NANATETSU ROCK FIREBALL COLUMN Vol.243

 遅ればせながら、今頃になって春うらら気分を味わっておる七鉄じゃ。 暑くもなく寒くもない。 この気候は日本ならではであり、旅をしとった時も幸せじゃったが、この時期に日本におられることも嬉しいわい。 一方The-Kingのボスは「ビバラス」参加以来、真剣モードがさらにヒートアップしとるようでちったあ見習わんとなあ〜。 今度の新作をええぞ〜。 軽やかな気分をドカン!と後押ししてくれるサイドゴアシューズのニュータイプ。 ストリートを闊歩するためのサイコーのドレスシューズじゃよ。

 さて、どこへ闊歩するか、突撃するかターゲットを絞らにゃいかんが、まずは今年は「ビートルズ来日50周年」。 そのメインイベントとして、6月30日、7月1日両日に日本武道館で「ザ・セッションズ」というコンサートが行われるらしい。 全貌は公式ホームページによると下記の通り。

「アビイ・ロード・スタジオでザ・ビートルズを担当した、伝説のレコーディングエンジニア、ジェフ・エメリックの監修の下、総勢50人を超える外国人ミュージシャン/シンガーにより、当時のレコーディング収録曲を、演奏、アレンジメント、そしてハーモニーにおいて忠実に再現。 ギター、アンプ、マイク等も当時のまま。 加えて、最新のマルチメディア技術による映像で、まるでジョン、ポール、ジョージ、そしてリンゴとスタジオにいるかのような体験を皆さんにお届けします」

 既にイギリスのロイヤルアルバートホールで開催され、それがそっくりそのまま日本武道館にやってくるってこっちゃ。
 一方、日本のマスコミでも徐々にビートルズ企画が多くなってきており、5月3日には某ラジオ曲が有名芸能人、業界人を多数ゲストに迎えて、「ビートルズが日本公演で演奏した11曲」にちなんで、「もし、ビートルズが再来日したら、演奏してもらいたい11曲」ってのをゲストにセレクトしてもらって7時間ぶっ通しの番組内で流しまくったらしい。 つまり「2016年ザ・ビートルズが武道館に再来日!」がテーマじゃったらしい。 う〜ん、「ザ・セッションズ」にも興味があるが、わしはこっちにゲストとして呼んで欲しかったな〜(笑)

 「美しいメロディの曲ばかりがビートルズじゃねーぞ、コラア〜! このロックンロール・ナンバーを聞かんかバカモノ!!」
とかガナリながらやってみたかったぞ!

 まあ「七鉄セレクトの・ビートルズ11曲」の放送は幻に終わったが(笑)、この際ここでやってしまおう! ただし、漫然とわしが聞きたい11曲をピックアップしたって何ら目新しい企画にはならんので、「こいつぁエエ!」ってわしが認めておるカバーばかりを集めてみた! 正直なところ、ビートルズは少々聞き飽きておる方が多いと思われるんで、別のロッカーの感性でやってもらった方が、それまで気がつかなかった魅力を味わうことが出来るに違いない!

ビートルズ来日50周年記念戯言!?
極上カバーで確認する、2016年“再来日公演”で聞きてみたいビートルズナンバー11曲


♪1曲目〜フォー・ユー・ブルー/ダーニ・ハリスン

 オープニングは余興というかサプライズをかまして、ジョージ・ハリスンの忘れ形見であるダーニにご登場願おう。 見てくれも声質もジョージの生まれ変わりの様なダーニ。 今のところ目立った音楽活動の報は伝わってきておらんけど、やはりハリスンDNAは明白! 
 この曲は『レット・イット・ビー』に収録されておった地味なジョージ・ナンバーであり、最初聞いた時は「ふざけた盆踊りみたいな曲じゃな」って理解できなかったんじゃが、ダーニはより軽快でファンキーにやっており、なかなか好演じゃ。
 21世紀初頭の演奏のようじゃが、恐らくジョージの追悼コンサートでポール・マッカートニーがやった同曲のカバーが下地になっておるようなアレンジじゃ。


♪2曲目〜バック・イン・ザ・USSR/エレーナ・マクシモバ
 
 本編はこっから。 ビートルズのアルバムってのは、意外や意外、オープニング曲は軽快なロックンロール・ナンバーがほとんどじゃ。 この曲は『ホワイト・アルバム』の1曲目!
 んで、エレーナ・マクシモバってのはロシアの女性オペラ歌手!? 昨年11月に旧ソ連に属していたウクライナを旅しておる時に、ウクライナの旅人に教えて頂いたんじゃ。 ちょっとマドンナを想起させるS系上から目線でとっつきづらい女性じゃけど、宿でそのウクライナ野郎とロック談義しながら彼女のyou tube映像を見ている時は楽しかったなあ!
 ビートルズ・カバーのノッケがロシア女性オペラ歌手だと!って憤慨せんようにな。 もはやビートルズ・ナンバーに国境はない時代じゃ。 とにもかくにもブルース・フィーリングまで湛えたこの女性の歌唱力を聴きなはれ! くだらん先入観なんて吹っ飛ぶ凄い実力の持ち主じゃ。 「お見事!」の一言に尽きる絶唱!


♪3曲目〜カム・トゥギャザー/ジリー・リリー

 ロシア女性オペラ歌手のお次は、イギリスのインディーズ・女性ブルース・シンガーじゃ! ジョン・レノンがこの曲に込めたスピリットが、ある意味でオリジナルよりも明白に炸裂しとってサイコーじゃ。 しかも黒人ブルース臭プンプンじゃし、申し分のないプレイじゃ。 2曲目のエレーナ・マクシモバも同様じゃが、ビートルズ・ナンバーって聞き方を変えてみると案外正当的にブルースの影響を受けておる曲が少なくなく、それを敏感に感じてカバープレイに反映してみせるセンスがわしは大好きなのじゃ。
 ちなみにこのジリー・リリーというお嬢さん、いまだに日本ではまったく無名。 CDはアルバムよりもシングル盤中心に制作しとるようで、その収益の一部はシリア難民や反シリア勢力の活動費につぎ込んでおるというツワモノ。政治活動もよろしいが、これだけのセンスと歌唱力の持ち主なんだから、ブルース・シンガーとして脇目も振らず活動してほしいもんじゃ。


♪4曲目〜ヘイ・ブルドッグ/ファニー
 またまた日本では超マイナーなテイクで申し訳ないが、ファニーとは1970年代初頭に活動しておったアメリカの女性4人組バンド。 今で言う“ギャルバンド”のハシリじゃ。 活動資料がほとんど見つかってないので詳細は分からんが、このカバーのあまりにのカッコよさに作曲者のジョン・レノンが感動してしまい、当時まだ存在していたビートルズの「アップル・レコード」に招聘を受けるんじゃないか?とまで噂されておった実力派ハードロック・バンドじゃった。
 最近になって熱心なファンによってアナログLPの音源がyou tubeにアップされ、わしも何十年ぶりかにフルアルバムでファニーサウンドを楽しむことが出来た!
 この曲を支えるダークなリフを強調しながらギミック無しで淡々と進行させるアレンジは、当時徐々に注目をされてきたブラック・サバスを筆頭としたオカルト・ロック的でもあり、ビートルズ・サウンドの別個の楽しみ方を提供してみせたと言えるじゃろう。 実質女性禁制じゃった当時のロックシーンでの活動はさぞかししんどかったと想像出来るが、ギャルバンドが当たり前になった現代に是非ともCDで再発してもらいもんじゃ。 お色気無縁のロック魂で勝負しようとした幻のロック・クイーンたちじゃ。


♪5曲目〜ヘルプ/ディープ・パープル

 勇ましいお嬢様方の男勝りのカバーが続いたんで、そろそろ殿方の出番としよう!

 「それにしても、ディープ・パープルだって??」とタイピングミス(誤字)を疑ったじゃろうが(笑)、ミスではないぞ。 ディープ・パープルがハードロックバンドへシフトチェンジする前、まだオルガンを中心にアートロック(セミ・プログレ)をやっておった60年代末期のビートルズ・カバーじゃ。 ハードロック・バンドじゃなかったにしても、まるでラップの連中がエルヴィスのカバーをやるぐらいの相当なミスマッチとも思えるが、プロモビデオまで残されておるんじゃから、本人たちは自信作だったってことじゃろうな。
 実はビートルズの「ヘルプ」は、ジョン・レノンのメッセージ性がストレート過ぎてわしはあんまり好きじゃないんじゃが、このカバーを聞いて曲自体の良さを再認識したもんじゃ。 サビが無いというか、コンサート開演前の楽器のサウンドチェックみたいなアレンジが不気味であり、進行とともにフラストレーションが溜まっていくようで、やがてまさに「ヘルプ!」って気分じゃあ〜。


♪6曲目〜レボルーション/ストーン・テンプル・パイロッツ

 「ジョン・レノン・ナンバーを1曲だけ選べ」と言われりゃ、今も昔もこの曲! 大ヒット・シングル「ヘイ・ジュード」のB面にセットされたが、わしゃ〜こっちばっかり聞いておったわい。 ビートルズを単なるポップバンドとしか思ってないヤツには、必ずコイツを聞かせてやり、ぐうの音も出ないまでに叩きのめしてやったもんじゃ。 そんな事やっとったから女にもモテナカッタ!?
 ってことはどーでもええが、ストーン・テンプル・パイロッツってのは90年代のオルタナティブ・ロック(グランジ・ロック)を代表する連中であり、彼らは中でももっとも正当的なブルージー・サウンドが根底にあったんで割と好きじゃった。 基本的にはあからさまな商業主義路線に反抗しておったんで、ビートルズのカバーってのには驚いた。 でもオリジナルよりも気だるく、大波が来そうで来ない得体の知れないグルーブ感でもって「レボルーション」を仕上げたのはさすがじゃった!


♪7曲目〜ヤー・ブルース/ジェフ・ヒーリー・バンド

 ジョン・レノン・ナンバーばかり続くが、どうかご勘弁。 わしゃ「断然ジョン・レノン派」なんでのお。 ジェフ・ヒーリーってのは、80〜90年代に活躍した盲目のギタリスト兼ボーカリスト。 椅子に腰掛けて膝の上にギターを乗っけながら凄まじいサウンドをブチかましておったな。 煌びやかなMTV大全盛時代においては極めて異色な存在であり、その強烈なパーソナリティだけでシーンを生き抜いたギタリストじゃった。
 ジョン・レノンが「生まれ出ずる悩み」を吐露したこの強烈なオリジナル・ブルース・フィーリングに、目の見えぬジェフの感性は完全にハマってしまったようで、イントロ前のカウントから全編オリジナルに忠実であるものの、そのサウンドオーラはレノン・ブルースの枠を飛び越えておる! 前述の「レボルーション」と双璧を成すほどわしのフェイバリットなレノン・ナンバーであるが、この曲に関してはカバーで合格点をあげられるのはジェフ・ヒーリーのみ!


♪8曲目〜アイ・ミー・マイン/エリオット・スミス


 そろそろ、ジョージ・ハリスンの曲も本編に入れんとな! この曲はジョージ作の人気ナンバー「ホワイル・マイ・ギター〜」にも似たジョージの泣き節が光る曲じゃが、オリジナルはフィル・スペクターのオーバー・プロデュース気味でちょっと喧し過ぎる!
 と感じたファンが多かったかどうかは知らんけど、90年代のオルタナティブ・ロック界のアンダーグラウンド・ヒーローじゃったヒートマイザーのエリオット・スミスのカバーはまるでわしの希望通りにやってくれたような(笑)素晴らしくブルージーなテイクになっておる! 恐らくジョージの原曲もこんな感じだったに違いない。
 エリオット・スミスはソロになってからステージで頻繁にビートルズのカバーをやっており、その他には「アイム・ソー・タイアード」も秀逸じゃ。 エリオットの活動領域は80年代のMTV大商業主義路線に反旗を翻すジャンルじゃったが、爆発的な人気に嫌気のさした60年代末期のジョン・レノンやジョージ・ハリスンの心境に相通じるものをエリオットは感じておったんじゃろう。 そんなアレンジじゃ。


♪9曲目〜アイブ・ガッタ・フィーリング/パール・ジャム

 これまたオルタナティブ・ロック畑の連中の名カバー。 オリジナルはポール・マッカートニーのパート、ジョン・レノンのパート、別曲とも思える二つのパートがナチュラルに融合するビートルズ・マジックのスゴさを聴かせる曲じゃが、さすがにそこまでの超絶的なセンスはこのカバーには無い。 反面、ビートルズがその活動末期に僅かにみせた70年代的ヘヴィーロックのセンスを忠実に抽出しながらモダンなガレージロック的にやってみせたセンスはピカイチじゃ。
 それにしても、ストーン・テンプル・パイロッツ、エリオット・スミス、そしてパール・ジャム。 90年代の薄汚さをフューチャーしたロッカーがビートルズをカバーすると、かくもクールなのか! 時代とともにピッカピカに磨かれていって、「人類愛音楽のシンボル」みたいにまつりあげられるビートルズの、こうした別の魅力をマスコミはもう少し取り上げてみてはどうかのお、と思うんじゃが・・・。


♪10曲目〜ヒア・ゼア・アンド・エブリホェア/エミリュー・ハリス

 
良い子のロックファンお待ちかねの(笑)至高のポール・マッカートニー・ナンバーじゃわい! オリジナルはビートルズが初めてサイケデリックに走った実験作『リヴォルバー』に収録。 才気走ったビートルズの先進性が横溢する中で、この曲は数少ないナチュラル・ビートルズ(ポール)を感じさせる名バラードじゃ。 「スタジオでギターいじくっていたら出来ちゃった」的な簡素なアレンジながらもスムーズで劇的な転調がポールの才能の素晴らしさを感じさせてくれる。
 カントリーシンガーのエミリュー嬢の、マッチの小さな炎で冬の暖炉に火をつけるような絶妙な歌いっぷりは絶品じゃ。 女性が女性の心で歌っても光り輝くのがポール・バラードの魅力じゃな。


♪11曲目〜ゲット・バック/ロッド・スチュワート

 ラストは、懐かしのロッド・スチュワートの名唱で! 1977年じゃったか、『第二次世界大戦』という娯楽映画があって、全編ビートルズのカバーが流れっぱなし。 ロッドやエルトン・ジョンら、当時を代表するビッグ・ミュージシャンがビートルズ・ナンバーを歌いまくっておったが、どれも大げさなアレンジが耳障りでな。 当時のわしのフィーリングでまともに聞けたのはコレだけ!
 このテイクに限っては、曲がブチまけ続けるバイブレーションや疾走感と少々やり過ぎなアレンジの迫力が一致して見事に原曲をスケールアップさせておった。 ロッドの声質はフェイセスのライブでも証明しておったが、意外とオーケストラなんかにもマッチするもんであり、歌いすぎず間をとり過ぎず!?でどんなアレンジもOK!な意外な魅力を聴かせるのじゃ! イントロのイギリス国歌「ゴッド・セイブ・ザ・クイーン」の挿入も実にクールじゃ!
 何だか途中からロッドの大ヒット曲「ホットレッグス」を彷彿とさせるノリになっていって、ロッドは完全に自分の歌にしてしまっておる! 当時はまだビートルズの演奏力を云々するロックファンも多く、ヤツラは「こっちの方が上手くてカッコいいじゃん」なんてヌカしておったけど、まあ出来栄えに関しては文句なし!   
 
 
 その他では「シーズ・ア・ウーマン/ジェフ・ベック」「アイム・ダウン、カム・トゥギャザー/エアロスミス」「ドライブ・マイ・カー/サンダー」「ひとりぼっちのあいつ/ドッケン」「アイ・フィール・ファイン/バッド・カンパニー」あたりが即座に思い浮かんだもんじゃが、コンサートの流れなんかも考慮して上記のセットリストと相成った!

 ビートルズは日本であまりにも人気があり過ぎて、こっちが求める、求めないに関わらず勝手にどっかから聞こえてくる場合が多いな(笑) わしも先日、リフレッシュのためにサウナに行ったら、店の入口のBGMで「オール・マイ・ラビング」がエンドレスで流れておったわい。 「サウナに来てまでビートルズかよ」ってちょっとウンザリしたもんじゃが、それは聴き過ぎ(聴かされ過ぎ)だからであり、こっちが曲の本質を見失っておることでもある。 だからこそ、たまには他者の優れたカバーでビートルズの魅力を再認識するのも悪くなかろう。 どうか楽しんで下され!!
 


七鉄の酔眼雑記 〜40周年記念イベントの思い出

 
 「ビートルズ来日50周年」のニュースで真っ先に連想したのは、10年前(2006年)の「40周年」の時。 この時はまだ原宿ラブテンの姉妹店「ゲットバック」(ビートルズ専門店)が存在しており、「40周年記念イベント」としてビートルズが来日した際にチェックインした東京・赤坂の「東急キャピトル・ホテル」(旧東京ヒルトン・ホテル)の最上階と実際に各メンバーが宿泊した部屋の公開が「ゲットバック」協力の元に催されたんじゃ。 わしは「ゲットバック」の一員として来場者の館内案内をしたり、記念パンフや記念商品カタログの制作なんかを仰せつかったもんじゃ。 同ホテルが半年後に閉鎖されることもあって、ホテル側にとっても最後のビッグ・イベントでもあったのじゃ。

 わしは未発表音源とか写真にはソッコーで飛びつくくせに、どうもミーハー意識が希薄というか、メモラビリアには無頓着なところがある。 贔屓のロッカーが実際に着た衣装や楽器には興味はあるが、泊まったホテルとか眠ったベッドとか座ったソファーなんかは何とも思わん(笑) だから東急ホテルの最上階に足を踏み入れた時も特に感慨はなかったもんじゃ。 その三ヶ月ほど前に数年間の海外生活を終えて帰国したばかりであり、「ゲットバック」からお仕事を頂けたことが有り難った、ただそれだけの気分じゃった。
 でもやっぱりわざわざビートルズ・ルームを訪れた方々は一様に興奮しておったな。 年長者の方はさすがに子供みたいにはしゃぐことはなかったが、「じ〜ん」と感慨に耽っておる方が多かったと記憶しておる。 わしの他の館内案内人や物販担当者なんかも「この場でこんな仕事が出来るなんて幸せ〜」って顔をしておった。 みんな、いちファンとしてまた一歩ビートルズに近づけた!って喜びを噛み締めておったんじゃろう。
 そんな彼らを目にしながら、わしは極めて冷静に感じた。 「この仕事、わしには相応しくない」と。 ビートルズ・ファンに夢の続きを見せて差し上げることが「ゲットバック」のスタッフの仕事なのに、わしはあくまでも仕事としてやっておるだけ。 ビートルズは大好きじゃけど、仕事自体に夢見心地、無我夢中になれんのじゃ。 多分、エルヴィスでもドアーズでも同じことじゃろうと悟った。 だからイベントが終わり、ほどなくしてわしは「ゲットバック」を辞めさせて頂いたのじゃ。

 あれから10年。 今度は海外放浪から戻ったら「50周年」という偶然。 もう「ゲットバック」も無いし、業界関係者とも疎遠になっとるから記念イベント関連の仕事の依頼なんざ来るはずもない。 今回は元業界人としてのささやかな仕事場じゃったが、 「40周年」ではほとんど楽しめなかっただけに、今回はThe-Kingに深く感謝するとともに、出来るだけ自分が楽しめる内容を書いてみた。
 本当は、ビートルズのブートレッグを再チェックしながら、好みの11曲の好みの未発表テイクなんかを披露するべきなのかもしれんが、それは恐らく飲み仲間としてお付き合いさせて頂いておる音楽評論家として名高いM氏あたりが大々的にやるじゃろうし、彼らにはその手の知識では到底敵わないので止めておいた(笑)
 それに、機会のある毎に書いてきたが、わしは色んなロッカーを聴き漁るタイプのロック・フリークであることを自認しておるので、今回は「優れたカバー集」というテーマに落ち着いた次第である。 諸君の中でもビートルズ・ファンがおって、たくさんのカバーを聞いておるならば、そういう方と意見、知識交換をすることが何よりも楽しみでな〜。 そんな機会が訪れることを本当に期待しております!


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