NANATETSU ROCK FIREBALL COLUMN Vol.215



■ジミ・ヘンドリックスを聞いてみる〜インスト編

 日本は「イタリアン・カラーシャツ」のシーズン到来じゃな! The-Kingのニュー・タイプのシャツ発表とともに、諸君のエンジンももう一回ターボに入るワケか。 四季の移ろいを感じられない地域におるわしにとっては誠に羨ましい〜わい!
 羨ましいのはもうひとつ。 来たる4月17日、ジミ・ヘンドリックスの本格的伝記映画「ジミ・ヘンドリックス/栄光への軌跡」が日本で封切りになるそうじゃな。 この映画は2015年ジミの没後45周年に合わせた企画じゃ。
 日本におらんわしとしても、とりあえず観たい! 旅を中断して一時帰国しようかと思ったが、その内に「観なくたって内容は大体想像出来る」気がしてきた。 大体エルヴィスにしろ、ジョン・レノンにしろ、ジム・モリソンにしろ、ロックの超天才の生涯をたかが2時間程度の映像作品に表現すること自体が無謀であり、50%も満足出来た記憶がない。 その「無謀」を確認するために高い飛行機代を払おうとは思わん。 どうせそのうちに、どっかのマイナーTubeで映画全編がアップされるじゃろう! なあ〜んて、わしもズル賢く(セコく)なってきたわい(笑) まあせめて、ジミ・ヘンドリックス初心者がジミに興味を持って音楽に触れてみようとする意欲を掻き立てられる内容であってほしいと期待しておる次第じゃ。しかし何とかならんのか、この邦題は! アスリートの記録映画じゃあるまいし、もうちっと脳みそ働かせろバカモノ!

 さて、諸君がもしこの映画を観てジミの音楽に初めて興味を持ったとしよう。 それでアルバム入手へ走った場合、大きな、実に大きな障害が待ち構えておる! 何を隠そう、かつてわし自身がその障害にジミ・ヘンドリックス探求の道を幾度となく阻まれたのじゃ。 知らないアーティストの歴史を自分の行動力だけで辿る場合は、
@オリジナル・アルバムを発売順に聞いていく Aとりあえずベストアルバムを聞いてみる Bネットやガイドブックの類で評判の良さそうなアルバムから聞いてみる。 大体このパターンじゃろう。
 じゃがわしの場合は、かつてこの3つのパターンのどれも、ジミ・ヘンドリックス探求の旅を邪魔して、意欲を萎えさせる結果になってしまったのじゃ! ある意味で、ジミ・ヘンドリックスというアーティスト最大の個性とは、この「世間一般的なお勉強の仕方」がまったく通用しないことなんじゃな。
 理由は「酔眼雑記」の方で述べるとして、そこで七鉄は考えた。 「絶対」は不可能としても、他にジミ・ヘンドリックスの音楽の魅力を紹介していく手段って無いものなのか?と。 まず第一弾としてのアイディアが、「ジミ・ヘンドリックスのインストゥルメンタル(歌無しテイク)から聞いてみよう!」じゃ。
 既に「アダルトなフィスティーズ志向のロッカー」となった諸君には、諸君のロック観があり、そこにジミ・ジミヘンドリックス・サウンドワールドをじっくりと浸透させていくには、これからスタートしていくしかないと思った次第じゃ。
 今後、不定期に連載していく予定じゃが、まずは第一回を読んでジミ・ヘンドリックスにチャンレジしてくれ!


ジミ・ヘンドリックス没後45周年に寄せて@
ジミヘンを聴いてみよう!
〜インストゥルメンタル10番勝負(+α)編


 では、わしがジミ・ヘンドリックス・サウンド攻略のもっとも初期段階の有効手段として提案した「インスト・ナンバー」をご紹介することにしよう。 曲順は、一応1枚のアルバムとして収録した場合を想定しております!
 ジミの声は聞こえないが、ギターだけでヴォーカル・ラインまで表現しておるナンバーばかりなんで、退屈することはないじゃろう! You Tubeの画像(映像)を貼り付けておくので、ギタリストとして独創的であり、多彩であり、歌心があり、そして奔放であり過ぎたジミ・ヘンドリックスを、どうか思う存分感じて欲しい!

♪tune-1 ボールド・アズ・ラブ
 
 いきなり「ザ・ジミヘン!」的なナンバーでいくと“ひきつけ”を起こす方もいるじゃろうから(笑)、まずミディアム・テンポのちょいライトなブルース・ナンバーから。
 エフェクターとかディストーションとか様々な音響加工を出したり引っ込めたりやたらと忙しい奏法じゃが、それがまるで色とりどりの絵の具で空間に絵を描いていくようでうっとりと聞き惚れてしまう! わしが「ジミヘンのインストばかりの編集をやってみよう」と思ったきっかけになった曲じゃ。
 オリジナル・テイクは歌入りでセカンド・アルバム『アクシス・ボールド・アズ・ラブ』に収録。 どこでどうやってキメたらいいか分からんうちに不自然に感情が縺れていく様にエンディングを迎えてしまう構成なんで、インスト・テイクの方が断然エエ!
●収録アルバム『ザ・ジミヘンドリックス・エクスペリエンス(4枚組ボックスセット)』 ▼You Tubeリンク


♪tune-2 ミッドナイト 
 パワフルなリフの上にサイケデリックなリードギターが咆哮する、ジミ十八番のスロー・ヘヴィ・ブルース。 高名な「ヘイ・ジョー」「パープル・ヘイズ」を一緒くたにして濾過された要素だけを抽出したような磨きぬかれたダークなトーンが圧巻じゃ。 一度完成したテイクをあえてギターインストで破壊しておるのか。 ジミの一種サディスティックな意欲も横溢しとる。 バンド「エクスペリエンス」のメンバー(ベース:ノエル・レディング、ドラムス:ミッチ・ミッチェル)による、バンド史上屈指のタイトなリズムワークによって、ジミのギターが徐々に絞り上げられていくような展開もスリル満点
●収録アルバム『サウス・サターン・デルタ』 ▼You Tubeリンク


♪tune-3 サンシャイン・オブ・ユア・ラブ
 そろそろテンポをチューンナップしよう! ご存知クリームのヒット曲のカバー。 クリームの解散が報じられている最中、くだらないTVショーに出演中のジミは、番組のプログラムを無視して「クリームに捧げる」とコメントしてからこのカバーナンバーを勝手に演奏したエピソードは有名じゃ。
 わしはクリームのオリジナル・テイクには全然魅力を感じなかったが、ジミが大胆なまでに改ざんしたこのテイクを聴いてシビレタ。 ボーカルパートはすべてジミのギターで限りなく雄弁に“歌われておる”! クリーム側からの正式なコメントは聞いたことは無かったが恐らく「やられた!」と兜を脱いだに違いない!
●収録アルバム『ヴァリーズ・オブ・ネプチューン』 ▼You Tubeリンク


♪tune-4 ビギニングス
 収録アルバム『ファースト・レイ・オブ・ザ・ニュー・ライジング・サン』はジミの幻の4枚目のスタジオ・アルバムであり、ソウル、ファンク、R&B、ロックのフリーキーな融合を目指していたとされておるが、この曲はさしずめそのシンボルであり、また縦横無尽だったジミのインプロビゼーション・スピリットが凝縮されておるようじゃ。 極めてライブ的でありながら、きっちりとスタジオ・テイク用に仕上がっておるのがスゴイ!
 『ファースト・レイ〜』収録曲のほとんどは未完成テイクじゃが、この曲は最終テイク(に近かった曲)じゃろう。 ジミの生前最後のセッション(1970年8月26日)で録音されておる。 もしこの曲の路線をジミが70年代に追求しておったら、ジェフ・ベックよりも先にとてつもない「ロック・インスト・アルバム」を完成させていたかもしれん。 諸君にもそんな予測の元にこの曲を聴いてみてもらいたい。 
 なお、『ライヴ・アット・ウッドストック』に「ジャム・バック・アット・ザ・ハウス」のタイトルでこの曲のライブテイクが収録されておる。
●収録アルバム『ファースト・レイ・オブ・ザ・ニュー・ライジング・サン』 ▼You Tubeリンク


♪tune-5 ペイル・ギャップ
 ここで曲調をチェンジ! 一転してサンタナの様なラテン・ロック風ナンバーじゃ。 サンタナなら情念込めて暑苦しく弾くようなメロディーを、ジミが実にあっけらかんとラフにやっとるスタイルが心地よい。 早朝の南国ビーチで、昨夜の情事の余韻に浸りながらギターを愛撫しておる感じ!? 超男性的なトーンが真骨頂じゃったジミにとっては異色のナンバーじゃ。 とは言っても、2分30秒あたりから展開されるリードギターは、ジミならではのトリッキーなフレーズであり、そこまでウットリ聞いていたシロウトちゃんなら「どうして、そうやって弾いちゃうのよ!」って憤慨するじゃろうな(笑)
●収録アルバム『サウス・サターン・デルタ』 ▼You Tubeリンク


♪tune-6 サード・ストーン・フロム・ザ・サン
 プロデュース・ミスとしか思えないファースト・アルバムの中では、唯一素晴らしいスタジオ・リミックスによって完成されたスペース・サウンド。 まるでヤードバーズみたいな純朴で惚けたリフ、宇宙人に扮した!?ジミの神妙な語り、飛行機雲のように空間に痕跡を残し続ける歪んだギター。 発表当時(1967年)流行り出したサイケデリックな擬似空間サウンドの遥か何百年も先を行くような美しいスピリチャル・ナンバーじゃ。
 なおこの曲のリフは、数年後に第二期ジェフ・ベック・グループを脱退したドラマー、コージー・パウエルの世にも珍しい“ドラム・インストナンバー”によるシングル曲「悪魔とダンス」にそっくり流用されておる。
●収録アルバム『アー・ユー・エクスペリエンスド』 ▼You Tubeリンク


♪tune-7 ジェリー292 
 豪快なワウワウ・ギターでスタートするテキサス・ブルース風味のジャム。 あらゆるギターテクノロジーを駆使していたジミは、こんな見え透いた使い方はしなかったが、それでもキマっておるからええわい!
 サイケデリックな泣きのギターが全編で炸裂しており、これを聞いたベテラン黒人ブルースマンたちは、眉をひそめながらもブルースの未来を感じたかもしれん! またジミの死後名声を得たジョニー・ウインターとかスティービー・レイ・ヴォーンなんかの白人ブルースマンたちにとっての大いなるフォーマットになった一曲なんじゃなかろうか?
●収録アルバム『ジミ・ブルース』 ▼You Tubeリンク


♪tune-8 ララバイ・フォー・ザ・サマー
 この曲は、後に「イージー・ライダー」のタイトルで、ボーカル入りのファンク的な完成間近のテイクを聞くことが出来るが(『ファースト・レイ・オブ・ザ・ニュー・ライジング・サン』収録)、こちらはリハ・テイクともいうべき、余計な装飾のない“ロック・バージョン”じゃ。 
 録音当時は、既にデビュー当時のバンドであるエクスペリエンスは解散しており、リズム・セクションを黒人二人にチェンジしたバンド・オブ・ジプシーによる演奏じゃが、ロックファンならエクスペリエンスの方の演奏でも聞いてみたかった爽快なテイクじゃ。 もっともエクスペリエンス時代のサイケデリックで豪放磊落なプレイから脱却を計ろうとしていた、ジミの音楽的分岐点で残された貴重なテイクではある。
●収録アルバム『ヴァリーズ・オブ・ネプチューン』 ▼You Tubeリンク


♪tune-9 タックス・フリー
 古色蒼然としたマーチとサイケデリック・ロックとブルースを繋ぎ合わせたミョーチクリンな演奏。 テンポ、曲調の変化に合わせてスイッチされていくエレクトリック・テクノロジーが、ちょっとジミらしくない整然としたアレンジ。 適度に盛り上がってはテーマのチェンジが繰り返され、「一体いつ、どんな風に爆発するのか?」と勝手にハラハラドキドキしてしまう。そんな聞き方もジミ・ナンバーの魅力のひとつ!? エクスペリエンス後期(69年頃)お気に入りのジャム・セッション用の曲だったらしいが、こんなファニーな曲が空前絶後の演奏の“ウォーミング・アップ”だったと思って聞いてくれ!   
●収録アルバム『サウス・サターン・デルタ』 ▼You Tubeリンク


♪tune-10 ヘイ・ベイビー(ニュー・ライジング・サン)
“日の出(ライジング・サン)”にも“日暮れ”にも聞こえる、雄大で情緒的なスローブルース。 2分25秒過ぎから約1分間、エンディングの前にも約1分間ナレーション的にジミの控えめなボーカルが入るが、全編を通して優しく諭されていくような物憂げなプレイじゃ。 名曲「リトル・ウイング」「エンジェル」を生み出したジミ独特の壮麗なブルースフィーリングがゆったりとたおやかに流れておる。
●収録アルバム『ファースト・レイ・オブ・ザ・ニュー・ライジング・サン』 ▼You Tubeリンク



●プラス・アルファ/
♪tune-11
  星条旗よ永遠なれ/パープル・ヘイズ/ウッドストック・インプロヴィゼイション/ヴィラノヴァ・ジャンクション

 ラストは、「ウッドストック・フェスティバル」における全人類を驚愕させた不滅の名演!激演!!爆演!!! 
 「パープル・ヘイズ」のパート(4分28秒)のみジミのヴォーカルが入るが、それも鬼神の如きギタープレイの効果音じゃ。 この15分半に及ぶ凄まじいインプロヴィゼイションは、何故ジミ・ヘンドリックスという男がこの世に生を受けたのか、何故音楽の神様がジミ・ヘンドリックスという人間を創り賜うたのか、その全てが表現され尽くされておる。 この超絶のプレイに難癖を付けられるようなヤツは、老若男女関係なく今すぐにロック・ファンを止めてしまえ!
 ジミ・ヘンドリックス・サウンドってのは、音楽がそこにあるのじゃ。 音楽自体が既に存在しておって、一ヶ所に集約され過ぎておる。 だから聴く者を感動させると同時に激しく狂わせる! 地球規模で炸裂するテーマの中で、人間本来の感情である喜怒哀楽が極限まで解き放たれておるのじゃ。 我々は知っておる。 そんな表現は到底不可能であるということを。 でもこの15分半のジミのプレイが奇跡を起こしておる! しかも信じ難い音楽的秩序を伴って。
 誰もジミの様には演ることは出来ない。 だからテンションを遥かに下げた位置で、ロックミュージックは進化と堕落とが同時に起こる奇妙キテレツなアートになっていったのじゃ。 
 尚、「星条旗よ永遠なれ」のパートは『ザ・ベスト・オブ〜』に、「ヴィラノヴァ・ジャンクション」のスタジオ・テイクは『ピープル・ヘル・アンド・エンジェルス』に収録されておる。
●収録アルバム『ライヴ・アット・ウッドストック』 
▼You Tubeリンク 星条旗よ永遠なれパープル・ヘイズウッドストック・インプロヴィゼイションヴィラノヴァ・ジャンクション


 ジミ・ヘンドリックスのメジャーシーンにおける活動は、デビュー・シングル「ヘイ・ジョー」が発表された1967年暮れから、絶命した1970年9月まで。 エルヴィスの50年代の活動よりも短いのじゃ。
 生前発表されたアルバムは、スタジオ盤3枚、ライブ盤1枚、シングルを集めたベスト盤1枚のみ。 しかし死後発表された「未発表曲/テイク」「未発表ライブ」によるアルバムはかる〜く50種類を超えてしまう。 内容的にダブリが激しいアルバムは多いが、驚くのは3年にも満たない活動期間の中で、これだけの未発表マテリアルが残されておったということじゃ。 寝とる時、飯を食っとる時以外は、常にスタジオかライブ会場で演奏していたかのようなすさまじい有様じゃ。

 ジミと同じく若くして亡くなったブライアン・ジョーンズ、ジャニス・ジョプリン、ジム・モリソン((全員享年27歳)と比較してみると、とにかくジミは格段のハイペースで音楽を産出し続けておったのじゃ。 この膨大な仕事量を考えると、もはや、ドラッグとか酒とか引き合いに出すのは愚の骨頂。 音楽を創造し、それをサウンドとして具現化しようとする超人的な意欲こそがジミ・ヘンドリックスというミュージシャンの実像だったのじゃ。
 その凄まじい仕事量の中から、今回は「インスト」ばかりをピックアップしたが、今後もジミヘン初心者が馴染みやすく、時には50sロックファンもスムーズに興味を持てるくくり方をしながら、エルヴィスと並ぶ超天才の遺産に少しづつ迫ってみたい。



七鉄の酔眼雑記 ジミ・ヘンドリックスに対する「一般的お勉強法の不毛」について

本編の冒頭で触れた、知らないアーティストに対する先述の一般的なお勉強の仕方が、ジミヘンには全然通用せんことについて具体的に付記しておくので参考にして頂きたい。

@オリジナル・アルバムを発売順に聞いていく →×
 〜デビューアルバム『アー・ユー・エクスペリエンスト』、セカンド『アクシス・ボールド・アズ・ラブ』の2枚を最初に聞くのはあまりオススメ出来ない。 デジタル・リマスター化されて現在では音質が上がったが、チャス・チャンドラーのプロデュースが前時代的な印象を否めないんじゃ。 ジミをメジャー・デビューさせたチャスの功績には深く敬意を表するが、彼はまだレコード・プロデューサーとしての経験が浅かったのかもしれん。 もっともチャスは、一刻も早くジミのスゴイ才能を世に出さねば!という強迫観念に駆り立てられていたのかもしれないが。
 恐らくチャスはジミのとてつもない才能のコントロールの仕方が分からず、革新的なギターサウンドの完成を追求するあまり、音響効果を演出しすぎてしまったのであろう。 その結果、不自然な空間の奥行きの中でズッコンバッコンなミックス状態じゃ。 確かにジミの斬新なギタープレイは随所に聞けるが、ギターと歌がテンデンバラバラな印象が強く、曲の本質、ギタートーンが殺されてしまっておる。 収録された各曲は、後に続々と発表された別テイクの方が優れた場合も多く、わしはこの2枚のアルバムは今ではデモテイク集扱いしておる。
 また『アー・ユー〜』、『アクシス〜』を我慢して聴いた後にサード・アルバム『エレクトリック・レディ・ランド』へ行くと、まったくジミ・ヘンドリックス像が見えなくなってしまう! 『エレクトリック〜』はジミのスピリチュアルワールドが展開されており、大衆性とは程遠いのじゃ。

Aとりあえずベストアルバムを聞いてみる →×
 〜ジミの残した楽曲は3分間ポップス的な名曲として括られるものはほとんどない。 時間的にも方法論的にも自由なゆとりがあってこそ真価を発揮するいわゆる「超曲」ばかり。 「ベスト・オブ〜」「スマッシュ・ヒッツ」というベスト盤はあるが、どちらもひどくツマラナイ! ジミの音楽性の百分の一も伝えてはおらん無駄な企画盤じゃ。
 すぐに「イエイ!」とかノリノリになったり、「このメロディたまらん!」とかうっとりする楽曲なんざ、ジミの音楽性には無用! 大空を飛び、大海を泳ぎ、宇宙へと飛び出したくなるような俗世を遥かに超越していくことこそ、ジミの求めた音楽性なのじゃ。 録音された時期、ジミの気分や感性が統一されていない楽曲が羅列されたアルバムを聞かされると、精神分裂を起こしそうになって感動にはほど遠い。

Bネットやガイドブックの類で評判の良さそうなアルバムから聞いてみる →△

 最近はアマゾンのレビューや個人ブログで素晴らしい評論文、感想文がアップされておるから、わしも結構参考にさせてもろうてはおる。 でも「素晴らしい」と思える文章を書いておるのは、ほとんどは本格的なジミ・マニアか、プロの音楽評論家じゃ(多分)。 ジミに関する豊富な知識の上に成立させた価値付が多いだけに、初心者にとってはあまりにも高次元。 最初はあんまり参考にせん方がいいかもしれん。



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