ROCK FIREBALL COLUM by NANATETSU Vol.23

 ぅむっ! 今回のわしのコーナーのエンター・アイコンはいつにも増してええフンイキじゃのお〜。 シガーから立ち昇るスモーク・・・う〜ん、優雅じゃ。 ジェントルなわしにピッタリじゃ。 実は先日、わしは在日欧米人の友人とブリティッシュ・パブっつうシャレた店で久しぶりに本場の黒ビールをジェントルに飲んどった。 その彼が深夜放送が流れる店のテレビを眺めながら、流暢な日本語でしみじみと言いおった。 にっぽんほど、多種多彩なテレビCMを作り出す能力に長けたている国はないと。 にっぽんは世界一のCM王国であり、世界のCM制作担当者は常ににっぽんのCMをチェックしているそうじゃ。
 友人があまりにもしみじみと感心した口調で語るもんで、わしはふと考えてしもうた。 今まででもっとも印象深かったCMは何じゃったろう、と。 そんなトコから今回は珍しくしみじみと(?!)いってみたい。 たまには毒気も、お色気もない(そんなモンないか!?)静かなスタートもよいではないか! まあおとなしくしているのは、ノースクロール画面の部分だけじゃ!(笑) 


ロッカーたるものは“違いの分かる男”であれ!
お手軽、お買い得の“からくりサービス”はロッカーには無用!の巻


 庶民のお茶の間にテレビが普及したのは、今から40数年前だったと記憶しておる。 その当時のCMってのは、映像編集の技術レベルがつたなかった分、ナレーションによる必殺のワンフレーズで勝負するスゴミってもんがあったのお。 当然ながらそれは活字化され、コピーライトとしての効果も大じゃった。

「あったり前田のクラッカー」
「男は黙ってサッポロビール」
「クリープを入れないコーヒーなんて・・・」
「飲んでますか!」(アリナミン)
「カステラ一番、電話は二番、三時のオヤツは文明堂」

とまあ、歳食っても忘れられない名フレーズが数多くあったな。 その中でわしのもっともお気に入りだったのは

「違いの分かる男のコーヒー」(ネスカフェ)

ってヤツじゃった。 自社製品に対する自信と他社製品との差別化を嫌味なく優雅に表現した永遠の名コピーじゃな。  “ダバダァ〜”っつうBGMも印象深かったし、いまだに同じパターンを繰り返す驚異の長寿CMじゃ。
 “違いの分かる”ってのは、平たく言えば、ホンモノとニセモノを見極めることができて、常にホンモノをたしなむってことじゃ。 ところでこのフレーズじゃが、世に出た1970年よりも、現代にこそ“ずしり”と重くのしかかってくる重要なメッセージではないじゃろうか。 そしてロッカーにこそ、しっかりと身につけてもらいたいスピリッツじゃ。
 
(ちなみに調べてみたところ、現在まで36年間も続いている“違いの分かる男”のCMのイメージキャラに起用された有名人はのべ40人。 しかしその中にロッカーは一人もいなかった! これはユユシキ事態じゃ!)


 なあ〜に、「違いが分かるロッカー」っつっても、普段気楽にたしなんでいる嗜好品の「違いが分かる」ことからしっかりやっていこうというやさし〜いレベルのオハナシじゃよ。
 嗜好品といえばまずは「酒」じゃが、ボトルのサイズがデカくなっても値段があまり変わらんものを時々見かけるのお。 次に「タバコ」。 丈夫なハードケース入りになってもソフトパックと値段が変わらんものがある。 また「コーヒー」や」紅茶」においては、お買い得大入りパックなんてのは、年がら年中あるのお。 これらすべては、オリジナル・パッケージの品物よりもクオリティ(味)が下がっていることに、諸君はお気づきか? 案外分かっとらん味音痴のタワケモンが結構おるんじゃな、これが。 
 パッケージ(器)のサイズが大きくなったり質が向上すりゃ経費が上がり、生産者側の立場としてはその分中身をコストダウンせにゃならん。 当然中身に異物を混ぜて“水増し”するのが世の常じゃ。 
 そんなお買い得品を「やったあ〜、得した得した!」って喜んで、こーいう単純なカラクリに騙されとったら、
将来スケールの大きいアイテムのホンモノとニセモノを瞬時のフィーリングで見極めることもできんぞ。 そいつがデキるってのが「違いの分かる男」、そして真のロッカーの必須条件ってもんじゃあないか、とわしは思うとる。 
 ソーいえば、70年代中期ぐらいまでのレコード盤は、イギリス盤とアメリカ盤とは音質の差があった。 明らかにアメリカ盤の方が音質が劣とった。 当時のわしの仲間連中で、この違いを分かっとった数少ないヤツってのはロック愛好者じゃったぞ。 やっぱりロック系のヤツってのは、必死になって音楽にかじりついとったってことじゃな。 気合が入っとったんじゃよ! もともとロック愛好者ってのは、データ解析力や情報収集力なんかよりも、まず“耳がいい”、「音の違いの分かる男」だったんじゃよ、諸君。

 後になって知ったことじゃが、この音質の違いには列記とした原因があったんじゃ。 レコードを再生産する際、売れなくて回収されたレコードを工場で大量に溶解するんじゃが、イギリスではレーベル部分をくり抜いて残った部分のみ溶解するが、アメリカはレコード1枚まるごと溶解器にブチ込んでおったそうじゃ。 つまりアメリカ盤にはレーベルの紙が混じっているから塩化ビニールの純度が低く、それが音質に影響していたんじゃ。



 最近では、あらゆる製品ジャンルにおいて巧妙な模造品が出回っており、オリジネーター大受難の時代じゃ。 またどんなスグレ物でも1〜2年も経てば、ネットオークションであっさりと安価で転売される時代となった。 これは価格破壊どころか、物の価値破壊じゃ。 適正価格なんてコトバはいずこへ・・・。 
 大量生産品もこだわりの一品モノも同列に置かれての、十把一絡げ(じっぱひとからげ)時代 こんな時代には「違いの分かる男」よりも、「違いを気にしないナンチャッテ男」の方がもてはやされることじゃろう。 

 しかし諸君はロッカーじゃ。 ロックほどホンモノとニセモノとの区別がはっきりしている音楽ジャンルはなく、そんなロックを愛する者なら、ホンモノがホンモノとして扱われにくい時代の中で、ぬくぬく、ヘラヘラしておれんはずじゃ。 時代に異議を申す!には絶好の機会じゃぞ。 それができんような輩は、THE-KINGのホースシューリングをつける資格はな〜い!
 そうなんじゃ。THE-KINGのエネルギッシュに新作発表を続ける屈強の姿勢は、ある意味で流行へのアンチテーゼ(理由ありき反抗)、ホンモノ志向への意志表示でもあるのじゃ。 
 諸君もまた、エルヴィスが強烈なロックで甘ったるいポップス一色のシーンをぶっ飛ばしたように、ロッカーの感性、スピリッツをもって時代に殴りこみをかけよう!

 なんつってモードが突然プッツンしたが、なあ〜にまずはテイクイットイージー(気楽にいこう)じゃ。 時代の壁はそんな簡単に崩せるもんじゃない。 まず酒、タバコ、コーヒーなんかの「違い」の確認からじゃ。 好きなもの、それも口にするもんじゃから、トレーニングも楽しいはずじゃ。 レコード派諸君は、イギリス盤とアメリカ盤を聞き比べをしてみたまえ。 そんな些細な「違い」さえも正確に捉えることのできる感性にこそ、ロックという音楽は実に似合うもんなんじゃ。
 ナイーブでセンシティブで、それでいてエネルギッシュ。 それがロックという音楽、ならびにそれを愛するファンの本質ってもんじゃ。

 ではこのところ恒例のラストを飾る「諺(ことわざ)、名言」をかまして今回もオシマイじゃ。

「神なき天才は悪魔でしかない」

 これをモノづくりに例えれば、精巧なニセモノはユーザーを幸福にすることはできない、ということじゃ。 また精巧なニセモノを手に入れたとしても、真の満足感、幸福の到来はないということでもあるが、THE-KINGの新作発表チェックをコマメに行っているホンモノ志向の諸君は心配ないかっ! まあ老婆心ながら(オイボレの余計な心配)ってことで、さらばじゃ。 うっ、だ、誰じゃ、わしの酒を勝手に水増ししたヤツはっ! わしを酒で騙そうなんて20年早いぞ!! 
 




七鉄の酔眼雑記
   

 「七鉄と言えば酒」と公言してはばからないわしじゃが、実は相当のチェーン・スモーカー(へヴィ・スモーカー)でもあることを、この際だから白状しておこう。 銘柄は長らくCAMELじゃったが、2〜3年前からソフトパックが日本で入手困難になり、仕方なくMARLBOROにチェンジしておった。 ハードケースものは全然味が違うんじゃよ。 さてそのCAMELにメンソール・バージョンが新発売になり、しかも現在オツなオマケが付いているので久しぶりにCAMELのスモークがマイルームに充満しとるんじゃ。
 このオマケってのが実にええ。 簡易ライターやマッチのデザインは何種類も用意されており、形態も様々じゃ。 ステッカーも剥がしてみると、その台紙にはダジャレや迷路がプリントされてあって、なんだか楽しくて仕方ない! 喫煙者の肩身が狭くなるばかりの昨今だけに、この“遊び心いっぱい”のサービス精神は愛煙家としては実に嬉しいもんじゃ。 しかもパッケージに記載された指定のマークを15個集めて応募すると、特製ZIPPOライター15個セットが抽選で当たるんじゃ。 わしはまとめ買いして早速応募してしもうたっ!

 “いい歳こいてなにをやってんだオメーは”と笑ってはいかんぞ。 酒、タバコ、コーヒーといった嗜好品の販売促進アイテムには、愛用者の心の痒いところに手が届くゼツミョーのアイディアがあるんじゃ。 それは子供の頃に世話になったガムやキャラメルのオマケに共通したサムシングじゃな。 決して高級品じゃないが、捨てるに捨てられん、ずっと持っていたらなんかいいことがありそうな、そんな気にさせてくれるサムシングじゃ。 これは何故だか知らんが、他の商品ジャンルには決して感じられない嗜好品のオマケだけの特性なんじゃな。

 最近の嗜好品全体への風当たりの強さは、時には異常に感じる時がある。 嗜好品が絶滅の危機にさらされているんじゃないかと心配してしまうほどじゃ。 嗜好品が絶滅したら、販促アイテムのあのゼツミョーのアイディアも死滅してしまう。 大人の余暇を彩る必需品や小道具がなくなってしもうたら、この世は闇じゃあ〜! そんなことは絶対わしが許さんぞおー!! というわけで今日も酒を飲み、タバコをふかし続ける七鉄であった。



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