホットシャワー付きの部屋もかなりある。

 先月滞在して驚いたのは、チョロチョロ温水シャワーの水量も温度も上がって快適! TVも薄型最新モニターが入り、エアコンも一部バージョンアップ。 広い館内だけに場所によっては部屋の中までwifiが入らなかった点もかなり改善された模様。 もっともわしは、どの部屋ならwifiが快適なのか調査済みであり、その部屋をいつも予約しとるから問題ないけどな~。 女性従業員の接客態度もとても良くなり、フロントにキーを預ける時の気分も向上(笑) バックパッカーの懐具合、心情を知り尽くした老舗ゲストハウスだけに、21世紀を生き抜く方針も実にスマートじゃ!
 まあ本舗キャピトルはええんじゃけど、姉妹店の「ナイス」と「ホンパン」の方はサービスが全体的に下がってきたのはしょうがないかのお。 キャピトル・グループは恐らく一族経営であり、血縁者の中でデキの悪い連中に「ナイス」と「ホンパン」を任せておるんじゃろう(笑) 賢いキャピトルの事、近いうちにこの点も改善されてくるに違いない!


 東南アジア各地のオキニのドミトリー・ホステル、ゲストハウス4つを、少々の生活実態を交えてご紹介したが、まあ年がら年中こんなところで寝泊まりしながら放浪しておると思って頂いて差し支えないわい。 実際には、もっとお化け屋敷みたいな所や、どこからがお部屋でどこからが森なんだか分からんような森林の中の崩れかけたバンガローに泊まったこともあるけど、まあわしの平均的なレベルの宿泊施設としてこの4つは今後も利用し続けるであろう。 今後もこの手のドミトリー、安宿が世界中で増え続けるのを望むばかりじゃ!

 諸君の中には、「よくもまあ、こんな所で長期間寝泊まりできるなあ~」って呆れておる方も少なくないじゃろうが、わしは既に、wifi良好、安全、清潔であれば寝泊まり出来る精神的抗体は出来上がっておるんで、ぜ~んぜん平気じゃ。 この歳で情けない事やっとるなんて、これまた、ぜ~んぜん思っておらん!
 安宿だから世界中のいろんな世代の方と知り合い、低予算内の新しい知恵を授かることも出来る。 まあ悪かねえぞ、諸君! こんな年寄りがおったってええではないか、七鉄は元気じゃぞ!!

※右写真は、キャピトル・ゲストハウスのフロントのオネエサマ。 最近とても優しく親切におなりになったwww


GO TO TOP