ROCK FIREBALL COLUM by NANATETSU Vol.18

 新年明けましておめでとう、諸君!
 どうじゃ、昨年末のわしの提案を実行した諸君はさぞお正月のご利益があったことじゃろう。 そう、新年はナッソーでキメる(もしくは心の中でナッソーを羽織る)って進言じゃ。 きっと天国のキングからありがた〜い「お告げ」が届いたことじゃろう。 「不況だ」「価格破壊だ」「企業利益無還元時代だ」なんつう巷の報道なんざロッカーたる者に関係なしじゃ! 諸君にはキング・エルヴィス、そしてこの七鉄先生がついておる!2007年度第一弾は、言うなればわしからの愛すべき諸君への「お告げ」であ〜る! 心して読むように!!

 

七鉄流・謹賀新年
キープ・オン・ロックン・ロール・アゲイン!

 
 
 ま
ずは諸君へのお年玉代わりとして、わしが撮った初日の出の写真をご覧にいれよう。 何の変哲もない日の出の写真かもしれんが、七鉄先生の書斎から見えた初日の出じゃぞっ! クロスファイヤーの朝日の閃光がダイヤのごとく美しいじゃろうっ。 こいつを拝めばさらにご利益があるってもんじゃ〜。
 さて、「初日の出→初風呂→おとそ&おせち→初詣」つう日本のお正月のゴールデンコースを律儀にこなしたわしは、その後友人の案内で、にっぽんの誇る某大作曲家の記念館に詣でてきた。 どうじゃ、わしらしい情緒豊かなお正月じゃろうと胸を張りたいところじゃが、実はわし、ちょっとがっかりしてしもうてな。

 その某大作曲家の知名度や日本の文化史における貢献度に反して、その記念館のスケールがあまりにも小さく、展示品や展示案内も貧弱に思えたんじゃな。 その記念館は一ファンの資産とコレクションが元手となった個人経営施設なんじゃが、博物館や記念館の類でも“大国”であるアメリカのそれを体感済みのわしには、どうにも物足りなかったんじゃ。 なにもデカくて、レアなアイテムがありゃいいってもんでもないが、なにやら年明けから我がにっぽんの重要な改善点に出くわしたって感じじゃ。 ようし、望むところじゃ。 七鉄の「2007年度世直し論」第一発といくか!


 振り返ってみれば、昨年「ロック生誕50周年」って一部で騒がれたものの、この日本において後世に残るような催しや記念アイテムや書籍の発表もなかったのお。 みんな漠然と歴史を一望するものに過ぎんかった。 もっとハッキリ言わせてもらえれば、プロデュースした企業や営利団体の「ビジネス理念」が先走ったものが多かったようじゃ。 言い換えれば、ロックが好きで伝えたくて残していきたい!っつう本来あるべきポリシーみたいなもんが全然感じられなかったということじゃ。 それは現代の文化を残していくという意識、使命感が日本の社会の中で決定的に希薄だからじゃ。 ましてやロックのような舶来文化に対してはまったく無頓着な場
合が多いようじゃ。
 
 そういやあわしは昨年、東京都台東区・蔵前、荒川区・南千住に長期逗留したんじゃが、蔵前には旧国技館が、南千住には東京スタジアムつうプロ野球ロッテの超近代的なスタジアムが、かつては“でで〜ん”と聳え立っていたもんじゃ。 しかしどちらの跡地にも、この日本スポーツ史を飾る大施設が存在していたという案内のひとつもないんじゃな。 これが現代文化に対する日本社会の意識の低さを代表しとるようじゃ。

 
 文化を創る、楽しむってことは、そいつを後世に残すという関り方をしてこそ、はじめて意義のあることになるんじゃよ。 文化の代表的な断片をいくつも真空パックし、然るべき方法でより多くの世代に向けて披露していかねばならん。
 こと現代の文化においては、日本人は好きなモンだけで集まって、お互いの知識や持ち物を見せ合いっこするのはお盛んだが、そのレベルでオシマイじゃ。 またそうした機会をサポートする太っ腹の企業、団体も非常に少ない。 先述した某記念館も、個人の力で開館したその姿勢には敬意を表するものの、一個人が実質的に単独で頑張っておるから「貧弱」に思えるのじゃ。
 
 どうして日本ってこうなんじゃろうか。 骨董品や美術品など既に価値が保障されているものしか煌びやかな箱が用意されないんじゃな。 やっぱり現代文化を保存し、後世に伝えていくために本来大活躍しなければならない大人たちに元気がないからじゃろうか。 
 誰だって大人になりゃ、自分を蘇生させたくても「時間がない」「場所がない」「小遣いがない」の三無状態じゃ。 長らく「日本は大人の文化が育たない」と言われ続けるのも無理はない。 だからストレス解消のためのピンクのネオン街ばかりが異常に繁盛するんじゃって、それはオマエのようなヤツが多いからだって? わしはどこにいても「ロング・リブ・ロックン・ロール」(ロック万歳)と大シャウトしておるぞ!



蔵前国技館
 (1954年開館、1985年閉館)



東京スタジアム
 (1962年開場、1972年閉鎖)


 ロックという音楽文化を青春の1ページに終わらせることなく、ロックを日本の中で真に根付かせ、それを後世に伝える術(すべ)はないのか?
 それは、わしを始めとして諸君全員がこれからも

キープ・オン・ロックンロールするしかないのであ〜る!

 更にだ。 いつまでもロック・スピリッツを忘れない頼もしい輩が一致団結して、「ロック文化を後世に伝える土壌づくり」をしよう!とのろしをあげるんじゃ。 そこからロックが真に日本で市民権を得る時代がようやく始まるってもんじゃ。 まずロッカーたちがそうした意識を強くもとうではないか! 自分と愛する仲間のためだけではなく、後世のためにもじゃ。 
 肝心なのは、営利団体がなんかおっぱじめて、ロッカーたちがそこに集まるという従来の日本のパターンじゃだめなんじゃ。 あくまでもロッカーたちが先にのろしを上げるんじゃ! (わしは自分では毎晩飲んでのろしを上げとるつもりなんじゃが、声がデカすぎるのか、相手と場所を間違っとるのか、オチはいつも「お客様、周りの皆様の迷惑になりますので、じゃ。トホホ・・・)

 でも一個人の資産や収集力のレベルが格段に違うアメリカ人のレベルを最初から目指すことはないぞ。 スポーツの戦術のように、日本人はチームプレーが持ち味じゃ。 ひとつの御旗の元に集まった同士たちのコラボレーションじゃよ。
 しっかしこの道は先が長いぞおー。 土壌づくりなんてもんは、そんな短期間で出来るもんじゃない。 諸君はいわば日本のロック文化の礎を築く者たちであり、諸君がしっかりせんとこの先何十年経ってもロックは日本社会に根付かんのじゃ。 恐らく暁(あかつき=はっきりとした成果)は見ることはできんだろう。 じゃが礎ができれば、後は後世の優秀なモンにまかせておけ! 諸君にありがたい「お告げ」を下さったキング・エルヴィスだって 生前と変わらず現代まで聞き継がれているからこそ、単なるロック・スターではなく「偉大なるロックン・ロール文化の創造者」となったんじゃ。 まさに継続は偉大なる力成り、じゃ。

 ロッカーを自認する諸君、日本のロック文化形成史における諸君の任務は重要じゃぞ。 暁は見れずとも礎に徹す、これぞ男の中の男の生き様じゃ! 疲れて凹みそうになったら、ロックミュージックの真髄を思い出すんじゃ。 ロックとは常に時代に挑戦し、既成概念をブチ壊しながらも時代とともに進化してきた人類史上唯一無比のスバラシイ〜文化なんじゃ。 それを愛していることにプライドを持って2007年へ漕ぎ出そう!
  
オッホン、ではボチボチ、ジョニーキャロル先生ばりのボックスプリーツNassau suitをかましてネオンを目指すとするかのお!




 七鉄・雑記編   

 いやあ〜今年の正月もよう飲んだ!って相も変らぬ新年のスタートじゃったが、諸君のお正月はどうじゃったかのお〜? ちゃんとキングからの「お告げ」は届いたのかの?
 わし?当然のごとく最高の「お告げ」があった! まあこういうことは己の胸に秘めておくもんじゃが、ええいっ特別に披露してしまおう。
「七鉄殿、貴殿においては、2007年は原点に戻るべし!」 
じゃった。(ついでにその後はオミクジの「大吉」三連発じゃっ!)
 わしの原点とはなにはともあれ酒ではないか! さすがキング! これで今年も心置きなく飲めるってもんじゃ〜と何事も自分に都合よく解釈しておこう!!

 「“お告げ、お告げ”って、そんなもんいつ聞こえんの?」っていう現実主義者の読者に告ぐ。 それは初詣の願掛けの拍手を打った瞬間に聞こえる(ような気がする)、いわば天の声じゃ。 それを体感できる感性もまた、ロッカーとしての必要条件ってもんじゃ。 なあ〜に、今年聞こえんかったんなら、来年の初詣の際に聞こえるよう感性を磨けばええってもんじゃ。 感性の擦り切れそうな老いぼれ寸前のわしにだって聞こえるんじゃ。 “ロック血気”盛んな諸君に聞こえんわけがない。 本年も自信をもって突っ走ってくれたまえ。
 そして突っ走ることにチョイト疲れた時は、このコーナーに立ち寄ってほしいぞ! 実はそんな思いもあってわしはこのコーナーをTHE-KINGから頂いておるのじゃ。 とは言っても、諸君を癒すことよりも焚きつける(?!)ことの方が好きなわしじゃが、今年も何卒よろしゅう〜!
(2007.1.8/キング・エルヴィス72回目の誕生日にて〜超ガンコ・七鉄より)


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