NANATETSU ROCK FIREBALL COLUMN Vol.271

  ミャンマー編の後編は、ウダウダと文章でミャンマーを語るよりも、思い切って写真勝負に出ようと思うぞ! というのも、これといった当てのない旅を続ける放浪者としては、この度身に余る歓待を受け、お国料理ってやつを存分に味わう稀有な機会に恵まれたからじゃ。 こんな事は今後訪れることはないと思うので、七鉄コラムがスタートしてから最初で最後の写真コラム?! それも「お料理特集」をお届けすることをどうか許してつかーさい!

 ミャンマー入国後、雨季の衛生上の問題から、地元ミャンマー人からも屋台飯を禁じられていたものの、この度、ミャンマー東部シャン高原の有機栽培珈琲農園を視察する運びとなり、現地で地元シャン料理を腹いっぱい頂くことになったのじゃ。 わしが訪れた地域は、シャン高原の西側、地図で見るとミャンマー国土のど真ん中。ヤンゴン国際空港から約1時間のフライトでシャン州へホ空港に、更に車で2時間かけて高原地帯を登ってようやく到着する標高約1200メートルの場所に位置じゃ。
 わしは日本では無名であり、もちろんミャンマーでも無名!(笑)それなのに、「珍しく日本人が来た!」ってことで、三日三晩、それこそ食べ切れないほどの料理を出して頂いた。 諸君の中にも食通はいらっしゃることじゃろうが、シャン料理をご存知の方はさすがに少ないと存ずるので、この際だから、わしが頂戴したシャン料理の全てを公開致しまする!

★最後に、The-Kingカスタマー特別サービス・コラムがありますゾ!★

七鉄のロック回り道紀行~Vol.14 不思議の国ミャンマー雑記(後編)
絶品!シャン地方のお国料理





(写真上段左から)

・カナー(カンラン/芥藍)の炒め物。カナーとは歯応えの良い小松菜と青梗菜の中間みたいな野菜。 

・現地きのこ(マイタケに近い)とピーマンの炒め物~ウコンでほんのりシャン風味付けをしてあるのがミソ。

・白菜の炒め物~白菜はシャン特産物のひとつ。

(下段左から)

・豚の耳、ピータン(あひるの卵)と青トマトのサラダ。干しエビの出汁で味付け。

・青白菜のスープ~シャン地方独自のスープ。 ニンニクと生姜で味付け。身体を温める効果があり。

・揚げ豆腐~固まる前の豆腐を揚げた、酒飲みには欠かせないスナック。


 

(写真上段左から)

・インゲンと豚肉の炒め物。

・ミズコン(ミャンマー独自の野菜)と玉ねぎと青トマトのサラダ。ミズコンは見た目はセロリ(調理前)、食感はゴボウ?!

・フライドポテト~“しんなり感”を出すために、収穫後すぐに水洗い&細切りにして揚げるらしい。

(下段左から)

・ジェプ(ミャンマー独自の野菜)と卵の炒め物~ジェプは日本の水菜に似た野菜。
通常の炒め物は、ミャンマー・ナンプラー・ベースじゃが、これはウスターソース(系)仕様。

・デンディジェ?(ミャンマー独自の果物)の炒めもの~シャン民族が大好きな果物?
調子に乗って食べ過ぎると消化器系に支障が出るらしい。

・もち米~シャン地方のもち米は濃い紫色が特徴。 表面に見える茶色は、ゴマ味噌。


 

有機栽培農園の農家でご馳走になった昼食。

(前方一列目左から)

・卵焼き~これはフツーの卵焼き。

・お茶っ葉のサラダ~ミャンマー人の食事に欠かせないサラダ。
すり潰した味噌状と炒めもの状の二種あり。トマトや揚げニンニク、ピーナッツとともに食す。

(二列目)

・赤飯~ほんのり赤身がかったご飯。ビタミンB1たっぷり。

・シャン風チキンカレー~一般的なミャンマーカレーよりも脂っぽくない。

・揚げ赤飯  ・ひまわりの種

 


シャン地方の代表的な朝食、昼食メニュー。

(写真上段左から)

・シャンカウッスェー(汁なし)~小麦粉から作ったもっちもちの麺。具は揚げニンニク、ネギ、ひき肉。

・シャンカウッスェー(汁あり)~汁はサトウキビ・ジュースで甘味をつけたチキンスープ風。

・シャン風納豆その~日本の納豆より小粒で苦みあり。

(下段左から)

・トーフ・ヌエ~シャンカウッスェーの上に固まる前のあったかいトロトロの豆腐をかけた麺料理。
※麺料理には、基本的に高菜とキムチの中間みたいな漬物が付き。

・コンデンスミルク入り紅茶、サモサ(インド風よりカレーが薄味)、
揚げ豆(豆をすり潰した状態で揚げたもの。ひき肉みたいな食感)これらを揚げパンと一緒に食す。

・おまけ~ヤンゴン、シャン往復のフライトで出される機内食。


 写真をご覧になってお気付きになった方もいらっしゃるじゃろうが、肉がほとんどない!しかも野菜はすべて有機栽培野菜なので、農薬を使って栽培された野菜よりも美味しくて野菜繊維も抜群に多いからスゴイ満足感を得ることが出来る!
 シャン高原は密かに「シャンを征する者はアセアンを征する」と言われるほど、地下資源が豊富で土壌も良好。 数多くの果物や野菜の収穫が可能なのじゃ。 標高2000メートルを越える一帯があるものの、現在のところはわしが訪れた1200メートルぐらいまでの地域しか農園が開墾されておらず、作物収穫の可能がまだまだ無限に残されてるのじゃ。
 またシャン地方には「インレー湖」という有名な美しい湖があるものの、他にはこれといった観光ポイントはない。 だから畑、農園以外はほとんど手つかずの大自然が残っておると言えるじゃろう。 わしがあと30歳若かったら、「シャンを征したい!」と大志を抱いたに違いない(笑) 
 「ロック回り道紀行」とはいえ、回り道し過ぎな地域じゃが(笑)、観光客は滅多に足を踏み入れない広大な大自然と、内臓が蘇るような美味しい有機栽培料理の数々。 生涯ロッカーを誓うわしは、確実に若返った気分になった次第じゃ!


■ 余談 ■

 老いぼれロッカー、放浪者のわしが、どうしてミャンマーの山奥で三日三晩ご馳走を振舞って頂けたのか? これはまったくの偶然、幸運によって実現したのじゃ。
 10年ほど前までわしはバンコクで日本語情報誌を作っており、その当時タイで有機栽培農園の経営を始めておった日本人の社長さんにわしは大変お世話になった。 だから6月にバンコクを訪れた際にその社長さんを表敬訪問したのじゃ。 「大変ご無沙汰致しておりました。 その節は大変お世話になりました」ってご挨拶じゃ。 その時にたまたまミャンマーの有名な有機栽培珈琲ブランドのボスが販路を求めて、そのバンコクの社長さんを訪ねてきておったんじゃな。
 まあわしは既にミャンマー行きを予定しておったので、「ミャンマーに行ったら、御社の珈琲を是非飲ませて頂きます」的な外交辞令で応対をしておったんじゃが、わしがトイレの為に席を外しておる僅かな時間内にどういう話になったのか、席に戻ってみるとバンコクの社長さんは「私の代わりに彼(わし)に視察に行ってもらいますから」なんて言っとるんじゃな(笑) ミャンマーの珈琲ボスも「ウェルカム!」なんて言いながら笑顔であらためて握手を求めてきて、こっちゃポッカーンじゃよ(笑)

 まあ一応珈琲ボスの名刺を頂戴しておったので、ミャンマーのヤンゴンに着いてから数日後、名刺に記されておるメルアドに試しにメールしてみたら、一時間も経たない内にソッコーで返信が! そんなこんなでシャン高原有機栽培珈琲農園の視察がとんとん拍子で実現して、朝昼晩腹いっぱいご馳走になったわけでありました! もちろん視察もしっかりとこなしてきたので、バンコクの社長さんへの「代行視察レポート」を仕上げにゃならん。明日からはまた忙しいのであります(笑)


■ The-Kingカスタマー特別サービス?!~誰も知らない“神秘の池” ■

 ここまで閲覧して下さったありがた~い、そして辛抱強い方々(笑)に感謝の気持ちを込めて、特別な情報をご提供致します。 それは、シャン高原珈琲農園の視察の最終日、ヤンゴンへ戻るフライトに乗る為に飛行場に向かう途中、地元民が「是非お連れしたい」といって案内してくれた「神秘の池」じゃ。

 手つかずの樹海を強引に切り開いた長い凸凹の山道を抜けると広大な湿地帯があり、更にそのまた奥の樹海へと案内された約10分後、樹海の中の小さな窪地を見下ろしたその瞬間、わしは絶句した。 そこにはまるでコンピュータ・グラフィックで着色されたような、ありえない濃い水色の池が!

 奥行数メートル、横幅10メートルほどの小さな池なんじゃが、自然が作り出した水色(青色)とは信じ難い色じゃ。 青空を映し出しておる色でもなく、水藻が変色して作り出しておる色でもない。透明度抜群な美しすぎる「水色」なのじゃ。

 つい数年前に発見されたというこの池は、地元民には「ミャーダベイ」(ルビーの鉢)と呼ばれており、英語名は「Blue Moon」。 スコールが降ってもこの水色は変わらず、水面全体に散乱した落ち葉もいつの間にか池の端に漂着し、沈んでいる樹木も一向に腐らない。 またブッダが沈んでいるように見える池底も神秘的であり、「神様のいる池(湖)」とも呼ばれているとか。
 この池のあるピンウールィンという土地は、英国統治時代のイギリス人が作った小さな避暑地であり、21世紀からは裕福なミャンマー人たちの隠れる観光スポットになっていたにもかかわらず、この「ルビーの鉢」は長らく発見されていなかったという。

 絵にかいたような、また地球上では到底考えられない「水色」の調査の為、一時期地質学者や水質研究者たちが本格的な調査に乗り出したらしいが、「神の池が汚される」という地元民の強烈な反対により、調査は中止。 よって、いまだにこの池の「水色」の真相は謎のままなんだそうじゃ。 まだガイドブックにも紹介されていない知られざる池でもあり、もちろんGPSマップ上でも見ることは出来ないのじゃ!
 案内してくれた地元民の一人が「あんまり外国人に知られたくない」と言っておったので紹介することを躊躇したが、親愛なるThe-Kingカスタマー、しかも七鉄コラムまで読んで下さっておる希少な方々にだけこっそりご紹介致しました!

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