8鉄風 ROCK COLUM by 8TETSU Vol.151



 うーん、マンダム - ジェリー・ウォレス「男の世界」


https://www.youtube.com/watch?v=u7Vjktlj4oI
こんにちは。チャールズ・ブロンソンです。
子供のころ、「あ、あごになんかついているよ。」「え?」と友達があごを触ったとたん、「うーん、マンダム」という遊びが日本全国津々浦々で流行りました。
ウソだろ!また始まったよ、このうそつきハゲが!とか言わないの。そこのおねいさん。ホントだってば。
しかし、昭和ですなあ。時は1970年(昭和45年)。当時の丹頂(化粧品メーカー)がハリウッド俳優を起用するという大変な冒険をして撮ったCMは大当たり。白馬に乗ったチャールズ・ブロンソンが荒野を駆け、水を頭から浴び、顎を撫でて「う~ん、マンダム」──。昨年90周年を迎えたマンダム社の、1970年代に一世を風靡したCMとなりました。
「周りからは『ハリウッド俳優なんて使えるわけがない』と呆れられましたが、ビートルズの来日を実現させたプロモーターの永島達司さんを通してオファーを送ると、『ブロンソン映画の宣伝に好都合』と破格に安い出演料3万ドル(約1000万円)で承諾してくれたのです」西谷尚雄氏(当時大阪電通)
「西部劇の聖地として知られるモニュメントバレーでの撮影を提案すると、『僕にも憧れの場所だが、家族も一緒で良い?』と。結婚したばかりのジル・アイアランドと前妻の子どもたちを呼んで、総勢20人のロケに(笑い)。強面なイメージですが、愛妻家で家族思いなんですよ」(大林宣彦監督)
なーんていうエピソードもあるそうです。


さて、そんなブロンソンCMに感化されまくった当時のガキどももすっかり還暦近くなりましたが、化粧品ブランドマンダムのシリーズッケージもそもまま、健在でございます。もうひとつわたしが感化されたのは、このCMソング「男の世界」。ジェリー・ウォレスが歌ったこの曲は、200万枚の大ヒットとなりましたが、実は日本だけのヒットで、実際は正統派ナッシュビル・カントリー歌手であるウォレスのディスコグラフィには出てきません。ほとんど知られていませんが、ウォレスは1958年にデビューしたときはロカビリー歌手でありました。”HOW THE TIME FLIES”

を聴いてみればすぐにわかります。その後を追って59年に出た”Primrose Lane”はチャート8位となり、彼の最大のヒットになりました。

https://www.youtube.com/watch?v=Y-BeWqAA5rM
結局、1960年から1980年にかけてカントリーミュージックのチャートで35曲をランクインさせており、正統派カントリーシンガーとして、大活躍した人気歌手でありました。
しかし、本国でも”Lovers of the world”のタイトルでリリースされたもののヒットしなかった「男の世界」は実際はウォレスの最も売れたレコードとなりました。
「あごに何かついてるよ。」と言い合っていたガキのころ聴いて好きだった音楽というのは、忘れがたいもので、今でも、わたしが最初に親父にねだって買ってってもらったシングル、「男の世界」はまだ我が家にあり、聴くと今でも血がたぎるというか熱狂がよみがえるというか、そういう感覚がとれません。カントリー好きはガキのころからなんだなあ、と改めて納得するのでした。


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