ROCK F
IREBALL COLUM by NANATETSU Vol.121

 ロバート・ジョンソンやマディ・ウォータース等、このところ古色蒼然としたテーマを続けておるので、久しぶりにキラキラ、ピカピカした事を書いてみるか! え? それはわしの頭だって? 黙らっしゃい! 歳を食ってはいても、今でもバッチリとリーゼントをキメられるぐらいのヘアは残っとるわい! カロヤンアポジカありがとう!ってわしにいちいち言わすなバカモノ!そんなコトはどうでもええ。
 とにもかくにも、その場をパッと明るくしてくれるのは女性、レディじゃ。 久しぶりにロックシーンを彩った女性陣について書いてみることにしよう。 今回はわしの個人的な“好み”は度外視してだな、ロックシーンがもっとも激しく燃え盛っていた60年代後半から70年代前半に数多くの話題を振りまいた「ロックスターの女・ビッグ3」をご紹介しよう。
 ビッグ・ロッカーには今も昔もとびっきり!の美女ってのは付き物じゃ。 エルヴィスのプリシラ然り、ジョージ・ハリスン&エリック・クラプトンのパティ・ボイド然り、ミック・ジャガーのジュリー・ホール然り。 彼女たちのゴージャスな美しさがロックスターのクールぶりを更にグレードアップさせておったことは言うまでもない。 そりゃもうわしだって、「これからわあ〜カレちゃまと一緒にロックン・ロールでえ〜す!」なんつうパープリンギャルよりも、叶姉妹のキョウコオネエサマの方が断然ええわい!?
 じゃが、これからご紹介するこの三人はだな、そのキョ―レツな個性ゆえに、時には主役のロッカーを圧倒するような存在感を放っておったので、評判は常に賛否両論。 もちろん、お目当てのロックスターがThe-Kingの新作サイドゴアシューズで足元をキメておったらソッコーで猛アタックをかけ、ホースシューリングのオネダリをするようなグレイトなセンスを持っていたであろう! まあ、あげまんか、さげまんか、その辺の真相はお相手のロックスター以外は知る由もない。 人の恋路にあれこれ言うつもりはないが、とりあえず事実とされとるエピソードを紹介するんで、こういう女がロッカーに必要なのかどうか、それは諸君の判断にお任せしよう!



果たして女神なのか、悪女なのか!? 
 60/70年代のロックシーンに咲いた☆ロックスターの女☆モーレツ3人衆


アニタ・パレンバーグ★ ストーンズに大変革をもたらした稀代の聖悪女! 
    

 まずは悪名高きこのご婦人から。 ローリング・ストーンズのブライアン、キース、そしてミックまでも手玉にとっていたとされる伝説の悪の華! まずはブライアンを魅了して「ロック界一のクールなカップル」と話題をさらい、時期にキースへ鞍替え! マリアンヌ・フェイスフルという美しい恋人がいたミックも、実はブライアンやキースが羨ましくて仕方なかったそうじゃ。
 アニタ(アニータではないぞ!)やマリアンヌがストーンズの世界に入り込んでマスコミを賑わせ始めたのは1966年あたりから。 これはストーンズの音楽性が、シカゴブルースのコピーから大きく昇華する第一次変革期とピタリと一致しており、彼らのビジュアル性も俄然垢ぬけ始めた頃じゃ。 ストーンズ関連のマニアックな書物を読むと、彼らに急激な変化をもたらしたのは、ヨーロッパのモダンなカルチャーセンスを身にまとったアニタやマリアンヌだったらしい。 特にトップ・モデル、映画女優としても活躍していたアニタの影響力はすさまじく、ストーンズの写真や映像の撮影、ライブ・パフォーマンス、曲作りにまで発言力をもっていたそうじゃ。 

 と、ここまでなら見事な「あげまん」なんじゃが、アニタは真逆の「ダメっぷり」も持ち合わせていたらしく、ブライアンやキースをクスリ漬けにした張本人なんだそうじゃ。 自らもジャンキーになり下がるほどのオクスリ大好き女であり、名バラード「ワイルド・ホーセス」はジャンキー・アニタへのキースが書いた鎮魂歌らしい。 またあまりのインテリ故に、得体のしれない宗教やら過激な政治思想やらをミックやキースの脳ミソに焼き付けるなどしてストーンズサウンドを一時期激しく混乱させたとも言われておる。
 正直なところ、ストーンズが70年代で終わっていたら、アニタはA級戦犯扱いされておったじゃろう。 70年末期のストーンズ、特にキースは破滅寸前じゃったからな。 しかしストーンズもキースも甦った。 彼らの不屈のロック魂に感謝せえよ、アニタ! さもなきゃ、アンタ一生ストーンズ・ファンに怨まれて成仏できんとこじゃ!!



★モニカ・ダンネマン★ ジミ・ヘンドリック最大の謎を抱えたまま逝った謎多き才媛!? 

 ジミ・ヘンドリックスの最後の女じゃ。 ジミの死の現場に居合わせた容疑者として、また彼女と知り合ってからのジミの仕事量が尋常ではなかったことから「過労死」を謀った一味として、その後長くマスコミに追いかけられたのがドイツ人女性のモニカじゃ。 生前のジミは女ったらし、ドラッグ・ジャンキーとされておったが、これらの噂を真っ向から否定することでも、モニカの証言は何かと話題になっておったな。 しかし死んだ恋人を守ろうとする純愛ぶりは美しいんじゃが、取り上げられ方がマズイのか、彼女の証言は「彼が愛していたのは私だけ」っつった自慢話、「殺人容疑」をはぐらかす偽証話としか読めんことも多かったのじゃ。
 元々モニカ嬢はドイツでは将来を嘱望されたスケート選手だったらしく、英語が達者なインテリでもあり、まさに文武両道の才媛。 しかも画家としての素晴らしい才能もあったんじゃな。 ジミを描いた数々の作品の出来栄えは見事! ジミが音楽で表現し切れなかった壮大な世界観を敢然と描き上げておる。 彼女の作品を見ていると、絵の中のジミが突然ギタープレイをスタートするんじゃないか、と思えるほどの迫真の技法であり、誰も立ち入ることのできない限りなく深い愛情で結ばれておった者しか描くことのできないと言える完成度じゃ。
 
 ジミの死から数年が経過してから、モニカは再び話題の女となったな。 「ジミ・ヘンドリックス絶対信望者」であるスコーピオンズのギタリストのウリ・ロートとデキてしまったのじゃ! 以来ウリはバンドをほったらかしてジミ的ギター道の追求に一直線となり、ロック・スターダムを拒絶したギター仙人に変貌! さらにモニカはジミ愛用のギターをウリにプレゼントし、ウリのファースト・ソロのジャケまで描くことになる。 これはモニカがジミの幻影から逃れられない、ということなのか?
 しかしモニカしか知らないジミの死の真相は依然として語られず、殺人幇助(ほうじょ)としての容疑は晴れぬまま。 またジミの熱狂的フリークからは「弟子みたいなんとくっつきおって、アンタそれで幸せなんか!」などと余計なお世話を食らっとったが、1996年モニカは突然自殺によって自らの命を絶ってしもうた。
 「殺してまでジミを独り占めしようとうした悪女」「ジミに霊的なインスピレーションを与えた音楽の女神」「死んだ師匠の代わりに弟子を育てた立派な女将さん」等など、ロック界におけるモニカの落差の激しい評判の数々は、ジミ・ヘンドリックスの音楽的功績と同様に永遠となったのじゃ。


★べべ・ビュエル★ “クイーン・オブ・グルーピー”と誤解されていた、リブ・テイラーのママ


 ストーンズ連中が愛したアニタ・パレンバーグやマリアンヌ・フェイスフルが脚光を浴びたことで、ロッカー達の女の好みが変わっていったのは確かじゃ。 知性と教養を兼ね備えた(時には毒も持った!)個性ある“いい女”をパートナーに選ぶようになったもんじゃ。
 ところがじゃ。 70年代に入ってから登場したこのベベという美女のお陰で、ビッグ・ロッカーの評判は地に落ちた!? アメリカのプレイボーイ誌のプレイメイトちゃんじゃったベベは、 どう見ても「うっふんあっはん!」の古典的なウープーガール(超セクシーボディだがおつむの弱いノーテンキパー子!)じゃ。 そんでもって、トッド・ラングレン、ロッド・スチュワート、エルヴィス・コステロ、ミック・ジャガー、スティーブン・タイラーと、ビッグ・ロッカーたちと絶え間なく浮き名を流しまくったのじゃ。
 ロッカーたちの夜のお相手をするために彼らを追いかけまわす性悪女たちは当時「グルーピー」と呼ばれており、ベベはゲットした獲物が大物ばっかりだったので「グルーピーの女王」と揶揄されておったな。 70年代の日本のロック雑誌にも、超カゲキなファッションでロッカーに迫るベベのショットがよく掲載されておった。 わしはその下品なグラビアを見て「なんつうゲスな女なんじゃ」と勝手に思うとったよ。
 さて、70年代も後半に入るとわしも少々英語の音楽誌が読めるようになったが、そしたら現地で報道されとるベベの実像は決して「グルーピー」ではないことを知ることになったんじゃ。 どうやらロックスターとの関係にやたらと熱くなるタイプのようで、結果はいつも捨てられておるようなのじゃ。 しかしベベと関係したロッカーってのは、その時期の作品を格段にグレードアップさせておるという評価を受けとるんじゃな。 これは「グルーピー」ではなくて、立派なあげまんではないか! 一人のロックスターに捨てられても、その魅力ゆえに次のお方がすぐに現われるから激しく誤解されるようなんじゃな。

 時は流れて21世紀、わしは久しぶりベベの名前を聞いた。 なんと、ハリウッド女優のリブ・テイラーのママだったのじゃ! パパはエアロスミスのスティーブン・タイラー! 娘の七光で思わぬ注目を浴びたベベは、音楽雑誌で女性ロック・ファンの相談コーナーなどを担当するようになり、これがまた説得力ある自論を展開して大好評! お年を召してからの立派なお姿は、ロック界の恋愛犠牲者ゆえに会得出来た真理がもたらした業なのか?

 
 ん〜諸君のお好みは誰かいのお〜♪ ちなみにわしはなあって、そうではのうて・・・、もう雲の上のレディばかりで改めて取り上げてみるとため息しかでんわい。 興味深いのは、彼女たちに対する発言が、お相手のロックスターからはほとんど無かったことじゃ。 まあ暴露本なんて書くのはほとんどは女性側だし、男ってのは自分の色恋沙汰を対象化出来るセンスは薄いんじゃろうな〜。 
 まあThe-Kingファッションでキメまくっとる諸君も、さぞや“いい女”が寄ってきておることじゃろうが、キ・ヲ・ツ・ケ・テ・ナ! 赤いバラにはトゲがある!! 何?もうトゲが刺さって毒が回ってしまったって? ならばThe-Kingファッションをもって征すじゃ! 更にThe-Kingファッションを徹底して、オンナを骨抜き、毒抜きにしてまえ〜♪ 健闘を祈る! 
 
 


七鉄の酔眼雑記 〜旅の途中で3000ポンドゲットじゃとぉ!?

 先日ヨーロッパを放浪中の友人からメールが届いてな。 旅の達人であるこのわしがびっくらこくような内容が書かれておった。 つい1ヶ月ほど前には「そろそろ資金が底を尽きそうだから泣く泣く帰国します」ってメールをよこしてきたっつうのに、今度は「旅の資金3000ポンドをゲットしました」じゃ! 3000ポンドって約40万円じゃぞ。 んで、その資金の出所が何と「ロンドンでの治験アルバイト」だったそうじゃ。 治験って、平たく言えば新しい薬の開発のための「人体実験」じゃろう? 日本でも「高額アルバイト」として密かに注目されとるが、まさか海外に出てまでそれをやるなんて、何たるバイタリティ! 何たるチャッカリもの!! 旅人のスタイルも変わったもんじゃ〜。
 長期間の放浪ってのは、金は出て行くばっかりなんで、どうやって支出を減らすかをみんな腐心するもんじゃ。 わしはそういう考え方自体が苦手なんで、どうやって資金を作るか、という風に考えておったこともある。 だから出来るだけ現地の者と仲良くなってだな、日本語教師、簡単な肉体労働、お掃除なんかをやって日銭や食事にありついていたこともあった。 現地人同士の結婚式のカメラマンをかって出たこともあったのお。
 わしの旅仲間の中には、カフェで得意のバイオリン演奏をしたり、ストリートで似顔絵描きをやったり、特技を武器にして日銭を稼ぎながら各国を渡り歩く者も多かった。 中には失業保険をもらうために月に一度必ず帰国するなんてフテ―野郎もいたもんじゃ。 しかし今回は「海外治験アルバイト」と大きく出たもんじゃ。
 旅の最中に3000ポンド/40万円の報酬なんて、わしには到底及びもつかなかったんで、「こりゃ〜これからは旅の夢が広がるかもしれん!」って都合よく考えたわしは、その友人にソッコーで「わしにも出来るかのお?」と問い合わせてみた。 そしたらあっさり!すげない返信がきおった。 「七鉄さんは無理ですよ。 酒で肝臓イカレテいるでしょ? 最初に健康診断があって、健康体の人しか治験は受けられないですから」と。 「ほぉそうかい・・・あほんだら!」っとその晩は久しぶりに酒量がアップしたのは言うまでもない! しかし若き諸君よ、健康であれば今の時代はいろんな稼げる可能性があるんじゃのう! 飲み過ぎに注意せえよ!!


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